京都市でも「不適切保育」の専用相談窓口設置を(2024年9月11日/文教はぐくみ委・子ども若者はぐくみ局・やまね)

◆やまね/私からは不適切保育の問題についてお聞きする。令和5年5月、昨年、こども家庭庁が不適切保育に関する全国調査の結果を発表し、市町村が通報などを受けて確認した不適切な保育が、令和4年の4月~12月に計914件。その内訳、複数回答だが、「子どもの人格を尊重しない関わり」384件、「物事を強要するような関わり・脅迫的な言葉がけ」337件、「罰を与える・乱暴な関わり」276件、「育ちや家庭環境への配慮にかける関わり」123件などとなっている。「叩く」などの「虐待」と確認されたのが90件あったとのこと。まずお聞きしたいのは、この時の調査で京都市の数字がどうだったのか。「通報などにより確認作業を行った事例」「実際に不適切保育と確認された事例」「市として指導や処分をした事例」、それぞれ何件あったのか。

(→金井塚・幼保総合支援室長)国の調査に対する京都市の件数について。まず事実確認した件数は当時7件で、そのうち不適切な保育として認定した件数が3件で、虐待と認定した件数は0件ということになっている。

◆やまね/それから京都市として今おっしゃっていただいた不適切保育については、年度ごとの数字は把握されているのかどうか。この間の報道によれば全国では保育事故の数も過去最高となって大変心配されるところだが、不適切保育の件数については京都市では近年どういう傾向にあるのか、分かれば教えていただきたい。

(→金井塚・幼保総合支援室長)先ほどちょっとすいません事実確認で7件と申し上げたが、事実確認したのは14件の誤り。申し訳ございません。

それから令和5年度の件数についてだが、こちらのほうで今現在把握してる、我々が把握してる件数で言うと、ガイドラインが作成された令和5年5月以降、令和5年6月~令和6年3月末までの間の不適切保育と評価した事案については2件、虐待等と評価した事案は0件となっている。

◆やまね/令和5年度の数を述べていただいたが、そしたらこの数だけ見ると、令和4年度に比べたら随分減ってるということになるが、ちょっとその実態がどうかということだが。いま令和4年度の4月~12月の数字と令和5年度の数字を述べていただいたが、例えばそれ以前の数字だとか、年度ごとに集計しているわけではないのか。いかがか。

(→金井塚・幼保総合支援室長)ちょっとすいません、現在手元にちょっと数字は持ち合わせてないので、現在ある数字としては、先ほど申し上げた令和4年4月~12月末のまでの件数と、令和5年6月~3月末までの件数が今集約してる件数になる。

◆やまね/この不適切保育については通報義務が今はないのか、ちょっとその辺りがよく分からないが、私は少なくとも、市としては、毎年きちっと数集計すべきじゃないかと思う。当然問い合わせとか相談事例、通報事例はあると思うので、ぜひ京都市として記録は残ってると思うので、各年度の数字について出していただきたい。少なくとも今お答えいただいた、令和4年1月(※4月の間違い)~12月の数字は国に回答されているので、令和5年1月以降の数字についても改めて集計していただき、令和4年度から直近まで、令和6年度は分かるところまでで結構なので、数字について資料提出を求めたい。後ほどお諮りいただきたい。

それで、2020年に伏見区の保育園で起きた不適切保育の事案がある。これは市会に陳情も提出され議論をされたが、私も直接相談を受けた事案なので、当事者の方に今回改めてお話を伺ったが、「虐待・体罰を受けた子どもたちが将来トラウマにならないか今も心配」ということをおっしゃっていた。その通りだと思う。当時問題になったのが相談窓口についてだが、「園が紹介してる相談窓口は園が作ってるものなので、そこに相談しても解決しないんじゃないか」「相談すると園に通いづらくなるのでは」ということを当事者の方がおっしゃられていた。そこで聞きたい。この相談窓口については必ず設置しなければいけないとなってると思うが、それはやはり私は第三者によるものが望ましいのではないかと思うが、京都市としてはどういうお考えなのか。

(→金井塚・幼保総合支援室長)先ほどのすいません、不適切保育の件数についてだが、正確に申し上げると、事実確認を令和5年度の件数3件と申したが、事実確認をした件数は19件あり、そのうち3件が不適切保育と認定されたということ。

それから相談窓口の件だが、議員ご指摘の通り、園において要望・苦情等に関する相談窓口を設置し、重要事項説明書で利用者にご案内されている状況。また、第三者窓口の設置についてだが、こちらのほうについては、第三者の相談窓口であることまでは求められていないので、各園の判断によって設置している園、設置してない園があるということ。多くの園では第三者の窓口を設置してるという認識は持っているが、具体的なちょっと数までは把握していない。

◆やまね/京都市として「第三者のほうが望ましい」と思われてるのかどうかということは、この点はいかがか。

(→金井塚・幼保総合支援室長)いずれにしても、事実確認とか調査については、行政が責任を持って行うことであるのかなと思っているので、結果として行政が第三者の位置付けになるのかなというふうには思っている。その上で、利用者の方が相談しやすい環境という意味で、複数あるほうがいいと判断されてる園においては、そういった対応していただいてるのかなと考えている。

