自民党・大西ケンジ市議の不正経理疑惑。6月23日、テレビカメラも入るなかおこなわれた共産党の論戦です。動画も公開されています。※YouTubeリンクはこちら→https://youtu.be/zywcKtqt3fk?t=1h41m
◆井坂議員/私のほうからは、いま京都市が認証もしくは認定しているNPO法人の運営に関してお聞きをします。まず最初に一般論ですが、認証NPO法人と認定NPO法人と2種類あるわけですが、この違いは端的に言って何ですか。
(→林地域自治推進室長)認証NPO法人と認定NPO法人の違いについてのおたずねでございます。えー簡単に申しますと、まずあの認証NPO法人の認証とはですね、特定非営利活動法人、えー特定非営利活動をおこなう団体に法人格を付与するものでございまして、特定非営利活動促進法、いわゆるNPO法では、設立要件の判断において所轄庁の裁量の余地は極めて限定されておりまして、たとえばですけれども、営利を目的としないものであることや、10人以上の社員をようすることなどの設立要件に適合する場合は、認証すると言うものでございます。
一方ですけれども、認定NPO法人ですけれども、認証NPO法人よりもハードルが高くなってございまして、認証NPO法人のうち、たとえばですけれども、3000円以上の寄付者が100人以上いるといった、まああの、広く市民からいかに支援を受けているかという判断基準、いわゆるPST基準、パブリック・サポート・テスト基準をはじめ、運営組織及び事業活動等が適正であるかどうかについて、一定の基準に適合する法人を認定するものでございます。まあこの結果認定NPO法人への寄付金については、寄付者に対する税制上の優遇措置として寄付金税額控除等が適用されるというようになってございます。以上でございます。
◆井坂議員/5月の市会でもこの委員会で議論になりました「ひこばえ」を認定NPO法人にするってことで条例で定めました。いま本市のなかで条例で定められている認定NPO法人は全部で6団体しかないんですよね。あえて「しか」と言っておきますけど。そして認定基準については、いまも説明あったように、年間で3000円以上の寄付者が100人以上とか、あるいは税制上の優遇措置が取られているということで、この認定NPO法人というのは、社会的な存在が大きいというふうに思うんですよね。で、そこで認識をお聞きしたいんですけど、このNPO認定法人の公益性に対する認識はどうですか。
(→林地域自治推進室長)はい、えー先ほど申し上げましたように、認定NPO法人というのは、税制上の優遇措置を受けまして、あるいは、市民のみなさまからの信頼を集めて寄付活動をおこなっていることからですね、えー認証NPO法人に比べましても、よりいっそう適正な組織運営、あるいは、活動の透明性が求められる組織であると、いうふうに認識しております。以上でございます。
◆井坂議員/公益性は高いと、いうことが認められているというふうに思うんです。で同時にね、これも説明にありましたけど、認定NPO法人に対する行政からの指導権限、監督権限といいますかね、これは非常に裁量権が広いと、いうことになっています。でNPO法の第64条には、認定NPO法人に対する報告及び検査、つまり報告を求める、検査に入る、ということに関する規定があるんですけど、64条の1項を読みあげていただけますか。
(→林地域自治推進室長)ええっと64条…ですね、はい、ええとNPO法64条でございます。ええこれは報告及び検査に関することでございまして、読み上げさせていただきます。「所轄庁は、認定特定非営利活動法人又は仮認定特定非営利活動法人が、法令、法令に基づいてする行政庁の処分若しくは定款に違反し、又はその運営が著しく適正を欠いている疑いがあると認めるときは、当該認定特定非営利活動法人等に対し、その業務若しくは財産の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、当該認定特定非営利活動法人等の事務所その他の施設に立ち入り、その業務若しくは財産の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる」、以上でございます。
◆井坂議員/というふうに、もう一度言いますけど、定款に違反して、またはその運営が、著しく適正を欠いている疑いがあると認めるときには、報告を求め、立ち入りし、検査をすると、という権限をもってるんですよね。で、一方で、認証NPO法人に対しては第41条でどうなってるかというと、この「疑いがあると認められる相当の理由があるとき」ということで、ハードルが高いんですよね。だから、認定の場合には疑いがあると認めたときには、調査に入ることができるし、検査をすることができると。ということが明記をされております。で、そしてそのうえで、改善措置の勧告、事業停止の命令、そして最後は認定の取り消しっていうところまでいくわけなんですよ。で、この定款に違反をして、運営が適正を欠いてるというふうに判断をするのはどこですか。
