陳情審査:美術館ネーミングライツの決定過程が市民に見えない!(2016年12月2日/くらし環境委・文化市民局・やまね)

(→北村・文化事業担当局長)それでは、陳情第52号「美術館再整備事業に関する補足説明」についてご説明致します。陳情の趣旨につきましては、京都市美術館再整備事業について、えー文書表に記載された6つの項目(①美術館再整備に関し、どのような企業に、どのように寄付を求めたのか。②寄付依頼にどのような回答反応があったのか。③上記の反応に対して、命名権販売の方針はどのように策定されたのか。④京セラ株式会社には、寄付依頼をしていたのかどうか。⑤4があったとして、どのような回答反応があったのか。⑥4があったとして、その回答反応は募集要項にどういかされたのか)について、えー市会と市民への報告を求めるというものでございます。

まず、1点目から5点目に記載されております「企業への支援の働きかけ、及び、ネーミングライツの導入の経過について」でございます。美術館再整備事業には、約100億円もの事業費が必要であり、市民の皆様の税金によるご負担をできるかぎり軽減するため、えー京セラ株式会社様を含め、京都に本社を置く企業や、社会貢献活動に積極的に取り組んでおられる企業等に、再整備事業の趣旨を説明し、ご支援を依頼してきました。個別の依頼先や協議内容については、差し控えさせていただきますが、ご支援の依頼を通じて、社会貢献活動への関心や、美術館再整備事業への期待が高いことがあらためて実感したところでございます。ネーミングライツにつきましては、多くの企業から「厳しい経済状況の中、株主への説明責任等の観点から、寄付という形は難しい」とのご意見があったことも踏まえ、企業側にとっても社会貢献活動の発信やブランドイメージの向上など、一定の対価性が認められ、より支援を検討しやすい形として、導入を判断したものでございます。

6点目の「募集要項」につきましては、本市の京都市ネーミングライツ事業実施要項にもとづき、えー市会でのご意見も踏まえて、えー作成したものでございます。えー説明は以上でございます。よろしくお願い致します。

◆やまね/えー今回ですね、まあ、こういう新たな陳情が出てるということなんですけども、あのまあ、いま少し言っていただいたんですが、あのー陳情文書表を見ますと、えー「本市文化市民局がすでに平成26年頃から複数の企業に寄付の打診をしていた」という指摘があって、で、まあ、ただ、「基本設計と費用概算が公表された本年6月にも説明がなされなかった」ということで、えーあります。で、私あの前回の委員会質疑でですね、あらためて美術関係者の声を紹介させていただいたんですけれども、やはりあの「あまりにも突然」と、「あれよあれよという間に決まった」という声が、あのー驚く方がですね、たくさんおられるということで、やはりこの京都市美術館に、一企業の名前を付けるというこの重要な重大な過程がですね、やっぱり市民のみなさんから見て「わからない」「見えない」と、ま、そういう思いで、この陳情も出されたものだと受け止めております。

で、あの今も少しありましたが、えー6点についてですね、「報告をし今後の審議等に活用することを求める」と、あるんですけども、そのまあ1番と2番のとこですね、あの「①美術館再整備に関し、どのような企業に、どのように寄付を求めたのか」と、で、「②寄付依頼にどのような回答反応があったのか」ということで、あったんですけども、まあこの点について先ほどあの少しおっしゃっていただいたんですけども、あのーまあ、えー企業名までは出せないということなんですけども、たとえば企業の、どれくらいの数の、企業にお願いをしたということは言えるんでしょうか。

(→北村・文化事業担当局長)はいあのー(平成)26年度以降ですね、あの京都に本社を置くような企業、ええと、おおむね10社程度に声をかけております。

◆やまね/で、そのなかでですね、たとえば、あのー、えー、「100万円くらいなら出せる」とかですね、「1000万円くらいなら出せる」とか、あの企業名は別にいいんですけど、「こういうことだったらできる」というようなお話は、あったのかどうか、その点いかがでしょう。

