左京東部いきいき市民活動センターは廃止でなく存続へ方針転換を(2025年3月17日/文教はぐくみ委・文化市民局・やまね)

◆やまね/よろしくお願いいたします。まずですね、京都市市民活動センター条例第1条には「市民による自主的なまちづくりを促進することにより、豊かで活力ある地域社会の形成に資するため、市民公益活動その他の活動の用に供するための施設を設置する」というふうにあります。そして第2条にはですね「次の事業を行う」として、市民公益活動のための「施設の提供、相談」「情報の収集及び提供」「調査及び研究」「市民公益活動を行うもの相互間、市民公益活動を行うものと関係機関との連携及び交流の促進」というふうにあるわけですけれども、で、改めて確認をしたいんですけど、この「市民公益活動」というのは、どういうものかをご説明いただけますでしょうか。

(→平井・地域コミュニティ活性化北部山間振興部長)はい、市民公益活動でございます。市民公益活動につきましては、「ボランティア活動、その他市民が行う不特定かつ多数の者が利益の増進に寄与することを目的とするもの」でございます。

◆やまね/はいありがとうございます。条例本文にそのように書いてあったと思います。で、もう一つですね、京都市市民活動総合センターのホームページには、「いきいき市民活動センターは、市民公益活動はもとより、サークル活動など市民活動を幅広く支援していくために、市民がいきいきと活動できる場所と機会を提供する施設」であることや、「市民活動総合センターと同様に、市民活動に関する情報発信や事業を実施するとともに、地域に根差した市民活動にも力を入れています」というふうにあったんですけれども、このことに間違いはなかったでしょうか。そして、いきいき市民活動センターというのは、市民活動総合センターとも同様の活動を行って、また、連携もしている施設だと、そういうふうに理解してよかったでしょうか。

(→平井・地域コミュニティ活性化北部山間振興部長)はい、その通りございます。

◆やまね/はい、それからですね、令和3年1月に出されました「京都市いきいき市民活動センターのあり方の基本方針」にはですね、「貸館事業として利用件数が年々増加し、稼働率も上昇しており、市民活動団体、サークル等の活動拠点として定着しています」というふうにあります。それで、「利用件数は平成23年度(設置当初)の1万5397件から令和元年度4万6682万件、約3倍」というふうに書かれてあるんですけども、これも間違いなかったでしょうか。

(→平井・地域コミュニティ活性化北部山間振興部長)はい、その通りでございます。

◆やまね/はい、ですので、今ちょっと確認してきましたように、条例上の位置付けもですね、そして年々利用者数・利用件数が増加してきたこと、さらに京都市自身が「市民活動団体、サークル等の活動拠点として定着しています」と言っていることからしてもですね、私はこの施設の重要性は明らかではないかなというふうに思っております。

で、我々共産党議員団としては、ずっと今議会でもですね、局別質疑の際にも、あるいは先日の市長総括質疑でも、このいきいき市民活動センターは廃止すべきではないということで求めてきましたし、今議会だけではなくて、これまでもですね、市民の皆さんから陳情等が提出された際には、その立場で繰り返し求めてきました。で、これもちょっと確認したいんですけど、平成23年(2011年)に市内13箇所に設置されたこのいきいき市民活動センターですけれども、施設が廃止されるのは今回が初めてなんでしょうか。

(→平井・地域コミュニティ活性化北部山間振興部長)はい、今回の議案が、議決いただきましたら、(令和)7年度末をもって、第、1つ目になります。

◆やまね/はい、今回が1つ目ということになると。で、今回ですね、廃止が提案されている左京東部いきいき市民活動センターなんですけども、これもちょっと確認しておきたいんですけども、一つは1階~4階まで、それぞれの階にどのような施設・部屋があるのかということ。それからもう一つは、この左京東部いきいき市民活動センターでは、地域活動と言いますか、市民の皆さんの取組としては、どのようなことがこれまで実施されてきたのか。この辺りちょっと紹介いただけますでしょうか。

(→平井・地域コミュニティ活性化北部山間振興部長)ここにつきましては、指定管理者のほうが劇研ということでございまして、文化芸術にちょっと得意分野を生かした舞台芸術であったりというところの観点が多いかというふうに思っておりまして、それ以外、体育館とかございますので、サークル活動への、ダンスやバスケットボールとか、そういった体育の運動施設というようなサークル活動が盛んであるというふうに思ってます。

◆やまね/えっとすいません、1階2階3階4階にそれぞれどういう部屋があるかお答えいただけますか。

(→平井・地域コミュニティ活性化北部山間振興部長)はい、1階につきましては、会議室、集会室、2階につきましても会議室がございます。で、3階のほうには多目的ホールというものがございます。

