「北陸新幹線延伸計画」をめぐって国交省の虚偽答弁が明らかに!?(2025年4月21日/総務消防委・総合企画局・加藤あい議員の質疑文字起こし)

◆加藤あい議員/よろしくお願いいたします。4月2日、国会の国土交通委員会で、我が党の堀川あきこ衆議院議員が、地下鉄東西線建設工事についての井戸補償件数101箇所について、「国交省は確認していたのか」ということを質しました。国交省のほうの答弁はですね、「京都市に確認を求めているが協力が得られてない」というものでありまして、すなわち京都市は井戸補償にかかる資料を国に提出していないという風にお答えになりました。これは事実でしょうか。

(→板原・総合政策室長)はい、この間の経過でございます。今年の1月に、先ほど議員から仰っていただいたように、地下鉄東西線のシールド工法区間において井戸補償していたのが101箇所であるとの報道がございまして、その後、鉄道運輸機構のほうから総合企画局へ井戸補償の件数が分かる資料の提供依頼がございまして、交通局に確認の上、その根拠資料につきましては鉄道運輸機構に提供しているところでございます。

◆加藤あい議員/京都市としては井戸の補償件数にかかる資料を提出されたと。これ国交省が仰ってることと食い違ってるんですね。確認ですけれども、京都市としては井戸の補償件数にかかる資料は1月17日に提出をされた、すなわち、国交省が言うところの「京都市から協力が得られない」というのは事実と異なるということでよろしいでしょうか。

(→板原・総合政策室長)繰り返しでございますけども、我々としましては、鉄道運輸機構のほうからの求めに応じまして、資料のほうは提供してるところでございます。

◆加藤あい議員/私もね、国会での質疑ずっとリアルで見てましてね、率直に言って目が点になりました。「京都市に確認を求めているけれども協力が得られない」と、こう仰った国交省の答弁は、虚偽答弁だということになると思います。自らがですね、「井戸補償ゼロだから地下水への影響はほとんどない」という風にご説明をされてきました。その際にですね、「地下鉄東西線の井戸補償件数ゼロ」を持ち出してきたにも関わらずですね、そもそもその件数がゼロだということについて疑義がとなえられたら事実確認すらしようとしないという、この国交省の姿勢は極めて重大だという風に思います。3月25日にですね、国交省、鉄道運輸機構が、説明会を開催されました。今回の説明についての京都市の評価はどうでしょうか。

(→板原・総合政策室長)3月25日の自治体向けの説明会に関してでございます。先ほど申し上げました通り、自治体向け説明会、開かれた経緯については、先ほど申し上げた通りでございますけども、その資料、開催自体はですね、やはりそういう国の、そういったような動き、市民、通過する自治体に対しての、地元に対して丁寧に説明をしていくというようなものでございまして、そういったものについては評価したいと思っております。

内容につきましては、これまでに比べましてより詳細なものが示されておりましたものの、まだまだ一般的な内容にとどまるものでございまして、我々の懸念を払拭するようなものではなかったと認識しております。市民の皆様の体感的な理解や納得を得られるように、引き続き慎重かつ丁寧な説明を行っていただく必要があると考えております。

◆加藤あい議員/説明会開いたこと自体を評価したいと。しかし、ごく一般的なものであって、京都市の懸念を払拭するような、市民の懸念を払拭するような内容ではなかったという評価でございました。

中身に関わっても少し聞いていきたいと思うんですが、まず、国交省の説明においてですね、地下水について3点伺います。従前からですね、国交省は、地下水への影響について「難透水層できれいに上と下に分かれていて」ですね、「地下トンネルによる影響はない」という風に仰ってこられました。しかし、浅い帯水層と深い帯水層を分かつその難透水槽(MAQ)というのは、均一ではなくて断裂があると。凡地周辺でも切れてるということで、すなわち地下水は混ざり合っているということを以前にも議論をさせていただきました。今回の国交省の資料でも、そういう様相にあるってことは踏まえられてないなという風に私は思いました。つまり、地下深部に大きなトンネルを通すことで、地下水の量と質に大きな影響を与える可能性は変わってないという風に思っていますが、この点のご認識はいかがかというのが1点。

