◆やまね/どうぞよろしくお願いいたします。私からは総合支援学校のスクールパスを車椅子対応へと求めている件についてまずお聞きしたいと思います。午前中の津田議員(自民)の質疑に「新年度予算の中で1校は設置可能」というご答弁がありまして、まさに当事者の皆さんの声に応えていただくものでですね、私たちも求めてきましたし、重要な前進だと思います。そこでもう少しお聞きしたいんですけれども、この1校で設置可能というのはですね、更新車両のお話ということでよかったんでしょうか。例えば、新年度予算の長帳を見ておりますと、「障害のある幼児・児童・生徒の教育の推進」というところで約1億円の増となっているわけですけれど、支援学校の生徒さんも増えている中で、支援学校のスクールバスについて、そもそもその更新だけでなく増車ということも必要ではないのかと。で、この新たな増車というのは新年度行われるんでしょうか。
(→菅野・指導部担当部長)スクールバスのこの増車ということでございます。この今回予算につきましては、あくまで更新の予算ということでございますので、増車ということではございません。で、総合支援学校その1校可能っていうのは、その実際、更新するバスをどこに入れるかという話の時に、実際、やはり車椅子スペース作りますと座席数が減ってしまうということございますので、その減ったバスでもその人数的に対応は可能な学校は今少なくとも1校は大丈夫かなということがありましたんで、今回車椅子対応すること自体は、そうしていこうということで、今、予算認めていただけましたらそういう対応していこうということで考えてるところでございます。
◆やまね/えっとすいません、そうしますと、新年度に更新される台数ですね、で、増車される台数というのはないということなんでしょうか。新年度に更新される台数、そして、増車される台数の合計というのは何台になるんでしょう。
(→菅野・指導部担当部長)はい、ですので、更新する台数が1台。で、増車っていうのはございません。
◆やまね/分かりました。で、この間の市会での議論を聞いていただいた障害者団体の方からはですね、こういう声を寄せていただきました。「京都市では1991年から市バスにリフト付きバスが導入された。障害者の移動の権利が保障されていなかった30年以上前の状況に、総合支援学校の児童生徒たちが未だに置かれていることは驚きだ」という声であります。で、教育関係者の方からもですね、脳性麻痺のお子さんの声を寄せていただきました。私以前、てんかんをお持ちのお子さんの事例紹介させてもらったんですけども、今回いただいたのはですね、「脳性麻痺で自分の意思とは関係なく筋肉が収縮して体が動いしまう不随意運動という障害のある子どもがいる。この子たちが抱え上げられてバスに乗せられることは強い恐怖を感じる場合が多い」という声でありまして、やはりですね、一刻も早く改善が必要だと改めて思っております。
で、教育委員会さんがおっしゃっているように、20台以上あるバスをですね、一度に全部更新するっていうのはなかなかやっぱり大変だとは思うんですよね。ただやはり少なくとも、これから毎年、新年度更新していかれるバスがあると思いますので、それについては全てぜひ車椅子対応の仕様にしていただきたい。あるいは増車でバスを増やす際にもそれはぜひ車椅子対応にしていただきたいと思うんですが、この点いかがでしょうか。
(→菅野・指導部担当部長)はい、今後のことでございますので、また今後、検討材料にはもちろんなっていくかというふうに思います。増車に関しても、そもそも児童生徒の増加状況であったり、スクールバスのその乗降スペース、また、その駐車スペースの課題等もありますので、その辺りどうしていくのか、で、今回更新でお願いしてるスクールバス対応していく、車椅子対応していくということでございまして、そういった中で課題も整理させていただいて、今おっしゃられたような形で、その実際生徒ですね、で、やっぱりその優先順位っていうのもつけていかないとダメですし、その辺りどういったニーズがあるのかっていうのは、これはまた詳細把握しながら、今の時点で必ずやりますというものではないですが、ちょっと検討はしていきたいというふうに思います。
◆やまね/はい、昨年12月の文教はぐくみ委員会の要求資料でですね「政令市における特別支援学校のスクールバスへの車椅子スペースの設置状況について」というものを出していただきまして。仙台市・さいたま市・川崎市・横浜市・神戸市・広島市・福岡市・北九州市など見ますとですね、すでにたくさんのバスで車椅子対応となっておりますので、ぜひ京都市でも、今「ニーズの把握」ということもおっしゃっていただいたんですけれども、当事者の方々へのヒアリングなどもですね、改めて行っていただきながら、できるだけ早く要望に応えられるように頑張っていただきたいと、求めておきたいと思います。
で、次に、「新しい図書館構想」と「青少年科学センター」についてお聞きします。今回、図書館については「市民意識調査」が行われると。で、青少年科学センターについては「有識者や校長会、市民代表等で構成する検討会議を設置し、センターの使命やあるべき姿を議論いただく」というふうにあるわけですが、そこでですね、今後の形についてですね、あくまで教育委員会所管の教育施設としての充実を考えていらっしゃるのか、それとも場合によってはですね、教育委員会の手を離れて、民間委託とかあるいは指定管理者制度の導入なども視野に入れておられるのか、この点はいかがでしょうか。
(→坂崎・担当部長)はい、失礼いたします。図書館の運営形態ということで先にお答えをさせていただきます。これまで京都市の図書館につきましては、根幹部分の業務に関しましては教育委員会が担わせていただきつつ、図書館の運営の企画運営の部分につきましては、外格団体でございます生涯学習振興財団のほうに委託をしてきているところでございます。また、図書館の運営形態はご承知の通り、全国的には指定管理者制度とかですね、民間委託等々ですね、多様な運用形態ございますので、それぞれ常々ですね、それぞれのメリット・デメリットを比較検討しまして、現在は今の形が一番良いというふうに判断して、今のところ来ているという状況でございます。以上です。
