家主不在型の民泊で火災!住民の危機感と行政の認識に大きな乖離!(2018年2月6日/文化環境委・文化市民局・くらた共子議員の質疑メモ)

◆くらた議員/1月20日、夜10時頃、管理者不在型の簡易宿所「つねよし庵」において火災が発生。北隣の住民の懸命な対処によって大きくならず、類焼・延焼を免れ、韓国人の学生・高校生3人の宿泊者も無事救助された。あらためて恐れていた事件が起こったと思っている。家主が不在。「ハウスルール」「4か国語表示」と言われても、実際はこういうことが起こらないような手立てが完全に不十分だった。たとえそれを徹底したとしても、いざという時、管理責任者や所有者・オーナー、関係者は人命に対する責任が取れないことが証明された。これは京都市が許可した施設。違法ではない。しかし、許可後、日日の管理がどうなっているか、京都市行政が責任を持って見届けることができているのか。あらためて「住民の安全をどう守るか」という視点で、文化市民局としてこの事案をどう受け止めているか。何が必要と考えているか。

(→山村・地域コミュニティ活性化・北部山間振興部長)火災については、おっしゃられたように近隣の方がお気づきになって、いろいろ通報やらも含めて動かれ、幸いにも怪我人もなく、類焼もあまりなくおさまったが、特に近隣住民の方々にとっては、非常に心配をおぼえた案件と思い重く受け止めている。直接動いたのは消防局と保健福祉局と聞いているが、当該施設への再発防止の指導対応等、すぐに速やかに行われ、区内の宿泊施設にも注意喚起を実施されたと聞いている。火災の状況、その後の指導状況については、おっしゃられたように役所のほうも当然情報共有。防火の徹底、火災発生した場合、緊急時の連絡などの適切な対応は、当然事業者のほうが宿泊客にしっかり説明し守ってもらうことが必要。外国語での説明も徹底していかなければならないことは十分教訓として出てきたと考えている。宿泊施設について、市民・宿泊者の安心安全を確保するとともに、地域の生活環境との調和が大切であることは当然言うまでもないこと。そのため民泊の適正な運用確保のための条例等、ルール策定に向けた取り組みも行っており、家主不在型も緊急対応等できるような体制を整えるようなルール化がされると承知している。区役所は今回のような事例も含め、市民の安心安全を守る立場。実行機関である消防署、警察署との連携が非常に大事。区役所も共に効果的に連携し、地域の自主防災会、市民や事業者との連携を深め、協力の中で安心安全は守られる。区役所は市民の相談受付窓口にもなってるので、きちっとそういうところにおつなぎする、連携のための接点的な役割も地域のネットワーク持つ機関としての特徴と思う。区役所も含めこういう事態に対応できるような連携体制も整えていきたい。

◆くらた議員/私はいまの答弁では、住民がどれだけの負担を背負いながら危機的な状況、窮地に立っているかの危機感と、すごく乖離があると思う。「こういう事案について」と軽くおっしゃるが、たまたま近隣の方が通報・消火・救助、本来であれば業を行っている者が負わなければならない全ての責任を、全く責任を負う必要のない住民が負った。こういう状況で業が行える事態の中に住民生活がさらされていることをどう考えるかを聞きたかった。いかがか。

(→山村・地域コミュニティ活性化・北部山間振興部長)私の答弁がそう聞こえたのは申し訳ない。こういう民泊も含めた施設については、地域の安心安全を守るということが一番大事、それが大前提、地域の生活環境守るのが大前提ということで進めていくということ。今回の案件では近所の方が動いていただいたことで大事に至らなかったが、当然のことが二つある。行政としてフォローもしないといけないが、まずは事業者がきちっと対応できるような緊急体制を確保していくこと、もう一つは宿泊者にタバコなどもあるが出火を起こさないようにすること、もし万が一そういうことがあった場合の緊急連絡先(消防署や警察署)につなぐ速やかな対応は隣の方よりも宿泊者や事業者がやっていただくのが大事。そういう体制はきちっと整えていくべき。行政もいろいろなルール化・周知も含めてきちっとできるような万全の体制を整えるように進めていくことが大切。

◆くらた議員/「通報の仕方」とか言われるが、3人の宿泊者は寝静まっていた。自らが火災に気がついて動転してどうしていいかわからなかったという問題ではない。問題の捉え方そのものを、京都市全体でもう一度検証する必要があると思う。「駆けつけ要件」ということを京都市はいま出しているが、「その場にいなければいけない」事案だ。ましてや住宅密集地域。それだけの危機感を住民が持っていて気がついたから良かった。そこまでの危機感をどれだけ事業者や宿泊者が共有できるか。これから(住宅宿泊事業法の)議案審議されるが、すでに旅館業法下で、京都市が許可して太鼓判を押した施設だ。しかも定員数は2名と言っていたのに宿泊者は3名いた。定数管理など誰も信頼できない事実も判明。火災ということをもっと真剣に受け止めなければいけない。いくつもの問題が明らか。全庁あげてこの事例の検証だけでもしっかり取り組んでもらいたい。

2018年2月6日【文化環境委】文化市民局/一般質問「東山区で発生した簡易宿所火災への認識について」

(更新日:2018年02月06日)