スポーツのできる公園の整備、バスケットゴールやテックボール台の設置拡充を(2024年7月24日/文教はぐくみ委・文化市民局・やまね)

◆やまね/まず今、みちはた議員(自民)から質疑のあった宝が池のアーバンスポーツ施設について私からも一言申し上げておきたい。私も2年前に質疑をさせていただいてるが、やはりアーバンスポーツは比較的若い方々が競技人口に多いのではと思うので、先ほどもあったが、ぜひ気軽に使えるように、できる限り若いみなさんが低料金で使えるように設定していただきたい。例えば、中学生以下は無料にするだとか、あるいは学生さんは一般の方より安く使えるようにするとか、こういった辺り改めて私たちからも要望しておきたい。

今日まずお聞きしたいと思っているのが、伏見区の水垂埋立処分地跡地の整備についてだが、6月12日の市長総括質疑での議論を聞き、改めてちょっといくつかお聞きしたい。やはり地元のみなさんからは「グラウンドゴルフの場所を早く作って欲しい」と、切実な強い要望として私たちもお聞きしているが、第2次編成予算で「水垂運動公園(仮称)整備」ということで2000万円予算計上。この市長総括の際には「ボーリング調査等による覆土圧を測定していきたい」と答弁があったかと思う。それで、まずこの今回のボーリング調査というのは、具体的に何箇所ぐらい実施をされるのか。

(→山口・市民スポーツ振興室長)今年度の第2次編成予算において「水垂運動公園(仮称)整備」として2000万円を計上した件。ボーリング調査により覆土圧を測定し、掘削可能な深さを把握するというもので、その調査の数だが、概ね15箇所程度を考えている。具体的には今後、事業者と調整をする予定。

◆やまね/「15箇所ほど」「具体的にはこれから」「掘削可能な深さを調べる」というお話だったが、平成20年策定の「運動公園の整備基本計画」の中で、この場所、埋立跡地の地盤の状況についても書かれている。「焼却灰を中心とする埋立層の地盤の強度は、一般の砂質土地盤と差異はなく、ほとんど沈下の心配はない。また、地震時の地盤の液状化に対しても概ね高い抵抗性を示している」「地下部の遮水層も現状では沈下が止まっているものと評価でき、今後の盛土等の載荷による地盤沈下は、少量と考えられる」「グラウンドや広場、植栽帯、駐車場等としての利用に問題はなく、管理棟等の建築物も地盤支持力等の確認が必要であるものの、杭基礎でなければ設置可能な地盤」とある。ですからここまで地盤が大体どういう土地かってことは分かってるわけで、「掘削できる可能な深さを調べる」というお話が先ほどあったが、何のために行う調査なのかがちょっとよく分からない。何か想定してる施設があるのか、ちょっとその辺りもう少しご説明いただけるか。

(→山口・市民スポーツ振興室長)ボーリング調査による覆土圧を測定するものだが、まず「覆土」は埋め立てられた廃棄物の上にある土のことであり、その厚さをポイントを決めて何箇所か調べるものだが、その厚さについては場所場所によって波が結構あるということで、その場所の深さを知り、そしてその上にどんな建物がどれぐらい建つのかという計画を立てるために行いたいというもの。そしてその覆土圧を計測することにより、具体的な整備計画、これが立てやすくなるということを考えている。

◆やまね/そうすると今何か具体的な計画があるわけではなく、この調査をすることによってより具体的に考えやすくなるという理解でいいですかね。はい分かりました。

それでもう少し聞くが、市長総括の際に副市長からは「我々としては引き続きスポーツ拠点施設を中心とした公園ということを目指して」とあったが、一方で「民間事業者の方で活用に関心をお持ちの方もおられるので、スポーツに限らずあらゆる可能性を排除することなく、民間事業者の方の意見もお聞きしながら広い視野を持って」というような答弁があった。

経過を踏まえると、例えば平成12年に「水垂地区における基盤整備のための構想」が公表され、平成19年に「第1次土地利用基本計画」が策定され、平成20年に「運動公園の整備基本計画」を策定、その中でスポーツ施設にということが固まっていったかと思うが、ちょっと確認しておきたいのは、この民間事業者の提案によっては「スポーツ施設の整備はなくなってしまう」という場合がありうるということなのか。もしそうだとしたら、それはもう文化市民局の所管から外れてしまうんじゃないかと思う。いやそうではなくてあくまでスポーツ施設の整備というのが基本なんだという、この方針には変わりはないのか。ちょっとこの辺り確認したい。

