◆やまね/よろしくお願いいたします。「哲学の道」についてということで、9月26日にデザイン検討会議の第3回目が開催されまして、決算特別委員会の局別質疑でも議論があったところです。で、昨年度の議論を振り返りましても、他会派の議員さんからもですね、「風情を残していく」こととか、それから「コンセンサスを大事にしていく」という発言もありまして、で、建設局のほうからもですね、このデザイン検討会議が「道のデザインを検討する会議で、舗装ありきではない」ということとか、「できる限り皆さんが歩み寄れるようなものをという中で始めた」というふうに答弁をされてきました。
それでもうご承知の通り哲学の道は、琵琶湖疏水記念館でも、あるいは京都観光協会のホームページなんかでも、非常に重要なスポットとして紹介をされておりますし、平成27年10月7日付でですね、国の「重要文化的景観」に選定された「京都・岡崎の文化的景観」の区域に一部含まれていると思います。それからここはですね、その一部が世界遺産・銀閣寺のバッファゾーンにも含まれておりまして、過去に行われました「京都市歴史的景観の保全に関する検討会」の資料でも、「山裾部の世界遺産とその周辺」というところの中に哲学の道が登場してですね、「桜並木とこれらの樹木越しに立ち並ぶ建築物とが一体となって、瀟洒(しょうしゃ)で洗練された岸辺の景観を形成している。こうした景観特性の継承を、この地域の景観形成の基本方針とする」というふうにもあります。
で、一番新しいところで言いますと、今年8月27日には、国が琵琶湖疏水の諸施設を「国宝」「重要文化財」へ指定するということもありまして、国宝に指定された南禅寺の水路閣は、まさに哲学の道の横を流れる疏水分線へとつながる施設でございますので、私はこの桜並木も含めてですけれども、この風情を残していく、景観を守っていくこの重要性というのが、より一層高まってるんじゃないかなと思ってるんですが、この点のご認識まず伺いたいと思います。
(→梅原・土木管理部長)はい、哲学の道の件でございますけれども、先日の決算特別委員会でも、色々とあの委員のほうとやり取させていただいたわけですけれども、これまでですね、デザイン検討会議ということで、約1年間に渡りまして、3回開催させていただいて、現地調査なんかもさせていただいたということでございまして、ま、その中で、住民の皆様でございましたりとか、あと学識経験者からなる委員の皆様に、哲学の道にふさわしい路面デザインについて、ご検討いただいてるというとこでございます。
その議論の中でですね、沿道住民の生活環境への配慮、それから道路の安心安全への配慮、それから景観への配慮、環境への配慮という、ま、4つの、配慮項目のほうを設けさせていただきまして、特にですね、生活環境を良くする、それから、安心安全を高める、で、そういったその二つを良くしながら高めながら、かつですね、風情を残すためデザイン検討会議の中で、学識の先生のご意見をいただいたりとか、それから、動植物ですね、それの専門家のご意見なんかをいただきながら、今現在、検討のほうを進めてるというとこでございます。以上でございます。
◆やまね/はい、それで、桜への影響についてなんですけれども、これは建設局もですね、「専門家の意見を聞いて丁寧に対応したい」「解消していきたい」と答弁されてきたわけなんですが、7月15日に、この哲学の道の下に、桜の根がですね、侵入してないか確認するために、深さ30cmほどですかね、試し堀りが3箇所で行われたということもお聞きしておりまして、で、これお聞きしていますところによると、桜の木の根の状態というのは、個々それぞれ違ってるということだったんですが、ま、そういう意味では改めて慎重なですね、対応・検討が求められると考えるんですが、桜の根の木の状態を1本1本これ把握するためには、やはり1つずつ全て、確認しなければ分からないんじゃないかなと思ったんですが、その点がどうかということと、それからもし舗装工事の際にですね、工事をやったとしてですね、根も傷つけてしまうとですね、そこに繋がってる枝が、木の全体はたとえ大丈夫だったとしても例えば一部の枝が枯れてしまったりとか、そういうことも起こりうるのではないかと考えるんですが、この点いかがでしょうか。
(→梅原・土木管理部長)はい、えっと試掘の調査ですね。あの、ご指摘の通り7月のほうにさせていただきまして、3箇所を掘らさせていただいたていうことで、試掘させていただいたということでございますけれども、ま、その中からですね、2箇所、ま、根が出てきたということでございますが、その2箇所ともですね、こう道路を横断するような形の根ではなかったということであったりとか、ま、出てきたものもですね、細根と言いまして、細い根っこというふうなことであったりとかいうようなとこでございまして、その時にもですね、樹木医さんのほうから、お話を伺わったわけですけれども、桜の、体と言いますかね、桜全体を支持する、ま、生育に、強く影響するほどの太い根っていうのは、あまり伸びていないのではないかというふうな推測のご意見をいただいてるということでございます。
