陳情審査:川西市営住宅跡地は売却せず公園やいきいき市民活動センターの設置を(2025年8月4日/まちづくり委・都市計画局・やまね)

*京都市の説明

(→田中・住宅室長)お手元の陳情文書表をご覧ください。陳情者は記載の通りでございます。同会及びその代表者からは、令和5年度及び6年度にも跡地の活用に向けて同様の陳情をいただいてございます。

次に要旨でございますが、西京保健福祉別館及び川西市営住宅跡地は、地域の財産でございまして、桂学区内の桂小学校以北には、ちびっこ広場があるだけで、地域の住民が憩える公園がないこと、また、いきいき市民活動センターが西京区にはないことなどから、当該敷地は公共的に活用されることを要望するという内容でございます。

具体的な陳情項目といたしましては、1、西京区桂学区、西京保健福祉別館及び川西市営住宅跡地は売却せず公共的に活用すること。2、活用方法は住民の要望・意見を尊重し、子どもから高齢者までが利用できる公園、地域の誰もが利用できるいきいき市民活動センターを設置することを求めるというものでございます。

続きまして、お手元のまちづくり委員会資料をご覧ください。1、元川西市営住宅の概要についてでございます。元川西市営住宅につきましては、西京区桂艮町及び上桂前田町に位置し、敷地面積が約5600㎡、鉄筋コンクリート造りの5階建ての建物2棟などで構成されておりまして、竣工してから56年が経過してございます。

2、現状及び今後の対応方針についてでございますが、川西市営住宅は令和5年11月13日に廃止され、令和6年2月26日に1号棟1階2階に設置されていました西京保健福祉センター別館が、西京区総合庁舎に移転をいたしました。その後、当該敷地は、地域の声を踏まえまして、防犯の観点から、敷地周囲に工事用フェンスを設置し、全敷地内に立ち入れないよう閉鎖し、1年以上が経過してございます。令和6年度中は土壌調査を実施いたしまして、健康被害の可能性は認められないということで、活用に向けて検討を進めることに支障がないということを確認をいたしました。当該敷地につきましては、京都市市営住宅ストック総合活用指針におきまして、余剰地等については、民間活力を積極的に導入するということで、京都市の財政負担軽減等を図りつつですね、本市全体の持続可能なまちづくりを進めると、こういった方針に基づきまして、都市の成長戦略、特に人口流入に資するよう、売却も含めて有効活用に向けた取組を、現在検討しているところでございます。

3、位置図につきましては、別紙として周辺位置図を添付してございます。また、4、地域地区については記載の通りでございます。

本市といたしましては、令和4年度の川西市営市宅の全住民の住み替え完了以降、地元の桂学区自治連合会から寄せられました学区要望や、陳情を受けた後など機会を踏まえまして、これまで10回、地域の方々に、活用の検討状況について情報提供をさせていただき、意見交換もしてございます。川西市営住宅の周辺一帯は、第一種低層住居専用地域でございまして、住居系の利用が中心となるため、戸建て住宅など、地域の住民の皆さんの期待に沿った、定住人口の増加につながる活用を図ることができる一方ですね、青少年活動センターや体育館といった、令和5年度にいただきました学区要望の多くにつきましては、法令上建築できないということを、地域の方々に説明して、ご理解をいただいているところでございます。なお、住宅として開発される場合におきましては、開発面積に応じて一定の面積のですね、公園等も設けるということとされてございまして、そのような開発によってできる公園につきましては、完成後、本市において帰属され管理を行っているところでございます。川西市営住宅から約60世帯の方々が移転されたということもございまして、地域の声といたしましては、自治会活動の観点からもですね、多くの方々、できれば若い方々に住んでいただきたいということや、それから公園は、それほど大きくなくてもよいんで憩えるスペースが欲しいと、こういったご意見もお伺いしているところでございます。

