「大学生」の文字が一つもない「はぐくみプラン(案)」でいいの?(2024年11月18日/文教はぐくみ委・子ども若者はぐくみ局・やまね)

◆やまね先ほどの議論の中で、今回のパブコメ後に「改めて結果報告などの委員会報告は考えていない」とのことだったが、ただ、市の子育て施策の基本になるものだと思うので、私はやはりパブコメ結果についてはきちっとまとめて、もう一度この委員会でしっかり議論をする必要があるのではないかと思ったが、まずこの点いかがか。

(→福元・子ども若者未来部長)パブコメ結果については、ちょっと他のプランの事例も踏まえながら、検討させていただいた結果、プランについては審議会のほうで議論させていただいて、改めてのプランの報告、委員会での報告は考えておらず、各委員にご報告のほうさせていただきたいと考えている。

◆やまねちょっとそれは私、議会軽視ではないかなと思うんですよやっぱり。市民のみなさんの声をいただいて、そして我々もそれを受けて改めて勉強になったり感じることがあるかもしれないし、改めて市民のみなさんの声を受けていろんな提案だったり思いが出てくるかもしれない。そういう議論をしないということそのものが、本当に、我々市民のみなさんから投票で選んでいただいてここに来てるわけで、そういうことでいいのかと率直に申し上げておきたい。

それからもう一つ、先ほどの議論の中で、「保育所の必要量の増は見込めない」という話があった。それでちょっと確認しておきたいが、例えば私の地元の伏見区では今、伏見工業高校の跡地に大規模な住宅開発の計画がある。地元ではやはり「保育所や学童保育が新たに必要なんじゃないか」という声もある。他にも伏見区だけじゃなくて、京都市内各地で人口増を目指していろんな施策展開されてると思う。新たにマンションができるところなんかがあれば当然子どもたちは増えていくわけで、必要な地域には今後も保育所や学童保育、あるいは児童館などを設置していくという姿勢は持っておられるのかどうか。ちょっとこの点を確認させていただきたくて。先ほどの話では「もう増やしません」というような感じに聞こえたが、それではちょっと子育て世代の方は安心できないんじゃないかと思ったがいかがか。

(→金井塚・幼保総合支援室長)先ほど申し上げた次期計画における就学前児童数の減少っていうものに対して、いま現時点では必要量見込んでないということ。保育所の必要量についてはご存じのように地域が35の市内の提供区域の中で、1つずつ需要量、需要と供給を考えるという仕組み。そこで不足する場合は隣接する提供区域、あるいは今は隣接する行政区等から想定した供給量を見込んでいるというような状況。今議員ご指摘いただいた伏工跡地のところとか、その他にも本市の住宅施策、あるいは人口戦略の中で、そういった誘致等も含めて進めてるところは我々も承知しており、もしご指摘のような事態というか、供給量が不足するというようなことが見込まれる状況であれば、次期計画中においても、これまでからもそうだったように、中間の時期に見直しも行っており、そこにまた改めて計画には反映させる形で取組を進めていくというような形になる。

◆やまね/新たにつくるということを完全に否定してるわけではないと私は今受け止めたが、やはり必要な地域には引き続き、現状にかみ合った形で、ニーズにかみ合った形で、やはり保育所や学童保育、児童館はぜひ設置していただきたいと求めておきたい。

資料のp3に「全庁横断的に子ども若者や子育て当事者を支えていきます」とあるが、だとすれば今回のプラン策定の内容というのは、子ども若者はぐくみ局が直接所管していない施策も含まれると、こういう理解でよかったか。

(→福元・子ども若者未来部長) はい、ご指摘の通り、子ども若者はぐくみ局だけではプランの施策できない部分もある。例えば住宅であるとか公園であるとか、掲げさせていただいてる通り、全庁横断的なものとしてやっていきたいと考えている。

