いじめ・体罰・学校事故等の対応で第三者委員会の設置を(2024年7月10日/文教はぐくみ委・教育委員会・やまね)

◆やまね/市立小学校でのいじめ「重大事態」の認定が3年以上遅れた問題について。まず、重要な問題であるにもかかわらず、なぜ市会への報告案件になっていないのか。それからもう一つ、今もお話があったように、保護者の方からの訴えはもうずっと以前からあって一定対応もされてきた、ところが認定できていなかったということだが、報道では「今後、当時の資料や関係者への聞き取りなどによる再調査を進める」とのことだが、第三者委員会の設置などは考えておられるのか。

(→関・教育相談総合センター所長)本件については、卒業後であるが、加害側児童から被害側児童への訴訟が提起されていたという中で、当時全く把握できていない事案ではなく、一定対応しながらも保護者からは様々なご要望をいただいていたという事案であったもの。その中で、先般報道にあり改めて認定をさせていただくということを保護者にも謝罪をさせていただいたものであるが、報告事案にすべきであったかというところについては、今回、報道ベースであるが、ご質問頂戴したという形でご回答させていただくという形を取らせていただいたところ。

今後の調査について第三者委員会を開催するか、入れるかどうかというところだが、法の要請でも全ての重大事態について第三者審議会を設置するということが求められていない。調査を行う主体は、子どものことを第一に考えた上で、最終、教育委員会か決定するということになっているが、裁判訴訟が行われたということで、おそらくそこでいじめの有無、あるいは事実関係認否のあたりは一定明らかになっているのかなというふうに思っている。教育委員会、訴訟の当事者ではないので、判決そのものあるいは訴訟関連資料を目にすることはできていないが、至急そうしたところを確認しながら、第三者を交えることで非常に時間的なものがかかるというところも考えられる。事案そのものに関しての疑義がないようであれば教育委員会が責任を持った調査で結果をお示しするということも含めて、また保護者の方とご相談しながら進めていきたいというふうに思っている。

◆やまね/最初の、なぜ報告案件にならないというのは、この一般質問があったからという理解でよかったのか。

(→樫木・総務部長)一般質問があったから報告しないという、そういう関係性のものではないというふうに認識している。通常、こうした場で報告させていただく時について、職員の処分とか、そういったものと合わせて概要についてご報告させていただくになるわけだが、今回、現時点でそういった状況に至っていないというところで、報告という案件にはさせていただいてないわけだが、もちろん先ほど来のやり取りからして、我々としては重要に受け止めているところなので、なぜ報告ではなかったのかというご指摘については、我々としては重く受け止めたいというふうに考えている。

◆やまね/先ほどみちはた議員(自民)からも質問があったように、本当に重大な問題だと思う。これやっぱり一般質問ということだと制限時間があるので、自民党さん、我々共産党以外の会派の皆さんも、これはもうちょっと聞いておきたいということがあったかもしれないと思う。それをやはりきちっと制限時間のない報告案件として報告をしていただいて、きちっと議論することがやはり必要だと私は思うので、しっかり考えていただきたいと思う。それから第三者委員会のお話では「時間を要する」というお話もあったが、もう3年以上経ってる話だ。「時間かかるから第三者委員会は~」という否定的な議論は、私は非常に問題があるのではないかなと聞いていて思った。

次に、昨年度質疑した市立小学校・育成学級での体罰・虐待の問題。学校は子どもたちが安心して過ごせる場所でなければならない。圧倒的に腕力で勝る大人の側が、しかも複数の人間が関わる形で事態を引き起こしたことは重大。当該教員を処分して終わるということでは非常に不十分。この間「不適切な指導があった」と言われるが、教育委員会として明確に「体罰」「虐待」があったことを認めるか。昨年議論した件についていかがか。

(→菅野・指導部担当部長)今申された育成学級のことについて、これについては、教員の処分もしており、体罰であった、不適切な指導であったということは、それに基づく処分としているので、体罰ということはその通りかと思う。

