◆倉林議員/日本共産党の倉林明子です。自民党からも質疑ありましたけれども、医療介護、ここの提供体制っていうのはね、崩壊の危機に直面してるんだと、厳しい認識を持つべきだというふうに改めて申し上げたいと思います。
帝国データバンクによりますとね、去年1年間の医療機関の倒産・休廃業なんと786件と、過去最多となっております。すでに、地域から、病院がなくなると、こういう事態は始まっております。で、帝国データバンクはですね、2026年、来年にはなんと「1000件にも倒産・休廃業が達する可能性が高まっている」と指摘しております。私ね、医療提供体制の弱体化っていう問題が、地方にとどまらない。都市部でも急速に進行しているというふうに受け止めてるんですけれども、大臣認識どうでしょうか。
(→福岡・厚生労働大臣)はい、先のやり取りの中でもこの医療機関の置かれた経営環境の厳しさについては指摘があったところでございます。そして、これまでも申し上げてきてますように、地域医療を支えるその医療機関が、その地域からなくなってしまうっていうような事態については避けなければならないというふうに思ってます。で、これまでその令和6年の診療報酬、それで、ま、足らざるところについては、昨年末の補正予算、そして、それがこれから行き渡るんですが、その前に医療機関が倒れてしまっていけませんから、WAMによる緊急融資等の措置を講じてきてるところでございます。引き続き足元の状況しっかり見ながらですね、必要な対応については検討してまいりたいと思います。
◆倉林議員/報道によりますとね、東京・武蔵野市の吉祥寺駅周辺、10年の間にね4つの病院が姿を消したと。で、2次救急医療担ってた病院なんですよね。で、なんと333床がこの地域から消えると。そのうち2箇所についてはですね、昨年なんですよ休廃業。24年。に、起こってるんですね。これさらに、全国で統廃合の計画も進んでると。これまでの「地域医療構想」の中でね。で、新しい病院を建てなあかんというタイミングのところもあります。ところがこれがですね、物価資材高騰と、とんでもない値上げの中で計画がですね、暗礁に乗り上げてるというような事態もこれ進行してるんですよね。自民党の衛藤議員からも指摘ありましたけれども、じゃあ現場がなんでこんなことになってるかって言うと、離職がほんと増えてるわけですよ。
で、じゃあその賃上げ、効き目がある賃上げっていうのは現場に届いてますかということで、私からも意見申し上げたいと思うんです。今もありましたけども、「効果を見極める」ということを繰り返し答弁されている、補正ですよね。令和6年の補正。この効果がどうなのかということです。1311億円、「緊急支援パッケージ」ということで、補正で積まれました。うちですね、828億円、これ確保されたのが、人件費にも充当可能だとされた「生産性向上・職場環境改善等の支援事業」ということになっております。パッケージの中で1番大きいんですねこれね。額は。ところがこの進捗状況がどうなってるのかということ、ご報告いただきたい。申請件数はどうか。決定件数。そのうち人件費に充当しているということでの状況はどうなっているのか。行き渡ってるかどうか。
(→森光・医政局長)お答え申し上げます。ご質問にありました「生産性向上・職場環境整備等支援事業」につきましては、国において必要な予算を措置した上で、都道府県において事業が実施するものでございます。都道府県や医療機関において十分な準備期間を確保する必要がございますので、令和7年度予算に繰り越した上で実施しているというところでございます。現在、都道府県において準備中であり、お尋ねの申請件数、決定件数、及び人件費への充当額、これはこれから把握していくということになります。一部の都道府県では募集を始めておると聞いておりますが、全国でも速やかに取組が進められるよう、引き続き都道府県と連携しながら対応してまいりたいと考えておるところでございます。
