京都市美術館の建替計画。市は代替施設に責任持たず!?(2016年1月19日/くらし環境委・文化市民局・西村よしみ議員)

京都市美術館の建替工事計画。なんとその代替施設を京都市が責任をもって確保していないことが明らかに。本日の委員会質問で西村よしみ市議が取り上げました。*写真は1月17日付の京都民報記事です

◆西村議員/私のほうからはですね、京都市美術館の再整備計画についてであります。美術館の再整備の計画については、すでに「基本計画」が策定されておりまして、プロポーザルによる基本設計、業務委託が進んでおります。ま、設計、工事、そういう流れでございますけれども、あの、昨年12月にですね、その展示場に関わりまして「京都市美術団体連合会」、こういう団体から我々のほうにも「要望書」が届けられました。読んでおりましたらですね、厳しいご指摘もございました。「工事期間中の展示会の開催が不可能」となりまして、「展示会主催者は言うに及ばす、美術愛好家、市民にとっての大きな損失である」という、そういうあの文面でございました。あらためてですね、この団体のご要望、基本的なところでけっこうなんですが、ご紹介していただくことはできますでしょうか。

(→北村・文化芸術都市推進室長)はい、えー美術館の再整備基本計画を進める中での美術団体連合会からのご要望でございます。えー現在私ども、将来構想、それから基本計画というふうに美術館の再整備計画を進めておりまして、現在は今年度基本設計を進めてございます。そういったなかで、また来年度予算以降で、あの、議会での審議をお願いすることになりますが、えー実施設計、そして着工というような予定をしておりまして、そのなかで着工する際には、現在の美術館の本館が展示場として使えなくなるということで、いま現在29年度、もう一年先ですが、29年度に着工しますと一定期間本館を休館すると、そういうなかでいま別館、ロームシアターの敷地にございますが、別館のみを使って展示スペースとなるということで、えー展示スペースを何とか確保できないかということでのご要望をいただいているところでございます。

◆西村議員/あのー工事の期間中、さまざまな、これまでご利用していただいた団体のみなさんがですね、利用できないと、ま、そのためにですね、何とか代替施設が確保できないかということで、そういう要望だったと思うんですけれども、その「代替施設」についての基本的なね、京都市としてのお考え、当然あの、全てが全て対応できるということではないと思うんですが、ただあの、なるべく努力をしていただきたいという、そういうお考えだと思うんですけれども、基本的な代替施設に関するお考えはどういうお考えでしょうか。

(→北村・文化芸術都市推進室長)はい、えーと、美術館本館が使えなくなりますので、えーその分を別館をお使いいただくということになりますが、全てを受け入れることは当然できませんので、えーその分についてはあの京都市内、あるいは市周辺にございます同等の施設、こういった施設の情報をみなさんにご紹介する、「こういうところがありますよ」というような情報提供をすることでみなさま方、その他違うところで展示をしていただくことにしていきたいというふうに考えております。

◆西村議員/まああの代替施設全部ダメだということではなくて、いろんなところの情報提供もしていきたいという、まあそういうお話だったと思うんですけれども、あのー後でも紹介をさせていただきますけれども、この団体のみなさんは、けしてそういう受け止めではないようなことをですね、おっしゃっております。あの先ほどちょっと紹介させていただいたんですけれども、要望書の文書の中にはですね、「代替施設に関しては何ら回答を得られていません」という話をしてらっしゃいます。私はあのやっぱりですね、丁寧に対応していただきたいなと。もちろんあの丁寧に対応してらっしゃるということだと思うんですけれども、ただあの長年ですね、こういう文化芸術に携わってこられて、しかも京都市美術館をですね、長年ご利用されている団体については、本当に親身になってお話を聞いていただいて対応していただきたいなと、いうふうに思っております。やっぱりあの京都市の美術館を拠点にしてですね、市民のみなさんの文化芸術活動、これがおこなわれている。そこをですね、やっぱり京都市は、応援をしていただくと、ま、いうのが基本でありますので、このへんのね、このへんのお考えというのは基本的にはどうなんでしょうか。もうないからダメなんだと言うだけじゃなくてですね、だけではなくて、やはり日常的に、あのお話も聞いていただきながら、丁寧な対応が求められているのではないかなと思いますけれどもいかがでしょうか。

