学校調理の全員制中学校給食を
◆やまね/全員制中学校給食についてお聞きします。昨年度は株式会社長大へ委託し、給食の実施方式やPFI導入についての調査が行われましたけれども、その中で、自校調理方式や親子調理方式については「できない」ということで、市民の税金約2400万円(決算額)ほどを使いながら、まともな検討や詳細な調査が行われていないことは重大だと言わなければなりません。この点は指摘しておきます。答弁は求めません。
質問に入りますけれども、3月の市長総括の時にも、私は、巨大給食センターのリスクについて指摘しました。今回の局別質疑では、我が党のえもと議員が「巨大センター方式で2時間喫食は守られるか」を取り上げたわけです。その後ですね、10月に入ってから提出された教育委員会への要求資料では、こう書いてあります。「食中毒や異物混入時、給食センターにおいて想定される対応」として、「保健所の調査で原因が特定された場合は、問題がない調理場は稼働することを想定」とあります。つまりこれは、言い換えますと、「保健所の調査で原因が特定されない限りは全てのラインを止めなければいけない」ということではないかと思うんですが、これ事実確認だけしておきたいと思います。どうですか。
(→吉田副市長)保健所の、すいません、運営そのものにつきましては、いま先生のご質問に対して、答弁するだけの、いま私、準備ございませんので、確認をさせていただきますけども、当然保健所のほうの指導がありました時には、その指導に従って対応していくということでございます。
◆やまね/これは当然保健所の指示に従うということになると思うんですよね。
それでこの間の議論で「2つの建物でそれぞれ2つのライン」を作ると。「合わせて4つのラインを作る」と。それから「献立はそれぞれ違うが食材は一部重なるかも」という答弁があったわけです。ということはですね、やはり食材も重なるということは、万が一食中毒が発生した時には、原因究明できない限り、建物やラインがいくら分かれていても、2万2000食が一斉にストップする可能性があるということになりますので、重大なリスクを抱えたままの方式だということです。
そもそも4つのラインで献立を分けるのであればですね、わざわざ1カ所に集中して作る必要がなぜあるのかと。市内各地に分散させて作ったほうが、配送時間や道路の混雑、食中毒や災害発生時のリスクも当然分散させられるのではないかと、この点重ねて指摘しておきたいと思います。
で、もう一点お聞きしたいんですけれども。巨大給食センターの問題はそれだけではなくって、現在の国の基準でいきますと、そこに配置される栄養教諭はたった3名のみということになります。これ私何度も申し上げてるんですけど、いくらセンターの中に立派な見学通路をつくってもですね、学校現場に栄養教諭がいなければ、丁寧な食育や栄養指導はできませんよ。さすがに教育委員会も「3名配置で十分とは考えていない」「適切な配置数を前向きに検討していきたい」と独自配置を示唆する答弁されてるんですね。それだったら私は、国基準で言うと、550食以上で栄養教諭1名配置されるわけですから、やはり自校調理や親子調理方式で実施すればですね、より多くの学校に栄養教諭を配置できる。育ち盛り・思春期の生徒一人ひとりに、より丁寧に寄り添うことができる。なぜそういう方向を目指さないのかと改めてお聞きしたいんですがいかがでしょうか。
(→吉田副市長)本日は市長総括でございますので、細かな点についての、答弁というか、あの、これまで給食センター、全員制給食について、先生方とご意見かわしておりますので、まとめて総括的にお答えさせていただきますと、ま、一つにはいろいろ、食中毒の問題、それから配送の問題、アレルギー対応について、その他にもご意見いただいております。そのリスクをどうするんだということはご意見をいただいております。全国的に7割以上の政令市がすでに給食センターを実施もされておりますし、また、給食センターの先行事例多数ございますので、各都市の給食センターのメリットだけじゃなくて、リスクについての管理についても我々しっかりと、検証をして、で、給食センターを安定的に運営されているということも参考と致しまして、我々もしっかりと研究、今後も研究・勉強していきたいというふうには思っております。
