「高浜原発再稼働」は破たんしたプルサーマル計画に固執する道(国会・藤野質問メモ)

京都市役所から60キロに位置する高浜原発に関連し、あらためていろんな角度から勉強中。国会・衆院予算委での共産党・藤野議員の質問も。最初はメモ程度にと思っていたものの、途中でこれは全部文字にせねばと思い直しパソコンに向かいました。京都市もしっかり向き合わなければいけない問題だと思います。

https://youtu.be/C1PHaMcpz0A?t=30m40s

◆藤野/次に原発政策についてお聞きをいたします。1月29日に福井県の高浜原発3号機が再稼働いたしました。私は北陸信越ブロックの選出いただいておりますので福井県は地元の一つであります。何度も高浜にも行って地元の方々から業者の方などにもお話をうかがってまいりました。地元ではやはり避難計画の問題、活断層の問題、地元の同意、そしてあそこは集中立地しております、同時多発事故が起きたらどうなるのか。いろんな問題が、何の解決もないままの再稼働、大変な不安、ゆるされないという声が起きております。

高浜3号機というのは、プルサーマル発電、これをおこなう原発でもあります。また4号機もプルサーマル発電ですでに燃料を装填し始めている。で、次に審査されております愛媛県伊方原発の3号機もプルサーマルであります。で、配布資料の4枚目を見ていただきたいんですが、プルサーマル、これはあの「プルトニウム」と「サーマル・リアクター」を足して2で割った日本の造語であります。もんじゅのような高速増殖炉ではなく、普通の原発、軽水炉でいわゆるMOX燃料、これを使う。ウランやプルトニウムを混ぜた燃料を普通の原発で使っていくというのがプルサーマルであります。ご存知のように当初はもんじゅ、いわゆる高速増殖炉サイクル、右側のほうがですね、いわゆる夢の原子炉として目指されていた。しかし、そのもんじゅが、もう誰が見ても行き詰ってしまった。こういうもとで、左側のプルサーマルが、突如主役になってきたというのが経過でございます。経産大臣にちょっと確認したいんですが、このプルサーマル実施計画というのがあると思います。何年までに、何基の原発でこのプルサーマルをやるのか、ええちょっとご答弁ください。

(→林・経済産業大臣)えープルトニウムの利用につきましては2003年8月、原子力委員会が「我が国におけるプルトニウム利用の基本的な考え方について」という決定をおこなっています。この決定において「利用目的のないプルトニウム、すなわち余剰プルトニウムを持たない」と(藤野議員「プルサーマルの計画です!」)、えー原則が示されています。この方針は現在も変わりません。またこの決定においては「電気事業者が策定するプルトニウム利用計画の妥当性を原子力委員会が確認すること」としています。ご指摘のようにですね、プルトニウムの具体的利用につきましては、電気事業連合会が「プルサーマルによりプルトニウムを利用する計画」を策定しています。2010年9月に電気事業連合会が公表した「プルトニウム利用計画」では、「2015年度までに16基から18基の原子炉でMOX燃料として年間5・5トンから6・5トンのプルトニウムを利用する」と、いうこととしております。この計画のうち「2015年度という時期については見直す」と、また一方、「16基から18基の導入を目指すとの考えには変わりはない」と、しているものと承知しているところであります。さらに、「原発再稼働の見通しや、六ケ所再処理工場の竣工の見通し等をふまえて、実際に六ケ所再処理工場が操業する、操業を開始するまでの間に、新たなプルトニウム事業計画を策定、公表すること」としています。これにより、利用目的のないプルトニウムを持たずに、プルトニウムの適切な管理と利用をおこなっていくとの政府方針は堅持していくことになっております。