(→林地域自治推進室長)はい、あの、判断につきましては、まずあのNPO法を所管する内閣府にも適宜見解を確認していくこととなりますけれども、最終的に運営が著しく適性を欠いていると判断するのは、所轄庁でございます京都市であり、所管は我々文化市民局でございます。
◆井坂議員/文化市民局がその判断をすると、いうことを確認します。でそのうえでね、NPO法であるんですが、運営が適正を欠いているという中身について、事業運営、つまり事業のあり方と同時に、経費の処理の不備、あるいは、不適切な会計処理っていうのは、当然含まれると思うんですがいかがですか。
(→林地域自治推進室長)はい、どんな場合運営が適正を欠いているかというご質問でございますけれども、NPO法を所管する内閣府の見解もうかがっておりますけれども、これまでの実例によりますと、えー運営が著しく適性を欠いているケースとしては、たとえばですが、長期間にわたって適正な会計処理がなされていない状態、あるいは、監事によるチェック機能の役割が果たせていない状態等が続いていた場合は、運営が著しく適性を欠いていると、判断することになるということでございます。以上でございます。
◆井坂議員/適切な、適正な会計処理がなされていないっていうことが、この判断に入っていると、いうふうに思うんです。
そこで、今度は具体的にお聞きします。京都市が認定するNPO法人のなかに、昨年2月に認定された「田中セツ子京都結婚塾」ってのがあります。で、この法人における会計処理に関して、過日の新聞各紙が、「不適切な会計処理が指摘をされ、240万円が返還をされた」というふうに報道をされています。あるいは、この当該NPO法人が作っているホームページにおいて、理事長が16日付の「関係者の皆様へ」ということで、お詫びを掲載をされています。そのなかでは、「一部経費支出が架空であったことが判明し、経費の私的流用が明らかとなった」と書いてあります。一連の新聞各紙の報道や、この理事長のお詫びコメントを受けて、同法人に対する事情聴取、そして説明を受ける、あるいは、その法人からの説明、どうでしたか。
(→林地域自治推進室長)はい、あの、我々も各種報道を受け、そしてあの、いま先生おっしゃっていただきました法人によるホームページのお詫びについても見させていただいております。であの、我々えっと、これを受けまして、昨日ですけれども、理事長から任意での事情をまず確認致しました。えー理事長からは「報道されている内容の通りであった」と、で「法人としてはできるかぎり速やかに徹底究明していきたい」というような旨のご発言がございました。以上でございます。
◆井坂議員/理事長から「報道の通りであった」というふうに言われることは、どこまでをさしているのかってことなんですけど、不適切な会計処理があったということにとどまっているのか、それともお詫びコメントに書いてあるような、一部経費支出が架空であったこと、あるいは、経費の私的流用が明らかになったこと、これについても理事長はそういうふうに京都市に対して説明をされたんですか。
(→林地域自治推進室長)おそれいります。あの、昨日についてはあの、概略についての任意の事情聴取でございます。あの、一応あの、その部分で詳細についてはまだおうかがいする段階にはございません。
◆井坂議員/それでは、報告・聞き取り・事情聴取のなかで、そこはしっかりとおさえていただきたいというふうに求めておきます。そのうえで、同じく同法人がホームページに公開されている定款、これを読みました。そしたら、第42条で、法人の会計は「NPO法第27条にかかげる原則に従っておこなう」というふうに書いてあります。法27条にある原則とは何ですか。
(→林地域自治推進室長)えーNPO法第27条にある原則についてでございます。27条に規定する会計の原則でございまして、具体的には、えー「会計簿は正規の簿記の原則に従って正しく記帳すること、あるいは、活動計算書、貸借対照表及び、財産目録は、会計簿にもとづいて、活動にかかる事業の実績及び、財政状態に関する真実な内容を明瞭に表示したものとすること」といった原則に従って会計に関する事務をおこなわなければいけない旨を規定されております。以上でございます。