で、いまご指摘の、リスクについては教育委員会のほうからも、お答えをさしていただいていると思います。リスクはしっかりと対応できるというふうには考えておりますけども、給食センターでの先行事例をしっかりと、先ほども言いましたように、参考としつつ、安心安全な給食の提供におこなっていきたいと思っております。
で、栄養士、栄養教諭の配置ということですけども、それは教育委員会が言っておりますように、今の基準で言いますと、3名の配置ということになりますけども、ま、これだけではやはり十分な指導はできないのかなと思っておりますので、必要な職員ということにつきましても、追加で配置ということも、視野に入れて検討しなければならないのかなと思ってます。
ただですね、いま、あの、委員おっしゃってましたように、自校調理方式であれば、各学校に配置できるのではないか、いうようなことございましたけども、ま、そもそもが、この給食センターの設置といった時に、お話をさしていただきましたように、今現在の9割以上の中学校の校内で、調理教室を整備するのに必要な330㎡そのものを、敷地を確保できないということ、また、親子調理方式でも、この物理的に条件的にかなり厳しいということ、で、当然安心安全な、そして美味しい給食の提供ということはもちろんなんですけども、このイニシャルコスト、そしてまたランニングコストを考えて給食センターが、ベストであると、ベターであるということで、我々この提案をさしていただいて、いま進めているというとこでございます。栄養教諭ということだけでセンター方式そのものを変更するということは考えてはおりません。
◆やまね/「9割で確保できない」というお話もあったんですけど、私冒頭申しましたように、きちっとした調査やられてないんでね、その話は成り立たないと思いますし、で、結局コストの話おっしゃられた。結局お金の問題なんですかと。私はですね、学校給食というのは、目の前の子どもたちだけでなくて、20年先30年先40年先、今後京都市の学校に通う子どもたちみんなに関わってくることですから、これはね、私は多少お金がかかったとしても、子どもたちにとって最善のやり方を追求すべきじゃないのかと、いうことは申し上げておきたいと思います。しかも、京都市の単年度収支で22年度77億円黒字、23年度88億円黒字ということですから、この一部を全員制中学校給食充実のために使うのは何らおかしいことではないと。むしろ市民のみなさんそれを望んでるんじゃないかというふうに思います。学校で調理する給食の実現こそ市民が求めているものだと言いたいと思いますし、やはりね、コストの話おっしゃったんだけれども、巨大センター方式は、まさにコストカット至上主義とも言うべき「行財政改革」を進めた前市長のもとでつくられた方針ですので、これを無批判に受け入れるのでなくて、松井市長ご自身の決断で、ぜひ政策転換、方針転換をはかっていただきたいと、求めておきたいと思います。
学校給食費の無償化を
◆やまね/それから学校給食費の無償化についてですけれども。文科省調査(2023年9月時点)では、学校給食の無償化を実施している自治体は約3割、一部無償化を含めると4割に広がっています。京都市も国待ちにならずぜひ実施すべきと思いますが、特に京都市の子育て世代の流出、今日も議論になっておりますけれども、本当に深刻だと思います。ぜひ市長の決断でですね、思い切った子育て支援策が必要だと思いますが、どうでしょうか、市長も選挙で訴えてこられたことですが、ぜひ前向きに検討いただきたいと思いますが、いかがでしょう。
(→吉田副市長)少し先ほど、ご要望ということでございましたけども、給食センターそのものについて、調査が不十分だということのご指摘を再三していただきましたけども、どの点が不十分で、どの点が信用できないのか、そこについては、明確に我々も教えていただきたいと思っております。
で、実際ですね、私どものほうは、門川市長の時に、この方針を出させていただきましたけども、その後ですね、多くの方の委員会の中で検討して、コストの部分だけを取り上げておっしゃいますけども、やはり安全な給食の提供、美味しい給食の提供、そういったことを第一に考えて、いまの給食センターの方針を出しておりますので、まずはその方針を変えずに、この方針で取り組んでまいりたいと思っております。