◆やまね/子ども若者はぐくみ局だけではなかなか答えられないお話もあるかなと思うが、例えば「大学生の支援」ということを考えた場合に「奨学金」とか、それからこの間行われてきた「大学による学生支援」の施策、京都市やってこられた。テキスト代の補助とか家賃補助とか、こういうものやってる大学を支援するということを京都市やってこられた。こういうものは直接には総合企画局が所管をしておられる。それから就職支援、ブラックバイト対策、それから京都府の就労・奨学金返済一体型支援事業、こういうものは産業観光局が所管をされてる。なので子ども若者はぐくみ局だけでは詳しく答えられない問題もあるし、そういうもとで全庁的に横断的に今回のプランが策定されていくということであれば、今回の、今日の委員会も、私はやはり総合企画局であったり産業観光局であったり、あるいは保健福祉局とか都市計画局とか、他の施策で関係する部局の方も当然来ていただいて答弁していただくということが必要ではないかなと思うが、今回なぜそういうふうにされなかったのか。

(→福元・子ども若者未来部長)今回については全体の子ども若者施策というところで関連はしてくるが、考え方とか、子ども真ん中社会というふうな所管として代表して、うちのほうで対応させていただいているというふうな認識。また、今日お伺いした内容については、関係局のほうにも伝えていくし、まず関係局のほうに子ども真ん中社会というふうな認識、子どもの意見を聞くっていうのも最近、去年、国のほうで出されたばっかりなんで、この子ども真ん中、子どもの意見を聞いていく、そういうふうな情勢、雰囲気の情勢については、関係局に伝えて、それを発信していくのが私らの役目というふうに考えている。

◆やまね/「関係局には伝える」ということだが、パブコメ後、議論はもう委員会報告でしないということだから、それもう完全に一方的な話にしかならないですよね。なので「考え方ということで代表して子ども若者はぐくみ局がやる」ということだが、やっぱり私はそれでは漠然とした話にしか、なかなか深めることができないんじゃないかなと思った。全庁横断的に取り組んでおられるということなので、本来なら総合企画局や産業観光局や都市計画局とか保健福祉局も含めて、ぜひ議論をさせていただきたかったと申し上げておきたい。

資料p1に「若者」の定義というか、そこには「思春期から青年期、事業によっては40歳未満までのポスト青年期の方も対象」とあるが、この40歳未満までが対象となる事業とは具体的にどういうものがあるか。

(→福元・子ども若者未来部長)具体っていうふうな部分で例えばになるが、若者の相談というふうな部分で、青少年活動センターでも相談のほうを受けてるし、若者サポートステーションというふうな部分で就職の相談とか、そういうのも受け付けたりしている。そういう意味で30歳という区切りはあるにしても、40歳程度まで相談を受けたりとか実質的にはおこなっているところ。

◆やまね/分かりました。それで私もこのプラン、パブコメの資料、全部読ませていただいて、全体を通してちょっと感じたのは、小さな子どもさんやその子育てをされている世帯、世代のみなさん向けの施策というか、考え方は目立つが、若者、とりわけ「大学生」を支援する視点、あるいは施策が、非常に弱いんじゃないかということを感じた。先ほど「京都らしさ」というお話もあったが、「学生のまち」「大学のまち」ということこそ私は京都市の持つ本当に大きな特徴ではないかと思うが、これ見ると「施策の体系」の中に「大学生」という言葉が一つも出てこないんですよ。これでいいのかなと。「大学のまち・学生のまち」を掲げる京都市として、もう少しこの大学生向けの施策を展開される、あるいは位置付けられるということが必要じゃないか。この点いかがか。

(→福元・子ども若者未来部長)この「施策の体系」の中には、大学生っていうふうな部分でこう明記してる部分はない状況だが、この施策の体系の部分に、さらに各関係課の事業という、取組一覧というふうなことにまとめさせていただくので、そちらについては、大学の関係の事業のほうがぶら下がってくるような形に考えている。

