*京都市の説明
(→谷本・住宅室住宅事業担当部長)具体的な陳情事項としては「1.桃陵市営住宅団地再生計画における新棟建設スケジュールを前倒し実施して早期に建替えを完了すること。また、2年後に行われる予定の既存棟への移転は全ての団地住民を対象としたものにすること」「2.再生計画における集会所や公園の整備にあたっては、団地住民や周辺住民の要望を十分に取り入れるとともに、整備後は周辺住民も自由に活用できるものにすること」「3.団地内の草刈りに対する支援、団地上階の居住者の1階の空き家への速やかな移転、家賃減免制度を元に戻すことなど、団地住民が直面する願いを実現すること」というもの。
まず、桃陵市営住宅団地再生計画における早期の建替えについて。本事業はPFI手法の導入を検討しており、その検討に向け令和6年9月市会において、京都市執行機関の付属機関の設置等に関する条例を一部改正し、付属機関を設置する予定としている。今後は令和7年度中に民間事業者の選定を行い、令和8年度から具体的に事業へ着手する予定としている。桃陵市営住宅は高齢者世帯が多く入居され、早期の更新棟建設が求められていることは本市も把握しているので、早期に更新棟を建設し、本団地にお住まいの皆様の安心安全な住環境を確保できるよう尽力してまいる。なお、陳情にある2年後に行われる予定の既存棟への移転とは、この7月に桃陵市営住宅団地再生計画案の概要版を配布の上、アンケート調査を実施しており、その際に示したスケジュールにあるもの。これは団地北部に更新棟を建設するために1棟~10棟にお住まいの入居者に別の住棟等に仮移転をしていただくものであり、全ての団地住民の皆様を対象とするものではない。
次に、団地再生事業において整備する集会所及び公園の利用について。現在の桃陵市営住宅の集会所は基本的に団地の入居者のための施設である。また、集会所の利用にあたり利用日を毎週水曜日に限るといった陳情でご指摘されているような制約はない。公園についてはオープンスペースとして団地及び周辺住民の皆様の憩いの場となるようご意見等を伺いながら新たに整備する。
次に、除草等の維持管理及び低層階への空き家への移転について。団地内の除草については入居者で行っていただくものだが、高木の選定や法面の危険箇所など一定の範囲の除草は京都市住宅供給公社が実施している。また、団地上階にお住まいの方の移転については、お体の障害等により階段の昇降が困難でお急ぎの場合は他団地への住宅変更をご案内するとともに、団地再生事業に伴う移転にあたっては住民の方の世帯状況等を伺いながら対応させていただく。なお、家賃減免制度の見直しは世帯の実態を的確に反映させるよう改善したものであるため撤回する考えはない。
*議員の質疑
◆とがし議員(共産)/桃陵市営住宅の再整備については2022年3月に基本構想が策定され大きな方向性が示されてきた。ところが基本構想に「今後入居者の皆様のご意見もお聞きしながら最適な計画となるよう具体的な検討を進める」と記載していたにも関わらず、これまで居住者の皆さんへの説明がなかったために、昨年秋の議会で我が党議員も取り上げ、その後居住者向けアンケートが行われた。この夏には住民説明会も行われたことは非常に大事だと思っている。この間取り組んできたアンケートや説明会ではどんな声が寄せられているか。
(→谷本・住宅室住宅事業担当部長)アンケートの状況。ご紹介の通り、(令和)6年7月~8月にかけて団地再生計画案に対するアンケートを行っており、その中では、家賃に対する不安であったり、移転時期や費用等に関すること、また、早期の住み替えに関するご意見等々のご意見をいただいているところ。
◆とがし議員(共産)/やはり新しくなることに伴って家賃が上がることとかもあるし、住み替えについてはまたあの後ほどお聞きしたい。ぜひそうした声を大事にしていただきたいと思うが、陳情項目1として「早期建替え完了」を求めておられる。高齢者の方も増える中で「エレベーターがなく高低差も激しい地形で大変だ」「一刻も早く改修してほしい」「何年も待っていられない」とのお気持ち本当に切実だと思っている。同時に、現在示されている事業スケジュールでは、平成初期に建設した51棟~54棟、71棟~72棟は継続使用し、令和8年度に1棟~4棟、6、7棟の除却、継続活用する棟への移転が予定されている。それ以外の棟にお住まいの居住者が新棟に移転できるのは令和14年以降とのこと。そこで陳情にもあるように、「2年後に行われる予定の既存棟への移転は、全ての団地住民を対象に」と要望されている。同じ市営住宅の中でも4年も入居に差が出るのは不公平との思いがあるとのこと。2年後の移転希望については全ての住民に公平に希望を聞いてできる限り応えられるようにすべきではないかと考えるがいかがか。
