藤城にコミュニティバスを!近鉄向島駅まで敬老乗車証の使える区間拡大を!竹田駅の乗り継ぎ改善を!(2016年3月4日/予算委・交通局・やまね)

◆やまね/私はまず3月19日から始まる市バスのダイヤ改正についてお聞きしたいと思います。今回ですね、JR京都駅と伏見稲荷方面を結ぶ路線でですね、これまでの南5系統に加えて「急行105系統」が新設をされると。昨年の決算議会で師団街道・伏見稲荷のバス停についての実情を紹介させていただきました。「観光客が増えバスを待つみなさんで歩道が埋め尽くされ通行が困難で危険な状態になっている」ことと、「地元のみなさんが日常生活で利用しづらい」ということを紹介させていただいたわけですけれども、今回定期便が新設されるということで、これによってですね、伏見稲荷のバス停の本数などこれまでとどう変わるか、まずそのあたりをお聞かせいただけますでしょうか。

(→高見自動車部担当部長)はい、3月19日から新設されます急行105系統についての伏見稲荷大社前のバス停の状況でございます。まずあの先生ご案内のとおり、現在南5号系統は1日片方向で30回、30本走ってございます。ですから伏見稲荷大社前には30回停まると。で、続きまして新設の南の105につきましては、1日14回、14回停まるという形でございます。既存の現在のバス停を利用して、最大1日44本停まるということでございます。以上でございます。

◆やまね/ありがとうございます。それであの、バスの本数はですね、南5系統と合わせると昼間の時間帯1時間に4本、15分間隔となるということなんですが、そこであの先日、実は地域の方から質問が寄せられましてですね、「市バスの急行ができると聞いたけれども、観光対策ということだったら京都駅と伏見稲荷を直通で結ぶだけなんですか」と。「それだと地域住民はあまり使えないんじゃないか」と。まあこういう不安の声が寄せられまして、そこでちゃんと確認しようと思って、私も交通局のほうあらためて確認させていただきますと、伏見稲荷より南はですね「竹田駅までの区間は各駅で停まる」と、いうことでありました。そのことを住民のみなさんにお伝えしますと「それなら地域住民も使いやすい」「1時間に4本ならぜひ利用したい」ということで、大変喜ばれておりました。で、これは生活路線としてもですね、大変重要な改善だというふうに私は思っています。単にですね、今回の改正というのは、ま、もちろん観光の対策ということもあるでしょうけれども、地域住民のみなさんの利便性向上にもつながると、そこにもやはり応えたいというですね、交通局の思いもあるのかなあと受け止めているんですが、そのあたりはいかがでしょうか。

(→高見自動車部担当部長)はい、新急行105系統設置の理念でございます。まずは地元のみな様方にそれだけ喜んでいただきまして、本当にありがたく思って考えてございます。嬉しいです。えー私ども急行105を設置した理念が2つございまして、一つは、もちろん京都駅から伏見稲荷に向かうお客様の利便性、観光を中心とするみな様方の利便性の向上もございますが、もう一つは、地域のみな様方の足を支える、利便性を高めるという、2つの機能を持ってございます。ですから、京都駅からは急行は途中「八条口」、そして「伏見稲荷」しか停車はしませんが、南側につきましては、先生ご案内のとおりきっちりと、そのうち一部は中書島、横大路までつなぐという形で、地域のみな様方の足をしっかりと守っていきたいと考えてございます。以上でございます。

◆やまね/ありがとうございます。いまおっしゃっていただきましたようにですね、やはり地域の住民が、使いやすい公共交通をどう作るかっていうのは本当に大きなテーマだと思います。それであの、次にいきたいんですけれども、それではですね、地下鉄も市バスも走っていない地域はどうなるのかと、いうことで、昨年もお聞きしましたが、交通不便地域の問題についてお聞きしたいと思います。昨年の決算議会にお聞きした時にはですね、モビリティ・マネジメントの話を丁寧に説明いただきました。それと合わせてですね「我々(京都市)のほうでどの地域がそもそも交通不便地域なのかという考え方はしておりません」というお話もありました。しかしですね、たとえば「行政区別の敬老乗車証の交付率」という数字があります。これがですね、行政区によって大変大きな差がありまして、昨年10月末現在の数字を見ますと、敬老乗車証の交付率は全市平均で約49・5%と、南区や西京区なんかでは45%ぐらいです。で、私の地元・伏見区ではですね、深草支所が約37・5%、伏見区役所本所のほうは約36%、京北地域を除いてですね一番低くなっております。で、同じね、やはり京都市民で、本来なら私は同じサービスが受けられて当然と考えるんですが、にもかかわらず、この敬老乗車証の交付率が、これだけ差があるというのは、これは何が原因と考えておられるでしょうか。