◆藤野議員/えー長々と答弁がありましたが、私が聞いたのは「2015年までに16基から18基、プルサーマルで発電する」と、いうのが計画なんですね。もう2016年であります。もう全然計画達成できてない。そもそも何で16から18かと言いますと、まあ先ほど言いましたように、もんじゅがダメになってしまった、どうしよう、軽水炉でまわすしかないと、いうことで、まあそういう数字が出てきたと思います。先日私は青森県の六ケ所村再処理工場行ってまいりました。えーここがもし動き出しましたら、年間8トンものプルトニウムが出てくると。先ほど5・5と言いましたけれども、それを上回るプルトニウムが出てくるんですね。辻褄を合わせるために、2015年には16から18動かしたいと、言ってたけれども、それすらできない。しかしそれに追いつきたいということで今、高浜3号機や4号機、そして伊方3号機と、プルサーマルを相次いで、早めにやろうとしていると、いうことだと思います。辻褄合わせのためにそういうことやるってのはとんでもない。ゆるされないと思うんですね。しかもですね、この辻褄合わせも破たんしていると。配布資料の左側見ていただきますと、軽水炉サイクルですが、軽水炉だけではまわりません。たとえば中間貯蔵施設、これも未完成であります。あるいは再処理工場、これも23回も延期をいたしました。MOX燃料工場、まだできておりません。さらに、高レベル放射性廃棄物処分施設も未定であります。仮にこれらが全部完成したとしても、先ほど言ったように16基から18基原発を動かさなければいけないけれども、今まだ1基しかないと。今「MOXを使ってもいいよ」と言って手を上げている審査中の、規制委員会審査中の原発はわずか9基であります。ですから厳しいとみなさんがおっしゃっている審査を全部、この9基が通ったとしても、18基には到底届かない。結局全部完成したとしてもですね、使う見込みがないわけです。しかも使ったら使ったで「使用済みMOX燃料」というやっかいなものが出てくると。これどうするかってのも決まってない。私「八方塞がり」ってのはこういうことだと思うんですね。

実は日本だけでなくてアメリカでも同じような問題が起きて、えーアメリカでもいろんな動きがあります。アメリカではMOX燃料製造工場というのを作ろうとしておりまして、この間やってきたわけですが、2002年段階で10・58億ドルと見込まれていた建設費、運転費をのぞく建設費、これがですね、2014年には77・8億ドル、なんと7倍以上に増えました。しかもそれだけのお金をかけてMOX燃料作ったとしても、アメリカで原発会社が「そのMOX燃料を使っていいよ」というのが一つもないんですね。手を上げてくれない。ま、7倍のコストかけて作りますから当然燃料としても高い。「なんでそんなに高いので発電しなきゃいけないんだ」と、当然だと思います。配布資料の5を見ていただきたいんですが、オバマ政権もこの間動きがあります。2004年の段階では、オバマ政権は「現在のプルトニウム処理アプローチはコストの上昇と財政難のために負担しきれないかもしれない」と、負担しきれないかもしれない、ま、ちょっと腰が引けてるわけですね。ところが2015年になりますと、もうはっきりですね、建設中のMOX燃料製造施設とその関連施設を「凍結状態」、「コールド・スタンド・バイ」と、いうふうにして、いま連邦議会などで、このMOXプロジェクトに代わるさまざまな代替手段が検討されていると、こういう状況であります。総理にお聞きしたいと思うんですが、これ大変な国家プロジェクトであります。アメリカでもこういう認識に到達して、事業を凍結状態にしていろんな議論を始めております。日本でもやめるべきじゃないですか。なんでやめると言わないんですか。(答弁を)総理、お願いします。

(→林・経済産業大臣)あのーアメリカは、核兵器を処分するための方策として再処理も含め検討されているものと、承知しておりまして、したがって我が国とは事情が異なりまして、単純な比較はできないものと考えています。なお、我が国のMOX燃料加工工場は、現在原子力規制委員会によって新規制基準への適合性審査がおこなわれているところであります。引き続き、事業者には真摯に厳格に、審査に厳格に対応していただきたいと思っております。いずれにしても、使用済み燃料の処理については、それぞれの国の実状に応じて対応がなされているものと認識しております。

◆藤野議員/それぞれの国の実状に応じてって言うんなら、先ほど言いましたように日本はもう八方塞がりであります。政治決断の時だと私は申し上げてるんです。

そして、日本に対しての海外の目というのも大変厳しくなってる。対日政策、国防次官補などを歴任した、ま、対日のプロとも言われるジョセフ・ナイ氏ら米高官14名が昨年9月に、六ケ所村での再処理、「プルトニウム再処理を延期するように日本を説得するべきだ」と、こういう提言をアメリカのエネルギー庁長官におこなっている。林大臣のような人に、ジョセフ・ナイさんのような人が、日本の再処理を延期させろと、こういうふうに言ってるわけですよ。それほど日本の再処理に対する警戒の声、アメリカでも強まってる。なぜだと。私思うんですね。これ再処理をすれば、何が出てくるか。プルトニウムという大変危険な物質が出てくるわけであります。このプルトニウムをめぐって日本は本当に八方塞がりの状況になってる。だから、世界の目が厳しくなってる。こういうふうに思います。

