宿泊施設の立地規制を、農地の産業用地転換はやめよ(2026年3月2日/予算特別委・都市計画局・やまね)

宿泊施設の立地規制を

◆やまね/よろしくお願いいたします。私からはですね、都市計画手法による宿泊施設の立地規制についてお聞きしたいと思います。先の代表質問で市長からは、「民泊と簡易宿所を一体的に規制することが実効性を確保する上で極めて重要」と、それから「都市計画手法の活用を含めた広範な立地規制の検討開始」などの答弁がありました。

それからですね、1月29日の市長記者会見の際には、かなり詳しく述べておられまして、いくつか紹介をさせていただきたいんですが。「京都基本構想で、やっぱり京都の中の静ひつな、京都の魅力というのを維持しろというのが、今後の京都の町柄として大切だという合意を得た中で、それにふさわしいような、どのようなエリアで、どのような立地規制を検討すべきか」ということでありますとか、「本当にそういう宅地の中にそういう施設があっていいのか」ということも言っておられます。そして、「京都のまちの特性として、住宅地と商業施設が比較的隣接してきれいに分かれているわけではない中で、普通の住宅地が、ちょっとした繁華街の一歩入ったところにある」と。それからですね、「都市計画上の区分で言うと、例えば住専地域であるとは限らない住宅地もある」ということも語っておられます。

で、まずお聞きしたいんですけれども、つまり、今回立地規制を想定しているエリアとしては、住居専用地域にとどまらないと、こういう理解でよかったでしょうか。

(→榮・都市景観部土木担当部長)はい、確かに今回については、市長の方もですね「広範な立地規制の検討」というなことを表明しておりますんで、つまりですね、範囲と手法、これらは表裏一体になりますんで、どういった範囲で、どういった手法で行ったらいいかということでですね、都市計画手法についてもですね、検討の対象に進めて、来年度検討を行っていきたいというふうに考えております。

◆やまね/はい。「広範な立地規制」ということで、住居専用地域に限らないというふうに理解しております。それで、これはですね、産業観光局の方から我が党の議員団要求資料として出していただいた中に、「条例制定後(2018年)以降の民泊対策プロジェクトチーム会議の開催実績と主な議題について」ということでいただいているんですけれども、それを見ますと2022年、令和4年度以降ですね、「宿泊施設に係る都市計画局の取組」というのが、毎回議題の一つにあげられております。そこで、2点確認したいんですけれども。この民泊対策プロジェクトチームの会議で、都市計画局は何を報告されてきたのかということが1点と。それからこれまでもですね、都市計画手法による立地規制というのを検討されたことがあったのかどうか。この点、教えていただきたいと思います。

(→上原・建築指導部長)はい。民泊PTの中の都市計画局の取組とか、報告事項についてなんですけれども。主に3つございまして、1点目は、「京都市宿泊施設の建築等に係る地域との調和のための手続き要綱」というのを都市計画局で持っておりますので、その運営に関する報告などを行っております。2つ目は、「京都市建築物等のバリアフリー条例」がございますので、その中で宿泊施設のバリアフリーの審査や協議を行っております。それに関する報告なども行っております。3つ目は、「建築協定制度を用いた地域主体の民泊対策の対応」として、それらに対する状況ですとか課題などについて報告しております。あとは民泊だけに限らないんですけれども、「宿泊施設の違反の通報」など、そういうことに対しても共有しているところでございます。

で、これまで民泊PTの中で立地規制について検討していたかということにつきましては、前回の2月のプロジェクト会議において、市長記者会見を受けてそのときに共有した、というような状況でございます。

◆やまね/はい、わかりました。そしたら、立地規制についての検討というのは、前回の市長記者会見を受けた2月のときだということですので、それ以前はされてなかったということですよね。

それで、我々はですね、我が会派はずっと立地規制を行うべきだということを言い続けて、提案し続けてきたんですけれども、これまでは先ほども少しありました「建築協定」であるとか、「地区計画」についての答弁にとどまっていたと思います。その点で今回新たにですね、立地規制を行う方向に舵を切られたということは、歓迎をしております。