(→宮田営業推進室長)はい、ただいま先生からございました敬老乗車証の行政区別でございますが、えーあの、いまお示しいただいた通りの結果になっておりますけれども、えーこれはもう如実にいわゆる交通体系の整備状況を反映した形でのものではないかというふうに考えておりますのと、もう一つは、やはり敬老乗車証がただいまは応能負担という形でなっておりますので、そういった形でのその負担金に応じた形での交付率も反映されてるのかなというふうに思っております。以上でございます。

◆やまね/えー交通体系の状況というのはやはり少なからず私もあると思います。で、大事なのはですね、この敬老乗車証というのは福祉の制度ですね。ただ単に便利か便利でないかという問題ではないと思うんですよ。高齢者のみなさんが元気に暮らしていくために必要だから存在している制度で、その交付率がですね、これだけ地域間格差があるというのは、やはりそもそも問題ではないかと。京都市民であれば誰もが使えるようにする必要があると思います。しかしいまおっしゃられたように、公共交通がそもそもなければですね、使いたくても使えないと。この現状を改善するためにはですね、交通不便地域の解消というのはどうしても不可欠だと思っております。で、それは、地域から声が上がらなければやらないというのでなくてですね、こういうデータが現在、実際にあるわけですから、京都市自身が責任を持って、進めるべきではないかと。最低限ですね、地域によってどんなニーズがあるか、実態があるか、京都市の責任でですね、調査して把握して、この行政区この地域にはどんな対策が必要かっていうのを考えるくらいは、当然の仕事ではないかと私思うんですが、その点はいかがですか。

(→高見自動車部担当部長)はい、交通不便地域解消への取り組みについてでございます。えー交通不便地域、これは国土交通省におきましても、明確な規定はございません。地域によってどのようなアクセスを持っておられるか、人口、どのくらいに職場が集積しているか等につきまして、さまざまな要因がございますので、一律にここがこういう条件だから交通不便地であるという基準は、都市計画局も持っていないとうかがってございます。ただ、私ども、先生ご指摘の通り、もっとも地域の実情を知っておられる区役所から、日々、たくさんの要望を、あるいは問いかけをいただいてございます。市内でもいくつかの区からそのような声が上がっているところでございます。それにつきましては私どもや都市計画局の歩くまち京都推進室、および区と連携いたしまして、少なくとも情報の共有はさせていただいているつもりでございますが、その対策につきましては、交通局自らで解決できる問題ではございません。オール京都市で取り組んでいくものと考えてございます。私どもは協議体が立ち上がった時点については、積極的に参画していく、それが現在の、私どもの立場でございます。以上でございます。

◆やまね/敬老乗車証の交付率の問題をもう少し言いますとですね、同じ伏見区内でもかなり差がありまして、たとえば伏見区役所は先ほど言いましたように36%、深草支所が37・5%ですけれども、醍醐支所にいきますと55%を超えております。これはやはり地下鉄が走っていることと、それからコミュニティバスがですね、走っていることが大変大きいんではないかと思います。2004年2月に始まった醍醐コミュニティバスは、これは民間で運営されておりますけれども、2006年10月からは敬老乗車証や福祉乗車証も使えるようになりました。これはですね、やはりその役割というのを京都市がきちんと認識をされているからだというふうに思います。

で、私あの、醍醐コミュニティバスのホームページを拝見しますと、こんなふうに書いてありました。「単なる交通システムではなく、様々な市民活動の掛け橋となるもの」ということで、たとえばですね、「高齢者の活動機会の増大」「通院の不便さの解消」「買い物の便の確保」「児童・生徒の図書館・プール等の便など地区の住民(特に弱い立場の住民)の社会生活の基盤となる」とあるんですね。さらにどんな工夫がされているかということで、「狭い道路にも入り、バス停間隔を短くして、できるだけ自宅の近くから乗れるように」と、それから「坂の上の団地、病院、小さな商店の集まったところなど、既存バスでカバーできないところもカバーし、既存の公共交通(バス・地下鉄)に乗り換えられるシステム」と。メリットはまだ書いておりまして、「自家用車に比べて二酸化炭素排出量が少なくてすみます。コミュニティバスを利用しているあなたも、実は温暖化防止に一役買っているのです。みんなで自家用車に頼らないまちをつくっていきましょう」ということで、温暖化対策にも有効とあります。こういうメリットを考えればですね、交通不便地域への対策ということで、こういう醍醐でおこなわれているコミュニティバスを走らせるということは、もっともっとですね、積極的に考えてもいいんじゃないかと思うんですけどもいかがでしょうか。