◆倉林議員/まだね、手あげるっていうようなところまで把握できてないという実態だと思うんですけれども、これね、なかなか手あげにくいと思うんですよ。許可病床数に×4万、そして1つの施設に18万円ということになりますよね。これ仮置きして200の病院ならどれだけになるかと。818万円なんですよ。額が。そうするとね、1回限りでしょ、使えるのは。つまり賃上げに使うなんていうことには、額もあまりにも少ないし、将来の見通しにもならないと。今医療機関の赤字の規模ってね、億円、数億円単位になってきてますから、そういう意味でも支援の枠としては小さすぎるということ指摘しておきたい。手あがらないのは当然だと思います。
その上でね、ベア評価料や補正予算は、どれだけその賃上げ結果が出せているのかということで言いますと、直近の春闘の回答状況、これ医労連から、医労連が公表しております。「平均の引き上げ額は昨年を下回っている」と。で、夏のボーナスもマイナスなんですよ回答。「去年と比べてもマイナス」っていうことになっております。現場からはですね、どんな声が上がってるかと。「私は勤続20年だ」と。「ところがユニクロの新入社員と同じ基本給だ」と。「悲しい」っちゅうんですよ。ね。こういう声まで寄せられてる。私ね、追加の賃上げ支援は、これ待ったなしだと。来年の話じゃないですよ。今今いるということなんけれどもいかがでしょう。
(→福岡・厚生労働大臣)賃上げの状況につきましては、令和6年、賃金引き上げ等の実態に関する調査におきまして、医療福祉の1人平均賃金の改定額は6876円、改定率は2.5%というふうになってございます。で、ちょっとそのデータの取り方、先ほどご紹介されたデータ等、色々様々なデータございますが、さらなる賃金上昇につながるように取り組んでいくことも含めましてですね、今、先ほども言いましたその補正予算、そして足らざる等部分については、緊急融資等も使いながら、足元の状況を見て、必要な対応を行ってまいりたいと思います。
◆倉林議員/足元の危機的な状況しっかり掴んでもらわないと、追加の支援っていうことに繋がっていかないと思ってるんですね。医療・介護・福祉分野で働いてる人ってのは、900万人いらっしゃると。全労働者のうち14%占めてると。こういうところを公定価格上げないってことになるとどうなるかと。賃上げの足を引っ張るってことになるんですよ。直ちに全額公費、繰り返し求めてきましたけれども、賃上げ支援策ってことに踏み出すべきだと。これ重ねて求めておきたいと思います。
一方ですね、申請が殺到してる、このパッケージの支援事業の中で、殺到してるのは何かと言いますと、「病床数の適正化支援事業」なんですね。これなんとですよ、7000床規模で予算化されてたはずなんだけれども、5万床を超える計画書が提出されていると。現時点でですよ。これ公表された第1次の内示によりますと、廃止届けが前提となるんですねこれ、使おうと思ったら。これ給付金の対象病床数はすでに7170と、内示、1次の内示が。で、配分額合計は294億円ということになっております。これ上限超えてます、すでに。さらに、にも関わらずですね、6月中旬には、これ2次の、第2次の内示が示されるってことです。一体どっから予算持ってくるんだろうかと。給付金の対象病床数、これ何床見込んでるのか。手上げたのは5万床です。どこまでそういうのを拡大して対象にするのか。いかがですか。
(→森光・医政局長)(倉林明子議員/大臣のほうが良かったけどなあ)あ、すいません。お答え申し上げます。「病床数適正化支援事業」につきましては、議員ご指摘の通り、医療機関から5万床を超える申し込みが、申請がございました。で、約7万床(7000床)の予算配分について、4月11日に都道府県第1次の内示を行ったところでございます。で、執行状況、他の補正予算の事業や融資拡大と合わせ、まずは必要な支援が現場に行き届くよう取り組むとともに、執行状況や足元の情勢変化を丁寧に把握した上で、本事業の第2次の内示も含めて、これは他の補正予算等の執行残も活用した予算確保を、さらに必要な対応を検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
