◆やまね/よろしくお願いいたします。今日の議論をお聞きしていていくつか気になった点も含めて改めてお聞きしたいと思います。まず、これも、言われてたことなんですけれども、4700万円の内訳についてなんですけれども、資料見ますと、「自動運転の実証実験の実施に係る調査(課題
把握やルート及び車両選定等の調査)」に2000万円。「実証実験(調査結果を踏まえ自動運転バス運行の実証実験及び市民の試乗体験等)」に2700万円となってるんですけれども。私もですね、これもう少し詳しい積算根拠が知りたいなと思ってですね、具体的金額がこういう形で出ている割にはちょっとよくわからないと。それで今日の議論の中で、先ほどもありましたけど、この額というのは、つまり事業者への委託費と理解してよろしいのかですね。で、つまり、事業者がこれだけの額がかかりますよと言われたのがこの額ということなんでしょうか。いかがですか。
(→山下・歩くまち京都推進室戦略推進担当部長)複数の事業者にヒアリングする中でこういった次の実施内容でいくらかかるかということを確認した中で、それぞれ、それは、金額違うあるんですけども、概ねこの辺りの額ということで計上させていただいております。以上です。
◆やまね/複数の事業者へのヒアリングの中でということなんですけれども、その金額の根拠については、もう少し詳しくお話は聞かれてるんでしょうか。
(→山下・歩くまち京都推進室戦略推進担当部長)1点目の2000万の調査に関しては、先ほどから申し上げてるような、その、課題把握、ルート・車両選定の調査ということで、いくらかかるかということなんですが、もう1点目の実証実験の2700万に関しましては、これ大きく2つの内容が入っておりまして、午前中の答弁中でも申し上げました、その1週間程度の公道での実証実験、この部分と、あと市民の試乗体験等って、これどちらかというとイベント的なことで考えておるんですが、それが2つの事業が入って2700万ということで、少しここだけを切り離すとすれば、前段の公道の実証実験に関しては2200万程度、残りのイベント的な部分については500万程度、こういった形で、積算しております。以上です。
◆やまね/それからですね、ルートについてなんですけれども、これもいろんな方からご質問あったわけですが、現時点で、どのような場所がルートにふさわしいと考えているのかですね。何もなしでゼロから調査するということなのか、市としてすでに具体的に想定している地域があるのかどうか、この点改めていかがでしょうか。
(→山下・歩くまち京都推進室戦略推進担当部長)具体的には想定はないですが、国の手引きはですね、想定するエリアとして市街地であったり、郊外の住宅地、観光地といった、そういった区分があるんですが、それぞれですね、交通局とも連携しながら、候補・ルート等考えながら、その中で調査を行う中で最終決定していきたいというふうに考えております。以上です。
◆やまね/国のほうでは市街地・郊外・観光地というのがあるということなんですけども、これ資料を見ますと、「市民の利便性向上や地域活性化にもつながる自動運転バス」というふうにあるわけですよね。これがどういう仕組みで、利便性向上になるのか、地域が活性化するのかっていうことをちょっとご認識を伺いたいんですけれども。つまり利便性が向上するというのは、要は交通が不便な地域、或いは空白となっている地域、そういうところで、導入するということではないんでしょうか。いかがでしょうか。
(→山下・歩くまち京都推進室戦略推進担当部長)そういう前提ではなくてですね、実際に今、今回、運転士不足、担い手不足ということをいかに新しい技術を導入することによって公共交通を維持していくということですので、すぐには無理にしても、一定この部分については自動運転、将来的には無人化であると。それまで当然運転士さんが別の路線でしっかり維持していくと、それ全体の中で考えていくべきというふうに考えております。以上です。
◆やまね/ですのでちょっとこの議論の出発点が、ちょっとよくわからないところが私はありまして、これ9月11日のまちづくり委員会では、他会派の議員の方がですね、この自動運転バスに関わって指摘をされてたんですけれども、「むしろ京都市として、そもそもどこの地域が今困っておられて、課題・要望・需要があって、そこに光を当てるべきじゃないか」という議論があってですね、「国による選定も厳しくなって、実際にその地域に必要とされているところが選ばれる傾向にある」と、これ他都市調査のときも出ていた議論ですけれども、私もなるほどなと思ったんですけれども、そのまちづくり委員会のときにはですね、当局も、「市民の足として社会課題の解決に繋がる必要がある」と、「そういった観点も含めて検討すべきだと考えている」というご答弁ありましてね。その点で、やはり私は交通不便地域でのやはりニーズ調査、これしっかり行って、そういう声を反映していく、そういう取り組みになるっていうことが必要じゃないかなと思ったんですが、いかがでしょうか。