再稼働すればですね、使用済み燃料が出てくる。で、この核のゴミを再処理する工場、さきほど言ったように動いてませんが、動いたとしても、いま言ったプルトニウムが出てくる。しかし、プルトニウムを燃やすんだと言っていたもんじゅはとん挫しているし、軽水炉・プルサーマルも先ほど言ったような状況です。アメリカもやめよう言ってるんです。結局総理、答弁お願いしたいんですが、日本がやめられないのは、もしこのサイクルが破たんしてるってことを認めると、原子力政策全体、これがもう推進できなくなってしまう、こういうことだからじゃないですか総理。総理、答弁お願いします。

(→林・経済産業大臣)あのー、そのような仮定の話にお答えするのは適正かどうかわかりませんが(藤野議員「仮定じゃないでしょ」)、やっぱりあの、現在ですね、えー川内原発1・2号、昨年再稼働しました。先日再稼働した高浜原発3号機やMOX燃料を使用して、議員指摘のように、プルサーマルを実施しているところでございます。ま、この他現在23基の原発が原子力委員会による審査を受けているところであります。今後審査が進めば、新規制基準に適合すると認められる原発が増えていくことが見込まれるわけでありまして、これに伴いましてプルサーマルを実施する原発再稼働も増えていくものと、見込まれるわけでございます。いずれにしても政府としては、利用目的のないプルトニウムを持たないとの原則を堅持することは当然であります(藤野議員「聞いてませんそんなことは」)。あのー具体的には、電気事業者が、プルトニウム利用計画を策定して、妥当性を原子力委員会が確認する仕組みのもと取り組みを進めることにしております。

(→安倍・内閣総理大臣)えー核燃料サイクルについてはですね、直面するさまざまな技術的課題やトラブルを、問題点を明らかにしたうえで、ま、一つひとつ、解決をしなければならないと考えています。ま、そのうえで、核燃料サイクルは、高レベル放射性廃棄物の量の減少、えーそして、放射性レベルの低下、資源の有効利用などに資するものであり、引き続き自治体や国際社会の理解を得つつ、取り組んでいく考えであります。

◆藤野議員/まず大臣、その仮定の話って言いましたけどですね、私事実ばっかり言ってるんです。仮定というのは先ほど大臣が言った「2015年までに16基から18基」、こっちのほうがよっぽど仮定ですよ。もう2016年なんだから。しかも「23基審査受けてる」って言いましたけど、その23基のうちプルサーマルやっていいよと、大変危険だけどやっていいよというのは9基だけなんです。さっき言ったように。ですからもうとんでもない答弁だというふうに思います。

そして「ごみの減容化」いろいろおっしゃいましたけれども総理、はじめは「増殖」だったんです。減容じゃないんです。減らすんじゃないんです。増やすって言ってたんです。それができなくなって後付けで、今いろんなこと言ってますが、もうすでに、破たんしてると、いうところを認めなきゃいけないし、これホントにもうこのまま続ければですね、とんでもない事態になってくると思うんです。

そして、それに関連してお聞きしたいんですけれども、先ほど言ったようにこの核燃料サイクルというのは「プルトニウムサイクル」と言ってもいいと私は思うんですね。そしてプルトニウムっていうのはこの世の中でもっとも危険な物質の一つであります。長崎に落とされた原爆の材料がプルトニウムでありますし、人体の肺に取り込む限度っていうのは4000万分の1グラムと。想像できないほど危険なものだと。で、危険な物質ですから世界がなくそうとしている。この間、オバマ大統領のイニシアチブで「核セキュリティサミット」っていうのがもう3回開かれております。3回目の2014年、オランダ・ハーグで開かれたサミットには、総理も行かれていると思いますが、まさにこのプルトニウムをどうするかっていうのがメインテーマになりました。これは島尻大臣になるのかもしれませんが、日本も先ほど林大臣おっしゃったんですが、「余剰プルトニウムを持たない」ってことは原則だと思いますが、あらためてちょっと確認したいと思います。端的にお願いします。