それで、この都市計画手法による立地規制という場合に、これも2点伺いたいんですけども、今後ですね、具体的にどういった手法というのが、方法が考えられるのかという点で、通常、その都市計画手法といった場合には、用途地域を指定し直すだとか、あるいは特別用途地区を設定するということが考えられるのかなと思うんですけども、その他にも手法があるのかですね。これが1点。それから、国内外問わず研究している自治体・都市、こういうのが今あるのかどうか、この点いかがでしょうか。

(→榮・都市景観部土木担当部長)はい。まず1点目ですね、都市計画手法ですけども。議員ご案内の用途地域の変更、それから特別用途地区の指定、これがですね、都計手法としては代表的なものと考えております。あとですね、研究してる自治体ですけども、実際にですね、都計手法やっている自治体もございますので、そういったこともですね、どういうことをやっているかということを、今後ですね、事例収集しながら、ただあの、都市計画のやっぱり背景とか、その辺のですね、成り立ちが違いますので、そういったものを参考にしながら、京都として、もしも都市計画手法するなら、どういったことが一番適切かということもですね、京都の実情を踏まえて検討していきたいというふうに考えております。

◆やまね/はい、わかりました。それで、ちょっと最初の話とも少し重なるんですけれども、用途地域についてなんですけれども、やはり京都市の都市特性の一つに職住一体、職住近接というのがあって、しかしそれがですね、時代の移り変わりとともに、工場や作業場だったところがなくなって、住宅が中心になっているというようなところもですね、かつては職住一体の町並みだったものがですね、今、準工業地域や近隣商業地域であっても住宅街になっているところも多いと思うんですけども。こうした地域については用途を変更するということもやるべきじゃないかということを私たちは訴えてきたんですけども、こういう可能性も排除しないということなんでしょうか。いかがでしょう。

(→榮・都市景観部土木担当部長)あのですね、なかなか用途地域の変更というのはですね、既存のですね、不適格というかですね、今のこの用途地域でないとですね、できないものがあったりとか、そういった部分もありますのでですね、なかなか難しい部分はありますけども、ただですね、やはり民泊がですね喫緊の状況にありますので、そういったことも踏まえてですね、あらゆる可能性について今後ですね、検討進めていきたいというふうに考えております。

◆やまね/はい。あらゆる可能性を含めて検討していきたいと。

それからですね、現在のところで、なかなかこれからの議論だということだと思うんですけれども、京都市として、どのような場所で立地規制を行うべきと考えているかですね。で、私たちはですよ、私たちは防災上の問題や、住環境への影響の大きさを考えれば、木造密集地であるとか、細街路、袋路、こういった場所を特別用途地区なんかを設定して規制するべきじゃないかと考えているんですけども、この点がいかがかということと。

それから観光庁がまとめました「民泊の実施制限に関する地方公共団体の取りまとめについて」ということで、これは令和3年4月1日時点のものなんですけれども、これはですね、住宅宿泊事業について、学校や保育園の周辺100mなどでゼロ日規制を実施しているところも多いんですけれども、京都市でもこういうことを検討されるのか、こういうエリアの定め方についても想定されるのか。この点いかがでしょうか。

(→榮・都市景観部土木担当部長)あのですね、営業の自由とですね、やっぱりこういった直接規制をするということの相反する関係にございますんで、規制する以上はですね、その立法事実というか、「なぜ規制するのか」、あるいは「そういった地域に対して悪影響を防止するのは民泊だけなのか」といったことも踏まえていく必要がございますんで、そういったことも踏まえてですね、来年度、有識者会議等においてですね、委員の先生からの意見をいただきながらですね、立法事実も含めてですね、対応を図ってまいりたいというふうに考えております。

◆やまね/はい。今の段階で「こうします、ああします」というのはなかなか難しいとは思うんですが、今言われたように、立法事実だとか有識者会議での検討などを踏まえて、先ほど言われた「あらゆる可能性を排除しないで検討される」ということだと思っています。

