「原子力災害から147万市民を守る」なら京都市全体を視野に入れた計画の策定を(2016年10月4日/決算委・行財政局・やまね)

◆やまね/よろしくお願いします。あのー先ほどからですね、あのー地震や、あるいは土砂災害、大雨時の対応についての質疑が、あのたくさんの委員のみなさんからありました。で、私はあの、あらためて京都市の防災計画の中でも、原発事故への対応について、今日はお聞きをしたいと思います。えー、で、原発事故から5年半が経ちましたけれども、事故はいまだ収束をしておりません。被災者のみなさんの苦しみも続いております。今年の動きを見てもですね、高浜原発の4号機は、2月20日にボルトのゆるみで汚染水漏れを起こしながら、その後再稼働して、2月29日にTVカメラの前で警報が鳴り響いて、緊急停止をするという事態が起こりました。それからその後、3月9日に大津地裁で高浜原発3・4号機の運転差止め仮処分決定が出されて、稼働中だった3号機も停止をされました。7月12日にはですね、その取消を求めた関西電力の異議が退けられました。で、その中身はですね、やはり安全性や避難計画が大変不十分であるということが指摘をされております。そのことを踏まえてあらためてお聞きをしますが、で、あのこの京都市のですね、この「地域防災計画・原子力災害対策編」を私も拝見を致しまして、で、その冒頭にですね、「福島第一原発における事態を十分に踏まえた過酷事故を想定したうえで」とありました。あらためて京都市として「147万市民の命を守るために、福島で起きたような重大な事態も想定している」と、こういうふうに理解をしてよろしかったでしょうか。

(→川崎・防災危機管理室長)はい、その通りでございます。以上でございます。

◆やまね/えーそれではですね、あの、京都市の「地域防災計画・原子力災害対策編」にはですね、いくつかの段階が示されていると思います。で、まず、放射性物質が広範囲に放出される前の段階ですね。1つ目が「情報収集事態」というやつで、これは「原子力施設の立地する市町村で震度5弱または震度5強の地震が発生した場合」と。それから2つ目がですね、「警戒事態」と言われるもので、これは「原子力施設の立地する市町村で震度6弱以上の地震が発生した場合、大津波警報が発令された場合、原子力施設で重要な故障が発生した場合」などなどであります。そしてその次に3つ目に「施設敷地緊急事態」というのがありまして、これはもう「施設周辺で防護措置の準備を開始する段階」と。で、4つ目に「全面緊急事態」というのがあると思います。そこで教えていただきたいんですが、ここで言われているあの「防護措置」というのは、いったいどういう措置をとられるのか、それから「全面緊急事態」というのはいったいどういう事態か。で、この段階ではですね、原発はいったいどういうふうになるのか。えー、説明をしていただけますでしょうか。

(→川崎・防災危機管理室長)はい、えーただいま、先生からご紹介がございました「施設敷地緊急事態」、この段階で発電所において防護措置が開始されると、いうことでございます。で、え、この「施設敷地緊急事態」でございますけれども、これは「5分以上継続して全ての交流電源が喪失された場合」、あるいは地震等で「原子炉停止中に原子炉の冷却機能が喪失された場合」等を想定してございます。そういったことから、ここで言う「防護措置」といいますのは、「交流電源が喪失された場合に非常用の電源を動かす」というようなことでございます。それと、「全面緊急事態」でございますけれども、この時の原子力発電所の状態ということでございます。これにつきましては、「非常停止が必要な場合、すべての原子炉の冷却機能が喪失された場合」であるとか、あるいはこの、「発電所敷地境界での空間放射線量が1時間あたり5マイクロシーベルトを10分以上継続した場合」ということになっております。以上でございます。

◆やまね/あのーすみません、「全面緊急事態」におけるですね、「防護措置」とは、どういうものが必要になるでしょうか。

(→川崎・防災危機管理室長)あ、この場合ですと、あのー、いろいろなあのー、基準に基づいて、防護対策取られているわけですけれども、電源が停止した場合でしたら、あのー、ポンプ車等を活用して冷却にあたるとか、そういったことでございます。以上でございます。

