◆西村議員/私のほうからは文化財の保護の課題について質問致します。観光シーズンになりまして、右京区のですね各地の観光地、多くの観光のみなさんが訪れていらっしゃいます。特にあの右京区はですね、世界遺産が5つもあるという地域でございまして、そういうなかで報道がされておりますけれども、世界遺産の御室にございます御室仁和寺、ここの山門の前にですね、コンビニとガソリンスタンドが建設をされるようなことを聞いております。この場所はですね、世界遺産のバッファゾーンと聞いております。報道によりましたら、御室の仁和寺側は調停の申し立てを簡易裁判所に提出されたということでありますけれども、まずその事実の確認と、具体的にですね、この場所にどれくらいの構造物ができるのかという情報がありましたら、ご紹介いただきたいと思いますがどうでしょうか。
(→土橋文化財担当部長)仁和寺の山門前のきぬかけの路の南を少し西へ行ったところにですね、ガソリンスタンドとコンビニができるっていう、えーお話につきましては、都市計画局のほうから情報提供は受けておりますし、この間の動きは情報共有をしてるところでございます。で、先生ご指摘のようにですね、もちろん仁和寺が世界遺産となっておりましてここはコアゾーンになります。ここは文化財保護法が適用されるところでございますけれども、いま計画されているところは、緩衝地帯、バッファゾーンということでございまして、ここに関しましては、えー京都市の厳しい景観政策によって守られているものであると認識しておりまして、あのそれ以上の、ま、ことをですね、私どものほうで、認識はしておりません。
◆西村議員/あのーいま都市計画のほうからも情報を聞いているという話でございましたけども、ちょっと所管が違うんですけれども、現在ですね、このコンビニさん、それからガソリンスタンドさん、計画はどこまでのところまで進んでいるのか、もう基本的な許可が下りて建設が始まろうとしているのか、その辺の段階はどこまででしょうか。もしわかったらお答えいただきたいと思います。
(→土橋文化財担当部長)申し訳ございません。その計画の進捗度合いにつきましては認識しておりません。
◆西村議員/そしたらあの、お寺さんのですね、ご主張がどのような主張かというのは、これはどうでしょうか。
(→土橋文化財担当部長)とくに私どものほうに、この計画がけしからんとか、そういうお話は聞いておりません。
◆西村議員/お寺さんから相談がないというお話だと思うんですが、ただですね、いろんな報道がありますので、やっぱり寺側がどういう主張をされているのか、ちょっとこの辺はですね、文化財を守る局として、把握をしていただきたいなと、把握されるのが当然だと思うんですけれども、よくわからないということでしょうか。
(→土橋文化財担当部長)はい、あの直接今回の件に関しまして、仁和寺さんのほうとお話はしておりません。
◆西村議員/あのーお話はしていないという話ではなくてですね、私はあの情報をよくつかんでですね対応は、つかんでいくべきだという話をさしていただいております。あのー寺側はですね、コンビニ、あるいはガソリンスタンドが、24時間営業をされるという計画だということで、これがあの、お寺の山門の前にできるというのは、これは地域の環境、あるいはお寺の中にはですね、内裏、紫宸殿という国宝があるということで、火器を使うことも含めて、いろんなご心配をされて、そしてあの調停申し立てをされているわけですけれども、こういうところについてですね、やっぱりあのしっかりと情報もつかんでいただきながらですね、対応できるところは対応していただきたいと思うんですが、あの基本的なところで、世界遺産の環境を守るという立場に立つべきではないかなと思うんですけれども、所管するみなさんのところで、どのようなご認識をされていますでしょうか。
(→土橋文化財担当部長)えーっと、世界遺産、世界文化遺産の登録にあたる申請におきましてですね、いわゆる歴史的資産を構成する部分、いわゆる今回のケースであれば仁和寺さんの範囲になるんですけれども、えーそこにつきましては、国内法でしっかり守るようにということになっておりまして、それが文化財保護法で守ることになっておりまして、それが私どもの所管でございます。で、えー先ほどからお話のありますガソリンスタンドのところはですね、いわゆるバッファゾーンでございまして、これも世界遺産の申請の時にはですね、緩衝地帯をもうけて、その線を引いてなっているものですから、ただその、バッファゾーンの線を引くにあたってですね、それまで京都市のほうでやっております景観計画にもとづく、風致地区の網のかかったところとか、そういう線を引いておりまして、えー今回のガソリンスタンドの場所もその線の範囲内ってなっております。ですので、えっと、もちろんその世界遺産というのを守らないといけないというのはあるんですけれども、それは、そのバッファゾーンに関しましては、京都市の景観政策にもとづいて守られているというふうに認識しております。