(→北村・文化芸術都市推進室長)はい、あの、ご要望いただいています、えー、京都市美術団体連合さん、ええと全部で21の団体が加盟されています、あのこの、私ども美団連と呼んでますが、美団連さんとは定期的に私ども美術館のほうで意見交換をおこなっておりまして、今回の再整備につきましても、えー将来構想の段階から、都度都度、情報提供してきたところで、あのー先生おっしゃるように京都市美術館で展示をしていただいているということで、あのー丁寧な対応、それから情報提供に努めてきたところです。ただまああの、他の施設の情報を紹介してますが、あの「斡旋までしてほしい」という声もございますが、まああの京都府の文化博物館さんであったり、私どものめっせであったり、いろんな市内に美術館、施設がございますが、そういったところはそういったところで申し込みのルールであるとか、そこを使っておられる団体とかございますので、その間に私どもが入ってまで斡旋するということは現時点ではございませんので、えー美術館のほうでは現在も作業してますが、あのー市内に限らず、近隣の市長村も含めて、最大の情報を集めて丁寧に情報提供すると、丁寧に対応するということをモットーに対応させていただいているところでございます。

◆西村議員/はい、あのー昨日ですね、この関係の方に少しお話を聞きましたんですけれども、ま、いま代替施設、その文化博物館とかですね、まあさまざまな、別館とかいろんなところを紹介していきたいという話がありましたけれども、あの、どうもそういうところがですね、何か伝わっていないような、お話を昨日お聞きを致しました。で、しかも先ほども話もしましたけれども、要望書のなかでは「代替施設に関しては何ら回答が得られてない」という、そういうあの受け止め、これ文書になってるんですよね。で、それでね、私もそういうやり取りについてはちょっと残念だなと、いうふうに思うんですが、あのー要望書を届けられた時のですね、あのこの美団連のみなさんの、説明がですね、えーちょっと紹介させていただきたいと思うんです。こういう文章になっております。「美団連に加盟している団体の多くは、公募団体として、毎年東京での全国展示を皮切りに京都市美術館を巡回開催をしておりまして、団体の歴史によって異なるものの、ほぼ半世紀以上にわたって京都市美術館での展示会を開催してきました」と。で、ここを「毎年楽しみにされている美術愛好家、市民の数にして年間10万人以上の入場者が京都での展示会の歴史を築いて担ってきております」と。だからあの、京都のですね、伝統を継承して、世界に誇る美術館を支えるその一端を自分たちも担ってきたという自負であります。だからあの美術愛好家、市民にとりましては大きな損失でありますし、単に2年間の不在ということにとどまらず、現に生きている作家、重要な発表の場が消えてしまうと、ま、一時的にですね使うことができないと、いうものに対する懸念というのが、これ大変大きいなというふうに思っております。だからむしろ積極的にですね、あの何が可能なのか、そういうふうなところをですね、担当所管局としてですね、あのしっかり対応していただきたいと、あのいうふうに思います。その辺はどうでしょうか。

(→北村・文化芸術都市推進室長)はい、あの、美団連のみなさんのみならず、あの京都市美術館を展示場として使っていただいているみなさんならではの尊い文化芸術活動の担い手であると理解しております。えー、それ、そういう認識であるからこそ、きわめて丁寧に情報提供してますが、ま、みなさんおっしゃるなかで先ほど申し上げた施設への斡旋、借りられるところまでの斡旋であるとか、さらには代替の施設を確保するというふうなこと、またあの小学校の校舎を使えないかといったこういうふうなご要望もいただくんですが、あのいずれにいたしましても現実的にはなかなか実現可能な方法ではございませんので、えー最大限情報提供さしていただくと、えー京都市の美術館が大きく生まれ変わる、まあ、期間ご迷惑をおかけしますが、その間それぞれの団体で工夫をいただくなかで、えーお願いしたいと。えーできるだけ丁寧に対応したいですが、他の施設への斡旋であるとか、代替の施設を確保するというのは不可能であろうというふうに思っております。

◆西村議員/はい、あの、先ほどのご答弁で小学校、小中学校のですね、あいているスペースを活用したいという要望があるということで少し紹介がありました。で、私は、じゃあですね、その団体のみなさんの要望については、その具体的にね、検討されたことがあるのかと、そういう点についてはどうなんでしょうか。あの一概にですね、「学校といったらこれはもう管理が大変だ」と、いうことだけではなくてですね、可能なところは検討されてしかるべきではないかなと思います。そうしていきながらですね、こういう団体のみなさんは、苦労されて、毎年京都で開催をしていきたいと、ま、そういう切実な思いを持っていただいているわけですから、このへんはですね、検討していただくべきではないかなと思いますけれども、たとえば具体的にどこの小学校中学校でどうなのかということは、団体のみなさんと検討された経緯はありますか。

