陳情審査:ウィングス京都の今後をめぐる議論の情報公開を(2025年2月19日/文教はぐくみ委・文化市民局・やまね)

*京都市の説明

(→工藤・共生社会推進室長)陳情の要旨でございます。本件はウィングス京都の今後の方針を多くの市民の理解と同意を得たものにするため、サウンディング型市場調査以降、京都市が民間事業者と協議してきた内容を公開し、市民に諮ることを求められているものでございます。

男女共同参画センター・ウィングス京都は、本市の男女共同参画を推進する拠点として、多くの市民の皆様にご利用いただいており、これまでから男女共同画社会を推進する上で重要な役割を果たしてまいりました。

一方、平成6年の設置から約30年が経過する中、社会構造や市民ニーズの変化に的確に対応するとともに、多様な方々が集い交流を深め、より多くの人々に親しんでいただけるよう、さらなる魅力向上に取り組んでいく必要がございます。施設の魅力向上に向けては、民間事業者の自由な発想やノウハウを積極的に取り入れるとともに、男女共同参画センターの持つ優れた機能を維持しつつ、中央青少年活動センターとのさらなる連携と、より効率的・効果的な運営に向け、レイアウトの見直しを行ってまいりたいと考えております。

なお、サウンディング型市場調査以降、民間事業者と協議した内容につきましては、昨年12月25日の常任委員会でもご説明した通り、企業の経営戦略や独自のノウハウなどが含まれており、企業のプライバシー、機密の保持という観点から、内容を公開することはできません。ご説明は以上でございます。

*議員の質疑

◆江村委員(維京国)よろしくお願いいたします。すいませんちょっと簡単に2点質問させていただきたいと思います。今回ウィングス京都のほうが、30年運営されてきたという中で、少しこのレイアウトも含めて、見直していこうという方向性が示されているわけですけれども、その中で、ウィングス京都という建物の活用と、あと文化市民局さんのほうで推進してこられた男女共同参画の取組というのは、必ずしもこのウィングス京都さんだけで実現していこうとされているものではなく、男女共同参画というそのプロジェクトは、それはそれで進めていこうと、別物として捉えて問題ないでしょうか。

(→工藤・共生社会推進室長)はい、ウィングス京都につきましては、男女共同参画を推進する上での中核施設ということになっております。で、もちろん京都市全体としましては、ウィングス京都において全てそれを担うというわけではなく、様々な民間事業者であったり、各種の事業団体、それらも含めまして全体で男女共同参画を推進していくという意味では、全体通じた上で、それを推進していくという位置づけと考えております。

◆江村委員(維京国)はい、分かりました。で、先日の委員会報告の際にも、このウィングス京都に関しては、女性の利用者が多いと、で、今後のそのリニューアルの方向性としても、一定こう女性ということを視野に入れるような内容が報告の資料にも書かれていたわけですけれども、男女共同参画の取組自体はこう充実させていこうと、文化市民局さんとしては考えておられるのか、この辺りはいかがでしょうか。

(→工藤・共生社会推進室長)はい、男女共同参画の推進という点で、この間やはり女性の活躍に焦点を当てた取組もかなりやってきたわけでございますけども、その中でやはりウィングス京都でも設けております男性の相談、近頃はですね、男性もDVを受けるような男性であったり、DVを行うことで悩みを抱えておられる男性等もたくさん相談としていらっしゃる状況でございます。そういう点では、女性に特化というよりも、男女が共に相談に応じられるような、そしてそれぞれが共に共生し合って活躍できる、そういったものを目指していきたいというふうに考えております。

◆江村委員(維京国)はい、ありがとうございます。で、ウィングス京都に限らず、男女共同参画の取組は充実していくという認識でいいのか、すいませんもう一度ご説明お願いします。

(→工藤・共生社会推進室長)はい、議員ご指摘の、そういう認識でございます。

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◆やまね副委員長(共産)よろしくお願いいたします。私から改めていくつかお聞きしたいと思っているんですけど。まず陳情者の方が求めておられる結論部分と言いますか、「ウィングス京都の今後の方針を、多くの市民の理解と同意を得たものにするため」と述べられておりまして。で、これですね、現在京都市がやろうとしていることを全否定するとか、とにかく反対ということではなくてですね、「市民の理解と同意を得るためには何が必要か」という角度からの提案だと私は受け止めました。で、その前段ではですね、「議論の内容やプロセスを絶えず公開して市民と専門家の声を聞くことが重要」と指摘されてるわけですけども。改めてこのことをどう受け止めておられるか、お聞かせいただけますでしょうか。

