陳情審査:京都駅前の再生にかかる有識者会議の公開を(2025年11月6日/まちづくり委・都市計画局・平井良人議員とやまねの質疑文字起こし)

*京都市の説明

(→堀崎・まち再生創造推進室長)陳情番号第4465号「京都駅前の再生にかかる有識者会議の公開」につきましてご説明申し上げます。お手元の陳情文書表をご覧ください。陳情者につきましては記載の通りでございます。

次に要旨ですが、京都駅前の再生にかかる有識者会議について、第1回と第2回は公開であるものの、第3回と第4回が非公開となっている。多く市民の意見を取り入れ制定された新景観政策を大きく変更する可能性のある有識者会議は、多くの市民の意見を取り入れ議論する努力をすべきであり、市民参加推進条例第3条に規定された本市の責務規定に違反するとともに、同条例第4条に規定された市民の責務を全うする道を閉ざしている。京都市は市民参加推進条例に基づき、京都駅前の再生にかかる有識者会議の公表を徹底すべきである、という旨の内容です。

本陳情に対する本市の考え方についてご説明申し上げます。本市では、京都駅前の再生にかかる有識者会議を始め、審議会等は、市民参加推進条例に基づき「原則公開」で行うこととしており、第1回、第2回は公開で行いました。第3回は民間事業者を招いてヒアリングを行いましたが、内容を公けにすることにより当該法人の権利、競争上の地位、その他正当な利益を害する恐れがある非公開の事業ノウハウ等が含まれており、対象者からの「公にしない」との条件のもとに実施したため、京都市情報公開条例第7条第3号の規定に基づき「非公開」といたしました。また、第4回及び第5回は、京都駅前における商業・業務機能の集積に向けた高さ・容積率などを始め、規制や誘導策のあり方について検討を行っており、有識者会議における自由活達な議論が必要な中で、その中立性が損われることを避けることや、検討段階の内容を公けにすることで市民の間に混乱を生じさせたり、特定のものに不当に利益または不利益を与えたりする恐れがあったため、当条例第7条第5号の規定に基づき「非公開」といたしました。

なお、次回の第6回会議は、今後市民の皆様にご意見を伺うために、これまでの検討の取りまとめを行う予定であり、「公開」予定としております。そこでは、第4回第5回の議論を踏まえた内容となるため、第4回第5回の経過も可能な範囲でお示しすることを予定しております。

今後とも、京都駅前の再生にかかる有識会議については、市民参加推進条例に基づき「原則公開」で実施してまいるとともに、今後しかるべきタイミングで、市民の皆様のご意見を伺ってまいりたいと考えております。ご説明は以上です。

*議員の質問

◆平井議員(共産)/よろしくお願いします。まずは陳情についてですけども、京都市市民参加推進条例についてお聞きしたいんですけれども、これ、条例に抵触しているのか、それともしていないのか、先ほどの答えでは「していない」という話でありましたけども、これ、都市計画局でも判断できるということなのかどうか、教えていただきたいと思います。

(→堀崎・まち再生創造推進室長)はい。先ほどもお答えをさせていただきました通り、有識者会議につきましては原則公開で行うこととしております。また、非公開にしたものにつきましても、情報公開条例に基づく非公開情報に限って非公開としているというところでございまして、市民参加推進条例に反していないという風に考えております。なお、取り扱いにつきましては関係部局、条例の所管部局にも、協議をした上で、取り扱いを決めたというものでございます。

◆平井議員(共産)/そうだとしてもね、半分が非公開になってるわけですよね。この有識者会議自身が。そういう中で、本当に、そういう中立な判断がされたのかどうかっていうのが、非常に疑問でありますし、本来ならばね、文化市民局の方々が、来ていただいてですね、この条例に基づいてそういう判断がどうだったのかっていうのを詳細に、答えるべきでありますし、ご出席されていないというのが、非常に疑問であります。