また、いきいき市民活動センターにつきましては、隣保館からの流れをくむコミュニティセンターの廃止に伴いまして、資産を有効活用する観点から、既存施設を暫定利用しているものでございまして、新たな施設を設置する予定はないということを文化市民局からも聞いているところでございます。

市営住宅跡地は市民全体の財産であることを踏まえまして、市全体として跡地の有効活用を進めてまいることといたしまして、今後の活用につきましては、地域住民の皆様に、自治連合会を通じてですね、引き続き節目節目で丁寧に説明しながら進めてまいりたいという風に考えてございます。説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

*議員の質疑

◆やまね/よろしくお願いいたします。まずですね、ちょっと確認をしておきたいんですけど、市営住宅の用途廃止としては、2023年(令和5年)の11月ですかね。で、そこでですね、まず当該敷地が行財政局の「売却を含めた活用方法の検討を進める市有地一覧」に掲載されたのはいつかということと、それからすでに売却先とか活用方法とか、そういう方向は決まっているのか、出ているのか、この点まず教えていただけますか。

(→田中・住宅室長)すいません、ちょっとあの行財政局のほうの活用地一覧に掲載された年月日というのが、ちょっと今把握できてございませんで。(※質疑終了後「令和6年4月」と連絡あり)

一方で、この川西市営住宅につきましては、あの、ま、あの資料のほうにもございますけども、建築してから50年以上が経っているということで、老朽化をしているという部分と、あとは、元々、耐震性がちょっと不足しているということからですね、住み替え実施団地という形で、我々「市営住宅ストック総合活用指針」において位置づけておりまして、令和4年度にですね、全住民の皆さんに、移転が完了して、周辺の住宅に完了いただいているというところでございます。

で、今後の活用につきましては、実際に今、特に決まっているというものではございませんけども、地域地区につきましては、第一種低層住居専用地域でございますし、高さの規制も10mの高度地区ということで、良好な住宅を誘導すべき地域だというふうに認識してございますんで、そういった活用になるのかなというふうな形で、今は想定はしているというところでございます。

◆やまね/はい、売却先とか活用方法が、まだ特に決まっているわけではないと思うんですね。で、これまでも地元からですね、繰り返し要望が寄せられてきた場所だと思います。先ほどの説明にもありました。で、2023年(令和5年)10月には「地域住民の要望に沿った川西市営住宅跡地の活用」について陳情が出されておりますし、2024年(令和6年)1月には「川西市営住宅は地域の財産であり住民の要望・立場に立った利用を」と求める市長宛ての署名もですね、これは累計で716筆とお聞きしているんですが、提出されていると。で、同年5月には、この「川西市営住宅跡地内にある団地内広場は縮小せず現状の広さで京都市の公園として存続を」と求める陳情も提出されていると思います。そして今回の陳情ということでですね、私はこの地域の皆さんにとって、大変要望の強い、そして関心事の高い、そういう場所であることは明らかだと思います。この皆さんの思いにですね、京都市がどう応えるのかが問われているというふうに思います。

それで、これもちょっと確認しておきたいんですけれども、先ほども少しありましたけれど、これまでの議論でですね、都市計画局は、この地域が第一種低層住居専用地域であることから「10mまでの建物しか建てられない」ということと合わせてですね、「体育館、商業施設などは法令上建築できない」ということを説明されてきたと思います。で、それでは、この今回の陳情で求められている公園やいきいき市民活動センターというのは、法令上可能なのかどうか。この点いかがでしょうか。

(→田中・住宅室長)はい、結論から申しますと、公園それからいきいき市民活動センターの建築は、可能でございます。

一方で、その、先ほど先生いまご紹介いただきましたけども、地域の方々からいろいろご意見をいただいていると、いうところでございますけども、我々も、そのあたりですね、しっかり認識してございまして、これまでから先ほども説明させていただいた通り、10回を含めてですね、情報提供、それから意見交換のほうも行ってございます。