◆やまね/ちょっと時間がないので次にいきたいと思うが、いま「行政が第三者的な役割」という話があった。そこで、2020年、この伏見区の事案でもう一つ問題になったのが、保護者が区役所・支所の子どもはぐくみ室に相談していたにも関わらず、数ヶ月間、本庁のほうに伝わっていなかった。この問題について、市会で議論された際に、当時の幼保総合支援室長は、区役所・支所と本庁の連携不足による対応の遅れを認めて「様々な形で連携を強めしっかり対応していく」という答弁をされている。そこで確認しておきたいが、京都市においては、その後どういう連携を強めておられるのか。例えば「不適切保育の専用相談窓口の設置」などを京都市としては行っているのかどうか。この点いかがか。

(→金井塚・幼保総合支援室長)区役所等の連携にnついてだが、現在、区役所のほうが、いわゆる保育施設の利用に関するご相談の問い合わせ先、一般としての入口、全体的な入口として位置付けられており、不適切保育に関する相談があれば当室と連携して実地調査をするという形になっている。こちらのほうについては、職制会議等通じて、事案の起こった背景も含めて、そういった連携をしっかりおこなってこうということで、現在は適切に機能しているものと考えている。

その上で、専用相談窓口の設置についてだが、我々としては現在、相談窓口、利用者の方に関しては区役所あるいは直接幼保に電話かけてこられる方もおられるが、そういった形で複数のチャンネルがあるのが望ましく、連携としても機能しているのかなと考えているが、いずれにしても、相談者の方がより相談しやすい環境作りは大切なので、専用相談窓口も含めて他都市の状況等も参考にしながら、引き続き取組を進めていきたいと考えている。

◆やまね/現時点では専用相談窓口はないと。はぐくみ室なんかが受けてるということだと思うが、京都市と同様に相談対応に遅れのあった横浜市では、昨年「不適切保育の専用相談窓口を設けた」と京都新聞の報道で紹介されている。「対応の助言を受ける弁護士、外部の専門家や、サイトでの受付も導入」「相談後の対応手順をまとめた手引きも作成し、市内部での情報共有の徹底に努めている」ということなので、「他都市の状況も見て」ということも今おっしゃられたので、ぜひ私は京都市にもそういう専用相談窓口が必要なんじゃないかなと思っている。

こども家庭庁が昨年5月に策定した「保育所等における虐待等の防止及び発生時の対応等に関するガイドライン」では、「市町村、都道府県における対応」として、「保育士・保育教諭等や保護者が、保育所等において行われる保育に対して違和感を覚えた場合に相談できる先として、対応窓口を設けることが重要」「例えば、虐待等と疑われる事案、不適切な保育の対応窓口として、相談窓口やコールセンターを設置している自治体も一定数存在しており、こうした取組を参考にすることも考えられる」「また、当該窓口は、例えば『虐待等が疑われる事案に関する相談窓口』といった名称をつけて分かりやすく掲示・周知するなど広く一般に認知されるよう工夫を行うこと」「仮に専用の対応窓口を設けない場合にも、保育所等において行われる日々の保育実践に疑義が生じた際に、相談を受け付ける担当部署の連絡先を周知しておくことが望ましい」というふうに書かれている。こうした点に照らして、現状の京都市の対応は果たして十分と言えるだろうか。やはり不適切保育について専用窓口の設置、少なくとも今書かれてあるような、分かりやすい表記、形で周知することが必要じゃないかと思うが、この点はいかがか。

(→金井塚・幼保総合支援室長)不適切保育に関する分かりやすい周知ということ、相談窓口の分かりやすい周知というご意見。今現在は保育利用全般に関する相談から入って、その中で不適切保育のことも含めて広く拾っていくような形になっているのかなと思っている。横浜市においてそのような専用窓口を設けて対応していることは承知しているが、実際、委託先に、相談窓口としての委託先に連絡が入って、それが結局、結果としては行政に入ってきて、行政がそれを調査を行うという流れになっており、当然費用もコストも間に人が介在することも含めてだが、そういった仕組みになってるということなので、いずれにしても、どういう相談のスキームを設けるのが一番相談しやすい環境で、もれなくそういった不適切な事案に対して対応することができるのかということは、引き続き検討していきたいと考えている。

◆やまね/今「委託先」、横浜市の事例、言っていただいたが、当然委託すればそうなりますよね。だからそこは委託ありきではなく、京都市の中できちっと職員さんがそういう専用窓口を作ってやるという場合もあると思うので、そこはしっかり、どういう形がやはり一番声を拾えるのか、相談しやすいのかということを、ぜひ引き続き検討いただきたいと思う。

◎委員長/先ほどやまね副委員長から要求のあった令和4年~直近までの不適切保育等の件数にかかる資料については理事者提出できるか。

(→金井塚・幼保総合支援室長)取りまとめのうえ提出させていただく。

◎委員長/提出できるとのことなので、委員会資料として提出を求めることにご異議ないか(「異議なし」の声)ご異議がないので委員会資料として提出を求めることに決定する。理事者におかれてはなるべく早く提出いただくようお願いする。

2024年9月11日【文教はぐくみ委】子ども若者はぐくみ局/一般質問「京都市における不適切保育への対応について」

(更新日:2024年09月11日)