これ、陳情の本文にも書いてある通り、第3条でですね、「情報の提供や公開を推進することや、政策の形成から実施・評価に及ぶところまで透明性が必要なことだ」と、いうことになっています。先ほどの話で言いますとね、4回とか5回の話ですけども、規制や誘導なども行うっていうことでありまして、これ不利益は事業者だけの不利益で考えるべきではないという風に思っておりますけれども、政策の目的や内容・効果などを、市民に分かりやすく説明する責務と、市民参加と機会の確保に努めることが必要だという風に書いてあるわけであります。

非公開を連続で行ってるこの有識者会議はですね、僕はですね、条例3条に抵触してるのではないかと思うんですけど、これ改めて聞きたいのと。できあがってからの説明ではなくて、政策の形成においても説明する必要があると思うんですけれども、これ政策の形成のところがね、やっぱり非公開になってるんではないかと思うんですけど、いかがでしょうか。

(→堀崎・まち再生創造推進室長)繰り返しになりますけども、今回の会議自体は原則公開で行うこととしておりますし、第3回から第5回については非公開で行いましたけれども、次回の第6回、まだ完全な取りまとめでありませんでして、専門家の皆様の一定のここまでの議論の取りまとめを行うということで、次回の第6回については公開をするということを予定をしております。また、第6回におきましては、第4回と第5回の議論の内容につきましても、経過についても可能な範囲でお示しをするということを予定をしておりまして、条例に沿ったものであるという風に考えてございます。

◆平井議員(共産)/「可能な範囲」と言いましたけれども、示されてる内容がね、一切ない中で、何が可能かっていうのは一切こちらには分からない話でありまして、政策の形成において説明する必要があるんじゃないかという風にお聞きしたんですけれども、その点については全く答えられておられませんでした。

第4条には、「市民がその情報、政策の形成、実施・評価の一連の過程において、市政に参加するよう努める」という風にあるわけであります。これ市民が不在だということではないかと思うんです。しかも「主体的に取り組むことを通じて、まちづくりの活動推進、京都市と市民の共同」だという風にされているんですよね。でもこれ、例えば、事業者以外の、住民の方々、置いてきぼりっていうことになってる話だという風に思うんですよね。公開が必要だと思うんですけど、この点いかがでしょうか。

(→堀崎・まち再生創造推進室長)あの、繰り返しで恐縮ですけども、今回の有識者会議について原則公開で行うこととしております。で、あの、今後市民の意見も聞くことも予定をしておりますし、次回の第6回はですね、公開で行う予定としております。

◆平井議員(共産)/あの、同じ答えならば、同じ答えですということだけでいいと思うんですよね。それだけ答えにくいという話だという風に思うんです。

2025年11月4日、一昨日ですね、に、この有識者会議の前提であります、高さ規制の緩和である京都中央郵便局の建替え計画に対するですね、京都弁護士会の意見書が、市長や都市計画局長、国土交通大臣、建設主体の事業者に提出をされたという風にお聞きしております。意見書にはですね、記載の趣旨としての1番目に、「高度地区規制31mを上回る高さ60mの建物を認めることに反対する」という風に、されておられます。都市計画の見直しを検討するにあたって、非公開の少人数での有識者委員会方式ではなく、都市計画、建築、法律、福祉、教育等の各分野の専門家及びこれまでまちづくりに取り組んできた住民・市民で構成する審議会の設置や、複数案、少なくとも3案で、パブリックコメント3ヶ月以上の期限の実施と、公聴会の開催、市議会での十分な審議を経ることなどが挙げられています。既に読まれているものなのかお答えいただきたいと思います。

また、計画そのものがですね、高さ規制の意義をほとんど無意味にしてしまう点、計画は特措法がその前に作られた新景観政策に合致してないこと、特措法の適用要件の「都市の居住環境の向上」が都市の再生によって不可欠であるということでありまして、「上層階にホテルを配置することを目的としたこの計画は、ホテルの過剰供給による市民への影響が深刻に懸念されてる状況のもで、都市の居住環境の向上に資するとは想定できない」と、「適合していない」という意見もこの中で述べられています。この京都駅付近の都市計画に際しても、これ同じことが言えるんじゃないかと、有識者会議全体がその京都駅付近ですから、改めて、京都駅前の再生にかかる有識者会議の全面的公表と公開を行うべきじゃないかと。京都市市民参加条例に沿う、会議体などの検討を行うべきだと思うんですけど、いかがでしょうか。