◆倉林議員/ね、とんでもない規模になると思うんですよ。削減病床数っていうのは。報酬改定と物価高でね、経験したことがない赤字っていうのが、今現場の経営者のところに、押しかぶさってるんですよね。数億円規模だということ申し上げました。上限2億円っていうことで使えるんですねこれ。上限50床までで2億円の給付金が使えるってことになります。赤字で苦しんでるところにとったらね、本当に喉から手が出るような金額になってると思います。で、政府によるこれ5万まで行くかどうか別としてですね、さらに拡大していくっていうお話だと、政府によるですね、これ「休廃業の加速」と、「病院つぶし」ということにつながっていくと、強く指摘したい。令和2年度から始まった病床削減支援っていうことでこれは事業ずっと続いてます。コロナの時も削ってました病床。で、「地域医療構想」実現がこれ目的とされておりまして、今回の補助金とはちょっと性格は違うと思ってるんですね。最大これ1床あたり228万円だったわけです。で、消費税を財源として令和5年度までに合計224億円を超えて配分されてるんですねすでに。で、廃止した病床数っていうのは、令和5年度まででどんだけ廃止してきたのか、直近の報告病床数っていうのはどれだけになってますか。
(→森光・医政局長)はい、お答え申し上げます。「地域医療構想」におきましては、病床機能の分化・連携を推進するため、地域医療介護総合確保基金における病床機能再編支援事業として、自主的に行われる病床減少を伴う病床機能の再編等に要する経費として財政支援を行っております。この事業により減少しました病床数につきましては、令和2年から令和4年度までにおいて、単独医療機関における減少分が7177床、複数医療機関の統合による減少分が991床となっております。直近では令和4年度において、単独医療機関における減少分が2354床、複数医療機関の統合に伴う減少分が198となっております。また、先ほど私7万床の申請と申し上げましたが、7000床の申請でございました。お詫びしまして訂正させていただきます。
◆倉林議員/すでにね、令和5年度までこれ投資、入れた額っていうのは分かってるわけですよね。224億円になってますから。もう1万床超えるようなね、削減に結果なってると。概算で計算してもね。そういう数字はね、はっきり出したほうがいいと思います。もうすでにその第1次の内示について数出てますから。そういうところ含めてきちんと議論できるような材料提供していただきたい。これ強く申し上げたい。
でね、現行の「地域医療構想」では、2025年の必要病床数、先ほども紹介あったけども、119.1万床ということにしておられます。これ以上ね、これ以上、病床削減を大規模に進めるっていうことがどういうことを意味するかっていうことなんですよ。医療提供体制が地域でも都市部でも持たないということになるんじゃないかということを指摘したいわけです。物価高、人件費の伸びに見合った思い切った直接支援と合わせて、診療報酬の期中改定、社会保障費にかけられてきた高齢者の高齢化の伸びの範囲に抑制すると、こういう予算の枠組っていうことを本当に来年度に向けて、これは本格的にやらないとダメだと。自民党も決起集会を開かれたようですけれども、そういう声しっかり受け止めた対応を求めたいと思います。いかがでしょう。
(→福岡・厚生労働大臣)目安対応等についてはこれまでもこの委員会でもかなり議論していただいてまいりました。社会保障関係費の財政フレームにつきましては、令和7年度予算においては、「骨太の方針2024」に基づきまして、経済物価動向等に配慮を行ってございまして、例えば、医療機関の入院時の食費基準の引き上げを行うなどの対応を行っております。今後もこの経済物価動向等の配慮も含めまして、関係者の方々のご意見も丁寧に伺いながら、検討進めてまいりたいと思います。
◆倉林議員/いやね、医療提供体制の崩壊が始まってるんですよ。パンデミックはいつ起こるか分からないんですよ。あのコロナの時の教訓を本当に踏まえた対応っていうことになるのかと。ならないと。指摘して終わります。
2025年4月22日【参院厚労委】「5万床」の病床削減申請問題について
(更新日:2025年04月22日)