「山科図書館の移転」で図書館機能は充実?後退?(2025年4月22日/まちづくり委・建設局・やまね)

まちづくり委員会資料・元京都市ラクト健康文化館の活用の方向性について

◆やまね/よろしくお願いいたします。私からは「山科図書館の移転・機能充実」とある点についてお聞きしたいと思います。先ほど来からですね、いろいろ所管や運営体制の質問がありまして、私も気になってるところなんですが、現在の山科図書館は、生涯学習、社会教育施設として、教育委員会が所管をして、運営はですね、京都市生涯学習振興財団でしたかね、指定管理団体として行われてると思うんですけれども、移転後のその所管局や運営体制がどうなるのかといった時に、「今年度検討していきます」ということでありましたが、少なくとも資料を見ますと、「施設の機能・レイアウト」のところで、「図書館や遊び場との相場効果が期待できる機能」とかですね、「図書館と遊び場が一体となった」とか、それから先ほどもありました「事業採算性を向上する機能」ということが、あるわけですよね。で、そこでちょっとまずお聞きしたいんですけれども、京都市としては、この図書館という社会教育施設に事業採算性を求めていくと、で、先ほどからのお話を聞いておりますと、無料で入れる今の図書館の部分も含めて有料になる可能性があるということなんでしょうか。この点まず教えていただきたいと思います。

(→今北・教育委員会理事)はい、図書館の役割は、市民の教育であるとか、文化の発展に寄与するというようなことで、これまでから無料でございますし、今回のラクトでの施設全体の利用がどうなるかっていうことは今後の検討になってまいりますけれども、図書館自体の運営については無料でやっていきたいなというふうに思ってます。

◆やまね/はい、図書館の部分、そのところについては「無料でやっていきたい」というお答えがありました。

それで、ただいろいろ「民間の活力の導入」だとか書いてありますけれども、京都市の中では、すでにですね、山科図書館が、そういう社会教育施設の位置づけを、場合によって外して、民間企業が活用するということも前提にされておられるのか、それとも、「今後の検討」ということなんですけども、教育委員会が引き続き所管をして、財団が運営をして、こういうやり方もありうるということで今考えておられるんでしょうか。

(→今北・教育委員会理事)図書館の多機能化、また、施設の複合化ということでございまして、ほんで先ほどから、運営体制、所管も含めてですけれども、今後の検討ということになってございますので、その辺りは今、申し上げる、状況ではございません。

◆やまね/はい、それからこれもですね、皆さんの議論の中でふれられていたんですけど、この当該施設がラクトBの5階6階ということで、ま、5階と6階で、例えば図書館部分と遊び場部分が分かれれば分かりやすいんですけれども、しかし、「図書館と遊び場が一体」というふうにはそれだとならないわけですし、で、一方でこれもお話ありましたけれども、図書館機能ということ考えた場合に、やはり独立した、そして落ち着いた、静かな環境というのも求められると思うんですけれども、この点についてはいかがお考えでしょうか。

(→今北・教育委員会理事)図書館のありように関しては、様々なご意見があると思いますし、一定子どもの声を聞きながらという方もいらっしゃるでしょうし、また、仰るように静かな、穏やかなところで本を読みたいという方もいらっしゃると思います。その辺りどういうふうに組み合わせていくかというところで、今年度、ご予算いただいたリブラボプロジェクトっていうのが、教育委員会で今年度実施いたしますけれども、市民意識調査であったり、また、地域図書館の一部でポップアップ事業的なことで、いろんな取組を進めながら、市民の皆さんのご意見も聞いて、この辺り、このラクトの図書館の運営の中にも活かしていけないかなというふうに思っております。

◆やまね/はい、で、これは先ほどのご答弁の中であったんですけども、「今も非常に山科図書館、頑張っておられる」という話もありまして。で、私もこの山科図書館のホームページをちょっと見てみたんですけれども、そうするとですね、こういうふうに書いてありまして、「フローリングの絵本コーナーは広くゆったりとしたスペースで、親子でゆっくりと読書を楽しむことができます。一般のエリアには緑豊かな広いベランダがあり、屋外で自由にくつろいでいただくこともできます。また、赤ちゃん向けお話会や育児絵本の読み聞かせや、紙芝居などのお楽しみ会、文学探訪など、様々な行事を行っており、乳幼児から大人まで楽しんでいただくことができます」というふうにあってですね、今の山科図書館も、親子でゆっくりと読書を楽しむことができるということ、うたっておられるんですけれども、現状やはり課題と言いますか、先ほどあったような671㎡でしたか、で、築31年、この辺りはやはり課題としてはあるので、移転をせざるをえないということなのかですね、その辺りちょっとお考えをお聞かせいただきたいと思います。

(→今北・教育委員会理事)狭い中でですね、図書館の工夫によって様々なイベント開催であったりですとか、小さなお子さんたちのスペースを作り出して、そういう場を作ったりということで、地元の皆さん、方々には好評いただいておりますし、それが貸出本数であったり集客につながっていると思ってますけれども、まあただ、狭わいな部分、ええ、ゆとりのあるって言いますか、全体的に広々としたスペースでございませんし、また、廊下もちょっと傷んでいたり、また、トイレがちょっと古くなっていたりとか、そういった面で、今あの、このままではどうにもならんという状況ではもう決してございませんけれども、移転すればなお一層、市民の皆様のご期待に応えれるのではないかと、そういう考えでございます。