(→工藤・共生社会推進室長)はい、陳情者のご指摘もごもっともなことかと思っております。いろんな議論の中身、議論を行うこと、合わせて議論の中身を公開すること、で、そして、その中身を精査していくこと、ということにつきましては、この間、陳情者の意見にもございます通り、男女審議会であるとか、関係の理事者で、利用者団体関係者、そのような方々ともですね、情報提供をさせていただきまして、女性団体からもですね、ご意見を伺いながらですね、あと、地域にいらっしゃる住民の皆様、こちら代表者ということになりますけども、そういった形でご意見も伺っておりますし、合わせて昨年行いました市民意識調査、施設内での利用者アンケート、そういったことを通じてですね、色々ご意見を伺っている状況でございます。

また、男女審議会の皆様にも、既に情報はお伝えしておりますが、今後、次回行われる予定の審議会におきましても、そういったウィングスのあり方の状況、検討状況をお伝えしまして、議論を進めていきたいというふうに考えております。

◆やまね副委員長(共産)今おっしゃっていただいたように、声を聞いて、そして審議をして、というのは非常に大事なところだと思うんですけれども、で、これはやはり市長のプライベートな案件とかそういうものではなくって、公共施設、市民の財産のあり方を巡る議論ですので、冒頭の説明でですね、情報公開については、企業の経営戦略、独自のノウハウ、プライバシー、機密のところから「公開できない」というようなお話もありましたけれども、私はやはり本来なら当然市民に公開をして幅広くご意見をいただくべきものではないかなと思うんですけれども、企業の秘密ということをタテにして公共施設のあり方についての議論が非公開になるということでいいのか、この点についてご認識いかがでしょうか。

(→工藤・共生社会推進室長)はい、まずですね、サウンディング調査につきましては、令和4年度実施したところから始まるわけなんですけども、そちらの結果概要につきましては、すでに市のホームページでも公表させていただいておりますが、先月の委員会報告の中におきましても、飲食スペースであるとか、物販、レンタルオフィス、コワーキングスペースなどの内容を中心に、サウンディングを行ったということでご報告はしておりますけども、基本的にはその延長上の中でのやり取りをしているということでございます。

で、ただ、やはり議論の具体っていうことになりますと、やはり企業の中での運営方針であるとか、経費的な面であるとか、やはりノウハウということが関わってまいりますので、こちらにつきましてはやはり公開することは不適切であるというふうに考えております。

◆やまね副委員長(共産)はい、それで12月の委員会の前日には、先ほどもありましたように、男女共同参画審議会が開かれてまして、そこではただ審議会の皆さんのご意見は聞かれてなくて、委員会の後ですね、資料を送って1月24日を締切にして意見を伺ってるというなお話もあったかと思いますが、先ほど「これから審議会で報告して議論もされる」ということだと思うんですけども、この1月24日締切で意見を伺ってるということだったんですけど、現状、審議会の皆さんからどのような意見が届いてるかってのは教えていただけますでしょうか。

(→工藤・共生社会推進室長)はい、審議会委員の皆様からのご意見ですけども、今のところ3名の委員の方から回答いただいております。ちょっと、概略に、詳細を今回の委員会でご報告することに関するちょっと同意は得ておりませんので、概略ということにはなりますけども、「男女共同参画の看板があることによって、なかなかちょっと敷居が高く感じてしまう」、で、その他、これちょっとそれに関連する意見として他から、他からというか、この間も言われてるのが「なかなか視認性が低くて入りにくいね」っていうようなお話もお伺いするようなこともございます。で、やはりあと「広報機能」ですね、なかなか知られてないというところにつきましては、「やはりもう少し広報機能を充実したほうがいいのではないか」っていうような反応もございます。で、もちろん「ウィングスが持つ男女共同参画機能」の、ま、あの、何て言うんですかね、それが、ま、「後退になることがないようにしてほしい」というようなご意見をいただいております。