◆井坂議員/そうなんですよね。もう1回くり返しますけど、NPO法第27条には、会計の原則について、「会計簿にもとづいて、活動にかかる事業の実績及び、財政状態に関する真実な内容を明瞭に表示したものとする」というふうに、明記してるわけです。でそこでね、いま新聞各紙が報道したり、理事長がコメントで述べていることが、これが事実であれば、この原則にも反しているということになると思うんです。定款に違反してその運営が著しく適性を欠いている疑いと、いうところにこれは該当するんではないかというふうに思うんです。したがって事実確認を含めて、あらためて求めます。法第64条にもとづいて、直ちに、きちんと報告を求めて、施設に立ち入り、帳簿類を検査するべきであると思うんですけど、いかがですか。
(→林地域自治推進室長)はい、えー、いまご指摘のございましたように、え、あのー我々NPO法人の所轄庁としての役割、これにつきましては、あのー、NPO法の第41条に、えー「検査の権限は犯罪捜査のために認められたものと解してはならない」とされておりますように、えー私的流用等の横領があったかの犯罪捜査をおこなうのではなくて、えーNPO法人としていかに運営が著しく適性を欠いていないかどうかについて、事実関係を明らかにすることでございます。えーこのためあの、新聞報道がございました後に、ええ当該NPO法人の所轄庁と致しまして、NPO法にもとづき、適正に運営されていたか、あるいは、ええどういったかということについて、現在、理事長から任意の事情聴取を進めているところでございます。
そしてあの、NPO法にもとづき、適正に運営されていたかという観点から、特定の職員に経理事務をまかせっきりにしていなかったかといった、適正な会計処理が遂行される執行体制という点、あるいは、ええ、監事は計算書類の確認だけではなくて、通帳や現金残高との照合等の実質的な財産状況の確認をおこなっていたかといった、理事等の執行機関を監査する監事によるチェック機能の役割、といった点などを中心に、確認し報告を求めていくこととなります。
そしてこの、任意の事情聴取の結果、法令違反や長期にわたって適正な会計処理がなされていない状態、あるいは、ええ、監事によるチェック機能の役割がはたせていない状態等が続いているなど、運営が著しく適性を欠いている疑いがあると認められた場合は、NPO法にもとづきまして、これは法第64条でございますけれども、正式に報告・聴取を求めたうえで、立ち入り検査の手続きを進めていくことになるものと考えてございます。
◆井坂議員/私もね、NPO法は一通り読みましたんで、所管庁、今度の問題含めて言えば京都市文化市民局が、報告を求め調査に入るってことについては、警察と同じような入り方をするんではないというのはわかってるんです。ですけど、一番最初に確認したように、NPOに認定されている法人ていうのは、社会的な存在であり、公益性があるんですよ。後でも言いますけど。で、この法人についてはね、京都市の補助金も出されている団体であるんです。したがって、そういう点で、きちんと、疑惑・疑問・疑い、これを晴らすっていうのは、行政の責任であると、いうことであります。そういう認識をもって、これはあたっていただきたいと、強く求めておきたいと思うんです。
そこで、法人はいま任意の事情聴取をしていると言いますけど、新聞報道では「法人としても調査をして明らかにする」と、こういうふうに言っています。で、この向こうからの、法人からの報告っていうのは、どういうスケジュールとテンポでおこなわれるというふうに聞いておられますか。
(→林地域自治推進室長)ええ、今後のスケジュールについてでございますけども、何分、本市として初めてのケースでございまして、先ほど申しました任意の事情聴取も複数回におよぶと考えられるため、現段階では具体的なスケジュールを示すことはできませんけれども、たとえば他都市の事例では、報道から先ほどおっしゃっていただきました勧告まで約4~5か月かかってると、いうような状況でございます。以上でございます。
◆井坂議員/本市がおこなう調査、先ほども言いましたように法第64条にもとづく調査については、可及的かつ速やかに、議会及び市民に明らかにしていただきたい。たしかに本市においては、初めてのケースであり、ちょうど決算報告が3月末で閉じて、6月末、3か月以内に出されるっていうことですから、それぞれのNPO法人の決算報告が集中する時期ではあります。ですけどここまで、市民が注目し問題になっている事案ですから、この問題については速やかに調査をして報告をいただきたい。
合わせて、この認定NPO法人については、事業報告書とともに、明細書、取引先、金額というのも提出することが義務付けられているはずです。これらの報告書について、委員会資料として提出していただきたいと。で、必要な資料ですから、必要以上にマスキングをしないように提出をしていただきたいと思うんですが、いかがですか。
