京阪鳥羽街道駅のバリアフリー化、駐輪場設置の実現を(2016年7月21日/まちづくり委・都市計画局&建設局・山本陽子議員)

◎都市計画局への一般質問「京阪鳥羽街道駅のバリアフリー化について」

◆山本議員/これまでも議論されてきたが、鳥羽街道駅のバリアフリー化は実現されていない。どういう段階なのか。

(→西山・土木技術担当部長)駅、交通施設のバリアフリー化については、平成24年3月に「バリアフリー全体構想」を策定。そのなかで現在3000人以上の利用者がある駅を対象に平成32年度までに完了するよう取り組んでいる。まずはその対象10地区11駅の完了に向け取り組みたい。鳥羽街道駅を含め3000人未満の駅のバリアフリー化についても課題として認識している。今後、国の動向、事業者の経営体力、本市の財政状況等を考慮し、市全体のバリアフリー化について議論する「全体会議」の議論を踏まえ検討したい。

◆山本議員/全体の計画の中では乗客が3000人未満ということで、まだ具体化の検討もされていない。ただ鳥羽街道駅は新十条・稲荷山トンネルの建設工事に関わる立ち退きなどいろんな事情の中で、3000人以上乗客があったものが徐々に減ってしまっている。3000人未満だが3000人近い乗客数。全体の中での位置づけは説明していただいたが、私も駅に行って「いまバリアフリー化されていない鳥羽街道駅がどのように運用されているか」を駅員さんに聞いた。「車椅子で乗車される場合は鳥羽街道駅での乗車は本来お断りしている」とのこと。「伏見稲荷駅か東福寺駅で乗車をしてください」と誘導・案内されている。降りる場合についても乗る時に「鳥羽街道駅では降りられません。伏見稲荷駅か東福寺駅で降りてください」と案内される。一人勤務体制ということで、駅員さんも朝7時から19時までの勤務で、それ以外の時間は無人となる。車椅子の方が来られてもそこでは乗れない状況にある。4月には「障害者差別解消法」が施行されたが、「障がい者のみなさん、車椅子のみなさんが鳥羽街道駅でも乗れるような合理的配慮が求められる」というのが法律の趣旨だ。実際に隣の駅へ誘導されるということは乗れないということであり合理的配慮がなされていない状況がある。努力義務とはいえ、こういった状況にあることをどう考えるか。

(→西山・土木技術担当部長)先ほども申し上げたように3000人未満の駅についてもバリアフリー化をしていくうえでの課題があることは認識している。そのなかで国、自治体(府・市)、事業者が負担しながらバリアフリー化を順次進めているところ。そのなかで国の動向等を踏まえながら取り組み検討していきたい。

◆山本議員/この間話を聞いてきて、そういった状況にあるのはわかっているが、個々の駅の特殊性について理解されていないと感じている。この鳥羽街道駅に面する下高松通の拡幅工事がいま行われ8月初めには供用開始というところにきている。道路や歩道がフラットになって拡幅されている(写真)。車椅子で通りやすくなったにもかかわらず、そこに面している鳥羽街道駅は利用できないという状況が続いていくことになる。また、新十条・稲荷山トンネルの上部の跡地活用、整備の計画が具体化していっている。本町通を挟んで2つの用地に高齢者福祉施設の公募がされるということで検討委員会の開催が通知されているが、「高齢者の福祉施設が間近なところで進んでいるのにその最寄りにある鳥羽街道駅はバリアフリーになっていない」という議論も保健福祉局(質疑)でされた。近隣の開発にふさわしい、この鳥羽街道の特殊性をしっかり認識していただきたい。

(→西山・土木技術担当部長)鳥羽街道駅は大阪方面のホームに入ろうとすれば、西側から地下道を通らないといけない状況も認識している。それも踏まえて下高松通等の道路整備も進んでいることもわかっている。そういったなかで実際に検討するにあたっては、老人福祉施設、学校、官公庁等々の生活関連施設についても当然考慮しながら検討していくことになろうかと思う。現地の状況は現時点で把握している。