◆やまね副委員長(共産)いま概略というところお答えいただいたんですけど、この頂いたご意見というのは、男女共同参画審議会の、これから開かれる中ではきちっと資料のような形でまとめられるんでしょうか。

(→工藤・共生社会推進室長)はい、委員会の、今回ご意見いただいた3名の皆様に一度了解えた上で、議論させていただけるのであれば、載せていきたいというふうに思ってます。

◆やまね副委員長(共産)分かりました。それから、女性団体の皆さんにもお声を聞いてるかなと思うんですけど、これは何団体ほど意見を聞かれてるのか、それからすでにもうそれ終わってるのか、あるいは今年度中とか来年度以降とかも、聞いていこうと思っておられるのか、この点いかがですか。

(→工藤・共生社会推進室長)はい、女性関係の団体の意見聴取でございます。何個かありまして、女性の支援を行われる団体も含めますと20団体以上、はい、情報提供をさせていただいております。

◆やまね副委員長(共産)えっと20団体ほど情報提供はして、全て20団体さんからヒアリングなどをされてるということなんでしょうか。

(→工藤・共生社会推進室長)はい、一部ご意見をお伺いしてるところもありますし、情報提供後、もしよろしければご意見を頂戴したいということでお伝えしておりますけども、特段返答がないところもございます。

◆やまね副委員長(共産)そうすると、ご意見実際にあったのは何団体ほどなんでしょうか。

(→工藤・共生社会推進室長)はい、あの1団体でございます。

◆やまね副委員長(共産)それからですね、以前の議論で、私は大学とか大学教員とかですね、学生さんにもぜひ意見を伺って欲しいということで、これは要望しておきましたので、これも重ねて求めておきたいと思います。

それから一方ですね、12月の委員会資料では、「サウンディング型市場調査後の検討状況」ということで、「引き続き事業者と意見を交わしながら検証を継続」と、いうふうにあったんですけれども、「意見を交わしながら」の後に「検証を継続」というふうにあるんですけれども、これは何か継続的に独自の調査を何か行ったりとかっていうことなんでしょうか。ちょっとこの辺りもう少し詳しく教えていただけますか。

(→工藤・共生社会推進室長)はい、独自にということではないんですけども、色々提案なり、ご意見がある中でですね、そういったものがですね、やはり実現可能なものなのであるか、そういったことはですね、検証は継続していく必要がございますし、そういった意味での検証ということで、説明をさせていただいております。

◆やまね副委員長(共産)はい、それで、サウンディング型市場調査以降、そういう意見交換というか、それは継続されているということなんですけれども、それはそのどのくらいの頻度で、事業者の方と意見交換を行ってるのか。で、この意見交換を行った日時について資料提出というのはいただけるでしょうか。

(→工藤・共生社会推進室長)あのちょっと協議を行ってる事業者からのちょっとご意見もお伺い必要、お伺いする必要があるかと思いますので、少しちょっと保留をさせていただければと思います。

◆やまね副委員長(共産)分かりました。企業の名前とか、もうそら別に何もいいです、業種も結構です、京都市が事業者と意見交換をした日時だけで結構ですので、ぜひこれは資料提出をいただきたいと思いますがいかがでしょう。

(→工藤・共生社会推進室長)はい、ま、その点も含めまして、少し事業者に確認した上で、提出を考えさせていただきたいと思います。

◆やまね副委員長(共産)はい、後ほどお諮りいただきたいと思います。

それでこれまでですね、公の情報として明らかにされてるのは、サウンディング型市場調査で提案されていた事業者がですね、「不動産業者3者、コンサルタント業1者、サービス業1者、建設業1者」の、計6社であると。で、提案された内容というのは、「事務所、社会福祉施設、飲食、物販等」の提案があったということであります。で、12月の委員会答弁ではですね、「サウンディング型市場調査の募集要綱に『調査後も引き続き対話を続ける』という内容が盛り込まれているので」という話と、ただ「事業者との対話、複数社としているけれども、業種までは言えない」ということでありました。

それではその意見を交わしてる内容についてなんですけど、少し先ほど触れていただいたんですけれども、これはサウンディング型市場調査で提案のあった事務所とか社会福祉施設とか飲食とか物販等についての、そういう実現可能性なんかを議論してるというお話なのか、サウンディング型市場調査の時にはなかったような提案というかお話についても何か議論されてることはあるのか、この点はいかがでしょう。