またですね、2点目、今回ですね、MAQ層が「京都駅南部で最深70m」という風に示されました。で、「伏見酒造エリアでは40m」と、浅いという風にも示していらっしゃいます。しかし、この資料の中ではですね、その根拠が示されていないという風に私は思いました。この点いかがでしょうか。それからですね、地下水への影響をめぐっては、酒造だけではなくて、染色業や、金属製造業、食品製造、浴場など、かなり多くの業種に使用されているということですので、酒造に対する影響での説明だけでは不十分だという風に思いますが、この点のご認識はいかがか。

そして3点目、地下水位の水位の低下の問題であります。「地下水位の低下は、南北ルート、桂川ルートとも最大1m」っていう風に書かれております。南北案では「地下20mに浅く駅を設置すれば1mの水位低下だ」という風にされているけれども、その根拠がよく分からない。私は分からないという風に思いましたが、この点どうか。それからですね、桂川案でも地下水の流れに対して直角で、かつ南北案よりも30mも深く駅を設置するということであるのに、なぜ同じ水位の低下1mとなるのか。立地が違うのにですね、どうして同じ1mになるのかということが、極めて不透明であって、根拠が不明だという風に思っていますけれども、この大きく3点、ご答弁いただきたいと思います。

(→板原・総合政策室長)はい、先ほどの先生からのご指摘でございますが、まず言いますと、自治体向けの説明会の資料、拝見された部分でのそういった疑問ということやったと思いますけども、いずれにしましても、我々も同様の、指摘をいただくまでもなく、同様に感じた部分もございます。資料、我々が見ても説明が不足してるような内容もございまして、今後、国や機構がこれまでの調査等を通じて得た、より詳細な科学的なデータをきちんと示していただくこと、ということが不可欠であると感じておりまして、個別にそれぞれについてのものについてはご説明今回控えさせていただきますが、引き続き慎重で丁寧な説明を求めていきたいと考えております。

◆加藤あい議員/もう1点だけね、この説明会で説明があった内容について確認をしたいと思うんですけれども、住環境ですね。地上への影響。今回の国交省の資料では、南北案は西洞院通付近を通過する図に見えるんです。これ見えるかどうか京都市にもぜひともお答えいただきたいと思うんですけれども。そうしますとね、道路幅の広い幹線道路ではありませんので、住宅地やビルが密集してるところをこれ通るというような、こういう予定とされている、この認識いかがか。

加えてですね、これまで市街地のトンネル工事は大深度、大深度法を適用してですね、地下40m以深の延伸という風にしてきたわけでありますけれども、これもですね、図面が出ておりまして、油小路十条でもですね、それよりも浅いところをトンネル工事するという風に示されております。この今述べた事実関係はね、私は普通に見ればですね、誰でもそういう風に捉えると思うんですけれども、京都市としてそのように認識して、この資料を見ていらっしゃるかどうか。

またですね、実際に今述べたようなことが、そうなれば、京都駅の南北何百mにも渡って地表近くをですね、トンネル工事するということになります。すなわち、土地所有者に地上権設定される状況のもとでですね、進めるというようなことになるんではないかと思いますが、この事実認識をお答えいただきたいと思います。

(→板原・総合政策室長)はい、ルートにつきましてはですね、どのルートを通るかというところは、今までに出された資料以上のことについては、正式には聞いておりませんので、特に発言控えさせていただきたいと思っております。ただ、南北案の、仮の京都駅の駅の位置が40mも浅いというのは、資料にも出ているところでございます。で、大深度法に基づく、基づいて、40m以下より深い部分につきましては、法のところ、法の規定上、用地買収等は不要ということなんですけども、それよりも浅い場合は地上権の設定が必要になってくるっていうのは、事実かなと思っております。

◆加藤あい議員/住宅やビルが密集している通りに、何百mにも渡って地上権ありでトンネル工事をするなんていうのはね、もう本当に途方もないことだなあという風に思いますし、地下水への影響について、今回の国交省の説明では何らまともな説明になってないと。不十分だという認識は、京都市としてもお示しになったと思いますけれども、私はこの影響の大きさについては、懸念は深まるばかりだという風に思っておりますし、京都市として知見を集めてですね、国に対して延伸計画の中止を求めるべきだという風に思います。南丹市はですね、「市議会の理解が得られるまで工事着工を認めない」という決議が全会一致で採択をされました。「30年後、5兆円かけての新幹線」より、「サンダーバード復活」こそ必要だという風に思います。以上申し述べております。

2025年4月21日【総務消防委】総合企画局/一般質問「北陸新幹線延伸計画について」

(更新日:2025年04月21日)