(→山口・市民スポーツ振興室長)京都市では平成20年に「運動公園の整備計画」を策定し、グランドゴルフ、そして多目的グラウンド等の計画を公表した。そして今現在、一方で水垂埋立処分地は、土地の性質上、大規模な施設建設が難しいということで、事業の実施に必要な条件整理を行いながら、運動公園の整備を目指して取り組んでいる。現在もその方針に変わりはない。そして一方で、水垂処分地、こちらは大変大規模な土地で、興味をお持ちの民間事業者から土地の活用方法について相談があるのも事実。そうした相談にも丁寧に今対応をしているというのが実情。

◆やまね/スポーツ施設の整備ということでその方針に変わりないとのこと。同時に、「興味をお持ちの事業者から相談があることも事実だ」と仰られたが、これ実際に何件ほどそういう問い合わせがあるのか。どういった業者・業種の方が、どういった提案というか、アイデアをお持ちなのか、この辺りは答弁できるか。

(→山口・市民スポーツ振興室長)現在相談を受けている企業はスポーツ関係事業者やデベロッパー等であり数社程度。あくまでも相談、問い合わせのレベルで具体的な内容については民間事業者の了承もあるし、そしてまだアイデアがどのレベルなのかも、うちのほうもまだ把握はしてない状況なので、内容については申し訳ないがご容赦をいただきたいと考えている。

◆やまね/これまでも地元のみなさんの声を受けて基本計画等を策定され進めてこられたと思う。第1次土地利用計画の中では「施設の内容は地盤に負担がかからない野球やサッカー、グラウンドゴルフ等のグラウンドを中心とする」と書いてあるので、確かにそうなんだろうなと思う。やはり先ほどからあるように、大きな建物が作れる場所ではないということもある。しかし、だとすれば「なぜこんなに時間がかかるんだろうか」ということも地元のみなさんの率直な思いではないかなと思う。結局、要は、民間事業者の意見や都合に左右されていないかどうか。民間に任せるということではなく、京都市が責任を持って、まずはグラウンドゴルフができるところはしっかりと整備をするとか、そういう形でスポーツのできる公園として早急に、京都市の責任でできるところから進めていくということも一つの方法ではないかと思うがいかがか。

(→山口・市民スポーツ振興室長)先ほども答弁をさせていただいたが、我々は運動公園の整備というのを目指している。そして、水垂の処分地の跡というなかなか困難な場所なので様々な事柄、例えば歩道の整備であったり、雨水の排水対策の検討であったり、耐荷重の調査など、現在行っているところなので、着実に少しずつ進行していって、こちらの計画を実現できるように我々は取り組んでいきたい。これがスタンス。

◆やまね/そうすると、民間企業が参入するかどうかは進捗にあまり関係ないということか。

(→山口・市民スポーツ振興室長)この民間事業の意見だが、今その民間事業の意見を反映するとか、そういったものは考えてはいない。そして民間事業者から今後いただいた意見が現在のもし計画と変わるのであれば当然、市民の方のご意見も伺うことになるし、オール京都市としてそれを判断することになろうかと思っている。

◆やまね/先ほど(他会派議員の質疑の際)、(スポーツ担当)局長のほうから「民間にできないことをやる公共の責任」というか、そういうご発言もあったかと思う。私はそれは本当にその通りだと受け止めている。民間事業者の参入ということを前提として進めていることによって、逆にそれが足かせとなって結果的に市民・住民のみなさんのためのグラウンド整備が遅れるということであれば、これは問題だし、そうでないのであればぜひ早急に整備を実現していっていただきたいと思う。

次に、拠点施設の整備も重要だしぜひ頑張っていただきたいと思ってるが、もっとお金をかけずに、あるいは敷地も少なくて済む、広大な敷地も必要のないところで、スポーツ環境を向上させる方法もあるんじゃないかということで質疑をさせていただく。

例えば、バスケットボールのゴール設置、これは市民的要求も高いところだが、バスケットボールは元々競技人口も多く、日本代表の活躍だとかB.LEAGUEの盛り上がりもあり、さらに今人気が高まっているし、3×3という競技もある。公園の一角にバスケットボールのゴールを設置して欲しいという要望は、私も市民のみなさんから以前からいただいてるところ。

そこでいくつか確認をしたい。この間京都市としても可能なところにはということで取り組まれてきたと思うが、現在、文化市民局所管の公園、建設局所管の公園、あるいはそれ以外の土地も含め、バスケットボールのゴールが設置されている公園・場所、こういうものが今いくつあるのか。実際にゴールを設置する際にどんなことが課題になるのか。例えば1つあたりどれぐらいのコストがかかるのか。コスト以外に課題となるようなことがあるのか。この辺り教えていただきたい。