◆やまね/この件については、教育委員会・学校として、被害を受けた児童のご家族や、児童が通う放課後等デイサービスの事業所などからは聞き取りをおこなったのかお聞きしたい。また、過去、京都市立学校において発生した「いじめ・学校事故・体罰」等の案件について、京都市教育委員会として第三者委員会を設置して調査した事例はあるか。

(→菅野・指導部担当部長)聞き取りについて。まず保護者については、もちろん保護者への聞き取りというのはさせていただいている。それからすいません、放課後デイサービスから聞き取ったかどうか、ちょっと今すいません、手元にちょっとないので、また改めてお伝えさせていただきたい。それから第三者委員会だが、これ以外で、こういった案件でというものはない。

◆やまね/つまり京都市においては、過去に第三者委員会というのは設置したことはないと。

(→菅野・指導部担当部長)申し訳ありません。今「体罰で」ということ申し上げたが、学校事故についてはある。

◆やまね/政令市の状況を自分なりに調べた。「回答不可」とした政令市もいくつかだけあったが、いじめの問題では13都市、学校事故では2都市、体罰では3都市で「第三者委員会による調査」が行われている。私が調査した限りでは、いじめ・学校事故・体罰、いずれも第三者委員会を設置したことがないとしたのは、京都市を含め4つの都市だけだった。

重大な案件が起こっているにもかかわらず、やはりこの間のお話を聞いていると、京都市はあくまで内部調査のみになっているのではないか。これで客観的な説得力を持つのか、本当に再発防止につながるのかというのは、保護者や市民のみなさんの当然の思いではないか。やはり京都市でも、今後いじめ、体罰、学校事故等において、重大な案件が起こった際には、第三者委員会の設置を検討すべきではないか。

(→樫木・総務部長)第三者委員会について。先ほども答弁で少しだけ触れさせていただいたが、過去、第三者委員会ということで、養徳小学校のプールの事故があった時に、これは第三者委員会ということ、専門家の方をお集まりいただき、詳細調査とか再発防止策というものについて、検討していただいたところ。また、その他についての第三者委員会ということだが、我々としても「第三者委員会は置かない」ということを、考え方に立っているわけではなく、いじめであれば当然そうした体制の整備というのを求められてる中で、教育委員会としても一定の第三者委員会というもの体制整備も常設でと言うか、しているところ。また、文科省が「学校事故対応指針」というようなものを示しており、様々な学校事故において、どうした事案については第三者委員会、まずは設置者である教育委員会の調査、その後第三者委員会としての調査、どうした案件についてはそうしたものに移行していくのかとか、そうした考え方について示している指針というのがあるので、基本的にはこうした考え方も準用しながら教育委員会としても、今後そうした事態があれば第三者委員会についても検討していく考え。

◆やまね/第三者委員会を否定してるわけではないとのこと。しかし私、かなり詳しく質問項目を出させていただいて、京都市も含めて全政令市に調査かけたが、その時にはやったことないという回答だったので、今「過去にある」ということだったので、その事実は分かったが、ぜひ考えていっていただきたい。

体罰問題で第三者委員会を設置した事例があるのは3都市。札幌市では「体罰事故調査委員会設置要綱」で、第1条「市立学校で発生した体罰事故に関する調査の透明性及び公平性を担保するとともに、本市学校教育に対する信頼性の維持向上を目的として設置する」、第5条「校長は体罰事故の疑いのある事実を認識したときは、事実の把握に努め、事故関係者への対応にあたるとともに、調査委員会を設置し、事実関係の調査を依頼する」、第8条「教育長は(中略)必要と判断した場合、学識経験者、弁護士、医師その他専門的知識を有する者を調査委員会の調査に加えることができる」など。こういう要綱をつくっておられる。

堺市でも「保護者の要望に応じて、弁護士、臨床心理士による調査を実施」。熊本市でも「生徒や保護者から訴えがあれば、すべての案件に対応」ということで、取り組んでおられる自治体もある。必要な場合にはやはりしっかりと第三者委員会も設置して対応を考えていただきたい。強く求める。

2024年7月10日【文教はぐくみ委】教育委員会/一般質問「いじめ・体罰・学校事故等における第三者委員会の設置について」

(更新日:2024年07月10日)