新耐震基準グレーゾーン建物も無料耐震診断や耐震改修助成の対象に(2026年8月20日/まちづくり委・都市計画局・やまね)

◆やまね/どうぞよろしくお願いいたします。私からは、新耐震基準グレーゾーン、1981年6月~2000年5月の時期に建てられた木造住宅への対応について、改めてお聞きしたいと思います。で、先日まちづくり委員会の他都市調査で、杉並区の取組についても伺いましたので、その中身も踏まえてですね、今日は質疑をさせていただきたいと思います。

で、京都市においてはですね、2022年度より休止していた耐震改修助成制度「まちの匠」が、2024年度より「京町家・木造住宅耐震防火改修支援事業(まちの匠ぷらす)」として復活をされたわけですけれども、当初は2025年度で終了予定だったと思います。で、そんな中、昨年度、建設業関係者の方からですね、「まちの匠ぷらすの延長及び拡充等を求める陳情」が提出されて、様々な会派の皆さんが議論をされておられました。で、今年度も継続されたわけですけれども、まず改めてですね、この「まちの匠ぷらす」を今年度も継続した理由について、教えていただけますでしょうか。

(→岡田・建築指導部長)はい。「まちの匠」の事業につきましては、平成24年度から令和3年度まで取り組んでおりました。で、その後、能登半島地震を受けまして、市民の耐震化に対する意識が高まったということを受けて、改修を、改修工事の実施へと着実につなげるということを目的としまして、委員ご紹介の通り、令和6年度から2年間限定ということで、再開をしております。で、再開ですけれども、耐震診断士派遣事業、いわゆる診断のほうですね、こちらの申し込みの件数が非常に好調でございまして、成果をあげているところですが、実際にはですね、その後改修工事に至るまで一定の時間を要するという風な状況が出てきております。で、このため、事業の最終年度としておりました令和7年度の時点で改修工事まで至っていないという方が多くおられる状況ということが分かってまいりました。で、これらの方々を着実に耐震改修工事へとつなげていただき、耐震化の促進をしていくよう、期間を1年間延長させていただいたところでございます。以上でございます。

◆やまね/はい、ありがとうございます。取組が継続されたのは、非常にいいことだなと私たちも思っておりまして、今お話がありましたように、能登半島のですね、地震を受けて、改めて再開をして、で、診断派遣の事業が非常に好調だったということを、そういうものも受けてということでしたけれども、ま、こういった、建設業関係者の皆さんやあるいは市会での議論も受けて、京都市も頑張っていただいてると思いますけれども、ま、今後はですね、この新耐震グレーゾーンの建物にどう対応するかというのも1つのポイントだと思っております。

で、今年3月のまちづくり委員会では、「京都市建築物耐震改修促進計画の改定」について報告がありましたけれども、この時には「今後の方向性」「主な施策」の中で、「2000年以前の木造住宅の耐震化等について充実させます」ということも記載されておりました。で、そこで改めて確認をしたいんですけれども、10年前の熊本地震や先ほどもあった2024年の能登半島地震では、新耐震基準の中でもグレーゾーンの建物とそれ以降の建物ではどれだけの被害の差があったのか、この点をお答えいただけますでしょうか。

(→岡田・建築指導部長)国のほうで出されてる資料であれば、結構な差があるということ、報告書で拝見しておりますけど、ちょっと京都市の中でどうだったかというところについてはすいません、そこは把握をしているわけではございません。で、やはり、国のほうが特に熊本地震の後ですね、報告書をまとめておられまして、その中で明確に、委員が今おっしゃっていただいたように2000年基準以降の基準に合致している、特に接合部のところが金物でしっかりと固定されているという状況があるものについては、ほぼ倒壊していないというような報告も出されていますので、そこについては、重要な論、ポイントだという風に我々も認識しているところでございます。

◆やまね/はい、ありがとうございます。これ国交省が公表している調査結果によればですね、この10年前の熊本地震では、グレーゾーンの建物は倒壊・崩壊が8.7%、大破9.7%、無被害が20.4%であったのに対し、2000年6月以降に建てられた木造住宅は倒壊2.2%、大破3.8%、無被害の建物が61.4%ということであります。そして、これは2024年の能登半島地震の場合はですね、グレーゾーンが倒壊・崩壊5.4%、大破11.5%、無被害26.5%であるのに対して、2000年6月以降の建物は倒壊・崩壊が0.7%、大破1.3%、無被害が65.5%ということでありますので、やはりグレーゾーンの建物に比べて倒壊・崩壊、そして大破というものが少ないだけではなくてですね、無被害の建物の数がいずれも3倍前後に上っておりますので、その差は明らかだという風に思います。それで他都市調査で視察した杉並区では、このまさに10年前のですね、熊本地震でグレーゾーン建物の被害が大きかったことから、区として検討されて、2018年度(平成30年度)からグレーゾーンについても支援を開始したということでありました。