(→北村・文化事業担当局長)はいあのー、別途寄付、いわゆる寄付等々のあの仕組みというのは美術館のほうでも検討しておるんですが、今回あのーいま申し上げました10社ほどにお声かけさしていただいたのは、あの100万円の寄付のお願いにあがったわけではありませんで、この再整備事業、の、えー半額、近い、この巨額の寄付の、打診をしたということでございます。

◆やまね/あのーまあ、そもそもですね、この100億円の半分の50億円を、企業に負担を求めると、あのほんとに、あのあまりにですね、やはりそもそもこの計画自身がですね、私はあまりに安直な、あのやり方ではないかというふうに思うんです。で、あのーたとえばですね、京都マラソンの取り組みでは、あの市長・副市長をはじめですね、文化行政に携わるみなさんも担当部長さんもですね、たくさんのみなさんが、実際に企業を、えーまわって、細かく訪問をされてお願いもされているというお話、この間聞いています。で、ルーブル美術館もですね、そうですけども、一般的には、より幅広い企業に応援していただくというように、努力するのがですね、私は普通の、えーあり方だというふうに思うんです。で、やはりこれだけ巨額の、いままあ10社程度というお話でしたけども、やはりこれだけ巨額となりますと、やはりそういうお金を出せる企業しかですね、対象になりえないと。で、ライバル企業でなかったとしてもですね、やはり一企業の名前が、ある企業の名前が付いた美術館を、他の企業が応援できるかと、いうのはやはりあると思うんですね。

で、まあ最初の説明で「市民の負担をできるだけ減らすために」と、いうことをまあおっしゃいました。これはこれまでもおっしゃってます。で、何かこれができなかったらですね、市民の新たな負担が増えるかのようにいつもおっしゃるんですけどね、たとえば他の京都市の事業で、じゃあそういう話してるのかといったらですね、たとえば南部クリーンセンターの汚染土壌対策の問題、それから中央卸売市場600億円かけて整備する件、それから高速道路は中止を発表されましたけれども、(堀川通の)地下にトンネル掘ると、こういう話もあるわけです。リニアや北陸新幹線引っ張ってきたらですね、それこそ自治体の負担は数千億円とも言われている。そういうことがですね、一方ではやられようとしてるわけですね。ですから私思うのは、結局市長のやる気の問題じゃないのかと。本当にこの文化芸術行政を大切に考えてるんだったらですね、しっかり文化予算を増やすか、あるいはですね、身の丈にあった額での整備を検討すると、これが一番責任のあるやり方なんじゃないですか。いかがでしょうか。

(→北村・文化事業担当局長)はいあのー、何とかこの美術館を良くしたい、再整備したいという思いこそ市長の強い思いでもございますし、私どもも同様でございます。あのーいま先生からおたずねのあった、それぞれ他のセクションでそれぞれ事情等々がござい、と思いますので、私からこの場での発言は差し控えさしていただきますが、あのー、美術館の再整備について言えば、えー非常に巨額のところ、これを、あの市民のみなさんの税金をあのできるだけ、ま、負担を減らしたいと、こういう思いで、えー民間企業に、えー協力をお願いしたと、こういう次第でございます。

◆やまね/あのーまあ、京都市美術館の値打ちというのは、建物だけではありません。その名前にですね、歴史と伝統が刻まれていると。それが変わって、企業名がつくことの重大性というのは、私は計り知れないというふうに思います。えー、京都市美術館という名前をしっかり守ってこそ80年の伝統を受け継ぐ責任ある再整備だと思いますし、市民のみなさん、美術関係者のみなさんの声を、真剣に真摯に、受け止めてやっていただきたいと思います。終わります。

2016年12月2日【くらし環境委】文化市民局/陳情審査「美術館再整備事業に関する補足説明」

(更新日:2016年12月03日)