マイナカードの強制、行政サービスの後退は許されない(2024年6月13日/文教はぐくみ委・文化市民局・やまね)

◆やまね/まず根本的なところだが、マイナンバーカードについての認識を改めて聞きたい。最近、大阪や東京の地方議員の方で、マイナンバーカードを偽造され、高級腕時計を購入されたり、タクシー決済に使われたり、こういう被害に遭われたケースがある。個人情報漏洩からそうした事件も起きていることへの受け止めは。

(→臼山・マイナンバー業務改革推進担当部長)マイナンバーカードを偽造、偽造ではないですね、なりすましで使われ、個人情報が漏れるというような状況が起こってるとは認識しているが、それが何て言うか、マイナンバーカードを確認が疎かだったことから発生しているもので、カード自体に問題があった個人情報の漏洩ではないとは考えている。

◆やまね/報道によると「SIMスワップ」という手口で、①ホームページで公開された個人情報(生年月日、住所、携帯電話番号)などを悪用しマイナンバーカードを偽造、②偽造カードで被害者名義のSIMカードを再発行し携帯電話を機種変更、③乗っ取った携帯電話でネットショッピングをする…こういう形。この中では今もあった「本人確認の甘さ」もあったことが指摘されている。「マイナンバーカードそのものの問題ではない」とおっしゃったが、やはり単なる不具合だけにとどまらず、銀行口座、保険証、運転免許証、あらゆる個人情報を集約するものをつくっていくというのは、紐付けていけば、これはより大きな被害が起こる可能性がある。これはやはりきちっと見ておかなければならない。

マイナンバーカードの取得はあくまで任意であるが、本市において、これまで(平成27年度以降)マイナンバーカード普及促進のために使われた事業費総額はいくらか。そのうち国負担:市負担はそれぞれいくらか。

(→臼山・マイナンバー業務改革推進担当部長)正確な数字ではないが、今年度の決算がまだ終わってないので、その分18億ほどあったと思うが、それを除いた形でいくと、決算額ベースで令和4年度までに73億ほど使っている。そのうち特定財源として63億ほど、それから一般財源で11億弱ほど。

◆やまね/令和4年度までの数字ということで今お答えいただいたが、昨年度それから今年度もかなりの額、投じているので、100億円規模にはなるんじゃないかと思う。

資料によれば「本市のマイナンバーカード保有枚数率は約70%まで向上」とのこと。この70%という数字をどう見るか。国全体でマイナポイントへ数兆円規模のお金を投じて、京都市でも国の財源含めて100億円規模のお金を投じてきた。結果的には70%。30%はまだ保有されていないということ。そこで確認しておきたいのは、全国的な取得率は何%かということ。

もう一つ、これまでの議論で「令和4年度末までにほとんどの住民がカードを取得していただく、こういう想定で国も自治体もそれぞれ取組を強化」と言われてきた。こうした想定とは違う結果になっている。なぜ、「ほとんどの方」が取得に至っていないのか。この理由はどうお考えか。

(→臼山・マイナンバー業務改革推進担当部長)まず本市のカードの取得率、それから全国的な取得率の状況。保有枚数率は、本市69.5%(4月末)、全国73.7%。カード交付枚数率は、本市75.18%、全国79%。

カード取得に関して残り3割の方が取られていないという状況だが、それは任意ということもあるので、カードを取得されないと決めていらっしゃる方、カードの、何て言うか、個人情報が心配やとか不安に思われてカードを取得されない方もいらっしゃると思う。それ以外に、あまり外に出られない状況で、施設に入られてるとか、病院に入られてるとか、そういった方もなかにはいらっしゃると思っており、特に施設入られてる方とか病院入られてる方とか、そういった方をターゲットにして、出張申請は今も継続してさせていただいてるところ。