(→山口・市民スポーツ振興室長)市民スポーツ振興室所管の公園では西京極、そして東野公園の2箇所にバスケットゴールを設置しており、3箇所目として、整備を行っている宝が池アーバンスポーツ施設内に3人制バスケットボールに対応するためのゴールを整備する予定。このほか、建設局所管の公園では、伏見北堀公園、向代公園の2箇所にバスケットゴールが設置されていると伺っている。

そして、バスケットゴールのコストだが、基礎の整備にかかる経費等があり若干変動はするが、支柱を立ててバスケットゴール1基を設置するのに概ね150万から200万程度が必要。

次に課題だが、バスケットボールの利用については、他種目に比べドリブルやバウンドの音に対し近所の住民の方から苦情を受けるケースが頻繁にある。「音が地面に響く」「夕方夜間はやめてほしい」といったもの。バスケットゴールの費用面というだけではなく、近隣住民の方々の生活の影響やご理解も含め慎重に検討する必要があると考えている。引き続き市民の皆様の声と利用者の方のニーズのバランスも考慮しながら我々は取組を進めてまいりたいと考えている。

◆やまね/コストだけでなく近隣の方のご意見も非常に重要とのこと。おっしゃる通りだと思う。

合わせて、私はこの委員会で、以前「テックボール」というスポーツについても紹介をさせていただいた。いわゆる卓球台のような台を置いて、サッカーのように足や頭などを使って行うスポーツだが、日本ではまだまだ普及途上だが、世界では国際大会も行われてるほど非常に人気があり、比較的気軽にできるスポーツ、場所もそこまで取らないということで、ぜひこのテックボールの台を置いて欲しいということで、競技団体のみなさんの声、ご要望をお伝えしたことがある。

やはり市民スポーツの振興にとって大事なのは、拠点施設をきちっと整備していくということと合わせて、市民のみなさんの身近な場所にスポーツできる場所があるということ、これが非常に大事だと思う。ですのでやはり大きな拠点となる施設だけではなくて、お金をかけなくても、あるいは広大な敷地がなくてもできることがあるのではないか。具体的にはこういうバスケットボールのゴール設置であるとかテックボールの台を設置していくということ、ぜひこれは色々課題はあると今もお話お聞きして分かったが、引き続き探求し、検討を進めていただきたい。改めていかがか。

(→山口・市民スポーツ振興室長)まずはお金をかけなくても取り組めるものについて。我々は各種団体との連携のもと様々取組を行っており、今年5月の連休中に今回のパリオリンピックで公式種目に採用されたブレイキンの他、ダブルダッチ、3×3を広く一般の方に紹介するイベントとして、アーバンスポーツの競技団体による「京都アーバンスポーツデイ」が、京都駅ビルと京都リサーチパークで開催され、本市ではそのイベントを後援し事業のPRに取り組み、2日間で約3300名が参加され、大きな反響があった。こうしたソフト事業の取組も引き続き行ってまいりたいと考えている。

そしてテックボールだが、ハンガリー発祥のサッカーと卓球を組み合わせたスポーツだが、ホームページを検索するとなかなか競技人口は全国でもまだ少ないのではないかというふうに感じている。宝が池で整備する施設については、先ほど述べさせていただいたものになるが、今後このテックボールについては、競技人口の変化、そして利用者の声、市民のニーズとか様々なものを踏まえながら、今後、検討・研究を続けてまいりたいと考えている。

◆やまね/ぜひお願いしたい。バスケットボールのゴール設置についても引き続き建設局とも連携してできるところはぜひ頑張っていただきたい。

最後にこれは意見だけ申し上げておきたい。やはり公園やスポーツ施設の整備というのは引き続き私は非常に重要だと思っており、その点で、昨年度、文化市民局が廃止手続きを行った南区の東吉祥院公園、野球のできる運動公園であったので、現在裁判もたたかわれているが、市民のみなさんがスポーツができるところだった場所をわざわざ減らすということはやはり許されない。公園面積の拡大、そしてスポーツのできる公園を増やしていくことに、ぜひ引き続き力を入れて頑張っていただきたい。このことを求めて終わりたい。

2024年7月24日【文教はぐくみ委】文化市民局/一般質問「スポーツのできる公園の整備について」

(更新日:2024年07月24日)