(→高見自動車部担当部長)はい、いわゆる交通不便地域、コミュニティバスの導入を促進したらいかがかというご質問かと存じます。私どもは公営企業、公共の福祉の推進ということを担っている一方で、経済性の発揮という部分もございます。現在私ども75系統のうち黒字路線は29、これで75の路線をきっちりと支えているという状況でございます。えーしたがいまして私ども、一定のパイが、お客様の存在をするところについて企業として走って、その収入で赤字路線も支えるというのが私どもの立場でございます。ただあの、交通不便地域のみな様方、いわゆるみな様方が、その地域の要望として、協議体のなかで、たとえばデマンドタクシー、たとえばコミュニティバス、そういう方向性が打ち出されたとするならば、私ども交通事業者、いわゆる走るという部分につきましてのノウハウ持ってございますので、そのノウハウにつきまして、その、その協議体において、それを発揮することによって、支援していきたいと考えてございます。以上でございます。

◆やまね/あのーいまですね、公営公共、こういう性格がありながらもですね、「お客様がいるところに」ということを言われました。しかしこれ、醍醐のコミュニティバスは民間がやってるんですよ。で、なぜそれがね、本来京都市が、公共と言うんだったらですね、そもそも本当だったら自治体、京都市がね、もっと取り組んでしかるべき事業だと私は思います。で、あの京都市のね、「歩くまち京都・総合交通戦略」でも、コミュニティバスの施策効果としてですね「地域の住民の利便向上」ですとか、「地域コミュニティの活性化」、それから「高齢者等の外出促進」と書かれております。ぜひこれは検討していただきたいと思います。

それからあの、京北地域をのぞいてですね、敬老乗車証交付率が2番目に低いのが深草支所であります。昨年の決算議会でも私取り上げましたけれども、藤城地域がこの管内にはありまして、民間も含めた公共交通がここは一つもありません。地域循環バス、コミュニティバスを求める声が大変切実なんですが、昨年の答弁をお聞きしますとですね、「藤城は大型バスの通行が困難」というお話がありました。ただですね、先ほど私紹介した醍醐ではですね、小型のバスが狭い道も走っているわけです。市民のみなさんこれをよく見てますから、藤城地域にお住まいのみなさんから見ればですね、「坂道のきつい地域にバスが走らず、坂を下りたらバスが走っているのはなぜ」と、こういう思いになるんですよ。あらためて聞きますけれども、こういう藤城地域のみなさんの声というのは、具体的につかんではいないのか、またつかむための取り組みはされていないんでしょうか。

(→高見自動車部担当部長)はい、藤城地域におけます、えー、アクセスの向上の件についてのおたずねでございます。私どもあの、先生ご案内の藤城地域におけます交通利便性の向上、これは道路環境も含めた、向上についての要望でございますが、区を通じて私どもも認識しているところでございます。以上でございます。

◆やまね/まあ区を通じてということでありますけれども、たとえばですね、こういう声があるんです。「歳をとって公共交通もなく近くにお店もないので暮らしにくい。家を売ってエレベーター付の市内中心部のマンションに引っ越した」という方がおられます。それから「今までは車に乗っていたが、病気をきっかけに運転ができなくなり、毎日の生活にとても苦労している」、こういう声もありますし、「商店街までの買い物は行きは下り坂で何とか歩いていけるが、帰りは荷物を持って坂道を上がらなければいけないので、高くつくけれども、どうしてもタクシーを使わざるをえない」、こういう声があるんですね。これは、区役所から聞いているというお話もありますけど、この地域を実際に歩いたらですね、いくらでも出てくるお話であります。敬老乗車証の交付率もとても低い数字が深草支所で出てるわけですから、地域からそういう声が上がっていないからということでね、済ませてはダメだと私は思います。誰でも歳をとったら病気をしたりですね、身体が不自由になったりするわけですから、それを見越して公共交通を整備していくというのが、自治体の当然の仕事ではないかと思います。公共交通を充実させることは、ただ単に自治体のコストになるだけではなくて、地域の活性化にとっても大変大事なことではないかと思っておりますので、引き続きコミュニティバスの検討をいろんな地域おこなっていただきたいと、求めておきたいと思います。