(→山下・歩くまち京都推進室戦略推進担当部長)京都市内における交通課題に関しまして、あらゆる新しい技術を投入しながら何とか公共交通も見直しを実施していきたいということでございまして、その中で、まずいったん自動運転バスに関しては、どういった地域で実施するかということで考えて参りたいと思いますし、自動運転バス、いったん今回ルート選んだとしても、先々、スケジュール的なことはもう今申し上げられませんが、他のエリアでもやっていくということも考えますし、また、別の技術を使ってそういう課題に解決つなげていくということもありますし、全体での交通政策として、取り組んで参りたいというふうに考えております。以上です。
◆やまね/今言われたその新しい技術ですね、今回も言われています「新たな公共交通体系の構築」として出てきておりますので、もう1点だけお聞きしたいんですけれども。例えばこのまちづくり委員会の他都市調査で、東京都三鷹市の「AIデマンド交通」についても視察をしたわけです。で、これは「タクシー事業者と連携した1回100円で乗れる低料金の予約型の交通システム」で、「AIが最適なルートを判断する」というものだったんですが、これ運行にかかるコストは1台当たり1400万円ほどと。それを数台でやってるというお話をお聞きしたんですけど。
私はですね、三鷹市の事例というのは、課題はいろいろありつつも、地域の皆さんの生活を支える新たな公共交通体系として、構築をされ、一定根づいているのかなと感じまして、そう考えたときにですね、技術的に或いは、そのそういった他都市事例を見れば、むしろAIデマンド交通のほうがですね、導入可能性、早期実現性或いは利便性、暮らしに役立つという部分では大きいのではないかということも感じました。今回の補正予算においてですね、そういったAIデマンド交通でなく自動運転バスの実証実験に一般財源4700万円投じるということにした理由は、どういうところにあるのかですね。今回AIデマンド交通については何も検討はされなかったんでしょうか。いかがでしょうか。
(→長尾・歩くまち京都推進室長)いわゆるデマンド交通についてでございますけども、先生ご案内あったように、他都市調査でも三鷹市のほうで、私も貴重な経験させていただいたという趣旨でございます。当然デマンド交通は将来の公共交通を補完するという意味合いでは、大変注視すべき技術だというふうに考えています。特に議員をご案内のあったAIっていうところでございますけども、AIで一体何を検討さすのかということも、やはり視野に入れて、京都の地域っていうのはそのエリアごとによって課題は当然異なりますから、そういうふうな、その交通DXをしっかり活用しながら、今後の京都の公共交通を、市民の足をしっかり守っていく所存でございます。以上でございます。
◆やまね/今回は、そしたらもうこのAIデマンド交通については、検討はしてないということ、補正の関連ではしなかったと。
(→長尾・歩くまち京都推進室長)はい、検討してないというわけではなくて、今回については自動運転を計上させていただいたという次第でございます。以上でございます。
◆やまね/この自動運転バスについてはですね、今日もいろいろ議論があったように、運転士不足という喫緊の課題、これ将来的な抜本的解決につながっていくんだということで、ご認識が、おっしゃられてるわけです。それから、AIデマンド交通についてはですね、システムの構築だとか、費用の面だとか、或いは既存の交通事業者との住み分けが課題ということを私たち、お聞きをしてきました。
で、一方ですね、9月11日のこのまちづくり委員会では、AIデマンド交通については、「路線バスの運行では十分な利用者を見込めない。運行の確保が厳しい場合などを補完する有効な手段」という答弁もありましたし、今おっしゃっていただいたように「大変注視すべきもの」だというご認識はあるというふうに思うんですね。なので私はやはりこの、交通が不便な地域、空白になっている地域の皆さんのやはりニーズや、お気持ちであるとか、毎日のご苦労を考えた場合に、私の地元で言えばですね、伏見区の藤城、桃山東、桃山南、こういった地域、本当に切実なわけですけれども、こういう公共交通が空白地域になってると。本当にタクシーでしかですね、頼らざるをえない、それが実情でありまして。そういうタクシー事業者との皆さんとの連携というのが、まさに既存の輸送力を活用していくという意味でも、京都市の施策にも矛盾しないものだと私は思っております。
新しい技術の研究というのはもちろん否定をしませんけれども、やはり今困っている皆さん、市民の切実な願いにこたえていくというところに、もうちょっと力点をですね、置く必要があるのではないかなとこの点を指摘しておきます。以上です。
2025年9月22日【予算特別委】都市計画局/補正予算「自動運転バスの導入に向けた実証実験4700万円(一般財源)」
(更新日:2025年09月22日)