京都市立芸大の「施設」は学生・教職員が最優先で(2024年12月4日/文教はぐくみ委・文化市民局・やまね)

◆やまね/私からもいくつかお話を聞きたい。我々の議員団要求資料で「料金設定の根拠」について示していただいた。今お話があったように「実費として必要なもの」であると。「受付等の事務に要する人員」「当日の対応人員」「照明や音響等の舞台設備を操作する人員」「建物管理業務にかかる経費」「舞台設備の点検費用」「清掃を行う際の経費」などとあるが、ちょっと確認しておきたいが、市立芸大ではこういういわゆる技術スタッフの方々というのは、常駐してるわけではなくて、毎回稼働するたびにスポット的に契約をするというか人件費がかかってしまう、そういう仕組みになっているということなのか。例えば正規職員として雇われていたり、定期的に行ってる点検作業なんかであれば、毎回毎回費用がかかるわけではないんじゃないかなと思ったが。この点はいかがか。

(→吉岡・京都芸大文化連携推進部長)施設の使用にあたって、そこに従事する人員の体制について。現状で大学のほうで主催・共催事業等でこういった施設を使う場合には、こういった施設の機械の操作に熟知したスタッフが専属でついていただいており、そのホール等の利用時にはその専属の方が従事していただいているという状況。常駐と言うか、そこに従事していただく方は、大学のほうでこの方にというような指定はあるが、常にそのホールとか施設の機械操作の運用に従事、それだけ専属しているという方ではないので、今後その外部への施設の利用が増えてきたら、そこに関しては新たにコストがかかってくるというふうに考えている。

◆やまね/つまり専属でそういう方がおられるということだが、それは大学の職員なのか。それともイベントごとに外から呼んでこられてるのか。いかがか。

(→吉岡・京都芸大文化連携推進部長)大学の職員ということでも通常は従事していただいており、その通常の従事が、施設の利用にあたってのこういった操作への対応だけをやっておられる方ではなく、他の大学業務にも従事されている方が、ホール利用の際にはこういった機械への対応ということをしていただいてるというもの。

◆やまね/大学のそしたら職員さんであるということですよね。そうすると、大学の関係者が使う際には、何か新たな費用が発生してるわけではないと思ったがいかがか。

(→吉岡・京都芸大文化連携推進部長)現時点では、大学の教育・研究活動の範囲で施設を大学の利用として使っているので、そこは大学の通常業務に従事していただいているという認識で、大学業務の範囲でかかってくるコストということは対応しているという状況。

◆やまね/分かりました。それからこの料金を実際に徴収する場合には、その収入というのは大学に入るのか、京都市に入るのか、これはどちらなのか。

(→吉岡・京都芸大文化連携推進部長)大学のほうに収入は入る。そして実費でかかる分ということなので、それは大学の収益にはならずに実費にかかった分を対応するお金ということになる。

◆やまね/それから、先ほど非常に大事な議論だなと思ったが、「大学の教育・研究活動に支障が出ない範囲において大学施設を貸し出す」ということと、それから合わせておっしゃったのが、「文化芸術に資する事業に貸し出す」ということだったので、貸出の際の考え方としては、単に施設が空いてるから貸すということではなくて、市立芸術大学の教育・研究活動に資するものが対象となると思ったが、大学の教育環境とは全く関係のないとにかく収益性を求めるようなイベントは対象にはならないということで確認していいか。

(→吉岡・京都芸大文化連携推進部長)貸出対象については委員ご指摘の通り、大学の研究に寄与する活動、またはそれらに準じる活動ということで、大学の教育研究と関連性のない活動、そういった事業には対象外ということで考えている。

◆やまね/はい分かりました。それから今回貸出を想定されてる施設だが、堀場新吉記念ホール、それから笠原記念アンサンブルホール、多目的ギャラリー、そして講義室ということで示されているが、現状の使用率はどのような感じなのか教えていただけるか。

(→吉岡・京都芸大文化連携推進部長)現状の使用率について。現在は大学の授業や大学の主催・共催事業などで施設を利用している。堀場新吉ホール、これは令和6年2月以降の状況だが、約6割の使用率、笠原記念アンサンブルホールは約8割、多目的ギャラリーは約9割、講義室は一番大きい講義室だが約7割の利用率となっている。

◆やまね/分かりました。多目的ギャラリーは約9割、それからアンサンブルホールは約8割ということなので、現状でもかなり使用されている、埋まってる印象だが、そうすると、実際に貸出を行う際には、だいたい何日前・何週間・何ヶ月前から予約を受け付けることを想定されてるのか。例えばホールなんか使うような大規模なイベントになると、結構前から抑えておかないとなかなか難しいと思うが、だいたいどの程度前から予約を受け付けることになるのか。