◆やまね/はい、それでその「機能充実」と言った時にですね、現在の山科図書館の蔵書数がですね、どうなるのかっていうことなんですね。それが維持される、あるいはまた、増えるということになるのか。それとも、子ども関連のものだけに限定されていくのかですね。先ほどのご答弁聞いておりましたら、「書籍の整理作業」というお話が、言葉が聞こえてきて、ちょっと私はびっくりしたんですけども、整理するってことは減らしてしまうのかなと。減らしたうえで移転するということなんでしょうか。この辺りいかがでしょう。

(→今北・教育委員会理事)えっとすいません、あの、どの場面で整理って申し上げたか…。あ…

(→西角・都市整備部長)私が答弁させていただいた中ですね、その、施設のその機能・レイアウトを決めていく中で、やはりその、シームレスな、先ほどえっと、別の先生からご言及ありましたけれども、シームレスな運用していく際には、やはりあのその、どう言うんでしょう、えっと「書籍の整理作業、そして衛生面にも配慮する必要がある」と、申し上げましたのは、その5階6階どこでも本が読めるとした場合にですね、その本がそこら辺に、ある意味、ま、散らかってる状態でありますと、それを誰か職員の方が整理せんとあかんようになります。で、そういったその労働力と言いますか、その作業量ですね、それにも配慮しながら施設全体を、どう言うたら、シームレスに運用していくかっていうので考えなければならないですっていうな意味合いで答弁させていただいたものでございます。以上でございます。

◆やまね/そしたら「蔵書数を整理する」ということではないということですか。もう一度いかがでしょう。

(→西角・都市整備部長)私が答弁させていただきましたのは、あくまでその散らかってる本を誰が整理するのかという観点でのご答弁でございます。ただ、その蔵書に関する考え方というのはですね、これまたやはり今後、施設の、ま、言うたら、面積もやはり限られておりますもので、どうしていくかっていうのは今後検討していかなければならないかなというふうには認識してございます。以上でございます。

◆やまね/あの、「蔵書の数、検討していかなければいけない」というのをですね、教育委員会の方ではなくて別の部局の方がそうお答えになると、ちょっと私はいかがなものかなと今思いましたけれども。

それから人員体制の問題なんですけれども、今、山科図書館の人員体制とか、図書館司書の配置だとか、こういうのがどうなってるのかですね。例えばこれも「充実」ということであれば、人員を削減せずにきちっと今の体制も維持して、そしてあるいは充実をして配置をされるということになるんでしょうか。いかがでしょうか。

(→今北・教育委員会理事)職員数につきましても、図書館のもう規模によってくると思いますし、現在では何とも申し上げられないかなというふうに思います。

◆やまね/はい、まあですので、この現在のですね、山科図書館と比べて蔵書数が、例えば減ったり、あるいは司書の配置だとか、そういう人員体制が縮小するのであれば、むしろ図書館機能としては後退してしまわないかですね、この充実、「機能充実」っていうのは、何が結局充実するんですか。

(→今北・教育委員会理事)まああの、えっと、えー、機能、機能充実っていうのは、ま、あの、その、移転した場所を活かしての取組、また、施設が新しくなることによっての、えー、充実とか、ま、そういった部分になりますし、単純にもうその広さが、レイアウト分かりませんけれども、広くなるであろうという予測のもとで、えー、あの、図書の貸出に関わる機能が充実していくであろうというふうなことでございます。

(→西角・都市整備部長)はいすいません、えっと、先ほども申し上げましたけれども、やはりその、ま、ラクトの5階6階、約2500㎡ということで、物理的に延床面積限られております。で、今、先生の、えっと先ほどのご質問聞いておりますと、書籍が増える、あるいはその職員数が増えることが機能充実なのではないかというようなご趣旨のご質問、発言をされてますけれども、決して我々それだけが機能充実だというふうには考えてございません。どういった形でこの施設に、より多くの人が来ていただけるのか、そういうソフト面での仕掛けですね、今までにはない、遊び場、あるいは図書館とのそのシームレスな運営もしかりなんですけれども、こういったことをどういろんな人に来てもらうかっていう仕掛けを作っていくかっていうところを、このような表現にさせていただいてるところでありまして、まさにそれを今年度、検討していこうとしているところでございます。以上でございます。

◆やまね/機能充実といった時にね、たくさん人が来ればいいというわけじゃないと思うんですよ。たくさん人が来たとしてもですね、元々あった蔵書数が減ってしまうとか、人員体制ですね、きちっといろんな本を紹介してあげるようなですね図書館の司書さんがきちんと配置されてないということであれば、それは図書館機能として後退じゃないですか。私はそのことを指摘してるわけです。

で、「図書館機能の充実」「屋内の遊び場の設置」、ここに書かれてあるこの文言、これは本当に大事なことだと思います。私はぜひ頑張っていただきたいと思ってるんですよ。で、この「図書館機能の充実」「屋内の遊び場」っていうのはすごく重要だと思うんですけれども、民間活用とか採算性が強調されるもとでですね、京都市の公的責任が後退をしたりですね、社会的、社会教育施設の役割機能が後退するようなことがあったら絶対ならないと、いうことは思ってますので、その点を指摘して終わりたいと思います。以上です。

2025年4月22日【まちづくり委】建設局/理事者報告「元京都市ラクト健康・文化館の活用の方向性について」

(更新日:2025年04月22日)