交通不便地域の対策(藤城)、市バス南5系統の増便(稲荷・砂川)を求めました(2015年10月7日/決算委・交通局・やまね)

http://youtu.be/od7SnLVZgq4?t=20m

◆やまね/私は交通不便地域の対策について、質問させていただきます。今もですね、自民党の山本議員からもお話がありましたけれども、市バスがコミュニティ活性化と、それから高齢化対策、あるいは子育て支援という役割を持っているというのは、私も非常に同感でして、その立場で質問させていただきたいと思うんですが、これまでの議論、午前中からの質疑でもありましたけれども、モビリティ・マネジメントについてのお話がたくさんありました。実際に右京区、西京区、北区、伏見区などでの取り組みなんかも紹介されたんですが、これらはやはり市民のみなさんの切実な声を反映してのことだと思いますので、本当に重要な取り組みだと思うんです。さらなる改善とともにですね、継続的な運行ができるようにしなければいけないと思うんですけども、同時にですね、このモビリティ・マネジメント以外のところで、京都市内においてですね、どの地域が交通不便地域となっているのか。京都市として、そういう地域が具体的にどれくらいあると把握しておられるのか、聞かせていただけますでしょうか。

(→松本次長)はい、交通不便地域という言葉の定義ということもありましょうけども、我々が想定しております交通不便地域、先ほど午前中にも同様の答弁をしたかと思うんですけども、市バスが、自分の裁量で、たとえばダイヤを増便する、あるいは線を引く、そんなんができる地域であって、その交通の足が非常に必要だという地域と、もう一方は、我々市バスの走行が困難な地域もまたございます。それは道路事情、たとえば大型のバスが運行が困難でありますとか、あるいはそもそもお客様というか住民の方々が非常に少ないとかですね、ま、そういった地域のなかで、バスが必要と、これもまた交通不便地域とよく言われておるところでございます。で、その前者のほうは我々当然リサーチをしながら、いろいろとアンテナをはって、さまざまな取り組みもいま活動しているところでございますけども、後者のほうにつきましては、それはその地域の行政課題としてそれが上がってきたと、そういう時に我々が交通事業者として協議に参画するというスタンスでございますので、我々のほうでどの地域がそもそも交通不便地域なのかという考え方はしておりませんので、その点よろしくお願いしたいと思います。

◆やまね/あのーいまおっしゃられました市バスが困難な地域ということで、道路事情、それから住民が非常に少ないと、この二つをあげられたわけですけども、たとえばですね、私の地元の伏見区の藤城学区でありますが、ここはですね、住民のみなさんもたくさんいるわけですよ。道路もけしてせまいだけの道路でありません。しかしですね、この藤城学区というのは、JR藤森駅より東の地域はですね、まったく何もないと。市バスも走ってないし、何も公共交通がありません。大変坂道が多い広大な地域ですけれども、坂を一回上ってですね、それをまた下りて、さらに上がらないといけない地域もあるわけなんですね。隣接する桃山学区も非常にアップダウンのある地域なんですけども、こういう地域ではいま、「小型の循環バスを走らせてほしい」という声が非常に根強くあります。

で、声が出たところ、それからモビリティ・マネジメントということをおっしゃられるんですけれども、たとえばですね、藤城学区がそうだとは言いませんが、高齢化が進んでですね、自治会活動なんかもなかなか厳しくなってきている地域でですね、潜在的にはそういう要求が強くても、声がなかなか形にならない、難しい、そういう地域も当然あると、思うんです。高齢化が進む中で、市民の足を確保していくっていうことは、これ特別な話ではなくて、その地域で暮らすみなさんの生活を支えるうえで私は当然のことだと思うんですけども。たとえば高齢者だけではありません。先ほども言われましたように、たとえばこの藤城学区はですね、中学校が非常に遠いんです。ものすごい時間がかかる。暗い道を若い女性が帰っていくのを心配されている方もおられますし、子育てをされている方も苦労されているということで、やはりですね、どこに困っている人がいるのか、どんなことに困っているのか、京都市がしっかりニーズをつかむ必要があるのではないかと思うんですけども、やはり先ほどの話ですと、市バスが自分の裁量でできる地域というのが、京都市の中では交通不便地域ということで位置づけておられるということで、それ以外の地域についてはどういうニーズがあるかというのは、取り組みはされてないんでしょうか。