(→吉岡・京都芸大文化連携推進部長)予約とか申し込みに際しての細かいルールについては、今後また大学のほうで詳細を決めていくということになっている。ご指摘の通り、ホールの利用にあたっては、前もっての準備が必要となっているので、そういったことに支障がないような形で申し込み期限とか、そういった運用ルールを今後大学で考えてまいりたいと考えている。

◆やまね/ちょっと難しいところがあると思う。先ほどもあったように、これも非常に大事なところだと思うが、やはりあくまでも「教育・研究活動の機関」なので、学生さん教職員の方がやっぱり最優先で使われなければおかしいと思う。で、その際、現状も実際にかなり使用率というか稼働率では埋まってる施設で、しかも大きなイベントの際には結構前から予約・予定しないとなかなか企画を立てにくいというのもある。しかしそうなると、何週間とか何ヶ月前からそこが抑えられてしまうと、学生さんや教職員のみなさんが、例えば、「全体練習をやっぱり緊急にやらないといけないかな」となった時に埋まってしまってるということにもなりかねない。そういう状況が生まれてしまわないか危惧するが、その点のご認識はいかがか。

(→吉岡・京都芸大文化連携推進部長)まずは大学の教育・研究活動に支障がない範囲でということで貸し出すということなので、その支障が出るような状況にはならないように、そこは十分配慮してまいりたいと思う。外部への貸出を開始するにあたって、一定大学のほうにも外部利用の状況については共有をさせていただきながら教育・研究活動に支障がない状況を確認しながら進めていくというふうに考えている。

◆やまね/「支障がない範囲で十分配慮して」ということなので、そこは大事なところだと思う。イベントが先に決まってしまって学生さんたちが教職員の方が色々使えなくなるということがないように、そこは配慮が必要だと思う。

これも要求資料の中で頂いてるが、その他の施設の具体例として先ほどもお話あったが、堀場新吉記念ホール使用時に楽屋として使用する練習室とか合奏室などが想定されるということだが、今回、施設の中では屋上グラウンドについては名前は出てきていないが、今回対象にここもなっているのか、それとも先ほど「特に施設の対象は限定してない」という話もあったが、ここに出てないということはあえて貸し出すことを想定してないのか、学生さんたちが使っているということでかなり稼働状況が埋まってる状況があるのかどうか、ちょっと教えていただきたい。

それから屋上グラウンドについては、以前お聞きしたところで、地域住民の皆さんが運動会などで使われている場合もあるということだが、そうした使用というのは今後も継続されるのか、その場合は利用料金など徴収しないということなのか、この点教えていただけるか。

(→吉岡・京都芸大文化連携推進部長)グラウンドの外部への利用にあたっての考え方。グラウンドについては、日常的に大学や、またお隣の美術工芸高校の使用に加え、大学の部活動でも使用していただいているという状況。まずはそういった現在の学内での利用ということが優先になってくるので、現時点でかなりの利用率だし、そして合わせて、大学としてセキュリティ対策の観点からも、グラウンドをお貸しすることについては、ちょっと現時点ではなかなか難しいのかなと考えている。大学の利用状況を見ながらということで、大学のほうで最終的に対象にするかどうかは考えてまいりたいと考えている。

そして地元の方々がグラウンドを利用頂いているということについて、今後の利用についての考え方だが、大学の移転前から元崇仁小学校のグラウンドを利用されていた地域の活動については、その跡地活用により芸大を整備したこれまでの経過を踏まえ、移転後も地域の自主的な活動が継続できるように、大学においてグラウンドの利用をしていただいている状況。大学の「第3期中期計画」にも「地域連携の推進に資する」というような項目もあり、現在その地元の地域、使っていただいてることは「地域連携」ということで、大学と共に使用されている利用ということになるので、今回規定を整備する外部への貸出とは別に、引き続き地元とは大学の事業という位置付けで無償で使っていただくということで考えている。

◆やまね/はい分かりました。先日「ようやく食堂も始まる」というニュースがあってちょっとほっとしているが、ただ購買部とか屋外グラウンドはやはり今も未設置のままなので、我々としては引き続き、学生ファーストでぜひ教学環境を充実していただきたいと最後に求めておく。

2024年12月4日【文教はぐくみ委】文化市民局/議案審査「公立大学法人京都市立芸術大学が徴収する料金の上限の変更の認可について」

(更新日:2024年12月04日)