ま、ただですね、根の生え方っていうのは、ま、当然桜、生きもんでございますんで、1本1本違うということでございますんで、十分気をつけるということでございますし、その舗装をするということで、工事をするという場合でありましてもですね、十分気をつけながら1本1本、やっていくということと、それから例えば、傷をつけてしまうということになってもですね、そういった薬剤を塗るとかいうふうなことでのことをすれば、桜を枯らさないように、こうアドバイスをですね、樹木医さんのほうからいただきながら、適切に工事のほうを進めていきたい、そのように考えてございます。以上でございます。
◆やまね/で、えっとですね、私はその歴史的な景観であるとか、そういう風情、桜並木というのも改めて大事だなと思ったわけですけども、この場所は、ゲンジボタルの生息地ですね、京都市登録の天然物でもありますゲンジボタルの生息地であるということとか、環境省のレッドリストで準絶滅危惧種に指定されているキマダラルリツバメの貴重な生息地でもあるとお聞きしてますので、やはり風情と共にこういう生体系なんかにも影響がないようにですね、考えなければならないというふうに思っております。で、そのことも、改めて求めておきたいと思います。
で、次に改めてですね、この地道、砂利道のメリットと課題っていうことについてお聞きしたいんですけれども、私も春と夏にこの場所を実際に歩いてみたんですけれども、地道になってる部分はですね、非常に暑い日であっても、アスファルト部分より体感温度が非常に低い印象を受けました。で、これ哲学の道保勝会、それから哲学の道を思う市民の会の皆さんが、8月に発行されたニュースではですね、道の温度計測結果というのが紹介されておりまして、第二寺ノ前橋付近の日の当たる場所で、1ヶ月ほどに渡って計測されてるんですけど、おおむね12時から13時の時間に例えば7月24日ですと土の道が35.5℃、舗装されてるところは55.6°Cと。で、その差は20°Cもあったと。で、8月4日は土の道が38.2°Cで、舗装されてるところが51.3°Cで、差は13°Cほどあったと。で、平均すると土の道のほうが約8°C低いという報告が、紹介されておりまして、これは、気候変動の中で非常に重要な要素じゃないかなと私も思っています。で、建設局としてですね、この土の道の課題だけではなくて、メリットということについてどう認識されてるのかっていうのをお聞きしたいのと、市としてはこの地道とアスファルト部分で実際にどれだけ温度差があるかという調査などは、これまでされたのかどうか、この点いかがでしょうか。
(→梅原・土木管理部長)はい、地道のメリットということでございまして、ま、京都市建設局のほうでですね、地道のその温度を測ったというようなことは、ま、ございません。
で、アスファルト舗装とか、あと、コンクリートですね、これによりまして、ヒートアイランド現象が発生してですね、都市部の温度が高くなるというのはこれ、一般的に、言われてることということでございまして、地元の皆様がですね、それを測られたということについては、それが一定示されたということで、土の道のメリットかなという風には認識はしてございます。
ただ一方でですね、土の道っていうことについて、土埃だけでなくてですね、くぼみが発生したりとか、あと、水溜まりができるとか、あとそれから、あの、えっと、躓いて歩きづらいとか、あと、車椅子が通行しにくいとか、ま、そういったデメリットもあるということでございまして、ま、そういった、そのメリットとデメリットをですね、こう比べてですね、で、その地域にふさわしい路面がどうあるべきなんかということを、検討するのがデザイン検討会議の目的というふうなことで、考えでございまして、その、舗装すれば温度が上昇するからという理由だけでですね、舗装しないというようなことにはならないのかなというふうに考えてございます。以上でございます。
◆やまね/はい。ま、その土のメリットもあるんだけれども、やはり課題があると、この課題をですね、やはりどう解決していくのかっていうのが一つ大事なところだなと私たちも思っております。
で、この建設局としてですね、この土埃が例えば立ちにくいような素材を使って実験、実証実験なんかをするということは、これまでされたのか、これからされるのか、この辺りいかがでしょうか。