で、もう1つお聞きしたいのはですね、その際の判断基準にしているのがですね、2017年(平成29年)に国交省が公表しました「新耐震基準の木造住宅の耐震性能の検証法」というものなんですけれども、この中身ですね、当然、京都市も確認はされてると思うんですけれども、特に4つの要素というのが言われていまして、「平面立面の形」、それから「接合部の金物」「壁の配置バランス」「劣化の状況」ということで、要素があるわけなんですけど、このうちですね、平面立面の形、それから接合部の金物、壁の配置バランス、これについて、具体的にどういうものかっていうのを少しご説明いただけますでしょうか。

(→岡田・建築指導部長)はい。えっと、国土交通省が示されている検証法の中で、4つお示しをされているうちの3つですけれども、まず「平面立面の形」というものにつきましては、いわゆる整形の建物っぽいの、ま、真四角という言い方が正しいかどうかは別ですけれども、不整形でないということを確認しましょうということになっています。で、「接合部の金物」につきましては、小屋裏であったりとか、床下であったりとか、柱と筋かいとの間であったりとか、そういう本当に木と木が接合してる部分にしっかりと金物が入ってるかどうかということでございます。で、「壁のバランス」につきましては、平面形状的に見まして、一方にこう壁が偏っているとかそういうことがないということ、あるいは必要な壁の量があるということを、簡易な計算により確認をするということが示されているというものでございます。以上です。

◆やまね/はい、ありがとうございます。それで杉並区でお話を聞いた時にはですね、「金物と壁の配置のバランスの2点が大きな要素だ」ってことをおっしゃってたんですけれども、それから先ほどからもありましたように、この金物の接合部の話もありまして。で、ただ金物の接合部などは、確認が難しい場合もあるということで、その場合はどういうところで判断するのかということで、壁配置のバランスや劣化状況など他の項目を見て判断されるんですか?ということを、質疑応答の中で質疑があったら、「そうです」ということだったんですね。

で、一方京都市はですね、今年2月17日の予算特別委員会、補正予算の審議の際にですね、こういう風な答弁がありまして、「2000年までの建物について壁の量は基準が新耐震で現行と変わっていないので、接合部分の確認をどういう風にしていくかということが重要」という答弁がありました。で、これは確かに、非常に重要なポイントだとは思うんですけれども、国交省が示しているのはそういう先ほど紹介した4つの要素でありまして、杉並区のようにですね、金物の部分だけではなくて、その壁の配置のバランスであるとか、建物の劣化状況であるとか、こういうところも含めて判断することができないのかということを思ったわけですけど、京都市としてはやはり接合部の金物の確認っていうのが、非常に重要な要素だという風に考えておられるっていうことなんでしょうか。

(→岡田・建築指導部長)はい。国土交通省が示しておられます検証法で、杉並区さんもそれを活用されているんですけれども、委員ご紹介いただいた平面立面の形と接合部の金物と、壁配置のバランス、これらが全て満たされていないと耐震性能があるという判断にはならないということでございますので、どれかに着目してということではないという風に考えております。で、ただ、先ほど申し上げたその熊本地震での国の報告書を見てますと、接合部の金物のところで、結構差が生じているのではないかという報告があったことから、昨年度そういう答弁をさせていただいているのかと思いますし、一般目視で判断をしていくという中で、やはり接合部がなかなかこう確認しづらいというところもあって、ちょっと1つ重要視しているという表現をさせていただいたというような状況でございます。はい。

◆やまね/はい。確かにその国の報告書の中でも、その2000年以降の建物であっても被害があった建物というのはやはりその接合部の問題があったということも紹介をされておりますので、確かにその通りだなと思うんですけれども、このグレーゾーンへの対応については、現在も検討中かなということで思ってるんですけど、3月のまちづくり委員会の答弁ではですね、来年度、つまり今年度、「どういう調査をすれば効果的にその耐震性を把握できるか、しっかりモデル的に取り組みながら、その結果を受けて支援のあり方検討していきたい」というご答弁がありまして、そこでもう少しだけお聞きしたいんですけれども、1つはその、この間もですね、今年度に入ってからもそういう専門家の方々との協議であるとか、あるいは何かモデル的なそういった検証というのが今行われているということなのかですね。今年度の検討状況や何か新しく検証されていること、あるいは専門家の方からこんなご意見をいただいているなどのことがあれば是非教えていただきたいということとですね。それから今後大体どれぐらいの時期に、方向性を出したいと考えておられるのか、この2点いかがでしょうか。

