深草鎮守池周辺の不法投棄問題を取り上げました(2015年6月9日/くらし環境委・環境政策局・やまね)

6月9日の「くらし環境委員会」で、伏見区深草・鎮守池周辺の「ごみの不法投棄問題」を取り上げました。9年前の京都市の計画で「鎮守池の活用整備」と言われ、さらに2年前に鎮守池が京都市の土地となりながら、ごみの不法投棄問題が解決してこなかったため、京都市に管理責任と現状の改善を求めました。前向きな答弁もありました。文字起こしを作りましたので、6月1日の現地視察時の写真と合わせてご覧いただければ幸いです。

◆やまね/伏見区選出のやまね智史です。よろしくお願いします。私は、伏見区深草、大岩街道周辺地域の整備構想について、とくに、鎮守池周辺で問題になっておりますごみの不法投棄の問題についてお聞きしたいと思います。現在この地域で、産廃の山・通称「岡田山」の撤去がおこなわれているわけですが、あらためてこの地域の将来計画(A・B・Cエリア構想)について簡単にご説明いただけますか。

(→奥循環型社会推進部担当部長)伏見区深草地域にございます鎮守池について、また、大岩街道周辺地域の整備構想についてのおたずねでございます。先生ご指摘の鎮守池の位置します大岩街道周辺地域では、かつて大規模な野外焼却など、周辺に直接的な影響をおよぼす違法行為がおこなわれておりましたが、全庁あげての継続的な監視活動と指導に取り組みました結果、現在ではこうした大規模な野外焼却・野焼きなど、違法行為は沈静化いたしております。

しかしながら、当該地域には廃棄物の埋立処分による形成された通称・岡田山でございますとか、違反建築物の無秩序な立地など、改善すべき環境問題がございますことから、平成22年の3月に「大岩街道周辺地域の良好な環境づくりに向けたまちづくりの方針」を策定いたしまして、現在積極的に取り組みを進めているところでございます。

このまちづくりの方針の中では、当該地域を稲荷山と連続しました緑豊かな環境を再生していく、このエリアの北半分にあたりますが、これをAエリアと呼びまして、その南側、道路や下水道等の生活基盤が整った地域環境への改善を誘導していくBエリア、これは地域のだいたい南西部分4分の1ほどでございます。それと、さきほど先生からございました岡田山の撤去、現在進めておりますけども、その撤去と撤去後の地区全体の環境整備を誘導しますCエリアという3つのエリアに設定しまして、現在まちづくりを進めているというところでございます。

◆やまね/いま説明がありましたように、この地域の中で、環境、自然を豊かにしていこうという「Aエリア」に位置するのが「鎮守池」というスポットなんですが、ここでいま、ごみの不法投棄の問題が起こっていると。平成18年の市計画「大岩街道周辺地域の良好な環境づくりの指針」には、「鎮守池の活用整備」という文言がありますし、さらに平成24年度には、この鎮守池が地元団体から土地が寄付を京都市にされまして、現在所有は京都市となっています。

6月1日、共産党議員団として現地を視察しました。テレビ、ソファ、自転車、さまざまな種類のプラスチックごみ、がれきなどが捨てられているのを確認しました。不法投棄防止の看板もちゃんとあるんですが、草が伸び放題で非常に見づらいと状態と。これが京都市の土地になってから2年たつわけですが、この間の取り組みは、いったいどういうことがおこなわれてきたのでしょうか。

(→奥循環型社会推進部担当部長)鎮守池については、先生いまご紹介いただきましたように、2年ほど前に地元の深草記念会から京都市のほうが寄付を受けまして、現在行財政局のほうで所管をしてございます。これまでの取り組みとしましては、啓発の看板、不法投棄を防止する看板は現地にはございますんですが、なにぶん夜間に人目も少ないという状況でございまして、6月1日に現地を見ていただいたように不法投棄がされている、という状況でございます。そういうことで、地元の深草支所のほうからの要望もございまして、今年度、不法投棄の廃棄物を撤去する部分とか、柵を作ったりして、不法投棄をさせない環境に整備するということで、行財政局のほうで予算化されているというふうに聞いております。

◆やまね/視察時にも聞いたのですが、この地域が「排水システムが整備されていない地域なので、大雨が降った時に土砂が流れ出し側溝につまったり、道路が川のようになる」というお話も聞きました。さきほど言われた平成22年「大岩街道周辺地域の良好な環境づくりに向けたまちづくりの方針」の中でも、この地域の残された課題として「排水施設の未整備による道路・宅地の冠水と降雨に伴う土砂の流出」が指摘されています。

こういうなかで、このまま不法投棄がなくならず、日常的に管理されないままで、池の水もほとんどなくなって、こういう時にこれからの季節心配されます大雨が降った場合、非常に心配されると思うんです。水の行き場がなくなって周辺地域に被害が出るんじゃないか、こういう可能性も否定できないと思うんです。さきほど今年度中にごみを撤去してフェンスもはられるということだったんですけども、これはやはり京都市の土地として、市にしっかりとした「管理責任」があるということでよろしいでしょうか。