◆西村議員/えーそしたらですね、文化財という観点で、具体的に所管局としてどのような、えー課題といいますか、対応ができるのかということであります。あのーお寺側はですね、山門の真ん前ということで、24時間営業のガソリンスタンド、あるいはコンビニがですね、できるということになれば、環境や住環境が悪化すると、いうふうなことで、計画そのものをですね、白紙撤回を求めているような調停申請の内容であります。あのー文化市民局としまして、たとえば文化財の調査とか、具体的なところで何ができるのかという、この辺はどうなんでしょうか。
(→土橋文化財担当部長)あの、先ほどから申し上げておりますとおり、あのーいわゆる文化財の部分につきましては、私ども文化市民局文化財保護課のところで、文化財保護法、あるいは条例に基づく規制なり、そういった形でやっておりますけれども、このいわゆるバッファゾーンにつきましてはですね、いわゆる文化財保護法の適用がないというところです。で、もちろん、都市計画のいろんな景観規制によって、厳しく守られているというところはあるんですけれども、あの昨今、やはりその規制以上の規制を求められている情勢というのは現実問題としてあるというふうには思いますし、そういったところは課題かなあというふうには考えております。
◆西村議員/ないという話なんですけれども、そしたらですね、埋蔵文化財の調査等はこれはどうなりましたか。
(→土橋文化財担当部長)えー埋蔵文化財に関しましては、この場所は、埋蔵文化財包蔵地でございます。えー、で、その意味で言いますと、平成17年に、埋蔵文化財の発掘調査をしております。えーその結果あの、ま、あの一定遺構は出てきてるんですけれども、あのーそれほどあの、まあ、残存状況が悪くてですね、「記録保存のための発掘調査は不要」という指導になっておりまして、したがいまして、えーまあ今後、あの、たとえばそのガソリンスタンド、何か建造物ができる時にはですね、立ち会い調査をすると、いうことで考えております。
◆西村議員/はい、我々もですね、あの大分以前から、御室仁和寺さん、それから南側のほうにはですね、双ヶ岡という小高い丘陵がございますけれども、その辺一帯がですね、文化、遺構があるような、いろんなその地元のみなさんからも話を聞いております。で、それで埋蔵文化財を、調査をする場合、おそらくですね、事前にここはこういう遺構があるのではないかというですね、さまざまな古文書や、あるいはデータ、資料をですね、検証、見ていただきながら、ある・ない、そういう判断で発掘をしていくと、そういう手続きになると思うんですけどね、この山門の当該土地はですね、こういう検証はされてきたという認識はそれでよろしいでしょうか。
(→土橋文化財担当部長)はい、あの先ほど申し上げましたとおり、平成17年度に、発掘調査をしております。
◆西村議員/発掘調査ではなくて「試掘」ではないんですか。試し掘りといいますか。あの本格的に発掘調査をすればですね、土地一帯を全部掘り返すことになると思うんですけれどもね、私が事前に話を聞いたらそんなことはしてないと、いうことをおっしゃってるんです。その辺はどうなんでしょうか。
(→土橋文化財担当部長)あ、すいません失礼致しました。えと「試掘」をしております。で、試掘の結果、その平安時代の溝や柱の一部分が出てきてるんですけれども、ま、全体的に残存状況が悪く、すなわち、つぶされているということですね、えー悪くて、その記録保存も必要ないと、いう結果になっております。
◆西村議員/そしたらもういっぺん確認したいんですけど、平安時代の何が出てきたということですか。
(→土橋文化財担当部長)柱や溝です。