(→島尻・内閣府特命担当大臣)お答え申し上げます。えー平成26年4月に閣議決定いたしました「エネルギー基本計画」にあるとおり、「我が国は平和利用を大前提として、利用目的のないプルトニウムは持たないとの原則を引き続き堅持をする」と、えーそして、「プルサーマルの推進等によりプルトニウムの適切な管理と利用をおこなう」と、いうことを明確にしてございます。我が国はIAEA(国際原子力機関)により「プルトニウムを含むすべての核物質が平和的活動下にある」との評価を得ているところでございます。えーまた、原子力委員会が発表いたします「我が国のプルトニウム管理状況」によりまして、国際的な指針よりも詳細な情報を公開するなど、核物質の透明性を適切に確保しているところでございます。

◆藤野議員/いま確認しましたように、余剰プルトニウム、余ったプルトニウムを持たないというのが、日本の原則であります。しかし、日本は、国内外で何トンのいまプルトニウムを保有しているか、大臣、これは端的にお願いします。

(→島尻・内閣府特命担当大臣)えー内閣府は、プルトニウム利用の透明性の向上をはかり、国内外の、あ、数、えー国内外の理解をうるということが重要であるという認識にもとづいておりまして、平成6年より毎年、使用および保管されている分離プルトニウムの管理状況を公表するとともに、IAEAに報告をおこなっております。で、最新の、この報告、平成27年7月でございますけれども、えーによりますと、「平成26年末時点における国内外の分離プルトニウムの総量は約47・8トン」となってございます。

◆藤野議員/47・8トンです。総理、「余剰は持たない」と言いながら47・8トン。とんでもないこれはあの数だと思うんですね。しかもこの47・8トンは使うあてがまったくない。先ほど言いましたようにもんじゅ動いてませんし、プルトニウム見通しありません。総理、これ端的にお聞きしたいんですが、総理は第3回セキュリティサミットでこうおっしゃっています。もう時間の関係で配布資料をご紹介させていただきたいと思いますが、ここで総理は「一つ目はサミットの議題の中核である核物質の最少化と適正管理です」と。そして飛ばしていただきまして「今後も同様の考え方で、これらの核物質の最少化に取り組んでいきます」と。これ総理の発言であります。つまりこれもう国際公約であると思うんですね。で、総理お聞きしたいんですが、「最少化」と言いますが、すでに47・8トン持っていて、減らす見込みがない。これ減っていかないんじゃないですか。

(→安倍・内閣総理大臣)ええ、核物質の、おお最少化とはですね、一般に、えー「利用目的のない核物質について、その保有量を最少にするよう努めること」を意味するわけでありますが、ハーグでおこなれた核セキュリティサミットで、私は、自分のステートメントにおいて「米国の協力のもと、研究炉の一つである日本原子力研究開発機構にある高速炉臨界実験装置で使用してきた高濃縮ウランと分離プルトニウムを全量撤去し、米国へ移転することなど、核物質の最少化に取り組むこと」を表明しました。えーまあこれに対してオバマ大統領が、閉会式でこの日米の合意に特に言及をし「核セキュリティサミットの成功につながる大きな成果」とするなど、国際社会からも高く評価されたところでございます。

◆藤野議員/まあ今おっしゃったように、えーいわゆるその高濃縮ウランとプルトニウムをアメリカに返したということは確かにありました。これは文科大臣にお聞きしたいんですが、この返したというプルトニウムの量はいくらですか。簡単にお願いします。

(→馳・文部科学大臣)日米共同声明において、移送対象とされている高速炉臨界実験装置のプルトニウムの量は331キログラムであります。

◆藤野議員/331キログラムであります総理。わずか331キログラム。先ほど言いましたように青森県の六ケ所村、これ動けば年間8トンのプルトニウムが出てくると。8000キログラムであります。24倍。しかも全国にはすでに1万7000トンの使用済み核燃料がある。これ再処理すれば、だいたい160トンから170トンのプルトニウムが出てくる。しかも総理は、2030年の原発比率、これ20~22にするという形でで、いま再稼働進めてる。そうなればまた使用済み核燃料が出てくると。総理お聞きしたいんですが、最少化すると言いますが、プルトニウムは増えていくんじゃないですか。どうですか。

(→林・経済産業大臣)あのー、プルトニウム利用計画では、16基から18基の原子炉でMOX燃料として年間5・5トンから6・5トンの(藤野議員「短くお願いします」)核分裂プルトニウムを利用することにしております。一方、六ケ所再処理工場がフル稼働した場合、年間4トン強の核分裂性プルトニウムが発生します。したがって、計画が適切に実施されれば、プルトニウムの消費が供給を上回ることとなり(藤野議員「仮定の話ですよ」)、核分裂性プルトニウムは確実に減っていくこととなります。