(→岡田・建築指導部長)はい。昨年度の委員会で、モデル的な調査を行い、効果的な現状の確認方法の検討、支援のあり方を検討するということを申し上げております。で、現在ですね、モデル調査をするとなると物件が必要になりますので、それの物件について、ちょっと専門家の方々、あるいは関係団体の方々との調整をしていたり、そもそも確認の方法についても、国交省の診断方法がございますけれども、それを的確に実施するための方法、効率的な方法等について、専門家の方々と今協議を進めているところでございます。

ちょっと、ま、時期につきましてはまだ、今年度いっぱいしっかりやるということで今取り組んでおりますので、明確にちょっとお答えできる状況ではないというところでございます。以上でございます。

◆やまね/はい、わかりました。それであと、杉並区でお聞きした中身のところでですね、制度開始前、グレーゾーンへの支援の制度開始前の課題として上げられていたのが、「新耐震基準以降、1981年6月以降の建物であれば耐震基準は満たされているとの認識があること」と。これが課題としてあげられておりましたし、それから「所有者が自ら耐震性を確認する手段が限られていたこと」なども触れられておりました。で、それが、2017年(平成29年)に「新耐震木造住宅検証法」が作成され、簡易な検証が可能になったということでありますとか、耐震診断後に意識が高まったとの回答が95%に上るということも紹介をされていたんですけれども、昨年度のですね、建設業関係者の方の陳情の中でも、この「グレーゾーンの危険性が市民にまだ知られていない」ということも、指摘をされております。で、無料診断、無料耐震診断や補助の対象をグレーゾーンまで広げるということが、やはり市民的な防災意識の向上にも、つながるんじゃないかなと思うんですが、この点のご認識はいかがでしょうか。

(→岡田・建築指導部長)はい。近年、先日も熊本でございましたし、大地震など自然災害が、頻発しているということを踏まえますと、住まいの耐震化を進めるためには、市民の皆様の意識を高めていくと、さらに高めていくということが重要であるという認識を持っております。その認識のもとで、これまでからも、住宅の耐震化、防火対策などの普及啓発をしておりますし、商業施設へのイベントを実施したりとか、地域イベントへ出向いて紹介をしたりとか、いろんな機会を通じて意識を高める取組をしております。

で、補助制度的には旧耐震ということをしておりますけれども、支援ということで言えば、住まいの耐震化ということを全体的に取り組んでいるところでございますし、住まいのワンストップ窓口であります「京安心すまいセンター」でも、相談の受付をしているというような状況を、やっているところでございます。今後も市民の皆様の声を受けながらしっかりと、意識の向上というものと、普及啓発に努めてまいりたいという風には考えています。以上です。

◆やまね/確かにいろんな市の関係のイベントのところで、出てきていただいてですね、耐震のお話なんかもされて、非常にいいことだなと思ってるんですけど、その、そういったところでは、グレーゾーンの話についても色々説明とか啓発なんかはされているんでしょうか今。

(→岡田・建築指導部長)やはり京都市の場合は、新耐震基準、昭和56年以前の建物がやはりまだ比較的多いという状況がございますので、これまでからもそうなんですけど、まずはそちらを優先的にしっかりと耐震化を進めるということに取り組んできています。なので、議員ご指摘のようにその2000年基準のことをことさら大きくこう表現しているということではございませんけれども、不安に思われている方々もちろんいらっしゃいますので、そういう方々には丁寧に相談窓口で対応するということをしているところでございます。

◆やまね/はい。分かりました。京都市の場合はやはり昭和56年以前のものが多いということで、まずはそこからということなんですけど、その点ではこれまでも取組を頑張ってこられて、耐震化率もだんだんと向上してきてですね、やはり私は次のフェーズに行く時ではないかなと思っておりまして、杉並区では10年前の熊本地震をきっかけに制度開始されているということで、こういう自治体としての迅速な動きは学ぶところがあるかなという風にも思いますし、この夏再び熊本で大きな地震も起こったわけですし、歴史を見ればですね、南海トラフだけではなくて、それこそ慶長伏見地震ということで、この京都市自身でですね、京都市で巨大地震は繰り返し起こってきた歴史がありますので、市民の皆さんの命を守るためにですね、耐震改修や無料診断の対象に是非グレーゾーン建物も含めていただくと、これいち早く実現していただきたいということを重ねて要望して終わります。以上です。

2026年8月20日【まちづくり委】都市計画局/一般質問「新耐震グレーゾーンへの対応について」

(更新日:2026年08月20日)