(→工藤・共生社会推進室長)はい、今議員からご紹介いただきました、サウンディング型調査の際にですね、事業者から提案いただいた、飲食であるとか、レンタルオフィス、コワーキング、色々あったわけですけども、サウンディング型の時には、大枠でそういう提案があったということなので、それに関連する内容としてどういうものが考えられるのかっていうようなところを、もう少し聞き取りを行ったというところでございます。

◆やまね副委員長(共産)はい、それでこの12月の委員会の時の資料にはですね、「令和7年度中に民間事業者をプロポーザル方式により公募・選定」というふうにあるわけですけれども、これ陳情者の方がですね、指摘されてるのが、「サウンディング型市場調査以降、市と協議してきた民間事業者がプロポーザル参加するのであれば、その競合に公平性は担保されるのだろうか」ということが言われています。で、そこで確認をしたいんですけども、今後行うとされているプロポーザルには、現在京都市と非公開で協議をしている事業者も参加できるんでしょうか。いかがでしょうか。

(→工藤・共生社会推進室長)はい、協議を行っている事業者のプロポーザル参加につきましては、可能であるというふうに考えております。

◆やまね副委員長(共産)可能であると。で、つまり不動産業、コンサルタント業、サービス業、建設業のどこかの複数社が、現状では京都市と非公開で協議を続けていると。で、その状況からすすれば、京都市と非公開で協議している民間事業者にしか知り得ない情報があってもおかしくないというふうに思います。で、そういう中でプロポーザルに参加するというのは、私は極めて不透明であり、不公平ではないかと。もし事業者が選ばれた際には、完全に出来レースで行われる可能性もあるのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

(→工藤・共生社会推進室長)はい、ま、そういった懸念をおっしゃるところも分からなくはございませんけども、サウンディング型調査の提案内容であるとかですね、民間事業者との意見交換につきましては、今後のプロポの要綱を作る中でのもちろん参考にはさしていただくわけではございますけども、提案内容をそのままプロポの要綱に落とし込むわけではございません。また、サウンディング調査への関わりを持ちましてですね、評価対象とすることも一切ございません。その点につきましては、募集要綱、サウンディング調査の募集要綱にもしっかり明記をさせていただいております。

で、今後つきましては、募集要綱を作成していく中でですね、当然固有の事業者に限定されるような内容で募集することはございませんので、一部の事業者に有利に働くというようなことはないものと考えております。

◆やまね副委員長(共産)まあ一部の事業者に有利に働くことはないということなんですけれども、「懸念も分からなくはない」ということも最初におっしゃられてですね、私はこれ陳情者が求めておられるように、やはりこれまでの議論の内容やプロセスを公開しない限りは、どんなに京都市の側は大丈夫ですと言ってもですね、疑いの目で見られても仕方ないのではないかというふうに思っております。やはりそういう議論の仕方をしてると言わざ得ない。

で、女性支援、DV支援、あるいはジェンダー平等推進、極めて公共性あるいは専門性の高い重要な公共施設でありまして、この施設のあり方を議論している時に、事業者の利益とかノウハウとかですね、こういうことを理由に情報公開を拒否するということは、公共施設の議論の仕方として間違ってるのではないかと、この点を指摘しておきたいと思いますし、何もやましいことがないのであれば、その議論をぜひ全てオープンにしていただきたいと、改めて求めて終わります。以上です。

◎井上委員長(自民)はい、ただいまやまね副委員長から要求のありました「サウンディング調査以降の事業者との意見交換の日時の資料」については、理事者提出できますか。

(→工藤・共生社会推進室長)はい、事業者に確認の上、同意が得られるようであれば提出させていただきます。

◎井上委員長(自民)はい、提出できるということですので、委員会資料として提出を求めることにご異議ありませんか(異議なしの声)、はい、ご異議がありませんので委員会資料として提出を求めることに決定いたします。理事者におかれましては、なるべく早く提出していただきますようによろしくお願いいたします。他にございませんか。はい、なければ本件は陳情ですのでこの程度にとどめます。

2025年2月19日【文教はぐくみ委】文化市民局/陳情審査「ウィングス京都の今後の方針に係る協議内容の公開」

(更新日:2025年02月19日)