◆やまね/これはしっかり、本来なら大学生の項を起こして位置付け、何もしてないわけじゃないですからね京都市も。大学政策課があって、きちっとそういう部局もつくって施策も展開されてるわけだから、しっかりこの中に位置付けていただくということが必要ではないかと思った。

それで「子ども若者の意見反映」ということが今回強調されている点は私たちも非常に重要だと、大事なことだと考えている。それで資料p9「施策の体系」に「子ども若者の社会参画促進や意見反映の機会充実」ということで「パブコメ」とともに、「京都市はぐくみ推進協議会といった施策に関する議論の場等への参加促進を図るなどにより若者の社会参画の機会を拡充」とあるが、この推進協議会っていうのは若者がどれだけ参加されてるのか。

(→福元・子ども若者未来部長)・・・はい、関連の会議としてはぐくみ審議会というのがあり、そこのほうには青少年とか若者に入っていただいてるので、そういうことで社会参画推進していくと考えている。

◆やまね/「参画していただいている」ということだが、どれくらいの委員がいて、若者がどれだけいるのかとか、その辺りは分かるか。

(→福元・子ども若者未来部長) 審議会30人程度になるがそのうち若者4人入っていただいている。

◆やまね/審議会30ほどで若者が4人ほどおられるということ。それは大事だと思う。ただ、たった4人の若者がこの協議会に参加しているからといって、若者のみなさんの、子どものみなさんの声が、じゃあそれで反映するということになるのかというのも私はちょっと疑問。プラン策定だけでなくて、私はこの若者・子どもたちの声を、京都市行政が普段からどのようにして受け止めて聞いておられるのかということが今問われてるのではないかなと思っている。

この間、京都市内各地で、例えば子ども食堂だけではなくて、生活に困窮する大学生のみなさんへの食料支援活動なんかもいろんな地域で行われている。そうした活動に参加されてきた学生さんが京都市と懇談をする機会もあって、私も同席をさせていただいたが、その時に京都市の側が「ぜひ学生さんの声も聞かせてほしい」とおっしゃって、それは私素晴らしいことだと思う。やっぱり生の声を、学生さんの声、直接聞かせて欲しいということで京都市もおっしゃった。それは素晴らしいことだが、その話の中で京都市側が「スキルアップの講座なんかを力入れてるところだが、どんなものだったらいいか」というようなことを聞かれた。この時に学生さんたちは全然ピンと来ない。それよりも大変なことがあるんだというのが率直なところ。今切実なのは、スキルアップより何よりも、生活に困窮されている学生さんが非常に多いということ。学生生活そのものが続けられるかどうかということが本当に切実になっている。これはコロナ禍の苦労だけではなく、そもそも高すぎる大学の学費を自ら稼がなければならなかったり、あるいは将来借金になる利子付奨学金はできるだけ借りたくない、頼りたくない、こういう方も増えているし、保護者の方からの仕送りも減っているし、その上で物価高騰もあるということで、学生自身が非常にアルバイト漬けになるなど大変な問題が起きている。なので私はこの学生年代も当然対象となるこの「はぐくみプラン」の策定という場合に、そうした学生生活の実態をやはり京都市がしっかりとつかむ必要があるのではないかと思う。もちろんこれは子ども若者はぐくみ局だけではなくて、総合企画局も所管をしてがんばっていただきたいが、「意見表明」はもちろん大事だが、この間何度か行われてきた「ブラックバイトの実態調査」であるとか、「就活実態調査」だとか、その中で「学生生活の中で困ってること」をお聞きしたりとか、京都市自身がこの学生生活の実態調査を、大学とも連携して毎年きちんとやっていただいてこそ、ニーズにかみ合った施策も展開できるのではないか、こんなふうに思うがこの点はいかがか。