(→北村・文化芸術都市推進室長)はいあのー代替施設の確保がというお話のなかで当然、統合校の施設利用ということを当然私どもも考えました。それであの具体的なA校B校ということではございませんが、学校施設の活用がはたして可能なのかということを私どもも内部で、えー充分検討しておりますが、やはり温度湿度管理するようなエアコンがないとか、絵をかけるにしてもピクチャーレール1つない、照明するスポットライトない、あらゆる施設の面から考えても、えー美術展示という意味にはふさわしくございませんし、また搬入する車の導線どうするかとか、えー地元さんの関係どうするかとか、多くの小学校8m×8m=64の普通教室、こういったせまいところでどれだけの作品が展示できるのか、えー現代芸術であれば天井の高さが要ります。えーホワイトキューブいわれるような白い壁面が要ります。いろんなところで美術展示する会場として学校施設はふさわしくないということで、えーかえってそういう場所を提供するのがどうかと、いうような議論もありましたし、それでも改修したらどうかという検討もしましたが、莫大な経費がかかるわりに、いま申し上げたような美術展示の環境としてふさわしくないということで、学校施設の提供ということは考えてございません。

◆西村議員/えー、ダメだダメだという話でありますけれども、じゃあそれをですね、具体的に、こういう団体のみなさんにお伝えをされたことはありますか。いつどこでどんな話が出たんでしょうか。あれば紹介をしていただきたい。で、私あの、この団体の加盟はですね、21団体と、まあ先ほど話がございました。えー話を聞きましたらですね、えー今年度どうするかっていうのは、まだ計画を立てることができない団体がですね、18団体、ということがわかりました。だから今年度京都でいったいどうしようかということがですね、まだ計画が立てられない。で、だいたいあの、加盟されている団体のところはですね。早ければ、今年の春にはすでに具体的な計画を決めてですね、広報等を徹底していくんだと。全国の会員緒みなさんにですね、作品の展示等を呼びかけていただく、「京都でやりたい」と、「毎年やっているので協力をしたい」と、いうあの流れでございますので、やっぱりあのここのところでですね、あのしっかりと、同じことになりますけど、対応していただきたい。これがですね、やっぱり他の他府県のところでやろうとやり始めたらですね、再整備をされてこの2年後、再びまたこの京都で、団体のみなさんが展示会ができるのかどうなのか、帰ってくるのか、そういう懸念もですね、あるわけでありますから、そういう点では具体的にどうでしょうか。

(→北村・文化芸術都市推進室長)はいあのー美団連のみなさまと、私ども美術館のほうでは、あの折に触れ情報提供をさせていただいておりますし、あのー情報提供に努める、斡旋であるとか他の施設の確保は困難であるというふうなことは申し上げております。で、先生いまご指摘にありましたように、できるだけ早く工事中の別館の貸し出しも含めてみなさま方にご説明申し上げたいと思っておりまして、あのー別館をどのような形で受け付けるのか、どれくらいの期間中閉館になってるのか、ということの、えー見通しがついた段階で、そういったあたりのルールを整理して、美団連さんも含めた利用のみなさまに、えーその間ご迷惑かけることを、他の施設の情報提供も含めて、ご説明を早く申し上げたいなと、現在、美術館内部で整理しているところでございます。

◆西村議員/あのー文化芸術企画課のですね、出先機関は京都市美術館ということにもなるわけですけれども、ただいろいろと話を聞きましたところ、やっぱりあの美術館そのものは、貸し館、会場の提供、その具体的な実務の対応、やはりそこのなかで、やっぱりこの多くの団体が、展示場を求めてどうしようかと、困った状態だということで対応を求めているわけですから、あのしっかりとですね、所管の部署のみなさんが、もう前に出られて、出られてですね、直接、あのこういう団体のみなさんと、お話を重ねていただくこと、これが大切ではないかというふうに思います。で、今回はですね、京都市美術、この美団連の例を取り上げさせていただきましたけれども、ま、他にですね、やっぱり利用されている団体、いらっしゃると思うんですよね。あの、お聞きしましたところ年間100団体くらいが活用されていると、いうことでございますので、そういうようなところも含めてですね、きめ細かな対応をしていただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

(→北村・文化芸術都市推進室長)はい、あのー、美術館、私ども、えー文化芸術都市推進室の大切な事業所でございます。基本的には美術館のほうで対応してますが、時には私どもの担当の課長が出向いて話等もおうかがいしてますし、あのーこれからも丁寧に対応していくということには、しっかりしていきたいと思っております。またあの他の団体から問い合わせ等があった場合には、いま申し上げたような状況を個別にご説明しておりますので、あのいずれにしましても、えー早期に対応方法を確定をいたしまして、あの美団連さんを含めた各団体に周知をして可能な限り丁寧に対応していきたいと、このように考えております。

◆西村議員/あのー団体のみなさんから具体的な要望ございました小中学校の利用されていない施設の使用等も含めてですね、具体的なところで、みなさんと協議を重ねていただいて、対応していただきたいなと、いうふうに思っております。

2016年1月19日【くらし環境委】文化市民局:一般質問「京都市美術館再整備計画における工事期間中の美術団体の展示場確保問題について」

(更新日:2016年01月19日)