令和5年度にはですね、地域住民の方々から意見を聞いてですね、要望書を取りまとめて提出したいということをお聞きしまして、地域の自治会のほうからですね、今回の陳情とおおむね同様の趣旨のですね、学区要望というものもご提出いただきました。その際にもですね、先生ご紹介の例えばその高さが10mしか今、高さ規制があるということであったりとか、その第一種低層住居専用地域であるということをご説明させていただいて、大きな建物は建たないですよということをご説明させていただいて、ま、あの、ご安心をいただいているというような状況でございます。

今後ですけども、あのま、住民の方々のだいたいの大勢のご意見というのは我々としてもお聞きしているのかなというふうに思ってございます。先ほどご説明させていただいた通り、新しい住民の方にですね、ぜひ入ってきてほしい、特に若い方に入ってきてほしいということもお聞きしてございますし、公園のほうについても、それほど大きくなくても構わないので憩えるスペースが欲しいという部分については、例えば住宅で開発される場合にはですね、一定規模以上のそういう広場であったり公園という部分ができるということも説明させていただいています。引き続きそういった形でですね、しっかりと丁寧にご説明しながら、まあ、跡地の活用を進めてまいりたいという風に考えてございます。以上でございます。

◆やまね/あのですね、まあ今仰っていただいたように、公園やいきいき市民活動センターそのものは、法律上は設置可能であるということです。

で、今もありました住宅開発の場合は開発面積に応じて一定の公園が必要になると、少なくとも「活用面積の3%以上」という法令があるわけですが、今回の敷地面積は約5600㎡ですので、3%となるとわずか168㎡ということになります。

で、ですね、先ほども仰られた令和5年度の桂学区の学区要望についてですね、これ何と書いてあるか。私改めて見せていただいたところですね、本当に大事なことが書かれてあると思いましたので、紹介したいと思います。「みんなの公園・憩いの場所(仮称・桂パーク)」として「人が集まる場所にトイレット・洗面所」「植樹と季節の草花を楽しめる花壇」「大人・高齢者・子ども・身体障害者が楽しめる場所」「水遊びが可能な噴水池」「砂場・ブランコ・鉄棒などの遊具」「小さなお子さんから高齢者が楽しみ憩える」「水生生物など観察可能な池」「高齢者がのんびりと癒せるような屋根付きベンチ」「子どもが遊びや球技ができてゲートボール、ペタンク等ができるスペース」などとありましてですね、「あらゆる可能性を見出し過去の実例にとらわれず飛躍的な発想でよろしくお願いいたします」というふうにあるんですよね。これが私は地元の皆さんのやっぱり要望だと思うんですよ。で、これをね、たった168㎡の開発公園でできるのか?ということが率直に問われていると思うんです。

元々の団知内広場の面積は約1000㎡でありまして、これは少なくともですね、それと同規模の公園を設置してほしいと、この地元の皆さんの要望は私は当然のものであって、京都市の責任でこれはそういった広さの公園をですね、十分な広さの公園を確保すべきじゃないのか?、そういう検討はされたのかどうか、いかがでしょうか。

(→田中・住宅室長)はい、もちろん地域の周辺のですね、状況というのは、我々も検討も含めて確認はしてございます。例えば公園でございますと、この桂学区の中にはですね、近くに今、陳情の中にもございます、ちびっこ広場的な公園があるだけではございますけども、この500mの範囲内で隣接学区も含めますとですね、あの、6つの公園がございます。あの、おー、1500㎡の公園、えー、池尻公園というような公園もございますんで、そういった分も含めてですね、今回の跡地の活用については考えないといけないというふうに考えてございます。