◆藤野議員/確実に減っていく。大変な答弁だと思いますよ今のは。まったく見通しがないわけですよ。本当に今のはビックリしました。総理ですね、こういうホントにあの話ではなくて、いまアメリカでは日本の増え続けるプルトニウムに対する懸念が強まっております。先ほどのに加えてもう一つ紹介したいのは、日本原子力協定をめぐる動きであります。今の日本の核燃料サイクルの土台になっているのが、、いわゆる日米原子力協定ですが、これが2018年7月には期限を迎える。どうするんだ、アメリカでも当然議論が始まっております。その中でもっとも注目を集めているのは「日本の増え続けるプルトニウム、いったいどうするんだ」という話であります。たとえば米大統領補佐官・科学技術担当のジョン・ホルドリン氏は、2015年、昨年の朝日新聞のインタビューでこう言っております。「日本はすでに相当量のプルトニウムの備蓄があり、これ以上増えないことが望ましい。分離済みプルトニウムは核兵器に使うことができ、我々の基本的考え方は、世界における再処理は多いより少ない方が良いというものだ」と、いうものであります。

そして、アメリカだけではありません。これ世界的に核兵器廃絶を目指している国際的な科学者グループであるパグウォッシュ会議。このパグウォッシュは、1995年にはノーベル平和賞を受けた科学者のグループでありますが、同じく昨年11月、いわゆるその使用済み燃料の再処理中止を求める声明を出したんですね。今までこのパグウォッシュ会議は、中止までは踏み込まずに、懸念を表明するレベルだったわけですが、今回初めて中止に踏み込んだ。再処理やめろと。これはやっぱりそれだけ増え続けるプルトニウムへの懸念というのが世界に広がっているということだと思うんです。総理にお聞きしたいんですが、2018年に期限を迎えるこの日米原子力協定、これは核燃料サイクルの土台であります。これこの際やめるべきじゃないですか。どうするんですか。総理、これ大きな問題です。

(→岸田・外務大臣)ええっとまず我が国のこのプルトニウムのえっと受給に関する見通し・計画に(藤野議員「それは聞いてません」)ついては、先ほど経産大臣から説明がありました。それと合わせて、我が国は、このー、えーこの世界に対してこのプルトニウムの透明性をしっかりとこの示していく、この重要性を認識して我が国は取り組みを合わせて進めております。このIAEAの保障措置、これはきわめて厳格な保障措置を、この我が国は受けたうえで、これは平和活動であるという結論を得たうえで、我が国独自の措置を加えて透明性を確保していく、えーこういったことで、この現状を世界に対する説明責任を示していく、そのうえで、いまご指摘がありました日米の原子力協定ですが、あのー引き続きこの現状の中で、えー米国としかるべき、えーこの検討、交渉を続けていくことになると、認識をしています。

◆藤野議員/私はこれアメリカの懸念がこれだけ高まっているわけですから、ホントに日本の現状をふまえて、あのー、もうやめるべきだと、この原子力協定はですね、思います。あの最後になりますけど今年は、あの東電の福島第一原発事故から5年目の節目の年であります。世界的にもチェルノブイリ原発事故からは30年目。原発と人間社会は共存できないと、これがやっぱり福島とチェルノブイリの、私は教訓だというふうに思います。先日福島県にまいりました。いわき市で楢葉から避難してこられている方々からお話を聞く機会がありました。楢葉の水源というのは木戸ダムっていうんですが「この木戸ダムの水、安全なのか。政府は『上澄みを救うから大丈夫だ』。こう言うけどとんでもない。あのダムの水でミルクを作って子どもたちや孫たちに飲ませられるのか」、こういう声を寄せられました。別の方は「このつらい思いを他の人に味あわせたくない」、涙ながらにおっしゃいました。もう忘れられません。総理、やはり福島の声に寄りそうって言うんであれば、原発の再稼働や、核燃サイクルの推進、あるいは原発の輸出、こういうのは本当に真っ向から反すると思います。原発ゼロの決断こそ福島の教訓を生かすことだと強く訴えまして、私の質問を終わります。

2016年2月5日【衆院予算委】日本共産党・藤野保史議員の質問 ※原発関連部分

(更新日:2016年02月10日)