(→松本次長)あの私先ほど申しました、市バスが我々の独自の判断といいましょうか、路線・ダイヤの考えられる地域と、そうでない地域があるのは事実でございます。で、あの例えば、そもそも大型バス我々が走行してますものが入れない地域がございます。で、あの先生のご指摘の、JR藤森から東への道路が非常に狭歪で、そこでバスが走れないというふうには報告として受けているんですけれども、ですのでいま我々市バス以外にも他のバス会社のバスも走行していないというふうには、個人的には思いますが、で、その地域のみなさま方が「公共交通を何としても」というような声が上がった時に、我々単独で市バスを、いわゆる交通局が、その地域のみなさま方とひざをつき合わすのではなくて、それを行政課題に押し上げていく、それはもちろん区役所、あるいは都市計画局も当然参画する中での議論が必要というようなことを申し上げたつもりでございます。で、どこにその需要があるのか、あるいは課題があるのかにつきましては、やはりそれを担当する部局、あるいは区役所ですね、これらの情報をやはり我々は待って、そういうふうな協議体に参画していくと、これが我々のスタンスであるというふうにご理解していただきたいと思います。

◆やまね/もう少しだけ声を紹介したいと思うんですけれども、やはりいま現状としては、非常に坂道の多い地域で交通がないということで、たとえば毎回タクシーを呼ぶのも非常にお金がかかるということで大変なわけです。で、真夏のですね、暑い日に、大変な坂道をですね、手押し車を押して高齢の女性が歩いていくと。で、やはりこれを見たですね、市民の方がこう言っておられました。「坂道のきつい地域に小さなバス1本走らせられない京都市が、何がリニアだ」と。市民の声です。私これは京都市の弁護をするわけではありませんけれども、要はね、リニア誘致は総合企画局が中心になってされていると思います。しかしね、市民から見れば一緒なんですよ。京都市の交通政策っていう意味では一緒なんです。自分たちの暮らしが大変だと、これが改善されないのに、なぜ関係ないところばかりどんどんどんどんPRされているのかっていう、これは当然の思いだと私は思います。で、新しくですね、大きな道路を作るのとはわけが違うんですよ。いまある道になぜ小さなバス1本走らせられないのかっていうことは当然の思いだと思うんですけども、こういう声についてどう受け止められますでしょうか。

(→松本次長)えー我々の、交通局のスタンスを重ねて申し上げます。我々交通事業者でございますので、我々のできることで、市民のみなさま方が喜んでいただく、あるいは我々がそれによって収入を上げていってさらに経営基盤が強固になる、非常に大変それは我々としても、それに邁進すべきやと思います。で、いま先生のお話は、我々のバス事業者が、走行することが本当にできるのか、あの実は紹介いたしますと、モビリティ・マネジメントで我々が取り組む条件が3つございます。一つは、まずそもそも安全にバスが運行できるのかどうか。それから二つ目には、一定の需要ですね。それは採算ベースとは申しません。採算ベースの二分の一、これでスタートできるのか。で、三つめが一番大事で、その地域のみなさまが、モビリティ・マネジメント、市バスを利用していこうと、市バスを使って生活をしていこうという盛り上がりと、この三つがそろっているところに我々はどこにでも出向いて行って、市バス、交通局のお考えを、ひざをつき合わせてお話しするということをしておりました。で、先生のいまのご紹介の地域のみなさま方が、そのような状況にあるのであれば、我々もその選択として当然、そういう話に交通事業者として入ることはあろうかとは思いますけれども、恐らくはそこまで至っていないのではないかと、いうふうに思ってございますので、えーその点を先ほど来から説明しているところでございますので、よろしくお願い致します。

◆やまね/私もあのモビリティ・マネジメントを否定しているわけではありません。非常に大事な取り組みだと思っておりますが、ただやはりあの、どうやったらそれができるのかっていうところでどんどん、もっと京都市にも積極的にアプローチをしていただきたいというふうに思うんです。

で、もう一点お聞きしたいのがですね、市バスの南5系統についてですけども、京都駅から伏見稲荷方面を結ぶコースですけれども、伏見稲荷が「外国人が選ぶ日本一の観光スポット」とも言われまして、平日も休日もいま大きなにぎわいを見せております。その中で南5系統の本数がですね、少ないということで、稲荷学区・砂川学区、それから地元のみなさんからもたくさん声をいただいておりますが、今年の3月に、ダイヤ改正で、これまでよりは本数が増えまして、これは地元のみなさんも大変喜ばれていました。しかしですね、実態としてはまだまだ厳しい、なかなか改善されていないという状況がありますので、3点お聞きしたいんですけども。

何よりいま一番問題だと思っておりますのが、安全性の問題です。午前中の質疑でも、いくつかの方がですね、歩道に沢山バス待ちの方があふれているということがいくつかあったと思うんですけども、この伏見稲荷の師団街道もですね、歩道しかありませんので、歩道幅も非常にせまいので、バス待ちの列がですね、歩道を埋めつくしてしまって、歩道を歩けない、歩行者が車道を歩かざるをえない、こういう状況があります。川端通から師団街道をずっと下っていったところですが、この場所はですね、片側一車線で交通量も多く大変危険ですので、何とか安全対策を考えられないだろうかと、思うんですけども、この安全が非常に脅かされる事態となっていることは、把握をされているでしょうか。

