京都マラソンで電通に44億円⁉市外の巨大企業でなく地元企業へ発注を(2024年7月10日/文教はぐくみ委・文化市民局・やまね)

◆やまね/私のほうからもいくつかお聞きしたい。委員会資料のp7でふれられている「経済効果」のところ。スポーツツーリズムという言葉もある。スポーツイベントをきっかけに旅行をする、その時には当然飲食もするし宿泊もする。そういうことに伴っていろんな賑わい、経済効果が生まれることは当然あり得るしいいことだと思っている。そこで三点、資料提出が可能か確認したい。

一つは「市税増収効果」について。「推計で約1億4600万円」とある積算根拠について。どういう計算でこれが出てきているのか。

二つ目に「直接効果」として、「投資的支出 約6億8600万円」という数字がある。これは「開催事業費(7億1907万円)のうち市内への投資額」とのことだが、この積算根拠や内訳はどうか。

それから、同じく「直接効果」として、「消費支出 約28億4500万円」という数字もある。これは「ランナー・同伴者、沿道応援者、ボランティア等が使った宿泊費・食事代・買物代等」とあるが、それぞれの額、資料を出せるか。

(→松浦・スポーツ活動・京都マラソン担当部長)経済効果と市税増収効果について3点のお尋ね。いずれの項目においても積算根拠はあるので、何らかの形でちょっと資料にまとめさせていただきたいなとは思う。産業連関表を用いた複雑な計算式になっているので、できるだけ噛み砕いて資料にさせていただきたい。

◆やまね/実際にこれが経済効果ということであげられている数字が、どういう根拠持って、きちっと市民のみなさんにご説明できるかも大事なことだと思うのでよろしく願いする。

党議員団がこの間求めてきた要求資料「京都マラソンにおける外部委託経費及び委託先一覧」によれば、京都マラソンの総事業費は毎回約6億数千万円規模。2023年、2024年は物価高騰の影響もあり約7億円。総事業費のうち外部委託費が毎年5億円前後で推移。あコロナ禍の2年間はオンラインで額は違うが。その外部委託費のうち大きな割合を占めるのが大手広告代理店・電通への支出。第1回目(2012年)は外部委託費の100%、5億5300万円が電通への支出だった。その後少しずつ分割発注され、2023年、2024年の大会は12の業務に分けて発注しているが、「運営業務」は今も変わらず電通あるいは関連会社へ委託され続けている。

そこで二つお聞きしたい。一つは、これまで電通(関連会社含む)へ支出した委託料総額はいくらになるか。二つ目に、2022年3月の予算特別委では「運営業務への応募は電通1社のみ」との答弁だったが、状況は今も変わらないのか。

(→松浦・スポーツ活動・京都マラソン担当部長)委託事業費に占める運営業務、電通関連についてのご質問。一点目の総額だが、第1回目の2012大会から2024大会まで、電通が受託している委託料の総額は概ね44億円。参考までにその間の総事業費を足し上げると約72億円。

二点目の運営業務の受託業者ということだが、2024大会においても、一番メインとなる運営業務についての応募事業者は電通関連の事業者1社であった。

◆やまね/そしたら電通への委託料総額は一番新しい大会も入れるとだいたい44億円。総事業費の全体では72億ほどというお答え。運営業務に応募しているのは今も電通1社のみとのこと。この総事業費の60%以上、外部委託費の80% 近くが電通に支出されているということになる。その実態は今も変わらない。そこでもう一つお聞きしたいのは、この「運営業務」の中には企業への協賛金集めなどの業務も含まれているのか。

(→松浦・スポーツ活動・京都マラソン担当部長)運営業務の中に協賛業務については含まれていない。運営業務はランナー関係業務、競技運営関係業務、ボランティアを含むスタッフ関連業務からなっており、大会運営の根幹を占めるものだが、協賛業務については含まれていない。