それでですね、もう一つお聞きしたいのは、人口規模が京都市と比較的近いスペインのバルセロナで実施されている「総量規制」についてなんですけれども。バルセロナでは4つのゾーンに分けて規制されているんですが、その施策の元にはですね、地域の居住人口と宿泊施設のベッド数について、きちんと調べて、そういう調査をやっておられるわけです。で、代表質問の答弁でも、「宿泊施設が周辺生活環境に与える影響の体系的なさらなる調査」ということが言われたんですけども、この例えばエリアごとの人口や宿泊施設ですね、あるいはベッド数、こういう分布についても、しっかりと分析をされていくということなんでしょうか。この点いかがでしょう。

(→榮・都市景観部土木担当部長)うちの局であるとかですね、あるいは保健福祉局含めてですね、どういったデータがあるかということを踏まえてですね、そういったことも必要、可能な限りにおいてですね、できるかどうかという部分ありますけども、収集を図っていく必要があるものと考えております。

◆やまね/はい。収集を図っていく必要があるということで答弁がありました。これはですね、どこに宿泊施設があるのかというデータも京都市は持っておられるわけですし、人口のデータも持っておられるわけですので、これは出そうと思えば出せる数字だと思いますので、ぜひこの点もですね、しっかりと分析をしていただきたいというふうに思います。

で、私たちも、宿泊施設の存在そのものを否定しているわけでももちろんありません。しかし、市民生活とのバランスや住環境が守られるということがやっぱり大前提だと思いますので、ぜひ規制の中身をしっかりと検討していただきたいんですけれども。やはり居住人口に対してあまりに宿泊施設の数、ベッド数が多いということになりますと、笑顔でですね、住民の皆さんが「ようこそ」となかなか迎えることが難しい、受け入れられる限度を超えてしまうというのも実際のところだと思いますので、住んでいる人に比べてあまりに宿泊施設が多い地域には、一定以上認めないということも、今後そういう考え方も必要ではないかと思っています。

1月29日のこれも市長記者会見でも述べておられるんですけれども、「量的拡充を求めて誘致するという姿勢ではない」と。「ここのエリアでちょっとこれ以上増えて、本当に大丈夫かというようなご意見があるエリアもありますよね」と。「そういう議論が出てきたときに、その議論はこれは射程外ですと言って排除するつもりもない」と語っておられますので。この宿泊施設の総量規制についても、そういう議論については排除しないということでよかったでしょうか。

(→榮・都市景観部土木担当部長)市長の代表答弁にあります通り、なかなかその日本の法体系においてですね、総量規制というのを行うことはですね、なかなかできないというようなことになっておりますけども、総量規制に代わるものとしてですね、何かですね、そういったアプローチができないか、というようなことも含めてですね、今後検討していく必要があるものと考えております。

◆やまね/はい。今おっしゃっていただいたように、そういう検討、議論はですね、ぜひ大いにやっていただきたいと思います。

農地の産業用地転換はやめよ

◆やまね/それから次にですね、「らくなん進都の産業用地創出奨励金制度」についてもお聞きしたいと思います。これ、「農地であった土地を産業用地、つまり工場・事務所・研究施設へと活用する企業へ売却または貸付を行う土地所有者に奨励金を交付するもの」ということなんですけれども。これ、そもそも交付対象となる土地面積や件数というのはどれぐらいあるんでしたでしょうか。

(→吉田・まち再生創造推進室都市の未来創造担当部長)はい。らくなん進都の産業用地創出奨励金の対象でございます。らくなん進都内の生産緑地を対象としておりまして、約22.1haとなっております。