で、給食費につきましても、今現在、経済的に厳しい、就学援助の世帯の給食費6億円を全額公費負担をしております。で、市立学校で全ての児童生徒の給食費を無償化した場合に、この6億円に加えて約40億円の財政負担が必要になってまいります。当然、この京都市で、一時的なものではなくて、継続的にこれを継続していくには、かなり本市だけで単独で行うということは厳しゅうございます。
一律的にこういった子育てについては、国の方針等において、一律的に方針等も定めて、またご支援をいただくものだというふうに思っておりますので、国に対してもしっかりご要望もしていきながら、実現に向けての検討はしていきたいというふうに思っております。
◆やまね/ま、国と、そういう要望しながら、「実現に向けては」ということでね、言っておられるんですけども。私もね、国の責任は当然だと思うんです。そこは同じ気持ちなんですよ。ただね、「国がやらないからあきらめてください」ということでいいのかと、いうことだと思うんですね。「格差が生じないようやらない」ということなんですけど、しかしその姿勢が結果的に格差をつくっているわけです。自治体間の。今も最後おっしゃっていただきましたように、目指してるのは目指してると。政策的にこれは私たち対立してるわけじゃなくって、そういう問題ですので、無償化の必要性は認識されていると思います。ぜひがんばっていただきたいと思います。
子ども医療費助成は18歳まで拡充を
◆やまね/で、もう一つ、子ども医療費支給制度についてですが、これは18歳まで拡充することについて、局別質疑では「府市協調でまずは中学校卒業まで、段階的に目指したい」という答弁がありました。しかしこれもですね、そうした姿勢が他都市からの遅れをつくり出しているのではないかと思います。京都府内では26市町村のうち18市町村が18歳まで対象としておりまして、亀岡市でも大山崎町でもやっていますし、八幡市では今月から通院も18歳まで自己負担200円となりました。で、これ確認しておきたいんですけど、京都市の到達点はですね、京都府内最低レベルにあるということをお認めになるのかどうか。自己負担200円が小学生までにとどまっている自治体というのは京都府内で他にあるんでしょうか。
(→吉田副市長)京都府内においては、えーと、いますぐに数が、すいません、出てこないんですけど、多くのところが18歳までの援助をしているというところもございますし、小学生までにとどまっているというところではございません。
あのただ、先ほどから、先生方のほうで、京都市の子育て施策が、このことで遅れているというような、ご意見もいただいておりますけども、例えばその小学校までの200円ということ、例えば政令指定都市で比べてみますと、レベル的にはそれぞれの状況によって違うところもございますので、一概に低いということは言えませんし、このことだけをもって、京都市の子育て施策が遅れてるという認識につきましては、私はそのようには認識はしておりませんので、そのことについてはよろしくお願いいたします。
◆やまね/あのまあそういうご答弁をされればされるほど、市民のみなさんとの気持ちのギャップがですね、露わになっていくと言わざるをえないですよ。政令市のお話されましたけども、京都市に住んでおられる方はやっぱり近隣の自治体とね、見比べて、どうするか考えられると思いますので、それでいきますとね、やはり京都府内で京都市だけなんですよね。200円、小学校までで止まっているのは。明らかにそれが事実じゃないかと。他都市から引っ越されてきた方の中には「京都市の子どもの医療費が高校卒業まで対象となっていなくてビックリした」という方もおられますし、本市の25歳~39歳は、府南部、大阪、滋賀県へ家族で転出するケースが顕著であります。決算年度で周辺自治体への転出入数は、30代はマイナス1658人、20代はマイナス2589人ということですから、「一足飛びにできない」ともおっしゃられるんですけども、それはこれまで京都市がやってこなかったからであると。