◆やまね/あのー、まあ先ほど言っていただいたようにですね、えーこの「全面緊急事態」についての説明もこの中には書いておりまして、で、言っていただいたように、えー「冷却機能が失われる」とか、あるいは「電源がされない」ような事態になるとかですね、それから「原子炉の非常停止が必要」だけれども「停止することができない」ということが、この「全面緊急事態」という中に書いております。大変恐ろしい状況だと思いますけれども。で、そのなかで、じゃあどういう必要があるかと言いますと、こう書いてありました。「放射線による影響のリスクを減らすため、迅速な防護措置を実施する必要がある段階」と。で、「国及び地方公共団体は、UPZ内(京都市は大飯原発から32.5キロ圏内だが)、基本的にすべての住民等を対象に屋内退避を指示するとともに、安定ヨウ素剤の配布・服用準備を行わなければならない」と、いうふうにあります。で、あのーこの、災害対策編の10ページには、これ原子力規制委員会の示す内容が載せてあると思うんですが、で、そこでですね、これも非常に重要な中身が私書いてあると思いまして、えー、「UPZ及び必要に応じてそれ以遠の周辺地域」、要は「UPZ外」ですね、UPZ外においてもですね、「放射性物質放出後の防護措置実施に備えた準備を開始する」と、あるんですよ。こういう重大事態が京都市の防災計画の中でも想定をされていると、いうことであります。

そこでもう一つ、お聞きしたいんですけれども、これはですね、昨年3月に京都市が作成をされた、えー、パンフレット「原子力防災の手引き」ですけれども、このパンフレットでは、「全面緊急事態」について次のように説明をしております。「原子力施設周辺において緊急時に備えた避難等の主な防護措置の準備を開始する必要がある段階です」と。で、もう一度言いますが、「原子力施設周辺において緊急時に備えた避難等の主な防護措置の準備を開始する必要がある段階」と、書いてあります。しかし、「全面緊急事態」というのはですね、先ほども申し上げましたように、場合によってはですね、「UPZ以遠の周辺地域」、UPZ外の地域においても、防護措置の準備を開始する段階ではないのかと。で、私ね、これ市民のみなさんがですね、このパンフレットを見たらですね、「全面緊急事態というのは、原子力施設周辺で準備を開始すればいい段階だ」と、そう読めてしまうと思うんですね。で、これは明らかにこのパンフレットの中身と、京都市の「地域防災計画・原子力災害対策編」の中身がですね、ちょっとズレているんではないかと。どちらが正しいのか。「全面緊急事態」においてですね、UPZ内だけがその対象になるのか、場合によってはUPZ外も、えー、対応が迫られるのか、いかがでしょうか。

(→川崎・防災危機管理室長)はい、「全面緊急事態」における防護措置でございます。まずあの施設の周辺、いわゆるPAZの範囲内におきましては「住民の避難」の実施、UPZ内におきましては「住民の屋内退避」これの実施、で、そして、あの先生からございましたUPZ外、UPZ外におきましては、「住民の屋内退避の注意喚起」ということでございますが、このUPZ外につきましては、「緊急時モニタリング」の結果によって、実際の屋内退避を実施するかどうかが判断されると、いうことになっております。以上でございます。

◆やまね/えーまあ緊急モニタリングの結果によってですね、判断をすると。でまあ、いま言われたようにですね、「注意喚起」をされるということですよね。ですから、あのこれはUPZ外においてもですね、そういう措置が取られるということだと思うんです。ですから、これはね、このあのー、表記はですね、ちょっと不正確ではないかと。やはりこの「(地域防災計画)原子力災害対策編」の中にはですね、いま言われたようなことが書いてあるんですが、このパンフレットではですね、そういうふうにはとても読み取れないんで、改善が必要ではないかと思います。で、私は、あのこれ、机上の空論ではなくてですね、現実に起きた問題を申し上げております。あの京都市が想定する福島の事故で何が起きたかと言いましたら、30キロ圏外でもですね、全域が避難区域となった飯館村の例もありますし、この京都市役所はですね、高浜原発から約60キロの距離にあると言われますが、福島の事故ではそれこそ原発から50~60キロの距離にあるみなさんが多数避難をされていると。で、そこでですね、しかしこの現状では、京都市のこの、地域防災計画・原子力災害対策編で位置付けられている範囲というのは、UPZで大飯原発から32.5キロ圏内と、基本的には。で、そこでお聞きしますが、この大飯原発から32・5キロ圏内の中で、対象となる世帯・人口というのはいくらでしょうか。