(→福元・子ども若者未来部長)今回のパブリックコメントについては、大学生も含めて、若者、直接意見を聞くというふうなことで周知していって、大学の先生の中には「授業で取り上げるわ」と言うていただいてる先生もおられる。私どもも大学生をはじめとした若者にもっと周知できるように取り組んでいきたいと考えているし、その中で今おっしゃられた悩みとかいうふうな部分、出てきた部分についてはまた関係課と協議させていただきたいなと考えている。

◆やまね/こういうパブコメを学生さんにもご覧いただいて、意見いただくというのも、これも本当に大事だと思うし、やはり実態をつかんでいただくということもぜひ努力をしていただきたいと思う。

その点でもう一つだけ、今若い世代のみなさんの中には、やはり京都市の地価が高くてなかなか家を買いたくても買えない、本来なら家を購入してここに住み続けたいんだけれどもどうしても手が出ないので、他都市に住むという方も多いと思う。例えば、家を買えなくても賃貸なら住める、こういう方もおられると思う。その点でやはり家賃補助というのを、学生さんだけじゃなくて、子育て世代の方も含めてそういう施策も展開する必要があるんじゃないかとも思っている。芸術系の学生さんなんかも、京都に来ていろんな芸術系の大学があって、そこで学んだけれども、やっぱりなかなか食べていけない、そういうもとで芸術活動継続していくのが困難だという方も多いと思うが、そういう方でもやはり家賃補助があれば何とか住み続けられる、活動継続できるというような方もいると思う。やはり住まいをしっかりと保障していく、こういうこともきちっと、家賃補助っていうところまで踏み込んで位置付けていただくことも必要なんじゃないかなと思うが、この点いかがか。

(→福元・子ども若者未来部長)ご指摘の点ついては、今回住宅関係にはなるので、関係局等にも伝えていく形にはなろうかと思うが、より広く、若者、当事者、子どももそうだし、子育ての当事者も住まいで困っておられるというふうなご指摘やったと思うので、この部分についてはより多くの意見をいただいて、実態に即したような意見がいただけたら、その部分について協議をして、また検討していくというふうな形になろうかなと考えている。

(→寺澤・はぐくみ創造推進室長)先ほどの子育て世帯の住宅の件。先生ご承知のように、今、人口減少対策に向けて全庁一丸となって取り組んでいるところで、子育て世帯を対象に最大200万円となる既存住宅の購入に対する支援等、また、市営住宅の有効活用等、取り組んでいるところ。引き続き、ただ、経済的支援については、持続可能性というところが非常に大切だと思っているので、そういった観点も含めて必要なことは国にも要望していきたいと思っているので、よろしくお願いします。

◆やまね/引き続き我々もその施策については求めていきたいと思う。若者の暮らしが持続可能になるようにぜひがんばっていただきたいと思う。

最後にこれは所管が違うのでお答えできないかなと思うので申し上げておきたいが、若者自身の意見表明という点では、私は「自衛隊への名簿提供問題」も重要だと思っている。京都市は18歳22歳になる若者の名簿を、個人情報を、自衛隊に本人の同意なしに毎年約2万5000人分提供している。名簿に記載して欲しくない方は「除外申請」ができることになっているが、ただ、その期間はわずか1ヶ月間ほどで、他都市よりも大変短い。しかもホームページで知らせるのみで、ホームページの閲覧回数を当委員会で聞くと、ほとんど知られていない実態が分かった。だから多くの若者は自分の個人情報を自分の知らない間に提供されているということ。「提供してほしくない」意見表明の機会があるにもかかわらず、それが多くの方に知られてない。やはりこうした点も今後改善が必要だと思うし、そもそも若い人たちの個人情報を勝手に第三者に渡すべきではないということも改めて表明をしておきたい。

2024年11月18日【文教はぐくみ委】子ども若者はぐくみ局/理事者報告「次期京都市はぐくみプラン(京都市子ども・若者総合計画)の策定に向けた市民意見の募集について」

(更新日:2024年11月18日)