北陸新幹線延伸計画について、国交省は誤った答弁の撤回と京都市へ謝罪を(2025年5月16日/衆院・国土交通委・堀川あきこ議員の質疑文字起こし)

◆堀川あきこ議員/日本共産党の堀川あきこです。今日は北陸新幹線の延伸計画について、質問をしたいと思います。4月2日に委員会でこの質問をさせていただきました。懸念となっている地下水への影響について、この間、鉄道運輸機構、国交省は、京都市の地下鉄東西線の地下工事での地下水位低下についての分析を示した上で、「地下水に影響はない」という風な根拠にしています。

で、そこで私は、本当にそうなのか?ということで、地下鉄東西線の井戸の補償について尋ねました。資料の1の2を、2ページ目のところを見ていただきたいんですけれども、これ4月2日の会議録(未定稿)です。で、マーカーで引いてあるEの部分ですね。で、私が「二条駅よりも東の路線工事では、相当数の井戸の補償があったということ、これは当然説明されるべきだと思うんですが、この井戸の補償について、国交省は確認していたのでしょうか」と。「確認していたのであればなぜその記述がここにないのでしょうか」という風に聞いています。で、これに対して、五十嵐鉄道局長は、次のマーカーのところ、Fの部分なんですけれども、「ご指摘がありました井戸の補償件数につきましては、報道では承知しておりますが、報道が出た後も京都市交のほうに確認を求めておりますが、現時点で京都市交からのご協力が得られていない」という風な答弁をされました。これまるで、京都市が非協力的だと言わんばかりの口ぶりだという風に思うんですけれども。

で、続いてですね、資料の2をご覧いただきたいです。で、これは、この質問の後日、国交省からのレクで頂いた資料です。で、2ポツの「井戸の補償実績に関する資料」についての、下から2つ目のところ、線を、下線を引いてあるんですけれども、「2025年1月17日、京都市より機構北陸局へメールで資料を提供」ていうふうに書いてあります。で、つまり1月17日に、京都市は鉄道運輸機構の北陸局に資料を提出していたということなんですね。で、この4月2日の局長の答弁は、明らかに誤りです。で、この答弁を撤回して、京都市に謝罪すべきではないでしょうか。局長お願いします。

(→五十嵐・鉄道局長)お答え申し上げます。ご指摘の井戸の補償実績に関しては、鉄道局におきまして、昨年8月の報道を受けまして、鉄道運輸機構を通じて、報道に記載されていた「京都市が京都市議に提出した資料の提供」を京都市に依頼をいたしましたが、京都市が「京都市議に提出した資料そのものを提供することは難しい」との連絡を受けておりました。また、鉄道局におきまして、今年1月の報道を受けて、再度、鉄道運輸機構を通じて、京都市へ情報提供を依頼しましたが、鉄道局は関係資料を受領するに至りませんでした。従いまして、先日4月2日の答弁時点までにおきましては、鉄道局は現に井戸の補償実績に関する資料を持ち合わせておりませんでしたので、本日議員が資料としてお示しされている議事速報Fの通り答弁をしたというところでございます。

あの議員からもご紹介ありましたけれども、この答弁の翌日以降も本件につきまして、議員及び議員事務所と鉄道局で何度もやり取りをさせていただいておるところでございます。その中で当該資料について、改めて事実関係を確認したところ、京都市から鉄道運輸機構北陸局に対して、本年1月17日に情報提供され、同日に鉄道運輸機構北陸局から鉄道運輸機構本社へ資料が提供されていたことが分かりました。また、鉄道運輸機構本社の担当者から鉄道運輸機構北陸局へ、1月17日に受領した資料について、「提供資料は京都市議へ提出されたものなのか」との確認を行い、1月20日に鉄道運輸機構北陸局より鉄道運輸機構本社へ、「提供資料は京都市議へ提出されたもの」との回答がなされたと聞いております。京都市から鉄道運輸機構に提出された資料については、数十ページに及ぶ元データでございましたこともありまして、鉄道運輸機構の本社担当者は、依頼の当初から、報道で(堀川あきこ議員/簡潔にお願いします)提出された集計表のような資料をイメージしておりましたので、このような(委員長/答弁は端的に)はい、このようなやり取りを経た後も引き続き、井戸の補償実績を入手できていなかったものと誤認していたという風に聞いております。

従いまして、当該資料につきましては、京都市から鉄道運輸機構に対して情報提供されておりましたが、鉄道運輸機構から鉄道局に対して、答弁の時点で情報提供はされていなかったということが確認をされました。4月2日の答弁当時においては…(議場が騒然)(委員長/はい、えー、端的に答弁をお願いします)(堀川あきこ議員/時間がないんです!)現時点におきまして、京都市から鉄道運輸機構に対しては、当該資料が提供されていることが確認をされましたので、先日の答弁のうち「現時点で京都市交からのご協力が得られていない」という部分については、正確ではなかったと認識をしております。以上でございます。