(→谷本・住宅室住宅事業担当部長)桃陵市営住宅団地の再生計画、事業の実施については、非常に広い敷地からなる再生計画。一方で更新棟を建設した上で、段階的に移転をいただいて事業を進めていく必要があるということで、戸数が限られる中での移転になるので、その辺りは段階的に移転するという辺りのご理解をいただいた上で、全員を対象とした移転というのは難しいというふうなことでご理解をいただけたらと思っている。
◆とがし議員(共産)/受け入れ先との関係で移転が難しいということなのか。
(→谷本・住宅室住宅事業担当部長)事業を進めていく上で効率的効果的に進めるという面も含めて事業を計画しており、そういった意味合いでの対応ということで考えている。
◆とがし議員(共産)/そこら辺のところを柔軟に対応してほしいという要望ではないかと思っている。
それから陳情項目2として「集会所や公園整備について周辺住民の要望を十分に取り入れること」と要望されている。この点では、「学生さんが来てくれるイベントは本当にありがたい。再整備後もいろんな催しができるよう集会所は単なる会議室でなくしっかりとした建物にしてほしい」「集会所の外で野菜市などできるようなスペースも作ってほしい」という声などがある。こうした声にもぜひお応えいただきたいと思う。それと合わせて、現状についてもちょっとお聞きしたい。現在居住者の方から「集会室が毎週水曜日しか使えず不便だ」との声。これは事実なのか。公共的スペースであるにも関わらずなぜそのようになっているのか。事情はどうなのか。少なくとも京都市の責任で住民が希望する日は集会室を使えるように改善してはどうか。
(→谷本・住宅室住宅事業担当部長)団地の集会所に関係する部分。ご説明もしたが、団地集会所については、基本的に団地の方の福利のための施設という位置付けとなっており、団地内のコミュニティの活性化というか、普段からご利用いただくためにそういう形での運用をしているものであり、今後、基本的にしっかりと団地再生計画を進める中でも集会所としての機能という部分は維持しつつ、活用エリア等々においても、どんな条件というか、どういう機能を持たせるのかという部分はしっかりと検討してまいりたい。
また、利用の制限については、先ほどもご説明した通り、水曜日に限っての利用ということはないのでよろしくお願いします。
◆とがし議員(共産)/住民の方がそうおっしゃってるんで、十分使えるということであれば結構だが、ぜひよろしくお願いする。毎週、いつでも希望する時は使えるという理解でよいか。
(→谷本・住宅室住宅事業担当部長)手続きとしては、事前の申し込みが必要となってくる。そういう前提はあるが、基本的に、一部何かメンテナンスとか管理上の部分で閉鎖する時あるかもしれないが、常に水曜日でしかないということではないのでよろしくお願いします。
◆とがし議員(共産)/分かりました。よろしくお願いする。
次に陳情項目3にある「団地内の草刈り」について。先ほどの説明では、危険箇所というか、法面、急なとこで市民の方が直接やると危険だというところについては、京都市が直接責任を持ってやってますということだが、この陳情で言われてるのはそれ以外の部分だと思う。住民の方からは「高齢化によって自力で草刈りができないため毎回数万円払って事業者に頼んでやっていたが、京都市が新しい入居者を募集しないので住民がどんどん減り続けて、一人一人の財政負担がどんどん重くなっている」という深刻な声。入居者を募集していないのは京都市なので、やはりせめてその責任に応じて、草刈りの負担軽減ぐらい行うべきではないかと考えるがいかがか。
