部活動・スポーツは、子どもたちを主人公に、科学的な視点で発展を(2025年2月19日/文教はぐくみ委・教育委員会・やまね)

◆やまね/よろしくお願いいたします。私からもいくつかお聞きしたいと思います。委員会資料の1ページ目のですね、「推進方針策定の背景」で述べられております「学校部活動の意義」についてなんですけれども、「生徒が興味関心に応じて自主的・自発的に活動する中で個性や能力を伸長し」と、この点はですね、私もその通りだと思っておりますし、で、一方で、ここで述べられているように、少子化によって「生徒の希望する競技や文化芸術活動ができる部活動が学校になかったり、少人数のために団体・種目等では実戦的な活動ができなくなったり」、あるいは「教員の長時間勤務の大きな要因」という課題があると、この問題意識も共有をするところです。

で、その上でまずですね、お聞きしたいのは、学校の部活動については、いわゆる「ブラック部活」という問題が指摘をされてきました。本来、ここにも書いていただいてるように、「自主的・自発的な活動」であるにも関わらず、「一度入ったら辞められない」とか、「理不尽な上下関係」とか、「暴力的な指導」であるとか、「勝利至上主義」「精神論・根性論」「非科学的なトレーニング」、それから「過度な練習」といったことが、社会的に問題になってきたわけであります。で、こうした問題は、私は教育現場やスポーツの現場からは一掃しなければならないと考えておりますが、まずこの点についてですね、今日は文化市民局からも出席いただいておりますので、教育委員会としてどう考えておられるか、それから文化市民局としてどう考えておられるか、聞かせていただきたいと思います。

(→加藤・体育健康教育室担当部長)はい、学校部活動についてでございます。本市におきましては、平成29年度「学校部活動のガイドライン」というものを定めております。子どもたちがやっぱり安全安心に活動できること、第一であるということで、おっしゃっていただいたような、活動時間、休業日の設定ですとか、事故防止の取組とか、指導者の体罰・ハラスメントの防止も含めて、定めておりまして、この間その順守に向けて進めてきておるところでございますし、そのガイドランに則った活動が現在は行われているというふうに認識をしております。

昨年8月に中学生に直接意見聴取をした場面があるんですけれども、子どもたちに聞いていると、ちょっと我々が経験してきたような部活動とはやっぱり違う姿が今あるんだなっていうふうに実感した部分があります。先輩とも仲良く楽しく、練習内容も自分たちで考えていくような、そういったものをガチと呼んで、楽しく活動しているというようなことの姿も見られました。部活のあり方というのは、徐々に変わってきており、現状としてはガイドラインに則った活動が行われているというふうに認識をしています。以上でございます。

(→山口・市民スポーツ振興室長)はい、まずスポーツ、もしくはその様々な文化芸術関係の答弁でございます。先ほども答弁させてもらいましたが、指導者に対しましては、例えば、研修を実施するなど、地域展開の受皿となるようにきちっと指導はしていきたいと思っております。そしてそれだけではなく、部活動の教育的意義の継承、これが少しこの辺がすごく大事になっております。適切な休養日であるとか、事故防止の取組、そしてハラスメントの禁止など、様々な事柄について順守をしていかなければならないというふうに我々も強い責任感というものを持っております。ですので、そういった指導、研修、支援検討、様々な分野で研修を重ねておりまして、レベルを向上させていきたいと、このように考えております。

◆やまね/はい、ありがとうございます。私もぜひそういう立場をですね、はっきりしていただいて進めていただきたいと思っておりますが、以下、別紙資料のですね、「京都市学校部活動及び地域クラブ活動推進方針(案)」に基づいていくつかお聞きしたいと思います。

で、この中で、紹介されているのがですね、「地域スポーツ団体向けアンケート調査結果」、10ページのところなんですけれども、ここにも「勝利至上主義にとらわれないこと」という意見があったことが書かれておりますし、それから「具体的な枠組み」として13ページのところでは「京都版地域クラブは部活動の教育的意義を継承する取組であり、勝つことのみを重視し、過重な練習を強いるような活動は行わない」ということも明確にされておりますので、この点は私非常に重要だと感じました。

で、その点でですね、今後大事になるのが、今も少し触れていただいたんですけども、指導者についてだと思うんですね。で、これもその18ページに書いてあるんですけども、「本市が目指す将来像及び具体的枠組の実現に向けた基本的な考え方や諸課題」のところに書かれているんですけれども、指導技術の担保や体罰・ハラスメントの根絶など、生徒への適切な指導を行えるよう指導者の要請に向けた仕組みづくり等を検討する」とあると。ここも非常に大切だと思います。これはぜひ取組のですね、根本的なところに位置づけていただきたいと思います。