(→梅原・土木管理部長)あの、ま、土埃が立つ、ま、原因と言いますかですね、メカニズムなんですけれども、結局その、石であったりとか砂であったりとかいうのがですね、移動するんですね。車が通ったらそれが移動して、で、人が歩けばそこがこう移動するわけですね。それが、ま、土埃になるという原因、原因というのはこれ一般的に言われてることでございますんで、その部分をですね、どのように土埃を立てないってことで言えば、どのようにそれを固めていくかっていうことについてが、ま、一つのポイントかなというふうに考えてございまして、ま、例えば、えっと、こないだの検討会での話で言いますと、車が通るところについてはですね、その固めるのをこう強く、固めていくとか、あと歩行者、それから自転車が通られるようなところ、車が通らないところについてはその固め方をですね、少しこう、柔らかくすると言いますかですね、緩やかにすると言いますかですね、ま、そういった方法もあるかと思います。
で、ただ、車が通るところについてのですね、景観舗装と言いますか、その固めるところについては、これまあかなり市内各所でも、いろんなところで事例もございますし、現地施察の時でも、見ていただいたりもできましたので、ただその、えっと、緩く固めるようなものについてはですね、こう、なかなかあんまりこう京都市内も事例がございませんので、そういった部分のところについてはですね、いわゆる、土系の舗装ゆうことになるんですけれども、それの試験施工についてはですね、ま、すでに検討なんかもしてますし、準備もしてるところということでございます。以上でございます。
◆やまね/あの以前のですね、委員会答弁で、部長のほうから、「だいたい年3~4回ほどいろんなご要望を受けた中で砂利の補充なんかの補修させていただいてる」という答弁もあったんですけども、この補修っていうのがですね、実際どの部分で行われてるのか、毎年同じようなところでやってるのか、市が補修した箇所については、ちょっとこれは資料請求を最後お諮りいただきたいと思います。
それでもう一つですけれども、同じ哲学の道でも場所によってですね、道にかかる負荷が大きく違うと思うんですね。資料に示されてますようにですね、道路交通法の区分で言うと、銀閣寺橋から第二寺ノ前橋は時間帯によって車が通行しますけれども、第二寺ノ前橋から南ですね、若王子橋まではですね、自転車と歩行車の専用道路となっておりまして、土の道であるけれども、車が頻繁に通行して轍ができるような場所ではないと。で、そこでこの車が通行する地道になっている部分で、実際にどれだけ車両の交通量があるのかとか、こういう調査はされたんでしょうか。いかがでしょう。
(→梅原・土木管理部長)はい。えっと、哲学の道の交通量調査ということでございますけれども、ま、現状の土の道のところで、今の車、いろんな車が通られてる中で、いろんなこういう、砂利道が、土埃が立つとか、石が飛んで、その家のですね、ガラス戸を割るとかそういうふうなことが起こってるということでございまして、その、そこの交通量を測って交通量が多いから少ないからとか、この車種が通ってるから、この車種が通るとどうやとかいうことではなくて、今の現状の中でそういうことが起こってるいうことでございますんで、ちょっと、ま、交通量の調査というのは、行ってもございませんし、ま、今後行うという予定もないということでございます。以上でございます。
◆やまね/はい。で、ま、私は色々これまでの議論をお聞きしまして、やはりその土の道の良さっていうのをやはりできるだけ生かしながら、同時にこの土埃という課題を抑えていく、で、そのために新たな技術の研究だとか検討をしていくというですね、そんな迫り方が、最も幅広い合意形成が得られるんじゃないかなというふうに思っておりまして、で、そのためにはですね、やはり地道とアスファルトの温度計測であるとか、桜並木や天然記念物などのところの生息状況ですね、これがどうなってるかとかですね、それから舗装されていない部分の交通量の調査であるとか、それから先ほど少しちらっと言っていただきましたけど、やはり土埃の出にくい素材、新たな素材での実証実験などですね、こうした点を調査、検証して、データを示していく、そして重ねていくということが、多くの方が納得いく結論を出していく上でも重要だと考えますので、ぜひ、引き続き、丁寧な議論と市自身の調査もぜひ積極的にやっていただきたいと、このことを求めて終わります。以上です。
◎委員長/先ほどやまね委員から要求のありました「哲学の道における砂利道の補修状況にかかる資料」については理事者提出できますか。
(→梅原・土木管理部長)あの、過去何年間とかいうふうに絞っていただかないとちょっと限界がありますんで。
◆やまね/そしたら、ま、3年か5年ほどで結構ですので、はい、よろしくお願いします。
(→梅原・土木管理部長)そしたらえっと、過去、えっと3、5年、過去5年、5年、出せますんで、過去5年間の補修状況について資料のほう取りまとめの上、提出させていただきます。
◎委員長/提出できるとのことですので、委員会資料として提出を求めることにご異議ありませんか。ご異議がありませんので委員会資料として提出を求めることに決定いたします。理事者におかれてはなるべく早くご提出いただきますようお願いいたします。
2025年10月24日【まちづくり委】建設局/一般質問「哲学の道について」
(更新日:2025年10月24日)