もう一つ、地下鉄と近鉄の相互乗り入れの問題についてお聞きしたいと思います。京北をのぞいて敬老乗車証の交付率がもっとも低くなっているのが伏見区役所であります。伏見区の一番中心の管内。地下鉄と近鉄の相互乗り入れが行われているわけなんですけども、そもそもこの相互乗り入れというのは、どういう目的でおこなわれているのか。あらためて聞かせていただけますでしょうか。

(→土田高速鉄道部担当部長)えー地下鉄近鉄の相互乗り入れについてのおたずねです。そもそも地下鉄烏丸線建設の時にですね、近鉄線も竹田まで走っているということで、私どもが竹田まで地下鉄をつないだ時に、近鉄線のほうに乗り出すことによって、まあ相互に、たとえば近鉄線沿線のお客様が京都市内の中心部に、京都市内中心部のお客様が近鉄沿線のほうに、まああの時間もロスせずに直接行けると、まあそういう利便性を考えて乗り入れをおこなっているところでございます。

◆やまね/ありがとうございます。まああのやはりですね、乗客の、「お客様の利便性向上のために」ということだと思うんですね。近鉄や京阪、こういう民間との協調が実施をされていると、いうことだと思うんですけれども、しかしですね、竹田駅を境に料金が大きく変わるという問題が伏見区にはありまして、竹田駅より南の近鉄伏見駅、それから丹波橋駅、桃山御陵前駅、向島駅はですね、同じ京都市で、乗り入れによって地下鉄車両が走っているにもかかわらず、敬老乗車証も適用されませんし、値段も大きく上がります。で、やはり同じ市民税を京都市に払っている向島地域のみなさんからすれば、「市民サービスの公平性」という点からですね、「なかなか納得できない」という声がずっとあるわけですけれども、こういう声は当局としては聞いておられるでしょうか。

(→宮田営業推進室長)はい、ただいま先生からご指摘いただいているような、直接的なお声は私どものほうではうかがっておりません。

◆やまね/まああのぜひですね、そういう地域の、本当に困っておられる方の声を、しっかりとつかんでいただきたいと思います。で、たとえばですね、敬老乗車証を利用されている方はですね、この制度に本当に感謝をされております。市バスを降りるときに運転手さんに「本当にありがとうございます」と感謝をされて降りられる方も多いと聞いております。これをやはり地下鉄でもですね、もっと使いやすいようにするべきではないかと。で、竹田駅までで終わるのでなくてですね、同じ伏見区内、京都市内ですから、伏見駅、丹波橋駅、桃山御陵前駅、それから向島駅までですね、敬老乗車証・福祉乗車証で乗れる区間にですね、するようこれは改善が必要だと思うんですがいかがですか。

(→宮田営業推進室長)はい、あのー、まあ敬老乗車証につきましては、基本的には保健福祉局の所管でございますので、先生からただいまございました、ご要望等につきましては、私どものほうから保健福祉局のほうへ伝えまして、まあそういったご要望があることを検討、のほうを伝えてまいりたいというふうに思っております。

◆やまね/ぜひですね、交通局からもそういう話をね、どんどん積極的に持ち込んでいただきたいと思います。あのこれはですね、最後に申し上げますが、新しく土地を取得したりですね、線路を新しく敷いたりするわけではありません。既存のね、いま走っている電車をそのまま使うわけですから、あのたとえば敬老乗車証を、向島地域から使える、あるいは大手筋商店街近くの桃山御陵前駅から使えるとなれば、地下鉄のね、乗客もさらに増えると、いうことが期待されるんではないかと思いますし、敬老乗車証の交付率がもっとも低いこの伏見区役所管内、地域の改善のためにも必要だと、私思います。市民サービスの公平性という点からもですね、この区間の拡大、乗り継ぎの改善、ぜひ強く検討を求めて、終わります。

(→松本次長)あの、ありがとうございます。ちょっと補足させていただきます。あの、とくに伏見区向島地域のみな様方からは、あの先ほど先生からもご案内ありますように、敬老乗車証を何とか利用したいとの声が、私どもの区長懇談会という場で届いております。一つの解決策と致しまして、あの、向島地域を走行する近鉄バスに、あの私ども働きかけまして、近鉄バスがあの向島の橋を越えて、竹田駅までバスを出していただきました経緯がございます。で、そのバスには先生からご指摘ありますように敬老乗車証も使えると、一定の改善策は講じたところでございますので、ま、今後、いろんな関係機関と、あのー協議、情報交換する中で、何ができるかというのも考えていきたいと思っています。

2016年3月4日【予算特別委員会】交通局質疑

(更新日:2016年03月05日)