(→奥循環型社会推進部担当部長)不法投棄に関して、当然行為者を摘発してなんとかそういうことをやめさせて撤去させるというのが基本でございますが、なかなかこういう人目につかない場所で、わからない時にされているということで、一般的にはその土地を管理している管理者に撤去とか防止を求めるというのが行政としての姿勢でございますが、そういう意味でこの鎮守池は京都市の持ち物でございますので、市がしっかり管理していくことが大事というふうに考えてございます。

先生おっしゃるように当該地域は、側溝でございますとか下水道とかまだ未整備の地域でございまして、そういうインフラのことも含めて早急に整備をしていく必要があるということで、このまちづくりの方針を作りまして現在精力的に進めておりますので、どうぞよろしくお願い致します。

◆やまね/京都市の土地になりましたので、やっぱりまず市自身ができることをやるというのが重要だと思うんです。さきほども説明いただきましたBエリアについてはですね、(鎮守池の)すぐ隣になるんですけれども、ここには住民の方が住まれていますので、この鎮守池の付近を通った時に「ホッとする場所」といいますか、最低限ですね、雑草などを刈って、きれいな状態を保つということが重要ではないかと思うんです。そういうことがですね、京都市の姿勢、本気度を住民のみなさんにも、あるいは業者のみなさんにも示すことになるんではないかと思います。

さきほどゴミを引き上げフェンスもはるということでお話もいただいたわけですけれども、こういう取り組みがですね、一時的なものではなくって、たとえば草刈りであるとか、監視体制というのが、いまも言われました管理者である行財政局とも連携して、責任ある取り組み・体制となるのかどうか、その辺りはいかがでしょうか。

(→奥循環型社会推進部担当部長)不法投棄をそのまま放置しておきますと「ごみがごみを呼ぶ」ではございませんけども、さらに悪化するという状況もございますので、雑草が生えたままやったらそれを適切に刈ってきれいな状態を保つということが何より大事でございますので、行財政局とも連携しましてしっかり努めてまいります。

◆やまね/やっぱりきれいにすればゴミも捨てにくくなるというのがあると思うので、まず現状をきれいにしていただくと、それが次のステップへつながるんではないかなと思います。それで、現状の問題と合わせて、将来的な問題として、この鎮守池の整備について、平成18年に市が「活用整備」と言ってからもう9年たつわけですが、現時点で京都市として今後考えていることがあるのかどうか、それから、たとえばそういう計画を作る時は、どこが担当・中心となって作られるのか、その辺りはいかがでしょうか。

(→奥循環型社会推進部担当部長)現時点で計画としましては、さきほど申し上げましたまちづくりの方針にもとづいて、Aエリアを自然環境豊かなものとして再生していくということでございます。現在、Cエリアの岡田山の撤去を先行して実施しておりまして、それを撤去後Aエリアの事業者の方に移っていただくことを基本的な考えで将来的な計画としてはございますが、具体的にこの鎮守池をどうしていくかとか、そういう具体的なものがまだあるような状況ではございません。また、実際の計画づくりにつきましては、深草支所のほうに平成19年度から大岩環境整備の担当課がございますので、そちらのほうが中心となってやっていくものでございます。

◆やまね/最後になりますが、これは文化市民局や他の局にも関わると思うんですが、提案がありまして、たとえば深草トレイルや京都一周トレイルというのがありますので、ぜひきれいに整備した「鎮守池」をですね、そういうスポットの一つに、将来的に組みこむというようなことができないのかなと。

たとえば、稲荷山の「一の峰」から「末広の滝」「白菊の滝」というようなコースがありますので、そういうウォーキングのコースが整備されるということは「歩くまち京都」の取りくみともリンクするのではないかと思いますし、何より市民のみなさん、職員さんのみなさんが話しておられたのが「南の大岩山ではトレイルができ不法投棄も改善された。人が歩くことでチェックの目が入りゴミも捨てにくくなる」ということでした。

実際にね、さきほども「パトロールしてるけども人目のつかない夜に捨てられてしまう」という話がありましたけども、何度も何度もパトロールしたり、24時間の監視体制を作るというのは、本当に大変なことだと思うんです。ですから、自然と人が歩く、人目につくという、そういう環境を作ることが、不法投棄をなくすうえでも効果的ではないかと思いますけれども、この点はいかがでしょうか。

(→奥循環型社会推進部担当部長)いま先生ご紹介いただきました深草トレイル、これも深草支所のほうが中心となりまして、地域の住民のみなさま、また、各種団体のみなさま、高校生・大学生のみなさんとともに、文字通り共に汗する「共汗」ということで、不法投棄がいっぱいあった大岩山の道沿いを、不法投棄を全部一掃しまして、その後に竹柵を作ったり、展望台を整備したりということで、現在深草トレイルの一部ということで、市民のみなさんが憩えるスペース、コースになってございます。そういう意味で、深草トレイルでございますとか、東山含めた京都一周トレイルもご提案と思いますので、関係するところに伝えてまいりたい、そのように考えております。

やまね/せっかく京都市の土地になったわけですので、これまで以上に、ぜひ京都市が責任を持って鎮守池周辺の管理・整備することを求めて質問を終わります。

2015年6月9日【くらし環境委】環境政策局:一般質問「深草大岩街道周辺地域の環境整備について」

(更新日:2015年06月10日)