西京極総合運動公園の維持管理・機能向上は、市民・スポーツ関係者の声にこそ耳を傾けるべき(2024年8月21日/文教はぐくみ委・文化市民局・やまね)

240821西京極総合運動公園サウンディング調査結果資料

◆やまね/午前中の議論も聞かせていただき、非常に問題意識を共有する部分と、あるいは、ここはちょっと意見が違うかなという部分、本当に色々あり、こういう議論が改めて大事だなと思った。私は、最も大切なのはやはり市民のみなさんの声だと思っている。それは午前中からもあったように、周辺住民のみなさんの声だとか、利用者やあるいは競技団体のみなさんの声、スポーツ関係者、そうした方々の声を何よりも吸い上げて反映していただきたい。その立場からいくつか質問させていただきたい。

まずいくつか資料を求めたい。①令和4年度の調査でヒアリングした事業者は26社とのことだが、この内訳を業種別で出してもらうことはできるか。②令和5年度の調査では、現地説明会に参加した事業者17社、提案事業者としてゼネコン・デベロッパー又は施設運営に関わる事業者等15社、期間外に個別ヒアリングをおこなった事業者16社と、数が明らかにされているが、こちらも同様に業種別の内訳を出していただくことはできるか。

(→山口・市民スポーツ振興室長)業種別の内訳だが、例えば26社であったら、ゼネコンが2だとかデベロッパーが2、そういった内容でよかったか・・・はい、そういった内容であれば、今おっしゃった資料については提出させていただく。

◆やまね/それからもう一点。「主な意見」として箇条書きにされているが、それぞれの意見をどの業種の事業者の方が述べられたのか、これを資料にしていただくことはできるか。

(→山口・市民スポーツ振興室長)意見については、提案者の名称及び誰がどの意見を言ったのかっていうのは、非公表ということで意見を頂戴しているので、ご容赦をいただきたいと思う。

◆やまね/個別の名称でなくても業種、この業種の方がこういう意見を述べられた、これも難しいか。

(→山口・市民スポーツ振興室長)それについても、例えば、業種が1というふうになればもう推測がされたりするので、それについてもご容赦いただきたいというふうに思う。

◆やまね/言うまでもなく公共施設は市民の財産。それが今後どのように維持管理されるか、あるいは変わるのか、これは市民にとって大切な問題だ。個別企業名は無理だとしても、どういった業種の事業者からどういった意見が出てるのかくらいは、それを知るのは市民の権利として当然のことではないか。これができないのは情報公開としては大変不十分ではないかと指摘しておきたい。

西京極総合運動公園が整備されてきた歴史的経過は、午前中、田中議員(自民)が大変詳しく述べていただいて勉強になった。資料には「府内でも屈指の規模のスポーツ施設が集積する、スポーツ振興の一大拠点として、京都市内外の多くの方に御利用いただいています」とあるが、この公園が現在もかけがえのない役割を果たしていると認識しているという理解で良いか。

(→山口・市民スポーツ振興室長)はい、我々もかけがえのない、屈指の規模のスポーツ施設が集積する、貴重な場所だというふうに認識している。

◆やまね/午前中のお話では「スポーツの聖地」とのお話もあり私もそうだなと思い聞いていた。「スポーツ振興の一大拠点」という点は非常に重要。基本はやはり、京都市が設置した公共のスポーツ施設として、運動公園として、市の責任でしっかり維持管理していくことが大切と考える。