◆やまね/えっとですね、今おっしゃっていただいた通り、1階にはですね、集会室と会議室が1つずつあって、で、2階には会議室が7つですかね、で、3階には多目的ホール1つと会議室が1つあると、で、4階に料理室と和室もあるということで。で、先ほども「文化芸術関連の取組が盛んだ」というお話はあったと思いますが、本当に私もこれホームページで改めて拝見をしまして、本当にいろんな素晴らしい取組されてきたんだなということで、例えば、文化祭企画というものではですね、センターで活動する団体が多彩なショーを実施をされてると。音楽やマジックやダンス、それから演劇の公演やワークショップも行われてると。で、子育て親子の交流事業ということで、影絵劇の上映とかですね、キッズ用品の交換会、あるいは工作広場、こういうものも行われてる。で、障害者福祉や高齢者福祉とアートをテーマにしたシンポジウムなども行われてきたということで、本当に多彩なですね、市民の皆さんの活動が行われてきた場所なんだなということを、今回改めて思いました。

「シャカカツの人vol.2」京都市文化市民局地域自治推進室発行(令和6年2月)

で、調べてるうちにですね、これですね、京都市のこれは文化市民局地域自治推進室が発行しているものであります。昨年2月に「シャカカツの人」、社会活動をシャカカツと言っておられるんですけど、「シャカカツの人」に載ったですね、キッズ用品の交換会に取り組む方のインタビュー私読みまして、非常に感銘を受けましたので、少しだけ紹介させていただきたいんですけども。こういうふうにおっしゃってます。「キッズ用品の交換会を始めたきっかけも、不要品を渡したかったからではないんです。コロナ禍で外出できない人と会えない状況で出産して子育てをスタートしたお母さんたち、子育て世代が無料で気軽に行ける施設が休館になり、行場を失った孤独なお母さんたちと出会いたいと思ったんです。私は地域の民生児童委員協議会に所属していることもあり、そんな孤立している子育て世代と出会うために交換会を始めました」ということなんですね。で、「自己紹介やおしゃべりが得意じゃなくても、時間を決めて予約しなくても、思い立ったらフラッと気軽に行ける場所、そういう場があまりにもなかった。安否確認じゃないけど『あ、同じように子育てしてる人がいるんだ』と思えるようなゆるいつながりの場だからいいんです」というふうに語っておられてですね、私はこれ読んだ時に、まさに松井市長の言う「居場所と出番」「混ざり合い」あるいは「ぬか床」これを体現してる施設じゃないかなと思ったんですけど、いかがでしょうか。

(→平井・地域コミュニティ活性化北部山間振興部長)はい、今おっしゃっていただきましたように様々な活動がやられております。で、その中で出会いもありますし、新しい取組が生まれるという意味では、非常に、価値のある建物っていうか、そういう施設っていうふうには当然思っておるところでございます。

◆やまね/はい。で、やはり文化市民局自身がですね、その役割・価値を認識されているから、こうした広報物もですね、きちっと作ってやっておられるんじゃないかなと思うんです。で、今紹介したようにですね、民生児童委員をされている方が、そういうふうにおっしゃってる話で、やっぱり豊かな市民活動が行われてる施設、その拠点をですね、なくしてしまえば、市民活動やまちづくりにとってマイナスになるとは思われないんでしょうか。いかがでしょうか。

(→平井・地域コミュニティ活性化北部山間振興部長)はい、場所の機会ということで、あのま、減るということにつきましては、現実として、1ヵ所減るという意味では、そういう活動の場所がなくなるというふうには思っております。

◆やまね/今おっしゃっていただいたように、そういう価値がある取組、場所、それが1つ減るということですね。本当に重大なことだと思うんですね。

で、もう一つちょっと確認しておきたいんですけど、例えば下京のですね、下京区のいきいき市民活動センターはバリアフリー化もされていてですね、大変使いやすい施設になってるかと思うんですね。で、令和6年度末でだいたい建築後年数17年ほどになると思うんですけども、この施設が比較的新しい理由はどういうところにあったでしょうか。

(→平井・地域コミュニティ活性化北部山間振興部長)・・・今おっしゃっていただきました、下京いきセンにつきましては、17年ということで・・・ちょっと、えっと、その辺りはちょっと、なぜかというところは・・・

◆やまね/大半のいきいきセンター、40年とか50年とか、非常に建ってから建築年数経過してるものが多いわけですよね。で、この下京ではまだ建ってから17年ほどなんですけど、その理由は今ちょっと分からないってことなんでしょうか。

(→平井・地域コミュニティ活性化北部山間振興部長)はい申し訳ございせません。ちょっと今のところ、はい、存じ上げておりません。

◆やまね/私はこういう建物でやってる施設もいきいきセンターの中にはあるわけですから、やはり団地再生と共にですね、このいきいき市民活動センターもきちっとリニューアルすればですね、その団地再生後のまちづくりにとっても非常に大きな力になるんじゃないかというふうに思うんですね。