(→田中・住宅室長)団地の草刈りについて。団地の草刈りについては先ほどちょっとご説明もさせていただいたが、入居者さんのほうで原則行っていただくという形にはさせていただいているが、例えば高木の剪定とか法面の危険な箇所については一部、除草の部分については住宅供給公社のほうでサポートさせていただいてるというところ。入居者さんのほうで負担をしていただいてるという部分については、これまでから全市的に自治会さんのほうで、その共益費のほうを徴収していただいて、その運用の中で草刈り等の費用を捻出していただいてるが、これは地域コミュニティの形成にもつながっているということで、原則、自治会さんのほうで運用を行っていただいてるというところ。一方でなかなかそういった運用が難しいという部分については、京都市のほうで例えば共益費の徴収をさせていただいた上で、対応もさせていただいてというところであり、各自治会さんの実情に応じた対応を既にさしていただいてるという認識。
◆とがし議員(共産)/ぜひ実際にやっぱり負担が重くなってきてるという話もあるし、草刈り、業者に頼んでおられるということなので、実態としてやっぱり自力ではなかなかできなくなってるという状況があるということなので、その辺なんかもぜひ踏まえていただいて、より実情とかもしっかり聞いていただいて対応いただきたいと思う。
最後になるが昨年の居住者向けアンケートでは、回答者の90%が「桃陵市営住宅に住み続けたい」と回答。その理由に「交通や買い物が便利である」など。場所を確認してもやはり鉄道駅や大手筋商店街も近くにあって大変住みやすい場所と思う。京都市が再整備後に全体戸数を現在の管理戸数596の半分以下246戸に減らす方針となっているが、やはりこういう交通の便のいいところにこそ市営住宅をしっかり確保する必要があると思う。その意味で広大な団地の建替えになるということで、敷地が非常に広いとおっしゃっていたが、その意味でもやはり管理戸数は削減せず維持すべきだと考えるがいかがか。
(→谷本・住宅室住宅事業担当部長)整備戸数に関する内容。この桃陵市営住宅以外においても、団地再生事業を進める中で基本的な考え方としては、公募しても倍率が高い団地もあるが、一方で公募しても応募がないような団地もあったりとか、また、民間の住戸の関係の供給状況が安定している等々のことで、住戸としての供給量は充足しているという認識のもと、住宅審議会からのご指摘も踏まえ、市営住宅の戸数については最適化を図っていくということ。そういう意味で「市営住宅のストック総合活用指針」においても、建替え、団地再生事業については、今お住まいの方々の住戸を踏まえた上で整備するという形で進めているので、ご理解をいただけたらと思う。
◆とがし議員(共産)/今お住まいの方の、というふうに言われるが、実際に募集をおこなってこなかったのは京都市で、だからその結果として減ってると。建替えとかいろんな事情で住み替えの場所が必要だとかいろんな事情あるかもしれないが、ただ、別に何か自然現象で減っていったんではなくて、便利やし住みたい人いっぱいいるけれども募集しなかったから増えてこなかったという経過があるし、やはりこの場所はすごくいい場所で住みやすいところなので、ぜひそういう、いま人口問題とか言われるが、若い世代の方、やっぱりそういう京都市内は買い物も揃ってるし、こんな商店街があるところなかなかもう今ないところ。こういうところにこそ若い世代の方にも住んでいただきたいし、特に経済的に困難な方が今増えてる世の中なので、そういう方々もしっかりと住める場所が大手筋の近くにあるというのは非常に有効なことだと思うので、ぜひやはり、単に今住んでる人のための更新ではなくて、新たに募集していくという枠も確保して、この団地再生の取組すべきだと考えるがいかがか。
(→谷本・住宅室住宅事業担当部長)市営住宅の整備の基本方針については先ほど申し上げた通りと認識している。その上で団地再生計画、再生団地については、活用地を生み出した上でそれら活用して賑わい作りを図っていくということなので、その賑わい作りの内容については、いろんな店舗、商業用途であったり、お住まいの用途であったり、いろんな面が考えられると思うので、トータルとして事業を進めてまいりたいと考えている。
◆とがし議員(共産)/そういう何か店舗、賑いというより、やはり住む人が増えたら賑わっていくので、住む人を増やすという観点に立って、住戸を増やしていくという方向にしていただきたい。このことを要望して終わる。
2024年9月27日【まちづくり委】都市計画局/陳情審査「桃陵市営住宅の早期建替え等」
(更新日:2024年09月27日)