(→林地域自治推進室長)先生ご指摘のように、我々と致しましても、市民の皆様に説明責任をはたすという意味で、できるかぎり速やかに取り組みを進めてまいりたいと思っております。しかしながらあの、調査結果の報告につきましては、あの、任意の事情聴取、あるいは報告聴取、立ち入り検査の段階ですと、あの、法令違反等の疑いがあるときに、事実確認のためにおこなうものでございますので、疑いの事実確認をしている段階で知りえた事実を公表することは望ましくないというふうに考えております。これは、あの、内閣府の見解でもございます。ただし、ええ、報告聴取、立ち入り検査をおこなった結果、認定基準等に適合しなくなったと疑うに足りる正当な理由がある場合、勧告をおこなうことになりますけれども、勧告段階では、ええ、内容をインターネット等、適切な方法で公表することがNPO法第65条で義務付けられておりまして、その段階に至りましたら公表し、ご報告させていただくことになると考えております。
なおあの、本市では、特定非営利活動促進法の運用方針を定めておりまして、このなかで、任意の事情聴取やNPO法にもとづく報告聴取、立ち入り検査の段階におきましても、市民の皆様への説明責任という観点から、本市としましてはNPO法人に対しまして、事実関係を法人自身が公開するよう市民への説明を要請していくことになります。
それから、ええあの二点目、いまおっしゃっていただきました資料、明細書、取引先、金額につきましては、提出させていただきます。以上でございます。
◆井坂議員/法人が、自ら解明をして、明らかにした問題については、法人の責任で市民に明らかにするように求めると、いうことでありますから、それは法人のところにきちんと指導をしていただきたいと、これ認定しているわけですから。それくらいやっていただきたい。
でね、最後のひとつ前に、京都市がこのNPO法人を認定する際の「認定基準チェック表」というのがあるんですよ。これ見ましたら、この「結婚塾」に対して、「偽りその他不正の行為により何らかの利益を得、または得ようとした事実、その他公益に反する事実がないこと」ということをチェックしてるわけです。でその時にチェックした結論は、「なし」というのが結論ですよ。いいですか。認定するときには、そういうことはなかった。ないと。だけども、もしこれが、もう1回言いますよ、「不正の行為により何らかの利益を得、または得ようとした事実、その他公益に反する事実」があった場合には、これは、チェックが漏れていた、もしくは、法人が報告をしていたことに虚偽があったと、どちらかしかないんですよ。したがって、そういう問題も含んでいると、認識をしておいていただきたい。
で、最後に、もう一つ資料要求をお願いしたいんですが、法人はさっきも紹介しましたように、各種の補助金を受けています。一つが平成25年度、右京区まちづくり支援制度、支援事業に婚活の事業を申請して、39万円の補助金がおりています。で、もう一つ、平成26年度、南区の「南力で頑張る区民応援事業」、ここにおいても同じく婚活事業を申請をして、採択をされて49万円。25年度で39万円、26年度で49万円の補助金を受けています。いいですか。補助金の原資は市民の税金でしょ。で、市民の税金が、これらの活動にまわされているわけです。その事業の是非については、いまうかがい知ることはできません。婚活活動一般について、それについて意見を言うつもりもありません。だけども、一連の流れからいくと、この事業費補助を受けておこなった事業についても、精査をする必要があると私は考えます。したがって、この2つの事業の、事業報告書と会計報告書、これを提出してください。どうですか。
(→林地域自治推進室長)はい、ええ、先生おっしゃっていただきました、あの、区民提案型支援事業補助金、2つの区役所から補助金を受けております。ただし南のほうにつきましては、25年度38万ございましたけれども、26年度については事業の中止に伴って交付金の申請を取り下げておられますので、25年度だけになりますが、ええ、この2点について、家等の個人情報を除きまして、資料は提出させていただきたいと思います。
◆井坂議員/ごめんなさい、26年度事業申請をして取り消したんであれば、法人に任意ですけど、なぜ事業を申請を中止したのか、そのことの理由も含めて資料として出してください。
(→林地域自治推進室長)はい、事業を中止された理由につきましては、区役所ないしは、あの援助団体に確認のうえ、資料として提出させていただきます。
2015年6月23日【くらし環境委】文化市民局:一般質問「京都市の認定NPO法人の運営について」
(更新日:2015年06月25日)