(→堀崎・まち再生創造推進室長)えっと、まだ高さの見直し云々とかそういったことで何か、何ら決まっていることは一切ございません。また、この有識者会議の結果を踏まえて、直ちにその規制の見直しが行われるというものでもございませんでして、仮にそういった規制の見直し等々する場合には、当然のことながら、都市計画の決定手続き等々が必要になりますので、そういった手続きを、行ってから、見直しが行われるということになると考えてございます。

また、この有識者会議につきましては、繰り返しでございますが、今後市民の意見を聞いていくということを予定をしております。第6回につきましては公開をするということを予定をしてございます。

◆平井議員(共産)/あの、「高さとか決まっていない」と言いましたけれども、さっきは「高さ・容積率等について検討してる」って言われたわけであります。規制という言葉で言われましたけれども、規制という中には、規制緩和という中身も、十々入ってるのではないかと、いう風に思っております。これ、陳情にも書かれてますけれども、今本当に、2007年の新景観政策を、根底からですね、覆返す可能性があるわけでありまして、商工会議所の都市整備委員会ですよね、これ会頭ではなくて都市整備委員会から「60mまでの規制緩和」が、この有識者会議の直前にですね、求められてるわけでありまして、こういうことが規制緩和につながるっていうことは、誰でも想定できる話だという風に思いますし、先ほど「事業者への配慮」と言いましたけれども、これ法人って言われたんですけども、やっぱりほとんどが会社だと、個人ではないっていう話でありまして、こういう事業者への配慮から非公開という事例が相次いでいると、いうことでありますけれども、ま、結局そのことによってですね、市民は京都市で何が起こってるのか分からない状態になるわけでありまして、これはもう異常だと言わざるをえないという風に思いますし、これまでも指摘した通り、京都中央郵便局の建替えをすることによって、点から面になると、いうことになりますし、この有識者会議が面を作るものではないかという風に思うんですよね。こういう有識者会議ではなく、やっぱり開かれた市民の声を直接聞く形にすべきだということは強く求めたいと思います。終わります。

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◆やまね議員(共産)/すいません。私からも1点だけお聞きします。こないだの市長総括でも少し私申し上げたんですけれども、以前、副市長のほうからですね、京都駅周辺では宿泊施設が過剰になっているというお答えも、あったわけですね。で、宿泊施設の「拡充・誘致方針」は、今後廃止ということになっていくわけですけれども。そういう認識も示されているのに、市も関わる計画の中で、ホテルを作るということは、市民から見て「まだ京都市はホテル作ろうとしてるのか」と。京都市自身がホテルを、この計画に関わろうとしてる。これおかしいと見られないかと、私思うんですが、この点のご認識いかがでしょうか。

(→堀崎・まち再生創造推進室長)すいません。ホテルと仰ってるのは、どの、どの計画のこと仰ってるんでしょうか。

◆やまね議員(共産)/あの、京都駅、今の陳情に関わって、この京都駅前のプロジェクトでホテルという話が出てるんじゃありませんでしたか。

(→堀崎・まち再生創造推進室長)えっと、現在この、陳情で頂いてるもの、京都駅前の再生にかかる有識者会議につきましては、新京都戦略でありますとか、都市計画、都市マスタープランに位置づけられました、商業・業務機能の集積に向けまして、ま、その具体策であるとか、将来像について議論をしているというところでありまして、具体的にホテルどうのこうのということでなくて、ま、集積すべき機能、あるいは抑制すべき機能ということも、含めてあの検討しておりますけども、そういったものは今後この、検討会の中で、検討していくということを予定をしております。

◆やまね議員(共産)/はい。ま、あの、三条の駅前のものもそうですけれども、未だにやはり京都市がこういう関わるような形で、ホテルという話も出てきているということに対しては、非常に私は疑問を持っているということだけちょっと申し上げておきたいと思います。以上です。

2025年11月6日【まちづくり委】都市計画局/陳情審査「京都駅前の再生にかかる有識者会議の公開」

(更新日:2025年11月06日)