*京都市教育委員会の説明
(→大山・教育環境整備室長)小・中学校の空調設備につきましては、平成16~17年度に中学校、平成18年度にPFI方式より小学校の全普通教室への設置を完了し、全国に先駆けた積極的な整備を進めてまいりました。特別教室についても、平成25年度に音楽室、図書室、コンピューター教室への設置を完了し、その後も継続的に整備を進めた結果、設置率は国調査において国・京都府を上回り、また、指定都市の中でも上位層となる80.5%に達しております。
しかしながら、特に普通教室の空調につきましては、設置からから約20年が経過する設備の老朽化が一斉に進んでおり、さらに近年の猛暑日の増加や感染症対策としての換気を行いながらの稼働によって、設備への負荷が増した結果、不具合の発生が増加しております。今後、教育活動への深刻な影響が生じる前に、まずは既存設備の大規模な更新を早急に進めていく必要があると考え、令和7年度予算にPFI方式による大規模更新に向けた事業者公募選定手続きを行うアドバイザリー業務の実施を計上しているところです。
体育館空調につきましては、これまでは体育館が地階にあるなど、換気・通風が十分に行えない場合のみの設置にとどまってまいりましたが、学校体育館が児童生徒の教育活動の場、地域スポーツ振興の拠点であるとともに、大規模災害時の避難施設として重要な役割を担う施設であることや、国からの交付金制度の新設等も踏まえ、令和7年度は整備計画の検討に着手いたします。なお、計画にあたっては、学校地域ごとの設備状況など技術的課題や避難所開設時の使用も念頭に、体育館の使用頻度や地理的条件等を踏まえ、整備対象や整備の優先順位等を検討していく必要があると考えております。
学校トイレにつきましては、安全で快適な教育環境に欠かせないものであるという認識のもと、老朽化対策はもとより、バリアフリー環境の整備、感染症対策、さらには避難所の生活環境の向上にも配慮し、これまでトイレ環境の改善を進めてまいりました。特に洋式化については、これまでから子どもたちの健康にもつながる喫緊の課題と捉え、老朽化の状況を踏まえて、トイレ室内の全面改修や個々の便器の改修を行い、できうる限り早期の洋式化に努めてまいりました。その結果、令和5年度末の目標としていた全校舎洋式率60%を計画より4年前倒しして令和元年度末に達成し、その後もさらなる洋式率の向上に取り組み、令和6年度末には72.7%に達する見込みです。現在残っている、小・中学校の和式便器のうち、子どもたちの使用頻度の高い、普通教室のある階と、それと防災上の必要性が高い体育館や武道場にあるトイレは、令和10年度末までを目途に、原則すべて洋式化する計画を立てております。また、幼稚園及び総合支援学校は、優先的に洋式化を進めており、令和6年度末までに学校・幼稚園が希望する箇所の洋式化を完了する見込みですが、今後さらに洋式化を加速してまいります。
なお、請願趣旨で述べられている給食費の無償化や高校のタブレット端末公費化については、先ほど請願361号の審査の際に説明させていただいた通りです。説明は以上でございます。
*議員の質疑
◆やまね/よろしくお願いいたします。請願にありますように、学校の特別教室や、体育館へのエアコン設置、老朽化したエアコンの交換、トイレの洋式化、いずれも多くの市民の皆さんが求めているものだと思いますので、ぜひこの願いに応えていただきたいと思っております。で、新年度の予算審議の中でも議論されると思いますので、今回はですね、私は今年度の取組についてお聞きしておきたいなと思っています。
で、今年度の予算の時にですね、「小・中学校空調設備更新4440万円」というのが計上されまして、その事業概要を見ますと、「PFI手法の導入を想定し、令和6年度はその準備段階として、次の調査を実施する」として、2つの調査を行うということが示されています。で、1つが「空調設備の現状の詳細調査」ということで、「既存設備の更新計画を立てる上で小・中学校の空調設備の現状、台数、設置場所などを詳細に把握する必要があるため、専門業者による全校の現地調査を実施する」と。
で、2つ目に、「PFI導入可能性調査」ということで、「財政負担の削減効果や民間事業者の受注能力など多方面からの検討によりPFI事業として成立するかどうかを判断するための調査を実施する」というふうにあったわけですけれども。この2つの調査の結果がどうだったのかっていうのを、まず教えていただけますでしょうか。
(→大山・教育環境整備室長)まず令和6年度実施しました詳細調査、各校の空調の状況調査を致しておりますけれども、今回、長寿命化改修等の予定の校を除きまして、207校で調査を実施をいたしておりまして、全室数が大体10400室ということございまして、そのうち空調設備が設置されてるのが8600室ということになっております。で、このうち、最近更新してるところもございまして、今後PFI方式で実施する部屋数6100室余りをPFIで次年度以後、整備をしてまいりたいと考えているところでございます。
それからもう1点、PFI導入可能性調査のほう実施しておりますけれども、特にPFIで実施することによりまして、短期間での整備等が、財政負担の軽減・平準化が可能ということでございます。膨大な空調設備が一斉に老朽化しているということもございますので、早急な更新が必要というふうに考えておりまして、そのような状況の中で、民間業者のノウハウが最も生かせるPFI方式の導入が最も妥当であるというふうな判断を致してるところでございます。以上でございます。
