本日、くらし環境委員会で一般質問をおこないました。数字の追及というのはやはり相当つめておかないと難しくて、現場の声とリンクさせてやらなければやはり机の上の議論になってしまうと感じました。
しかし、京都市が「大都市で一番ごみの少ないまち」の根拠としている「1人1日あたりのごみ量」が、大変あやふやなものであることは問題提起できたと思います。実際はもっと増えることを答弁でも認めました。長いやり取りになったので今回は要約版で報告します。
◆やまね/ごみ減量にあたって大事なのはまず「2R」(リデュース、リユース)、そして「分別・リサイクル」という考えか?
(→京都市)これまで3Rとも言われてきたが、リサイクルはコストも環境負荷もかかる。すべて重要だが2Rは上流対策になる。2R推進でリサイクルをしなくてもよくなる。
◆やまね/「京都市のごみ量がピーク時の年82万トンから4割以上減の46万トンまで削減」となった要因は?
(→京都市)ごみ減量リサイクルの法整備、もちこみごみや建設廃材、告示産廃の受け入れ廃止。家庭系では有料指定ごみ袋、雑紙回収、市民の見識・協力・努力、拠点回収・エコまちステーションの取り組みなど多面的な努力で。
◆やまね/一つ気になるのは、6月発行の京都市のお知らせにも「ごみ量4割削減」とあるが、正確には「=ごみの量」でなく「京都市の受入量」だ。市民や事業者による資源ごみの自主回収分がここには含まれていない・「ごみ量が4割以上減った」というのは市民に誤解を与える表現ではないか。現在の到達点をはっきりさせないと対策もあいまいなものになる。
「ごみ袋有料化」も一つの要因としてあげられたが「有料化をやめるとまた増える」なら、根本的には解決していないということだ。同じ政令市・広島や横浜では、家庭ごみを有料化せずに減らしている。そうすると京都では、本来市民のみなさんが負担しなくてもいいお金を払わされていることになる。ごみ袋は有料化廃止、せめて値下げを。
(→京都市)他都市では有料化を廃止するとリバウンドでごみが増えた事例が多い。燃やすごみはすべて税金で処理する。ごみの減量に取り組む人ほどむくわれるようにしたい。公平な負担を。有料化していない自治体があるのも事実だが、京都市でいまのところごみ袋値下げや廃止は考えていない。
◆やまね/今年1月の『名古屋ごみレポート14版』では「他の政令市との比較」をやっている。1人1日当たりのごみ量、京都市は879gで市の発表通り。しかし「資源」はそのうちわずか37g。資源の量もパーセンテージも政令市で一番少ない。「大都市で一番ごみの少ないまち」と胸をはるが、もう一つの側面は政令市ワーストレベル。ただ名古屋市のデータは注意書きで「京都市の資源量は集計中」とある。もし数字が違うなら訂正を。
(→京都市)名古屋市の数字は間違っている。すぐに名古屋市にも連絡を入れた。1日1人あたりの資源量、京都市の実際の数字は104gで分別リサイクルも他都市と比較して遅れていない。都市によって集計の仕方や分別の仕方がばらばらで資源量の比較は難しい。
◆やまね/資源ごみが実際は104gとなると、京都市の1日1人あたりの家庭ごみ量はもっと増えるのでは。
(→京都市)945gになる。
◆やまね/増えるじゃないか。ごみ量を数える時は家庭や事業者の自主回収分を入れないで、資源量はそれでは比べられないというのは都合がよすぎる。
先日視察した市のリサイクル施設、現場の声を紹介したい。「リサイクルするプラが何か理解されていない」「食品のカスや汚れがあると製品の品質劣化の要因になる。マヨネーズ容器など切り開いて洗ってきれいな状態で出してほしい」とのこと。現場ではこう言ってる。しかし、市のホームページでも、市民しんぶんでも、「きれいにしなければリサイクルに使えない」という言葉は出てこない。市民への周知徹底が不十分では。
(→京都市)これまでも努力してきたが、さらに周知徹底につとめたい。
◆やまね/「異物にハサミ、カミソリ、注射針などの危険物も多い。これまで数回、注射針でケガをした事例があった」という声も。医療用注射針でケガをした場合、どんな処置・対応が必要となるか。医療機関と連携し対策を強化すべきだ。
(→京都市)注射針でケガをした場合3ヵ月後・半年後に血液検査が必要。医療機関とも連携し対策を強めたい。
◆やまね/5月に山科区の廃棄物運搬業者が逮捕された。滋賀県草津市のリフォームで出た廃プラを一般廃棄物に混ぜた。1年前には南区の解体業者が逮捕されている。木くず・瓦礫を火災ごみの中に混ぜて山科区の処理場に持ちこんだ。こういう事例はこれまでも起こっているのか?京都市での事例、他都市での事例を資料として提出を求めたい。
(→京都市)この2件以外にはないと考えている。資料を提出する。
◆やまね/なぜこういうことが起きるか、なぜ京都市では資源化が進まないか。そのおおもとには「分別しなくてもいい」「全部燃やしたらいい」という全量焼却方式、京都市で長年おこなわれてきたごみ行政がある。焼却灰溶融路も大変な税金のムダ使い。その反省なしに「有料化をやめたらごみがまた増える」というのは、「分別資源化が進んでいない」「ごみ量そのものが4割減ったとは言えない」「市民を信頼していない」ことを物語るものだ。大規模焼却、焼却灰溶融炉、こういう考え方・やり方と手を切り、「2R+分別・リサイクル」を市民のみなさんと徹底的に追求することがごみ減量への道ではないか。
(→京都市)京都市の最終処分場は523億円もかけて作った。より長く使う必要がある。焼却灰溶融路は全国で200あまりの施設が稼動し、確立されている技術。非常にすぐれた延命効果。
◆やまね/かん・びん・ペットボトルを分けて回収すれば市民の意識も高まり異物混入も減るのではと京都市に聞いたら「どうせ選別作業をする」「大都市ではまとめて回収するのが普通」「ばらばらに回収するとコストがかかる」「家の中にものすごいスペースをとらないといけない」と消極的な回答。しかし、名古屋などではそういう分別を徹底して家庭ごみを有料化せずにやってる。行政も、我々市民も、業者もそこを意識しないといけない。京都だけできないはずがない。市民負担の軽減、家庭ごみ有料化の値下げ・廃止をあらためて求める。
2015年6月23日【くらし環境委】環境政策局:一般質問「ごみ減量の取り組みについて」
(更新日:2015年06月23日)