◆堀川あきこ議員/最後の部分だけ答えていただいたらよかったんです。10分しかないんです。ご協力をお願いします。あのね、あの、「誤りだった」という風なことを認めるのであれば、これ撤回すべきですし、京都市に謝罪するべきだという風に思うんですね。ま、長々と経過を説明していただきましたけれども、もうまるで「仕方がない」ような答弁なんですよね。で、結局はそちらの鉄道運輸機構と国交省のところでの連絡共有体制に不備があったという風なことなんですけれども、それはそちらの不手際であって責任ですよね。京都市には何も関係ないことなんです。今回京都市は、ちゃんと、運輸機構の求めに応じて協力はされていたということなんです。これきちっと撤回するべきであり、京都市に謝罪すべきである、これやってください局長。もう一度答弁お願いします。

(→五十嵐・鉄道局長)先ほどご答弁した通りの事実でございましたので、えー、京都市からの協力は得られていたという事実でございますので、あの議事録お示しいただいて議事速報に載っております「京都市交の協力が得られなかった」という部分に関しましては、撤回をいたします。

それからあの、京都市へ謝罪するべきではないかというお尋ねでございますが、本件については、あのそういった事実は確認した以降でございますけど、4月の下旬に、鉄道局の審議官が、私の部署でございますけど、京都市役所を訪問し、「ご迷惑をおかけし申し訳ない」と謝罪をしているところでございます。以上でございます。(場内から失笑がもれる)

◆堀川あきこ議員/じゃ、「謝罪した」と、答弁していただければよかったのではないでしょうか。

で、もう一つね、指摘したいのは、この井戸の補償件数の確認だけではないんです。で、地下鉄の東西線工事の地下水位への影響に関する報告書についても、必要な確認されていなかったっていうことが明らかになってるんですね。で、資料の1の1、ご覧いただきたいんですけれども、ちょっと時間の関係で、紹介はちょっと省略はしますけれども、4月2日の議事録の未定稿です。で、ここで「鉄道運輸機構が入手しているのはこの報告書の一部だけであって全部ではないから提供できない」という趣旨の答弁がありました。で、資料2にですね、「この資料についても4月17日、鉄道運輸機構において保有している資料が報告書全体であることを確認した」っていう風になってるんですね。これなんで4月2日までに確認しなかったのか、お聞きしたいんですが。いかがでしょうか。

(→五十嵐・鉄道局長)(堀川あきこ議員/端的にお願いします)お答え申し上げます。あの事実関係として長くならないようにいたしたいと思いますけども、あの、先生の、このあの、お、お示しされてる、あの資料、これ4月に、23日に、私どもから先生の事務所にお出ししたものでございますけど、ここにありますように、4月2日の答弁時点までにおいては、機構におきましても保存保有してる資料が全体か否かという認識はなかったという前提でございましたので、4月2日については、私も、あの鉄道局はその時点で現に報告書の一部しか持ってないとことは事実でございまして、鉄運機構も同様であろうと認識しておりましたので、あの議事録でお示ししたような答弁をしたところでございます。

ま、これにつきましても、あのその後の事実として、ここにございますけど17日に保有してるものが機構が有してるものが全体が、あるということは分かりましたので、この部分について、あの鉄運機構及びと、鉄運機構も一部しか持ってないという風な答弁を申し上げた私の答弁は正確ではなかったと認識をしております。

◆堀川あきこ議員/あまりにも杜撰だという風に指摘をしたいと思います。最後、大臣にお聞きしたいんですけれども、ま、こんな杜撰な確認のあり方で、先日の委員会で局長、不確定な答弁を、誤りだった答弁をしたわけです。ま、こんなこと許されるのかと思いますけど、大臣いかがでしょうか。

(→中野・国土交通大臣)あの事実関係につきましては、先ほど来、あの鉄道局長から答弁をしたところでございますけれども、鉄道局と、ま、鉄道運輸機構との間での、ま、情報共有が、ま、徹底されていなかったということによるものと認識をしております。あの今後このようなことがないように、あの連絡共有体制につきまして、あのより一層密にしてまいりたいという風に思います。

◆堀川あきこ議員/地下水の懸念に関しては、京都全体に広がってる、本当に深刻な懸念なんです。一つひとつの対応を京都の方たちが見ています。こんな杜撰なやり方で北陸新幹線の延伸計画に不審を抱いている方々の不安は絶対に払拭されないということを最後に申し上げまして終わります。

2025年5月16日【衆院・国土交通委】北陸新幹線延伸計画について

(更新日:2025年05月16日)