◆やまね/分かりました。それでは今おっしゃっていただいたような、電通のおこなっている運営業務、この中身が分かるような資料と言うか、これ契約は実行委員会のほうなのか、ちょっとそこはすいません私存じ上げていないが、京都市なり運営委員会なり、どういう契約内容になっているか、仕様書であるとか契約書であるとか、あるいはプロポーザルやってるのであればその資料とか、電通が担ってるこの運営業務の中身がもう少し詳しく分かるような資料を出していただきたいと思うが、いかがか。

(→松浦・スポーツ活動・京都マラソン担当部長)運営業務の中身について、仕様をちょっと簡単に取りまとめたものを提出させていただきたい。

◆やまね/22年3月の質疑では、分割発注を増やしてきた理由について「競争性を導入することによって、支出を削減しようという趣旨で取組を始めた」との答弁。しかし「運営業務」の応募は電通1社のみ。運営業務は外部委託経費の7~8割を占め、毎年3億5000万円~4億円を支出。それをずっと続けている。市民の方からは「本当に競争性が働いているのか」「電通のための大会になっていないか」こういう声もご意見としていただいている。「運営業務」について、より多くの地元企業のみなさんに参加いただく工夫が今後必要ではないか。

(→松浦・スポーツ活動・京都マラソン担当部長)運営業務について。先ほどもご案内させていただいた通り、業務の中身として、ランナー関係、競技運営関係、スタッフ関連業務など、大会運営の根幹に関わるものであるとともに、相互不可分に一体に関連し合う業務であるので、我々としてはちょっとこちら一体的に募集をさせていただかざるを得ないという状況の中で、その要因と合わせて、大規模マラソンの専門的なノウハウが必要になることから、やむなく1社応募という状況が続いているのかなというふうには認識している。ただ、先ほど委員も言われた、競争性を高めるための分割発注という点については、例えば前回の2024大会においては、12項目、運営業務以外の業務については、電通以外の業者が受託している。

◆やまね/今もおっしゃっていただいたように、やっぱり競技のいろいろ、大会の運営で一体的にやらざるを得ないっていう側面があるということは重々承知しているつもりだが、例えば、応募まではいかなくても、問い合わせというか、そういうものも全く何もないのか。他の電通以外からは。

(→松浦・スポーツ活動・京都マラソン担当部長)問い合わせレベルの話で、ちょっとあの詳細のご紹介は控えさせていただきたいと思うが、お問い合わせを受けたことはこれまでにもある。

◆やまね/問い合わせレベルではあるということなので、やはり関心を持たれている事業者さんもやはりいるんではないかと思う。最後に申し上げておきたいが、やはり京都市がする市民参加型のマラソン大会。より多くの市民の皆さんが気軽に参加できるということがまず何よりも大事だと思う。それは先ほどの別の方の質疑の時に「市民のスポーツ振興が目的の一つ」だとおっしゃられた通りだと思う。

そして経済効果という視点で見るならば、やはり本社が京都市外にある巨大企業、もちろん京都支社もあるから完全に部外者ってことでは電通さんもないと思うが、やっぱりより多くの地元の中小企業も含めて、たくさんの地元企業の皆さんに支えていただけるような大会にしていただきたいと思う。

それからやはり「大学のまち・学生のまち京都」でもあるので、大学の協力をもっともっと広げることができないか。あるいは学生支援の取組とも合わせて、スポーツに関わる、学んでおられる学生さんもたくさんいるわけで、例えばスポーツイベントであるとかそういうマネージメント、マーケティング、そういうものを現場で学ぶ非常にいい機会にもなると思う。アルバイトでしっかりとその点は雇って学生支援の取組とも連携させてできないのかどうか。こういう点もいろいろ今後検討していただけたらなと思っている。

2024年7月10日【文教はぐくみ委】文化市民局/理事者報告「京都マラソン2024大会の総括及び2025大会の概要について」

(更新日:2024年07月10日)