周辺自治体からの遅れをですね、今こそ反省すべきでありますし、その点でですね、局別質疑でこういう答弁もありました。「京都市だけで18歳まで拡充すると、(府市協調の)前向きな動きに水をさしてしまうのでは」という答弁もあったわけですけど。私これ聞いて本当に驚きました。ぜひこれ市長にお答えいただきたいんですけど、❝府市協調❞とはその程度の関係なんでしょうか。京都市が積極的な動きをしたら京都府がそっぽを向いてしまうというような、そういうふうにですよ、そういうことじゃないですか、京都市がいま言っておられるのは。そういうふうに京都市が京都府を見ているとしたら大変失礼な話だと私は思うんですよ。府市協調と言うんだったら、むしろ、京都市が先行実施してもですね、がんばってやって、京都府ももっとやってほしいと、国もがんばってくださいと、こういう立場に立って、引っ張っていくと、いうことこそ今求められてるんじゃないかと思うんですが。これやはり市長の決断が今いると思うんですが、いかがですか。
(→吉田副市長)これは、先生方も含めてですね、全会一致で、市会の決議をいただいて、えっと、「府市協調の子ども医療費制度については、国の責任における全国一律の制度の創設を求めるとともに、府市協調のもと持続可能な制度として段階的に拡充すること」。この、やはり我々「持続可能」というところを、しっかりと重点的にとらえたいと思っております。
中学校まで、西脇知事のご答弁の中でも、中学生までの可能性が現実的になってきております。そうなれば周りの市町と同じような状況、同じ条件にもなってまいります。で、そもそも、京都府と京都市の関係で、2分の1のこんだけの補助をするという、他の都道府県はございません。非常に多くの支援をいただいております。その中で確実に制度を伸ばしてきているというところは、そこはまあご理解をいただきたいというふうに思っております。
で、京都市が先行して実施をするといった場合に、関係が悪くなるとかというよりも、いま言いましたように、持続可能というところで言うと、全体的に18歳までしますと、11億必要なわけですね。単年度だけで11億。それを継続的にしていかなければならないと、いうことで言いますと、当然財政的な支援ということも求めていかなければならない。で、京都府さんは京都府さんの、それぞれの事情もございます。京都市が先行する中でですね、じゃあ後年的に確実に制度の拡充をしていただけるかどうかということは、そういうお約束は当然できないものかなというふうには思っております。今我々がやってる府市協調で協議をしながら、着実に伸ばしていく、それが持続可能な制度につながっているというふうに思っておりますので、これは再三申し上げておりますので、先生方のご理解のほうをよろしくお願いしたいと思います。
(→松井市長)いま吉田副市長からお話した通りなんですが、全体的に府市協調はですね、私は西脇知事と年に、今年2月末に市長に就任してから、4月、7月、それからこの秋にも、トップミーティングやろうと思ってるんですが、幅広い分野でですね、しっかり、例えば大都市特例、いま吉田副市長が申し上げたことは、大都市特例ということで、ある程度もうそれは京都市に任せるということで、任せられてもいいようなことをしっかり京都府巻き込んでですね、昨年の秋にこうやって、いま不十分とおっしゃられましたけど、1医療機関、ひと月何度言っても200円という制度が実現できているわけですから、それを着実に、市会における全党派が入った決議に従ってですね、順を追ってしっかりと実現していきたいと思いますし、それ以外の府市協調の例えば観光の、周遊観光であるとかですね、あるいは、高大連携で本当に値打ちのある教育を実現するとか、これまでになくいろんな議題を提案しておりますんで、ぜひその府市協調っていうのを、狭く、あえて今みたいな議論をされるんではなくて、どれだけの成果をこれから生んでいくのか、しっかりと見ていただきたいと思います。しっかり我々も実現できることはやっていきます。
◆やまね/「持続可能」と言いますけれども、年11億円でしょ。77億円(22年度)、88億円(23年度)の黒字が出ている、さらに、芸大の移転には、市庁舎の整備には、300億円使ってきたじゃないですか。北陸新幹線延伸も一方で推進もされている(市長「推進してない、してない」)、「持続可能」ということであればですね、私は、不要不急の大型事業を推進する立場を改めるべきだと、このことこそ求められていると、言っておきたいと思います。終わります。
2024年10月30日【決算特別委】市長総括質疑「学校調理の中学校給食を」「給食費の無償化を」「子どもの医療費助成は18歳まで拡充を」
(更新日:2024年10月30日)