で、私はですね、加えて、指導者が研修を受けたらいいということで終わらせずに、ぜひこの体罰やハラスメント根絶ということについて、生徒自身がですね、子どもたち自身が、そういった問題について知る、そして学ぶっていうことも大事だと思うんですけども、この点いかがでしょうか。

(→加藤・体育健康教育室担当部長)指導者の指導のあり方という部分についてでございます。おっしゃっていただきました通り、今後地域クラブの展開にあたりましては、そういった部分の質の担保ということにつきましては、十分努めてまいりたいと考えております。

子どもたちにつきましても、やはりこの間、特に印象を感じますのは、言われた練習をするということではなく、もう自分たちで活動していきたいというような思いというのが、とても印象にございまして、そういった子どもたちの姿を、指導者側もしっかりと受け止めて、どういった活動で子どもたちの力を伸ばしていくのかという、技術指導だけではなくって、子どもたちに寄り添いながら、育成をしていく、そのような役割も指導者にあるということも、しっかり検証の内容で踏まえていく必要があるというふうに考えております。以上でございます。

◆やまね/はい、それでですね、そのところに「生徒や保護者が不安や困りについて相談できる仕組みの必要性についても留意する」ということも書かれてあるんですけども、これはその何か、体罰とかハラスメントがあった際に、何か相談できるようなホットライン的なものを考えておられるということなんでしょうか。ちょっとこの部分説明いただけたらと思います。

(→加藤・体育健康教育室担当部長)はい、その点についてでございます。やはり教員と違う立場の者、地域クラブになりますと教員とは違う指導者になるという部分について、不安を持たれるのではないかというふうな思いはございますので、今おっしゃっていただきました通り、その困りを抱えた時にどこに相談をすればいいのかというようなことにつきまして、どういった窓口を設けるかまでは具体的には今後になるんですけれども、そういった子どもたちや保護者が困りを抱えた時に相談できる場というのの必要性については留意していく必要があるというふうに考えております。以上です。

◆やまね/そうすると、それは実施までのことだけではなくて、実施後もということになると思うんですよね。で、その点で色々今先ほどからも議論で、色々アンケートこれからもやっていきたいっていうお話あったんですけれども、実施後も生徒の皆さんに対してアンケート、声を聞いていくということはされるのかどうか、この点いかがでしょうか。

(→加藤・体育健康教育室担当部長)はい、実施後にどのように子どもたちの意見を聞いていくかということです。直接的なアンケートによる方式かどうかまではちょっと今なかなかお答えしにくいんですけれども、実施していく中でやはり課題が見えてきたりとか、ブラッシュアップしないといけない場面もあろうかと思いますので、何らかの形で子どもたち、また、保護者、また、地域クラブ側の意見もいただけるというか、把握できるような、必要性はあるかというふうに思っております。以上です。

◆やまね/はい、非常に大きな取組になると思いますので、これは実施までだけではなくて、ぜひ実施後もですね、子どもたち、それから保護者の方々、スポーツ団体の皆さんも含めて、実施後においてもしっかりと声を聞きながらやっていただくことが必要でないかなと思います。

それで、指導者の問題に関わってですね、「大学等との連携」ということについても触れられてるんですけれども、これまでの取組としては、別紙のこれ6ページに「実践研究事業」ということで「教員の補助として大学から指導者を派遣してもらう取組」ということで、これ「学校管理内」の話ですけれども、こういう取組を行ってきたという理解でよろしいんでしょうか。で、具体的には大阪成蹊大学の名前がありますけれども、それ以外の大学とは何か連携した取組がないのかどうか、この点いかがでしょう。

(→加藤・体育健康教育室担当部長)大学生との連携ということでございます。実証研究事業としては今おっしゃっていただきましたように、びわこ成蹊大学等との連携ということでございますが、この間、部活動指導員としましては、学生の方にもたくさんご参加をいただいております。それは個々の繋がりであったり先輩から後輩への繋がりというような形で、実際上、学生の方にもたくさんご参加いただいてるところです。また、今後の新たな展開に向けては、いま京都の大学にも順次ご相談のために訪問を続けておりまして、人材バンクのようなもので、学生の方に競技を得意とするような、部活を得意とするような学生の方への参画というものをご相談にあがっております。

大学のほうからもその点については協力しますというようなお声も多数いただいてるところでございまして、今後地域クラブ展開にあたっての指導者確保の面という点でも、京都の若い学生の力というのは十分に活躍を期待したいなというふうに思ってるところです。以上でございます。