(→杉村・事務局長)青少年科学センターについてでございます。これからのあり方ですとか、使命の検討につきましては、これから行うということでございますんで、今の段階でどちらの方向性で行くとかいうことについては、特に決めているものではございません。
◆やまね/私はですね、それはちょっと重大なお話だと思います。去年のですね、昨年4月1日付「公の施設の指定管理者制度の活用状況等」という資料が、京都市作っておられますけれども、その中でですね、図書館については先ほどのようなお話なんですけれども、青少年科学センターについては、「当該施設における事業は、本市立学校における教育と密接な連携が必要であり、高い専門が求められるため、指定管理者制度はそぐわない」と書いてあるわけですね。そのことさえも今言えなかったというのは私は重大ではないかと思います。
で、そこでもう一つお聞きしたいんですけれども、青少年科学センターの検討会議のメンバーとなる有識者にはどのような方を想定されてるんでしょうか。これは大学、例えば教員の方だけではなくて、産業界、民間企業の方が入るということもあるんでしょうか。いかがでしょう。
(→杉村・事務局長)今のところですね、大学の学識経験者の、学識経験者としての大学関係とか、そういう方、それから学校関係ですね、校長会とかそのような学校関係からの方も入っていただこうと。それから、産業界とか、そちらのほうの関係についても検討していきたいなというふうに思っております。
◆やまね/はい、産業界の方も検討していくということでした。で、私はですね、青少年科学センターについて、この「産学公の連携を強め」とかですね、「京都ならではのSTEAM教育の充実に向け」ということがあって、で、「民間事業者に委託して調査」ということも今言われてると。それでですね、このSTEAM教育というのが、要は「各教科等での学習を実社会での問題発見・解決に生かしていくための教科等横断的な学習」というふうにあるわけですね。で、この「実社会での問題発見・解決に生かしていく」という時に、その青少年科学センターの中身がですね、例えば産業につながるものとか、企業との連携とか、そういうところがですね、非常にちょっと強調されているような印象を持っておりまして。で、例えばセンターの中には、カブトムシの飼育所とかですね、チョウの家とか、こういう生物多様性に触れる貴重な施設もあるわけですよね。で、これは単純な経済的な価値だけでは図れない部分がたくさんあると思うんですけれども。私は青少年科学センターというのは、やはり自然科学を何よりもしっかり学べるというところに重きを置くべきではないのかと。で、それを守っていくことこそが教育行政の役割ではないかというふうに思うんですね。
で、今日の議論の中で「自然科学だけじゃなくて社会科学の分野も」というお話がありましたけれども、それはですね、博物館とか美術館とか図書館とかいろんな施設があるわけで、別に青少年科学センターで全部やらなければいけないという話ではないはずなんですよ、本当は。で、エコロジーセンターの話も出ましたけれども、やはりね、今の議論聞いてますと、どんどんどんどん複合化をしていって、そして統合させていこうという流れになりはしないかと。この点を私は非常に危惧をしております。それで、本来やらなければいけないのは、科学センターの年間予算をもっときちっと増やしてですね、で、きちんとリニューアルをしていく、古くなった展示や機器を新しくしていくと、最新の科学の到達点が学べるようにアップデートしていく、ここは本当に大事なことだと思いますので、そういうことがやられるべきであってですね、実際そういう要望を市民の方からも頂いておりますし。で、ただ、「実社会に役立つかどうか」とかですね、「企業との連携」というところが全面に出てくるとか、あるいは議論がどんどん進んでいくということになりますと、私は「科学的なものの見方・考え方を学ぶ、身につける」という役割を、経済の論理の中に押し込めてしまう非常に狭い議論になってしまわないかということを非常に危惧しておりまして。むしろそういう経済の論理、企業の論理に縛られずに、学問あるいは研究の場として自立した場所であることが、科学にとっては最も大事なことではないかというふうに思いますので、その点のちょっとご認識を伺いたいと思います。
(→杉村・事務局長)はい、今回のですね、調査研究につきましては、科学センターがこれまで行ってきました、その先生おっしゃっていただきました、科学的な物の見方・考え方とかですね、そういうセンターがずっと大事にしてきた、これまでのレガシーと言いますか、実績を、そこは基軸にしながら、この頃の昨今の情勢も踏まえてですね、さらなる展開を進めていくということで、本来これからどうあるべきか、これからの社会の中で使命は何なのかということは、明らかにしていきたいというふうに考えております。ですので、議論の中でその辺りもしていただくことになると思いますけれども、大切にするものは引き続き大切にしていきたいというふうに考えております。
◆やまね/そういう自然科学のところですね、「基軸にしながら」という話ありましたけど、まさにそこを最も根本に位置付けていただく、あり方の議論するのは非常に大事なことですけれども、そこがブレては絶対にいけないと、このことを重ねて指摘して終わります。以上です。
2025年3月7日【予算特別委】教育委員会/総合支援学校のスクールバスを車椅子対応に、青少年科学センターは自然科学を学ぶ拠点として充実を
(更新日:2025年03月07日)