◆やまね/今お答えいただいたように、任意の制度であるので一定取らない方もおられるし、外になかなか出にくい方もおられるという話があったが、私は合わせて、情報漏洩の危険と合わせ、そもそも必要性を感じていない方もたくさんおられる。マイナンバーカードの取得はあくまで任意であって、現時点でも30%の方々が保有されていないのであれば、京都市の人口は146万人とすれば、かなりの数だと思う。大事なことはこの30%もの方々が、マイナンバーカードを持っていないからといって行政サービスから排除されるようなことがあってはならない、不利益を被るようなことがあってはならないと思うが、この点はいかがか。

(→臼山・マイナンバー業務改革推進担当部長)先生おっしゃられたように、カードお持ちじゃないからといって不利益があってはならないというふうには考えている。逆に、カードをお持ちになることによって、より便利な方法で利益を得ることもできるというふうには考えているので、我々として

はカードの普及に努めていきたいと考えている。

◆やまね/今言っていただいたように不利益があってはならない。で、おっしゃっていただいたように、「より便利になる」ということであれば、「不利益は被らない、その上でより便利になるなら…」とは思うが、しかし実際どうか。

今回、証明書発行コーナーについては、「現在、市内5箇所に設置している証明書発行コーナーの発行件数は減少しています」とのことで、参考データとしても、区役所・支所、証明書発行コーナー、コンビニの発行件数が示されているが、事前にお聞きすると、令和4年度と5年度の比較で言うと、区役所・支所は15万件ほど減、コンビニ交付は16.5万件増、証明書発行コーナーは2万件程度の減。大きく減ったのは区役所・支所であって、証明書発行コーナーでの減少がイコールでコンビニ交付増となっているわけではない。

今回「証明書発行コーナーの営業時間の見直し」ということで、竹田・山科・北大路・桂の4コーナーは「土日が休業日」となることと合わせ、市役所証明書発行コーナーも含め全てで「平日午後7時まで」が「午後5時まで」に短縮される。これは明らかな利便性の後退ではないか。

(→臼山・マイナンバー業務改革推進担当部長)土日とか平日夜間をご利用いただいてる方も、マイナンバーカードをお取りいただいてコンビニ交付をご利用いただければ、わざわざ証明書発行コーナーとか市役所まで足を運ばなくても、簡単に証明書が取得できるので、そちらのほうにご案内していきたいなと考えている。

◆やまね/だからあくまで「マイナンバーカードを取れ」ということでしょう。いろんな問題が起きている、不安に思っておられる方もいるのに、任意の制度であるマイナンバーカード、事実上強制し てるということになるじゃないか。そういうふうに誘導してる。それがやはり問題だと私たちは思っている。

向島・西院・嵯峨・岩倉、4つの証明書発行コーナーが廃止される際、向島地域のみなさんから陳情が提出された(2021年12月の文化環境委で審議)。その際、「向島では今後はマイナンバーカードを持たない方は伏見区役所まで行く必要がある。電車やバスでの移動や経済負担も増す」という話を紹介した。その時、「向島であれば、竹田の証明書発行コーナー、こちらのほうもご利用いただける」との答弁があった。しかし結局、今回の見直しで営業時間は短縮・縮小。やはり証明書発行コーナーの利便性は後退すると言わざるをえない。証明書発行という最も基本的な行政サービスが、マイナンバーカードを持っているかどうかで差が生じるのは、先ほど「不利益が生じてはならない」とおっしゃったことからしてもおかしい。「誰一人取り残さない」どころか多くの人を取り残す可能性があると指摘する。

市役所の証明書発行コーナー(ゼスト御池)については、「職員で実施すべき証明書発行に係る審査業務を除き、軽易かつ定型的な業務に民間委託を導入」とある。現在は11名で業務をしていると聞くが、今後は人員削減が行われることになるのか。ここで言う「軽易かつ定型的な業務」とは具体的に何か。