で、そもそも、「あり方の基本方針」が出されたのは、令和3年1月ということですので、これコロナで公共施設の利用が大きく落ち込んでる時期でありましたし、しかも公共施設の削減ありきであった「行財政改革計画」を進めたですね、門川市政の時に作られた方針であります。で、その時からすれば、京都市の財政状況も好転しているということは、いま市もお認めになっておられる。それから松井市長もですね、「公共施設の削減ありきではないんだ」という、そういう姿勢でおられます。ですので、市の財政状況や社会的な状況、フェーズていうのを見ると、完全にもう変わってるんじゃないかと思うんですよ。で、私は一度、それならば立ち止まって、この市民に身近な公共施設をどうするのかというのは、もう一度あり方を検討すべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

(→平井・地域コミュニティ活性化北部山間振興部長)はい、あの、あり方基本方針なんですけども、これにつきましても、そもそもですね、このいきセンにつきましては経過ございまして、隣保館のそれからコミュニティセンターの廃止という中で、ま、直ちに廃止とか撤去するもんじゃなくて、その場所を空間、施設を活用しようということでやってきたものでございまして、ま、「暫定利用」ということで当初から進めてきたこともございます。で、あり方基本方針につきましても、評価委員会での答申をいただいたり、パブリックコメントの中で、こういう施設はその中で方針を定めていくということで、大規模な改修を行わないとかっていう、そういった方針を基づいたものでございまして、行政が勝手に決めたものでもなく、市民の意見も聞いた中での方針だったというふうに理解しております。

◆やまね/そのあり方のね、基本方針の議論の中でも、出された意見が書いてあったんですね、最後のほうに。そうするとやっぱり「コロナで利用が見通せないから先が見えない」ような、そういう話も書いてあるわけですよ。結局そういう中で議論されて出された方針ですので、私は今の財政状況も好転している、で、改めてですね、松井市政に変わった、新たにもう一度議論する時じゃないのかなというふうに思うんですね。

で、やっぱり先ほどからのご答弁を聞いていてもですね、聞けば聞くほど、なぜ松井市長がこの施設を廃止しようとしてるのかが分からないんです。政策的に完全に矛盾してますので。このままではですね、本当に市民にとっても京都市政にとっても、大きな私は損失になるのではないかと思っています。で、先ほどもおっしゃいましたけど、結局、京都市の言う廃止理由っていうのは「資産有効活用の観点から既存施設を利用可能期間に暫定利用」という話とですね、「多額の経費を要する大規模改修を行わない」という話だけでですね、コストカット至上主義そのものであって、市民活動を支えるという視点が全くないわけですね。で、私はこれ公共の責任放棄だと思いますし、その議論から全く抜け出せてないと。で、改めてお聞きしたいんですけど、「全ての人に居場所と出番を」と言っている、それを掲げている松井市長の政策的立場と整合性が全くないと思いますが、いかがでしょうか。

(→平井・地域コミュニティ活性化北部山間振興部長)はい、今度、「新京都戦略」にもそうですけども、居場所と出番ということで、突き抜ける京都ということで、掲げてるところでございます。そういった中で居場所、出番作っていくっていう、そういう意味では、そういう方向でもちろん進めようということでございます。ただ、あの、ただ、この、このいきいきセンターにつきましては、あの、まあ、あの、この方針に基づいて、進めていくということで、ま、その地域の、地域のあの開発の状況であったり、その施設の状況によって判断していくということで、今回、団地再生の計画を機に、廃止するということでございますので、特に、あの松井市政との矛盾してるというふうには考えておりません。

◆やまね/「矛盾してるとは考えない」とおっしゃったけれども、矛盾してますよ。居場所と出番というのを掲げておられる、「ただ、このいきいきセンターは方針通り」と今言われたじゃないですか。矛盾してるんですよ。違うんですよ。松井市長の「居場所と出番」っていう方針はあるけれども、しかしこのいきいきセンターは違うんだということで今おっしゃった。全くこれはですね、市長の言ってる方向と今度のこういうセンターを廃止するというのは、全く整合性取れてないと改めて感じました。左京東部のこのいきいき市民活動センターの廃止は撤回をすること、そして、全てのいきいき市民活動センターについて廃止から存続へとぜひ方針転換していただきたい。で、むしろこうした施設をもっとですね、ない行政区もありますから、こういう施設を増やしていくことこそ求められてると、改めて指摘をして終わります。以上です。

2025年3月17日【文教はぐくみ委】文化市民局/付託議案「京都市市民活動センター条例の一部改正(左京東部いきいき市民活動センターの廃止など)」

(更新日:2025年03月17日)