◆西村議員/財団法人京都市埋蔵文化財研究所がですね、嵯峨野地域の遺構について広域立ち会い調査による遺構調査の報告書というのを作っております。あのー文書は短い文書なんですけどね、双ヶ岡の北側の大内裏の南の麓には山にはですね、宇多天皇による仁和寺が創建をされましたと、以降ですね、双ヶ岡一帯は、双ヶ岡というのは御室仁和寺をずっと南に下がったところですね、一帯は、代々天皇のお願い寺が集中しておりまして、寺や人家が相次いで作られた場所であります。だからあのそういう地域であるということは、現代の我々もですね、認識をしている地域なんですよね。だから私、発掘調査はしてないけれども試掘はやりましたと、でもあの掘ってみたら保存状態が良くなかったという、たぶん報告だったと思うんですけれども、私はですね、試掘がいったいどれくらいの規模でやられたのかということを見てましたらね、やっぱり本格的な発掘はやっておくべきではなかったかなと、これは歴史の遺構のですね、保存のためにも、やるべきではないかなと思うんですけれども、あの笑ってる場合じゃないんですよ。その辺の認識はどうなんですか。
(→土橋文化財担当部長)あのーすいません、ええと、我々その、埋蔵文化財の発掘をするにあたりまして、まず試掘をするわけです。で、その試掘をしたうえで、えーとさらに発掘が必要であるか、あるいは、もう保存、記録するだけでいいよという場合もございますし、もうそこまでもいかないと、工事の時に、工事の時に当然基礎とか掘りますから、そういう時に我々文化財の職員が立ち会い調査をするっていふうに、あのその試掘の結果によってですね、ランクを分けているわけです。で、あの、ですから、今回のあの平成17年に実施しました試掘調査の結果、本格の発掘調査は不要という判断をしてですね、えー工事をする際には立ち会い調査をしますと、いう結果を出しているところでございます。
◆西村議員/何回も恐縮です。ですからその判断のところを私は聞いておりまして、あの土地の面積はですね、なんと2885㎡もあるんですよね。大変広い土地なんです。で、試掘の調査はどこまでやられたかというところでいけばですね、ごくごく部分的なところを、少し掘っただけということではないかなと、私は事前にはそういう話を聞かしていただきました。それでもですね平安時代の云々と、いう話が出てきておりますので、そのところのご判断は本当に正しかったのかどうなのかと、いうことを聞いているわけであります。どうでしょうか。
(→土橋文化財担当部長)はい、あの試掘調査の範囲はですね、あのー先生おっしゃるとおりたしかに幅1m、深さ1.5m、というような範囲でやるわけです。ただ、その、その土地の、どの部分を試掘するかについてはですね、過去の歴史的な資料でありますとか、そういったことに基づいて、我々の技師がねらいうちと言いますか、あるんやったらこの辺やろというところで掘ってですね、やっているわけです。で、あの、今回のケース、先ほどから申し上げておりますとおり、工事の時には立ち会い調査を致します。で、その結果、何か重要な遺構が出てきましたら当然工事はストップしてですね、記録するとか保存するとかいうような判断をすることになりますので、今回のこの立ち会い調査という判断がですね、いわゆるその埋蔵文化財を、発掘調査の事務が間違っているとか、そういったものではないというふうに考えております。
◆西村議員/私はその辺のところが、まああの、充分説明がどうもないなというふうには思います。もうすでにですね、この土地は造成が許可をされておりまして、まあ整地になってしまいました。あとはもう建設の許可を待つだけと。双方が協議を進行中だということであります。ただですね、やっぱりあの観光資源ということで、これはまあ京都市のですね、観光の取り組みとしましてもね、大変大きな課題を抱えているなというふうに、私は思っております。山門の真ん前ですよ。しかも24時間の営業がされるということでありますので、現在もたしかにお店はあるんですけれども、山門はですねだいたい夕方になればお店は閉店をされて、そしたら静かなたたずまいがずっとあるわけですけどね。だからそれが壊されていく、しかも火器を扱うということで寺のほうは大変心配をされている、ま、そういうところをですね、改善できることがあれば、やっぱり対応をされてしかるべきではないかなというふうには思っております。たしかにですね、文化遺産のバッファゾーンの具体的な取り組みといいましたらですね、さまざまな大きな課題があると思うんですけれども、ただそこの中の具体的な規制につきましてはですね、やっぱり各自治体が定めることになっておりますので、しっかりとですね、その辺の課題等をとらまえていただきたいなと、いうふうに思っております。また引き続き議論させていただきます。以上です。
2015年10月22日【くらし環境委】文化市民局:一般質問「世界遺産・御室仁和寺の山門付近へのコンビニやガソリンスタンド設置」について
(更新日:2015年10月24日)