(→臼山・マイナンバー業務改革推進担当部長)今回、市役所の証明書発行コーナーで業務委託することに関しては、まず委託する内容だが、「定型的」というのは、例えば「受付」とか「証明書の作成」とか、そういったところを委託することになる。「証明書発行の可否の判断」とか、そういったことが必要なものに関しては(市)職員が引き続き行う。で、どこまで委託するか、どこまで職員が判断しなければならないか、そういったところも見極め、職員の人数や委託人数を決めていきたいと考えている。

◆やまね/すいません、どこまで委託するかというところは、まだ決まってはないのか。

(→臼山・マイナンバー業務改革推進担当部長)業務の中で言うと「受付」「作成」「交付」、そういった単純なところは委託可能だとは考えてるが、(市)職員がどこまで関わらないと業務を回すことができないのかというところについては、今後詳細をまだ詰める必要があるs場所はあるかなと考えている。

◆やまね/だから職員がどこまで関わらないといけない業務なのか詰める必要があるということその ものが、非常にそういう個人情報を扱う業務を、そういうふうに扱っていいのかなと本当に思う。

これも確認しておきたいが、例えば受付業務。やはり市民の皆さんの個人情報に、市職員でない営理企業の、例えば民間委託された企業の職員が、市民の個人情報に触れるということもある。この辺りはいかがか。

(→臼山・マイナンバー業務改革推進担当部長)ある。

◆やまね/その場合、情報漏洩が起きないための対策というのはどうされるのか。

(→臼山・マイナンバー業務改革推進担当部長)その辺りは個人情報保護の研修とか、(市)職員のほうで、委託で来られる方の、何て言うか、見守りとか、そういったところも含めてきっちりやっていく所存。

◆やまね/研修だとか、協定結んだりとか、色々あるかとは思うが、しかしどこまで担保されるのか。個人情報を扱う場合にやはり市職員がきちっとそこを扱うのか、それともそこに営利企業の人でも、あるいは派遣の人でも、どんどん入っていくのかっていうのは、これは自治体の姿勢として大きく問われるのではないかと思うし、この間、京都市の業務に関わる事業者が不正を働いて逮捕される案件も起こっているし、昨年はマイナンバーカードの出張申請窓口で手続きをされた方に別人の写真が貼られたカードが送られる事案も起こった。市民の個人情報を扱う仕事は、市職員が行うべきである。

最後にもう一つ。証明書発行に関連し、戸籍事務、住民票発行等事務について、3月から「広域交付」が始まったが、その初日からトラブルが起こり、京都市に本籍地がある戸籍の証明書すら交付できなかった事例もあると聞く。その後も、全国の自治体で住民サービスに影響が出ていることがメディアでも報じられた。この不具合について、原因は分かっているのか。3月以降、京都市ではどのようなトラブルが発生したか、資料にまとめていただきたい。

(→臼山・マイナンバー業務改革推進担当部長)3月以降、様々なトラブルということで、戸籍の広域交付ができなかったりということが発生しているのは事実であり、それらに関しては現状も起こることはある。その原因としては、正直こちらでは分かってないことがほとんどで、国のほうに今システムの改善要望等をしているところ。提出する資料に関しては、具体的にどのような資料かということをまたご相談させていただきながらお願いできれば。

◆やまね/資料はまた個人的に相談させていただきたい。

最後に申し上げておきたいのは、このマイナンバーカード普及促進、証明書発行コーナーの廃止、行政のデジタル化については、これまでも議論し、問題点を指摘してきた。個人情報漏洩の危険、住民の利便性後退、住民に身近な区役所・支所の人員削減などにつながれば大問題。住民の顔が見えるところに、しっかり自治体職員を配置し、仕事をしていただきたい。このことを強く求める

2024年6月13日【文教はぐくみ委】文化市民局/理事者報告「京都市マイナンバーカードセンターの移転及び証明書発行コーナー営業時間の見直しについて」

(更新日:2024年06月13日)