(→川崎・防災危機管理室長)はい、まあ本市のUPZの圏内でございます。地域としましては、左京区の久多地域、広河原地域、それと右京区、京北上弓削町の一部と、なっておりますが、この3つの地域を合わせまして、28年の1月1日現在ですけれども、146世帯298名の方が、お住まいになっております。以上でございます。

◆やまね/えー、146世帯298人ということであります。3月の本会議質問で、門川市長はこういう答弁をされました。「万が一の原子力災害から市民生活を守る、命を守るための防災対策の充実に引き続き努力を重ねる」と言われております。そして、この京都市の、えー、「地域防災計画・原子力災害対策編」の冒頭にはですね、「147万人の市民の生命、身体及び財産を守るため、国の法整備等を待つことなく対応してきた」とあるわけですよね。ですから、私は、147万人市民を守るという立場に、京都市が立っているのであれば、えー、対象範囲をですね、32.5キロ圏内に限定するのではなくて、京都市全体を考えるというのが当然ではないかと思います。で、UPZはもちろんですけれども、京都市全体を視野に入れた計画をあらためて策定するべきではないかと思うんですけれどもいかがでしょうか。

(→川崎・防災危機管理室長)はい、ただいま先生からご紹介ございましたように、えー、原子力発電所の事故対応暫定計画、これが国の法整備を待つことなく、平成24年3月に策定したところでございます。えー、その後、同年の9月、原子力災害対策特別措置法の改正があり、また、10月には原子力災害対策指針が策定されました。で、これに基づきまして、現在のところ、この指針に基づいて、安全対策を進めていると、いうところでございます。この、安全対策、この指針におきまして、安全対策を進める区域と致しまして、えーこの「地域防災計画」、策定するわけですけれども、えー法令にもと、えーこれにつきまして、えー、MACCS2(放射線物質拡散シミュレーション)、その結果を受けて32.5キロ、この範囲内、まあUPZ範囲内ですけれども、この範囲内で対策をとるようにと、いう指針になっておりますので、その指針に基づいた対策をとっているところでございます。以上でございます。

◆やまね/えーまあ、国の指針にもとづいて進めておられると、いうことだと思うんですが、それではですね、このあの「全面緊急事態」にとどまらずにですね、「放射性物質が広範に放出される」というような事態になった場合についてお聞きしたいと思います。で、あのUPZ内、32・5キロ圏内についてですね、お話をこの前うかがいましたら、えー自力での、例えば避難が困難な方ですね、障害のある方やお年寄りの方にどう対応されるのかと、聞きましたらですね、これは、そういうみなさんを事前に把握して、社協が中心となってですね、誰が声をかけるか、どう対応するかの計画をつくって、そして実際に避難訓練もされていると、いうことをお聞きをしました。で、そこでね、UPZ外の、その場合ですね、対応についてはどうなるのかと。例えば、本会議の副市長の答弁ではですね、UPZ外においてもですね、「この計画に定めた防護措置を必要に応じて講じていく」と、こういう旨の答弁がされたわけですけれども、そしたら仮に、この京都市内においてもですね、そういう事態になった場合、例えば、京都市立病院、あるいは京都市役所・各区役所ですね、こういうところの体制がどうなるのか、すでにマニュアル等が整備されているのかどうか。また、そういった事態に備えてですね、UPZ内で行っているような避難訓練を、これからUPZ外でも行う、そういう予定はあるのか、その点はいかがでしょうか。

(→川崎・防災危機管理室長)UPZ外の防護対策についてのご質問でございます。UPZ外におきましては、基本的には「屋内退避」、まあ、あの「防護措置」が必要になった場合におきましても、「屋内退避」がベースになろうかと思います。そういったことから、えー、市民に対しまして、屋外に出ないように、できる限り鉄筋コンクリートの建物あるいは自宅、そういったところで待機するようにと、いうことを呼びかけてまいりたいと考えております。ですから、あのー他の地域、UPZ内の地域のように、「一時移転」とか、「避難」とか、そういったことまでの対応、ということは現在のところは考えてございません。以上でございます。