◆やまね/はい、それで小・中学校の空調設備更新と、で、もう1つ、その未設置の特別教室や体育館への新設と、2つあると思うんですけども、それぞれどういう手法で行うかという方向性は、もう出てるんでしょうか。今のお話だと、その小・中学校のほうの更新の話はPFIでやろうとされてるのかなと思うんですけども、先ほどのご説明のところでは、体育館のほうは令和7年度に整備計画の検討されるということでしたかね。で、これについては、PFIではない方法になるという方向なのか、ちょっとこの辺り教えていただけますか。
(→大山・教育環境整備室長)体育館につきましても、今年度検討、PFI導入可能性調査の中で合わせて検討しているということになっておりまして、体育館につきましては、様々な形態と言いますかございまして、単独で立ってるところとか、あるいは校舎に合築をしている体育館があるとかいうことがございまして、なかなか一概に、一斉にPFIでということではなくて、様々検討課題もあるということから、従来方式での実施が妥当であると、現在現時点で判断しているところでございます。それから特別教室につきましても、既設の部分につきましては先ほどPFIのほうで実施をすることになろうかと思いますが、未設置の特別教室につきましては、様々な使用実態、学校にあるということもございますので、こちらのほうはPFIによらずに順次整備をしてまいりたいと考えてるところでございます。以上でございます。
◆やまね/分かりました。そうすると、小・中学校の空調設備更新はPFIで、体育館については色々条件も違うということでPFIではないやり方で考えておられる、で、未設置の特別教室についてもPFIではない形で考えておられるということだと思います。それでいずれにしても、ぜひ早くですね、実施、実現していただきたいなというふうに思うわけですけれども。
で、加えて、やはり学校施設の断熱化っていうこともですね、私は鍵ではないかと思っておりまして、これも昨日紹介させていただいた東京大学の前準教授のお話なんですけれども、埼玉新聞の2023年1月8日、もう2年前になるわけですが、このインタビューでですね、「学校の教室を低コストで断熱改修する方法」として、「天井・壁の断熱」「窓の日射遮蔽断熱」「換気設備」の3点セットを提案をされています。当然京都市も今リニューアル工事とか長寿命化改修の中でそういうこともされてきてると思うんですけれども、こういうふうにおっしゃっております。「脱炭素化の観点から見ても、今の学校の教室のエネルギー効率の悪さは際立ってる」「断熱改修で熱負荷を減らせば、何も高価な業務用エアコンを使わなくても、家庭用エアコン2台もあれば十分で、トータルコストとCO2を大幅に削減できるはず」と言われております。
ですので、私はですね、この小・中学校の空調設備の更新もそうなんですけれども、やはり断熱化改修ということと合わせて考えることで、より効率的にそして経済的に環境を改善することができるんじゃないかと思うんですけれども、やはり断熱化についてはもう全然セットでは考えておられない、研究・検討は、今これはもう長寿命化改修の中でしか考えておられないっていうことなんでしょうか。もう一度お聞かせいただけたらと思います。
(→大山・教育環境整備室長)空調の更新につきましては、いわゆる電気の業者が実施、空調衛生設備の業者が実施するということになりますし、断熱化になるとまた別の業者にやるということになりますので、同じ学校で複数の業者が入って工事をするということで、なかなか一括で実施するのは難しいのでないかなというふうに考えております。従来、ご説明いただきましたように、長寿命化改修ですとか体育館リニューアル、また、屋上防水工事の時に合わせての断熱化という、断熱材を入れるというな取組をしておりますので、そのような取組を中心にやっていきたいと。断熱化の重要性は認識をしておりますけれども、ちょっと一緒での実施は難しいのじゃないかなと考えております。
◆やまね/はい、分かりました。この請願ではですね、「教育予算を拡充して全ての子どもが安心して学べ、行き届いた教育を受けることができるよう教育条件の整備が実施されることを求める」というふうにあります。で、やはり普通教室、特別教室、体育館へのエアコン設置、そして先ほどもご説明ありましたようにトイレの洋式化も含めてですね、全ての場面で行き届いてるなというような実感できる教育条件、ぜひ整備していただきたいと求めて終わります。以上です。
*請願の取り扱い
◆自民党(3)/不採択で。
◆維新京都国民(4)/これも先ほどと同じ理由で、予算を伴うものなので内容として、予算の審議をしたいというのが1点と、これに関して言うと、市としてもやろうとしてる内容なので、正直これをもって不採択でもいいんですけれども、請願者の方と相談してもらって、取り下げとか陳情に切り替えてもらうとかを検討していただきたいというふうに思います。留保で。
◆共産党(3)/はい、これも維京国さんから今ご意見をいただきましたので、ちょっと請願者の方と相談をさせていただきたいと思いますので、今回は留保でお願いしたいと思います。
◆公明党(2)/私はもうこの請願についてはですね、これもう進めてもおりますとこでありますので、こちらについてはもう不採択でお願いしたいというふうに思います。
◆民主市民フォーラム(1)/はい聞かせていただきました。私もこれ、我が会派としてもこれちょっと不採択でお願いします。
◎井上委員長(自民)/それではご意見が分かれておりますので、まず留保か否かについて表決を取ります。まず本請願は本日結論を出さずに留保とし、継続して審査することに賛成の方は挙手願います(維京国4名、共産党3名が挙手)。多数であります。よって本請願は留保と致します。
2025年2月19日【文教はぐくみ委】教育委員会/請願審査「特別教室や体育館へのエアコンの設置等」
(更新日:2025年02月19日)