◆やまね/えっとすいません先ほど、びわこ成蹊大学と言われたんですけど、資料には大阪成蹊大学と書いてあるんですが、大阪成蹊大学以外の大学とは、今これまでの取組の中ではそうした事業というのはまだ行われてこなかったという理解でよかったでしょうか。

(→加藤・体育健康教育室担当部長)大変失礼いたしました。実践研究事業として大学主体と言いますか、大学という組織と連携しながらというのは、その大学についてだけでございます。

◆やまね/分かりました。それで「大学等との連携」のところで先ほどもおっしゃっていただいたんですけれども、この指導者派遣とか指導者人材バンクへの登録のお話ですね。で、私はこの、要は人をスタッフを派遣してもらうということにとどまらずに、やはり学術研究機関としてのぜひ力も発揮してもらう、そういう専門性を発揮してもらうということも非常に重要ではないかと思っておりまして。

で、例えば、私、龍谷大学の出身なんですが、龍谷大学の中にはスポーツサイエンスコースというのがあるんですね。で、実は先日、そのスポーツサイエンスコースが30周年を迎えまして、記念シンポジウムも開かれて私ちょっと参加をしてきたんですけれども、大変印象深かったのは、その30年前にスポーツサイエンスコースを立ち上げられた、深く関わっておられた先生方のお話なんですね。ちょっとだけ紹介しますと、その時に「根源にあったのはスポーツとは何かという思いである」と。「当時のスポーツのあり方に対する疑問があった」と。「それは非科学・反科学への対抗」で、『スポーツ科学などと言ってるから勝てないんだ』と言われることもあったそうなんですね。そこで「大学でなければできないスポーツ界への挑戦・貢献とは何かを考えて、それは科学性と合理性の追求、これに尽きるんだ」というお話をされていました。もう30年も40年も前になりますと「水を飲んだら動けなくなる」とかですね、そういう間違った知識があふれていた時代に、やっぱりスポーツを科学で捉えなければならないという、そんな思いで全国に先駆けてですね、そういうコースを立ち上げられて実践されてきた研究者の方が、この京都におられるわけですよね。で、私はその点で体罰やハラスメントの根絶っていうことはもちろん重要ですし、で、それにとどまらずに、科学的な、例えば栄養の取り方であるとか、休養の取り方であるとか、それから「子どもの権利条約」でどういう権利が保障されているのかとかですね、こうした点を指導者やあるいは子どもたちや保護者の皆さんが、しっかり学ぶ機会を作っていく、そうしてこそこの京都市の特性というんでしょうか、大学のまち京都の特性を生かした、部活動の、スポーツの健全な発展につながっていくんじゃないかと思っております。で、そういう角度から、スポーツの科学といった分野で、大学のぜひお力を借りすると、こういうことが重要じゃないかと思ってるんですが、この点いかがでしょうか。

(→加藤・体育健康教育室担当部長)はい、現在の有り方検討会議の座長、おっしゃっていた龍谷大学の教授にお務めいただいております。今後も引き続き、そういった観点からのご助言もいただくこともできようかと思います。例えば、研修、指導者の研修にあたってはご指摘いただいたような知見も踏まえて、研修を行っていくというようなことも含めて、引き続き大学の先生方、との連携、大学の組織としての連携も生かしてまいりたいと考えております。以上でございます。

◆やまね/はい、ぜひ指導者の皆さんの研修、そういうところも生かしていただきたいんですが、やはり保護者や子どもたちとも一緒にね、そういうところを学ぶっていうことが大事だと思うんですけど、その点についてもう一度ご見解お願いします。

(→加藤・体育健康教育室担当部長)はい、まずやっぱり子どもたちが、安全、安心に活動するとともに、子どもたちが健康に活動できるような環境というのが本当に大事かと思っております。子どもたちに対して、保護者に対しても、そういった点の大切さというのは訴える必要はあるかと思っております。以上です。

◆やまね/はい、で、この資料の12ページで「本市が目指す将来像」として示されておりますけれども、子どもたちが「様々なスポーツ、文化芸術活動等の中から複数の活動を経験できるような環境整備」ということもありまして、これも私非常に大事だなと思ってます。やはり一度決めたらその種目だけをずっと続けないといけないということではなくって、様々なスポーツや文化芸術活動に触れるというのも本当に大切なことだと思いますし、冒頭述べたように、ブラック部活のようなものは根絶をしていって、で、やっぱり子どもたちが主人公になるような、そして保護者負担も増やさないような形でですね、ぜひ考えていっていただきたいなと思います。終わります。

2025年2月19日【文教はぐくみ委】教育委員会/理事者報告「京都市学校部活動及び地域クラブ活動推進方針(案)並びに市民意見の募集について」

(更新日:2025年02月19日)