◆山本議員/それでは高齢者福祉施設の検討にあたって、保健福祉局からそういった指摘はなされているか。

(→西山・土木技術担当部長)福祉施設の検討委員会を行うという情報提供はいただいている。今後も情報共有しながら検討は進めていくことになると思う。

◆山本議員/鳥羽街道のバリアフリー化は長年住民のみなさんの要求として掲げられてきた。全市を見渡してその特殊性というものをぜひ知ってほしい。今回、新十条・稲荷山トンネル上部の跡地活用にあたって最終局面を迎え、住民のみなさん(6町内)が環境委員会を設置され討議されている。そのなかで全世帯・約300世帯へアンケートが行われ89世帯から回答が寄せられている。そのなかで一番多かったのが「鳥羽街道駅のバリアフリー化」で53件から要望が寄せられた。住民のみなさんの強い願いであることも知ってほしい。新十条・稲荷山トンネルの工事、開通、下高松通の拡幅工事など、長年住民のみなさんは、自分たちの住環境が常に工事中だということで過ごしておられる。だからこそこの界隈のみなさんの「この工事が完成したら私たちの願いが実現されていくんだ」という、その実現にぜひ結び付けていただきたい。建設局のみなさんは長年工事と住民のみなさんと関わって、切実な願いや不満などをよく理解しておられると思うが、こういう思いを理解していただいて、最終的には鳥羽街道駅のバリアフリー化を早期に実現していただくようにぜひともお願いしたい。

(→西山・土木技術担当部長)何遍も申し上げるが、現在進めている平成32年度までの目標、10地区11駅をまずは完成させていきたい。鳥羽街道駅も含め3000人未満の駅のバリアフリー化も重要であると考えている。今後の国の動向を見ながら検討を進めていきたい。

◆山本議員/たしかに「計画の中の一つ」という位置づけの回答が毎回だが、やっぱり住民のみなさんの顔が見えるような理解をしていただきたい。もしこの先「3000人未満の乗降駅のバリアフリー化を国も指針として拡充していく」と認めなければ、「京都市はどうしていくのか」ということも問われてくる。そういったなかでバリアフリー化がなされないまま、この駅が放置されていくという問題を重く受け止め認識していただいて、早期実現というのを心にとめていただきたい。

◎建設局への一般質問「鳥羽街道駅前の駐輪場について」

◆山本議員/京阪鳥羽街道駅のご要望、駐輪場の設置についてうかがいたい。下高松通の供用開始が8月初めにはかなうと聞いている。新十条の稲荷山トンネルの開通工事や道路の拡幅工事に至る20年、近隣のみなさんは全体の整備計画の早期完成を望んでおられる。本町通をはさむ東西の用地は高齢者福祉施設としての活用が発表された。来年度には仮設の橋も撤去されてこの計画が完成する局面だが、最終段階には当初の住民のみなさんの要望も反映した整備計画が完成するということを目指されたいということで、駐輪場は長年住民のみなさんが求められていて、整備計画にも「駐輪場の設置」と規定されていたので、いまの協議の状況をまず聞きたい。

(→高松・道路建設部長)自転車を停められている方のほとんどが山本議員ご指摘の通り京阪鳥羽街道駅を利用されているということで、京阪電鉄に駐輪場を整備していただくように働きかけている。ただ、当該箇所は放置自転車等の台数が少ないので採算性を含めて現在京阪電鉄と協議を進めている状況。

◆山本議員/採算性の問題ということで実現への困難性が指摘されたが、近隣6町で構成されている環境委員会のみなさんが実施された全世帯アンケート。「地域活性化のために要望される施設は」という問いに、「駅前の駐輪場」が2番目に多い51件。全世帯の3分の1から回収され住民のみなさんの関心も本当に高い。駅前の駐輪場設置要望は根強い。下高松通の供用開始が始まり、仮設の橋も撤去されていって、公園の計画など順次完成されていく。最後の1~2年のふんばりをみなさんも期待されている。長きに渡る住民のみなさんの工事に対するご協力に対して、しっかりと当初の要望、目的を達成できるよう、京阪電鉄との協議を重ねてお願いしたい。決意はどうか。

(→高松・道路建設部長)事業については長いこと地元の方にご迷惑をかけている。やっと道路についてほぼ完成。おっしゃっている通り仮設の橋も来年とる。駐輪場含めた上部利用については、平成21年4月に地元に説明させていただいた計画に基づいて、地元のみなさまに説明したり意見を聞きながら進めてまいりたい。京阪電鉄にも駐輪場の必要性を訴え、ええもんができるようがんばりたい。

2016年7月21日【まちづくり委】建設局への一般質問「京阪鳥羽街道駅のバリアフリー化について」、都市計画局への一般質問「京阪鳥羽街道駅の駐輪場設置について」

(更新日:2016年07月22日)