一方で、公的な施設についてもですね、隣接する場所にですね、西京の老人デイサービスセンターであったりとか、それから老人福祉センター、児童館の合築施設というものがございます。こういった施設が今の状況で言いますと、子どもから高齢者の方々までですね、地域の方々の利用実績というのが比較的ございますんで、例えば催しであったりとか、リクレーションであったりとか、そういった部分も含めてしっかりしていただいているというような状況も踏まえまして、市民活動の場というのは我々としても重要な場所であるというふうな認識は変わりはございませんけれども、そういった施設をですね、連携した取組、それから効率的な運用、こういったものが大事だというふうに考えてございまして、現時点でそういった部分も含めて検討した結果でございます。以上でございます。

◆やまね/あのー、先ほどですね、これも言われたことなんですけど、「新しい住民の方々に入っていただきたい」と、「特に若い方々に住んでいただきたい」ということを繰り返し言われているわけですよね。で、あの、そういうことからしてもですね、やっぱり私は元々の公園の広さを確保しないというのは、大きな、私は京都市として政策的な矛盾だと思っておりまして、若い世代の方々にとってそこに公園があるかどうかというのは、非常に重要な問題だということを指摘しておきたいと思います。

私も周辺地域を歩いてみましたけれども、やはり住居専用地域だけあって住宅街ですよね。その中にある場所ですので、これ陳情者の方にも直接私お話を伺ったんですが「小さい時に団地内の公園で遊んでた」と。「その公園があるから子育てできると思って戻ってきた人もいる」ということも仰っておりましたし、「家の近くに公園があるかどうかは子育て世代にとって大きな要素」だと。「公園があることでその地域の価値が高まるんだ」というお話もされててですね、私もその通りだと思ったんですけれども。京都市として子育てにとってですね、この地域にとって、やはり十分な広さの公園があるということが非常に重要だと、そういうご認識はないんでしょうか?もう一度お聞きしたいと思います。

(→田中・住宅室長)はい、あの、公園と、ああ、ま、あの申し上げていますけども、ま、今あの先生仰っていただいているように、その若者それから子育て世帯の方々に、しっかりと京都市の中に住んでいただくというのは、我々としても非常に重要な問題だというふうに考えてございます。そういった観点から、市営住宅の空き住戸を活用してですね、コトコト事業なんかも展開をしているところでございます。

一方で、その、地域の方々から、その公園は確かにそういった憩えるスペースというのは欲しいけども、決して、あのやっぱりあの、大きくなくてもよいというようなご意見もいただいてございます。やっぱり優先すべきは先ほどから申し上げている通り、やはり新しい市営住宅から60世帯の方々が出ていかれたんで、その方々、そういった方々に代わるといいますか、新しい住民の方々にぜひ入ってきていただきたいという部分で、新しい住宅が建つことを望まれているというふうに考えてございますんで、そういったことも含めてですね、住宅それから開発される場合には一定規模以上の広場・公園というのができると我々も想定してございますので、そういった方向でしっかりと跡地活用を進めてまいりたいというふうに考えてございます。以上でございます。

◆やまね/あのまあ「大きくなくてもよい」という声があったということなんですけれども、じゃあそういう人たちが「大きい公園が欲しい」となったら検討されてたのかということですよね。私はですね、結局初めから売却ありきで動いていたのではないかというふうに思っております。

「京都市市営住宅ストック総合活用指針」でですね、余剰地等について「民間活力の積極的導入」ということを言われているんですけれども、切実な住民要望に応えないようなやり方でですね、どうして活力が生まれるのかと。せっかくの市有地がですね、公共のために使える市有地があるのに、それ売却してしまったら二度と公共的なものには使えないわけでね、私はこれは市長が言う「居場所と出番」もそんなことでは生まれないということをですね、重ねて厳しく指摘して、ぜひ陳情者の方が求めておられるような中身をですね、もう一度検討していただきたいと、求めて終わりたいと思います。以上です。

2025年8月4日【まちづくり委】都市計画局/陳情審査「西京区役所保健福祉センター別館及び川西市営住宅の跡地の活用」

(更新日:2025年08月04日)