今回「スポーツ以外での利活用」という話が出ているが、一大拠点、かけがえのない、貴重だとお考えになっているのであれば、「スポーツ施設としての機能をさらに充実させて魅力を高める」べきではないのかと思った。例えば、江村議員(維新・京都・国民)からバスケットボールのゴールの話も出ていたが、私も充実を求めたい。以前の委員会で紹介したテックボールの台なんかもぜひ検討していただきたいし、今で言えばダンスも非常に人気があるので、練習の時に使える鏡を設置するとか、そういうことは、そこまでお金もかけず環境を充実させることにつながると思う。ただ、今出ているのはそういう話というよりも、むしろ「スポーツ以外での利活用」という話がかなり強調されているが、そこで聞きたい。「スポーツ以外での利活用」がスポーツ施設としての魅力を高めることになるのか。とにかく子育て世代の人に使ってもらいたいということなのか。あるいは西京極総合運動公園がスポーツ施設としての利用が大きく低下してきている状況があるのか。「スポーツ以外での利活用」をここまで検討されている、打ち出していることのねらいをもう一度説明を。

(→山口・市民スポーツ振興室長)我々の基本のベースにあるのは、資料の今後の取組にも書かれてるように、機能維持・向上というのがベースにある。なので、スポーツ施設は機能維持・向上、そちらのベースがあり、さらにスポーツに触れる機会を増やしたいというふうに考えている。そして、スポーツに触れる機会を増やすには、スポーツ以外の目的で来られる方を増やしたいという思いがある。様々な方、若い方、子育ての方、それぞれの方がスポーツ以外で来られて、そして、スポーツいい施設、いいなとかいうふうに思っていただいて、スポーツ人口を増やしたいというねらいもある。そしてさらには、この西京極を盛り上げて、西京極の周辺のまちづくり、これも盛り上げたいなと思っている。人口が増えて、そして経済効果が出てくる、発展するというのが大きなねらい。

◆やまね/機能維持向上がベースにある、スポーツ人口も増やしていきたい、周辺の活性化、こういうものをねらいとして提案されてるという、その考えは分かるのだが、それで、江村議員から西京極運動公園の各施設の稼働率について資料要求があったが、ちょっと付け加えていただきたいのが、その際、平日と休日の稼働率の違いも分かるような形で出していただきたい。

もう少しお聞きしたい。令和4年度の調査の「主な意見」の中に「コンセッションは難しいが、PFIやPark-PFIなら参入可能」との意見がある。コンセッションがなぜ難しいのか。なぜPFIやPark-PFIなら参入可能となるのか。この理由は事業者から聞いているか。

(→山口・市民スポーツ振興室長)まず資料要求の1点目だが、平日・休日を分けた稼働率については、その1枚の資料に書かせていただく。

そして2点目の2ページの「コンセッションは難しいがPFIなら参入可能」について。コンセッションとは、こちらのコメ印にも書いてるように、公共施設と運営事業のこと。「利用料金の徴収を行う公共施設について、施設の所有権を公共団体が有したまま、施設の運営権を民営事業者で設定する」というものだが、スポーツ施設では収入が現時点では高くないということで、その民間の利益ではペイしない、回収ができないという意味で、このコンセッションは困難であるという意味であるというふうにお聞きはしている。

そしてPFI、Park-PFI、同じ意味合いだが、それぞれは本市の負担で既存施設整備の改修を行うということで、その維持、民間に委ねるということになるので、基本のベースは本市の負担でPFIは改修等を行うので、そうであれば事業を実施する事業者っていうのは参入はしてくるであろうということ。Parkのほうはそれが公園に限るという施設。今回私どもは最後のページだが、片岡アリーナ(京都市体育館)と市民スポーツ会館っていうのはParkには含まれていないので、少しPark-PFIは違うのかなとは思っており、PFIについては本市の負担で行うので民間は参入してくるであろうという意見である。

◆やまね/いまおっしゃっていただいたように、まずPFIについては「既存施設の改修や基幹となる設備・機器の更新等は、市の負担で実施すべき」という意見が出ている。これは営利企業にとって大変都合のいい話。税金で整備してもらって儲かるところは自分たちでという発想。まさにそうなると、営利企業の儲けのために市民の税金を投入して整備するという話になる。コンセッションについては、これもいまあったように「民間では回収できない」との話があった。つまり、事業者、営利企業は「儲からないものはやらない」ということ。これははっきりしてると思う。この話を聞いていると「民間活力の導入」というよりも、「公共の活力を営利企業が利用している」という話に思えてならない。