(→加藤自動車部長)はい、あのお客様が多いということで、今年3月に増便しております。実はもう去年から、実際にはあのお客様があふれているような状況がございました。そういったなかでお客様が安全に待っていただけるように、外国人の方が特に多いということで、バス停のところに英語表記もして、お並び下さいと、いうような表示をして、私どものほうは対応しております。その掲示をしてからは、二列に並んでお客様のほうはきれいに並んでいただいているということで、いまの実態についてはちょっとまた、あの検証したいと思っておりますのでよろしくお願い致します。以上です。

◆やまね/いまの実態についてもまたご確認いただきたいと思うんです。で、もう一つがですね、近隣の住民のみなさんが、なかなかこのバスを使えないということなんです。この地域はですね、観光地であると同時に、住宅がたくさんある地域でして、「ただでさえ本数が少なく利用しづらかった市バスが、観光客でいっぱいになり、ますます乗りにくくなった」「このバス停の一つ前から、警察学校の前のバス停までわざわざ行って乗らないと」という声。近くの住民のみなさんが利用できないと。観光客のみなさんが悪いわけではけっしてありません。これはもちろんのことです。しかし事実上、近隣の住民のみなさんが大変利用しづらい状況にあることについて、何とか改善をできないかと思ってるんですけれども、この点はいかがでしょうか。

(→高見自動車部担当部長)はい、お客様の利用の件でございます。私どもいま先生のご指摘の状況につきましては確認ができておりません。私どものほう、運転手からの情報でも、そのような情報はないところでございます。また私ども、積極的な増便で現在対応しておりまして、先般の五連休の時につきましても、ご利用の多い昼間の時間帯につきましては、増便対応してございますし、これから秋の紅葉シーズンに向けましても、増便で積極的に対応していきたいと、考えてございます。

◆やまね/ぜひですね、本当にあの実態はつかんでいただきたいというふうに思います。で、最後に三つ目ですけれども、いまもおっしゃられました観光客のみなさんがいつ来るかといったら、土日祝日なんですよ。平日もたくさんおられるんですけれども。しかしこの市バスの本数というのは当然平日のほうが多くてですね、当然土日の混雑がより一層ひどいものになっております。同じ南5系統のたとえば塩小路橋のバス停も大変な状況と聞きました。平日も人が多く、京都駅で満員になったら、塩小路橋のバス停でなかなか乗れないと、降りるのにもたつくとここも一車線ですので混雑につながると、いう声も聞いたんですが、やはりたくさんの方に乗っていただいている路線だと思いますので、ぜひともさらなる、臨時ということでなくてですね、さらなる増便を検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

(→松本次長)市バスの路線、ダイヤにつきましては、さまざまなご意見おうかがいするなかで、基本的には年に1回、最近は年度途中にもですね、機動的に対応するということでダイヤ編成もしているところでございます。で、あのいま先生からいただきました声ですね、我々のほうでも十分確認するなかで、あの南5号系統、増便をおこないましたけれども、それをなぜおこなったかと言いますと、もちろん伏見稲荷が大変多くの外国の方々が来られるということが背景にあったことも事実ですが、まあもう一度そこら辺の検証も含めまして、ダイヤの1本1本を見ていきたいなと思っております。

◆やまね/えーもう最後にしますが、平成26年度の「決算審査意見」を拝見致しました。で、そのなかで「市バス・地下鉄中期経営方針の基本方針」で、「①『歩くまち・京都』の交通をリードするお客様第一のサービスの実現」とあったんですけど、やはり先ほど来のお話を聞いてですね、この「お客様」っていうのは、交通不便地域のみなさんのことが本当に考えられているのかと。「③頑張る公営企業として徹底した市民目線に立ったさらなる経営改革」とありますけども、この「市民目線」とはいったいどこを見ているのかと。赤字か黒字かしか見ていないんじゃないかと思わざるをえない話であります。「親切・丁寧に」というお話もありましたので、本当にですね、市民にとって利用しやすい公共交通になっているのか。これは徹底して検証していただきたいと思いますし、いくら黒字になってもですね、市民のみなさんの声にこたえられないっていうのでは、公共交通としておかしいと、私は思います。交通不便地域の解消、市民の要望に引き続き、できるだけこたえていただくということを求めて、終わります。

2015年10月7日【決算特別委・第3分科会】交通局質疑

(更新日:2015年10月10日)