◆やまね/えー、まあ、「屋内退避」が中心ということですけれども、それであの、もう一つあの、マニュアル等の整備なんかはどうなんでしょうか。

(→川崎・防災危機管理室長)はい、えー、マニュアルにつきましても、UPZ外を対象としたマニュアル、そういったものは作成してございません。以上でございます。

◆やまね/えー、そういうのはまだ整備をされていないと、いうことであります。それであの、8月27日にですね、えー国の主導で、高浜原発での事故を想定した広域避難訓練、これは福井県民のみなさんが、京都や兵庫に避難をされるということが初めて行われたわけですけれども、えーこの日はですね、悪天候のために船舶や、ヘリなどの運用が中止される事態になりました。で、この事態にですね、「この程度の天気で運用中止では心配」との声が地元の議員のみなさんからあがったということです。それから9月4日に行われました愛媛県・伊方原発の事故を想定した訓練でもですね、住民のみなさんが港まで行かれたわけですけれども、この日もですね、「予定をしていた船舶への乗船は台風12号接近のため中止となった」と、いうことでありました。ですから、避難訓練においてですね、悪天候時には避難できないことが浮き彫りになってしまったと、いうことなんですが、えー、そこでお聞きしたいんですけど、この避難訓練の中身についてですね、京都市として分析や評価、こういうものはされたんでしょうか。

(→川崎・防災危機管理室長)はい、あのー、去る8月に実施されました京都府、京都府で実施された合同訓練についてでございます。え、これにつきまして、えーまあ、本市独自の分析等々は行ってございません。ただ、京都府におきましても、この訓練を一つのきっかけとして、さらなる広域避難のあり方、そういったものについて検討していきたいと、いうふうにうかがっております。実際、あの先生からご指摘ございましたように、海を船を使った避難等はできませんでした。ただこれはやはり訓練ですので、できる限り、この危険性を少なくしたいと、いうことから中止されたものとうかがっております。そういったことから、あのー、ま、それも一つの課題として、今後京都府を中心に、また広域避難のあり方について、検討されていくものと考えておりますし、また本市も積極的にかかわっていきたいと考えております。以上でございます。

◆やまね/あのーまあ、分析、検討はされなかったということなんですが、それはなぜでしょうか。

(→川崎・防災危機管理室長)あのー独自の分析検討ではなくて、はしていないということであって、京都府と、その協議、今後どのようにやっていくかと、この訓練結果を踏まえて、どのような避難がいいか、ということについては、もう早速協議を進めているところでございます。以上でございます。

◆やまね/えーまあ、えー府と協議はしてると、今後対応されていくということだと思うんですが、あのーまあ、聞いてきましたようにですね、えーまあ、UPZ外もですね、もしそういう非常時になった場合は、京都市内も「必要に応じて地域防災計画の中身で対応する」ということにはなってるんですけれども、しかし実際にはですね、いまお聞きしましたように、避難訓練等の予定はないし、それからマニュアル等はこれから協議をされるということですから、私は現状ではですね、まだまだ不十分だというふうに思うんです。で、この十分な対策がないなかで、福島のような過酷事故は一方で想定はされているわけですよね。で、そして、一方では、老朽原発を再稼動させるような動きもあると。で、仮にですよ、いま重大事故が起こったとして、京都市が十分な対応ができると、室長として言えるでしょうか。

(→川崎・防災危機管理室長)はい、基本的に先ほど申しましたように、国の災害対策指針、これに基づいた対策は進めているところでございます。まああの、どのような被害の規模になるか、これはあの、指針のほうでもUPZという範囲を決めながらも「状況によってはその範囲外においても」と言ってますように、必ずしもその範囲内でおさまるというものではないかと存じます。ただ、その場合であっても、先ほど申しましたように、市民のみなさまに家から出ないように呼びかける「屋内退避」、そういったものについては、これはやっていくことができると、考えております。以上でございます。

◆やまね/えーまあ、「国の指針に基づいて」と、いうことをくり返されるわけですけれども、あの、熊本地震ではですね、高速道路や橋や新幹線など、陸路による避難経路も寸断されたわけでして、であの、私は、まだまだいざという時のですね、対策が不十分なままで再稼動に突っ走るというのは本当に許されないと思います。で、しかもですよ、京都市に近い高浜原発で重大なトラブルがくり返されている時にですね、「国の指針」とかですね、「国の動向を見守る」というような、こういう姿勢でいいのかということが私は問われてると思うんです。本当に147万人の市民の命を守るために、私は政府任せではなくて、京都市として、ぜひ「再稼動を容認しない」という立場に立っていただきたいと思いますし、防災計画を一層強化していくことが求められていると、このことを指摘して、終わりたいと思います。

2016年10月4日【決算特別委】行財政局質疑「京都市の防災計画、原子力災害対策について」

(更新日:2016年10月05日)