◆やまね/はい。そしたら、らくなん進都内の生産緑地面積が約22.1haということでしたけれども、これ資料を見ますと、事業実施期間が令和6年度~8年度で、これまでの問い合わせ件数はですね、令和6年度2件、令和7年度は3件。それから、土地所有者向けの相談会が令和6年度は伏見区役所と南区役所で1回ずつと、令和7年度は2月下旬に2回というふうにあるんですけれども。2点確認したいと思うんですが、この相談会に参加された土地所有者の方というのは何人、何件あったのかということが1点と。それから、この2年間のですね、制度の活用実績というのは何件あるんでしょうか。

(→吉田・まち再生創造推進室都市の未来創造担当部長)はい。令和6年度に実施しました2回の説明会では、ちょっと人数自体が分かっておりませんけども、8組の方の相談を受けております。令和7年度、今年度ですけども、去る2月の26日に伏見区役所で2回実施しまして、そちらの方は4組、8名の方が来られております。

それと制度の利用実績ですが、現時点では利用までには結びついておりません。

◆やまね/はい、わかりました。現時点では利用までには結びついていないということで。これもですね資料にありましたが、不動産事業者、税理士協会、金融機関、農協等に制度周知の協力を依頼して、2年間かけて、利用がまだ1件もないということですので。私は地域で言えば、都市計画の規制緩和も行われておりますけれども、正直なところ、なかなかニーズと合っていないのではないかと、この制度はですね。思いますけども、この点、受け止めはいかがでしょうか。

(→吉田・まち再生創造推進室都市の未来創造担当部長)はい。これまで制度の利活用についてのご相談も受けておりますし、この制度自体が、らくなん進都に農地をお持ちの方で、営農が困難で、土地利用の土地活用の転換をしていこうという、かなり条件としては難しい、あるものを対象にしておりますけども、相談を受けている内容からしますと、一定の需要はあると考えております。

やはり農地の売却、あと貸付、それからそういうものにつきましては個人、あと代々受け継いできた農地ということで、なかなか難しい、いろんな決断があるものでございます。そういう部分で時間がかかるものと当初から考えておりますから、我々としてニーズがないというわけでは、考えてございません。

本市では、南部創造のまちづくりということで、この間も、らくなん進都を中心とした重点的な都市基盤を行ってきました。その中でらくなん進都が京都の未来を担う真のものづくりの集積地となるためには、営農が困難な方にはできるだけ産業用地に土地の利用を転化していただくような、この制度というのが必要であると考えて実施しております。

◆やまね/今「未来を担う」ということをおっしゃったんですけれども、第一次産業である農業にこそですね、私は未来をもっと見いだすべきではないのかというふうに思うんですね。これ、制度創設時の議員団要求資料にですね、こういうふうに書いてあるんですよ。「都市における農地は、都市住民の生活と隣り合った農業生産の場として、また、都市住民の生活環境を保全する緑地として、保全すべき貴重な空間である」と。こういうふうに書いておられます。この考え方は変わってないですよね。いかがでしょうか。

(→吉田・まち再生創造推進室都市の未来創造担当部長)はい。生産緑地、都市の農地ということの役割ということは、十分その通りだと考えております。すべての市域の、すべての地域で硬直的に農地を保存するのかということですけど、それぞれ農家の方のご事情もある中で、また京都市として南部創造というところで発展、展開していこうというところもありますので、それぞれ所有者、農業を営まれている方、あと産業として発展させるそれぞれの事情を踏まえた上で実施してまいりたいと考えております。

◆やまね/はい。「保全すべき貴重な空間である」と。これは本当に私もその通りだと思います。その一方でということでね、次に書かれているのが、今もおっしゃられたような中身で、「農業を営まれている方の高齢化など、様々な事情により、農地の営農継続が困難な状況も見られる」というふうにも書いてあるんですけれども。だとすれば、その結論がですね、なぜ産業用地の転換ということになってしまうのかと。私はですね、都市計画局がやるべきは、農地や生産緑地の保全のための支援であって、それがきっちり都市計画局として予算化されていないということが大きな問題ではないかなと。この点を指摘して終わります。以上です。

2026年3月2日【予算特別委】都市計画局/宿泊施設の立地規制を、農地の産業用地転換はやめよ

(更新日:2026年03月02日)