言い換えれば、スポーツ施設の維持管理、市民にスポーツ活動の場を保障することが、何より公共の役割が大変大きいということの裏返しだ。そこに儲かる・儲からないの話を持ち込めば、利用者や市民の声よりも、いかに民間企業による開発ができるか、いかに収益を上げられるか、そういう企業収益の向上に資するかという方向でしか議論が進まないのではないか。先ほど午前中の議論で、部長答弁にあったが、「もっとアイデアが欲しい」あるいは「逆提案をしたい」というお答えあったと思う。つまり、本来、公共が、競技団体や利用者、スポーツ関係者、市民の方から声を拾って、それに基づいて行えば実現できるかもしれない、しかしそこに民間企業を参入させることで、逆に足かせとなって、ある意味、採算至上主義、企業が儲かるものでなければできなくなる、選択肢が狭まっているという側面があるのではないか。

(→山口・市民スポーツ振興室長)PFIについては、いま現時点でこの段階で決定してるという意味ではないが、我々は民間の力、ノウハウを借りながら、様々な団体が競争しながら、質の高いサービスを効率的に提供していただき、西京極に関しても、いま指定管理制度で令和5年度から8年度、公募をして適切に管理をいただいている。で、我々は、本市の責任のもと西京極の魅力の向上を伴う再整備に取り組むというベースには変わりはなく、我々の責任において、そして民間のお力、ノウハウをお借りしながら、競争性を持ってやっていただくということ。そして、今回サウンディング調査、民間事業者との対話を通じてアイデアの収集、市場性の有無等を把握するというものではあるが、軸足が民間になってしまうというものではなく、我々が責任を持って考えていくというベースは変わりはないということは申し上げる。

◆やまね/ま、再三「民間のノウハウ、アイデアをお借りし」とおっしゃるが、しかし2年間お話を聞いてきて、これだけの長い時間かけてきて、そこまでアイデアが出てきてないわけですよね。むしろ「逆に提案したい」って言ってるぐらいだから。それで私はやはり今後の取組として、事業者と引き続き意見交換するとおっしゃってるが、やはり肝心の競技団体さんや市民のみなさんの声をどこまで反映できるか、どこまで拾えるかっていうところが、最もカギだと思うので、今後行われる利用者向けアンケート調査、これぜひ幅広い形でより多くの方から声を寄せてもらえるように努力をしていただきたいと思うし、仮に市のほうから事業者に提案するようなアイデアがあるんであれば、それはもう京都市が直接やればいいだけの話ではないのかなとお話を聞いていて思った。

最後に申し上げて終わりたい。この主な意見の中では西院公園・テニスコートについて、現状でも「採算性が高い」ということになってると。一方、我々は市民のみなさんから、京都市のテニスコートについては「他都市と比べて大変料金が高くて困っている」という声もよくお聞きする。ちょっと間違ってたら言っていただきたいが、現在京都市のテニスコート、1面1時間あたり料金が平日1670円、土日祝2090円だったかなと思うが、これ本当に高くて他都市に比べて、「大会等行う場合本当に大きな負担になってる」という声が寄せられている。先日、京都市の決算概況、速報値が報告されたが、なんと昨年度は88億円の黒字だったと。しかも、この西院のテニスコートで言えば採算性が高いということだから、ならば私は料金を引き下げ、市民が経済的負担も少なく気軽に利用できるような、そういう施設にするということも一つの道ではないかと思うし、改めて重ねて申し上げておきたいのは、公園の利用者、競技団体、市民・住民の声にこそ耳を傾けていただきたい。このことを改めて求める。

2024年8月21日【文教はぐくみ委】文化市民局/理事者報告「西京極総合運動公園等の民間活力導入に向けた令和4・5年度サウンディング調査の結果について」

(更新日:2024年08月21日)