前市長の「市民負担増」継続ではなく、子育て支援の充実を
◆やまね/市長は「門川市長の後継者ではない」と言われるが、第1次予算編成では、前市長の「行財政改革計画」を継続。さらに大阪・関西万博の推進予算増額、京都駅新橋上駅舎・自由通路整備、景観や住環境を守るルールより企業収益を優先させる都市再生緊急整備地域の拡大、向島の優良な農地をつぶす都市計画変更など、市民生活より開発優先の市政を推し進めようとしている。
また、宿泊施設拡充・誘致方針により、宿泊施設の激増と地価高騰をまねき、京都市のキャパシティを超える観光客が押し寄せる事態に対しての反省がない。宿泊施設と観光客の総量規制に取り組んでおらず、根本的解決には程遠い状況である。
党議員団は、第1次予算編成について予算組替を提案、第2次予算編成にあたっても、喫緊の市政課題22項目について申し入れを行ったが、市民生活を支える予算は大変不十分なまま、職員削減は続け、凍結されていた鴨川東岸線第3工区などの大型事業の再開が盛り込まれている。
人口流出が大きな課題。子育て世代の流出を本気で食い止めるためには、大型開発でなく、市長公約でもある「子ども医療費助成の拡充」「第二子以降の保育料無償化」「学校給食費の無償化」などの施策こそ必要なのではないか。
(→松井市長)今回の予算は、突き抜ける世界都市京都の実現に向けた基盤づくりとして、社会課題の克服はもとより、京都の未来を見据え次の世代に託す、種まきとなるような施策のうち、速やかに着手できるものを予算化している。いわば、公約の実現に向けた第一歩であり、市民生活を支える予算についても充実している。中でも、全国トップ水準の最大200万円の奨励金を交付する既存住宅の取得支援制度は、子育て世代を中心に京都への定着を促し、今後の京都のまち柄を創出するシンボリックな事業となっている。
他にも、子育て環境の充実に向け、公園の遊具更新箇所を倍増させるとともに、公園や学校のトイレの洋式化の促進に関しても充実させている。さらに、買い物支援等、地域の支え合い活動を促進する支援体制を強化するなど、重層的な支援体制を構築する中で、すべての人に居場所と出番のあるまちの実現に向けて、取り組んでいるところ。引き続き、行財政改革をすすめつつ公約の実現に向けて、市民の皆様からのご意見もお聞きし、対話を重ねながら、様々な政策の磨き上げを行っていく。
なお、再開する鴨川東岸線第3校区をはじめとした8事業は、本来実施が必要な事業の予算計上を緊急的に休止していたものであり、今回の再開は、渋滞の解消や歩行空間の改善はもとより、本市の更なる発展に寄与するものと認識している。
敬老乗車証制度を元に戻せ
◆やまね/敬老乗車証一部負担金の値上げによって、交付者数は4万8000人減。市長は、敬老乗車証値上げが、高齢者の生活の足を奪っていることについて、どう認識されているのか。高齢者がお金がないため外出できない状況になれば、健康維持だけでなく、買物や社会活動の機会が奪われ街の活気も失われてしまう。乗るたびに負担が生じる応益負担の導入はこうした事態をよりひどくするものである。敬老乗車証制度は2021年度の制度に戻すべき。いかがか。
(→保健福祉局長)本制度の見直しは、高齢化が進展する中にあっても大切な制度として維持していくため、受益と負担との関係や世代間の負担のバランスを考慮して行ったものである。見直し後も全利用者の6割以上の方が、中高生の市バス・地下鉄定期券の1割未満となる年9000円の負担でフリーパスを利用できる。さらに、敬老バス回数券の新設や民営バス敬老乗車証の適用地域の拡大による利便性の向上も図っており、制度目的である高齢者の社会参加の支援に寄与しているものと認識していることから、元の制度へ戻す考えはない。
なお、京都市社会福祉審議会からの答申にある応益負担化については、技術革新の動向を注視しながら引き続き、検討を重ねていく。
民間保育園補助金削減をやめ、保育職員の処遇改善を
◆やまね/保育士の配置基準が76年ぶりに改訂され、国から給付費が追加されたことで、結果として1億円余りが浮いているとの報道があった。京都市は国が給付費を増やした分を市の制度改善や配置充実につなげていない。これは、給与・一時金のカットによる職員の離職、人手不足で大変な保育現場の声を無視するものである。保育現場の処遇改善を進めるため、民間保育園補助金削減の仕組みを抜本的に見直し、保育職員の処遇に責任をもつべき。いかがか。
(→子ども若者はぐくみ局長)本市では、これまでから国の給付費に加え、本市独自で補助を行い、処遇の維持向上を図っている。各職員の給与は、運営法人において適切に判断いただくものだが、令和4年度の制度再構築後も、全国平均を大きく上回る補助単価設定等により、全体として処遇の維持向上を図ることができる仕組みとしている。加えて、昨年11月、各園の実情に応じた対応を一層可能とするよう更なる充実を行い、制度のあるべき形は整ったと考えている。従って、制度を抜本的に見直す考えはない。一方、若い方が住み働き続けるまちの推進に当たって子育て環境の更なる充実は重要であり、現場の皆様へのご意見等も十分把握しながら、引き続き必要な支援を実施していく。
学校調理による全員制中学校給食の実施を
◆やまね/全員制中学校給食について、昨年11月に決定した「基本的考え方」は、63校26000食分を、元塔南高校・第一グラウンド跡地に1ヵ所の巨大給食工場で実施するという内容だった。しかし1カ所のセンター方式は、「食中毒や災害発生時のリスク」「配送時間の問題」「栄養教諭の配置」など様々なデメリットがあり、市民のみなさんの運動により、これまでの方向を一部変更せざるをえなくなったことは、1ヵ所センター方式は破たんしたことを示している。
自校方式のメリットは小学校と同じように、出来立ての給食が食べられ、栄養教諭を数多く配置することで、子どもたち一人ひとりに、より丁寧に寄り添うことができる。そうした教育環境の整備こそ求められるのではないか。いかがか。
中学校ごとに給食室をつくれば、災害時の炊き出しの充実、地域の農家や商店からの仕入れ、給食室の建設工事を地元工務店が受注できるなど、市民にとっていいことづくめであり、これこそ公共の役割ではないか。いかがか。
(→教育長)全員制中学校給食の実施に向けては、専門の調査会社による調査結果や検討会議でのご意見、本市が独自に実施した配送時間の検証等から、給食センター方式がコスト面や徹底的な衛生対策、きめ細かなアレルギー対応等に優れ、本市にとって最も適した方式であり、1カ所での実施も可能であるとは考えているが、より一層、安定的な運営体制を構築するため、一部、民間調理場の活用を検討するものであり、給食センター方式での実施が破綻したものとの認識はない。
なお、自校調理方式については9割以上の中学校で給食室を整備するスペースの確保ができないため実施が困難である。
今後、給食センター方式をあくまで主軸としながら、二重保温食缶による温かい給食の提供やセンター内に見学通路や防災備蓄倉庫を設けるなど、先行する他都市の豊かな事例を参考に、給食センターならではの食育や災害対応の充実等を検討し、地元企業や地域雇用に資する工夫も取り入れながら、スピード感をもって取り組んでいく。
不要不急の大型開発より、災害対策や住み続けられるまちづくりを
◆やまね/党議員団として、4月上旬に能登半島地震の被災地・石川県七尾市で、住民要望の聞き取りを行った。自治体合併に伴う職員減の影響もあり、行政のマンパワーが全く足りていない事態となっている。京都市でも「平時から災害時を想定した職員体制は組めない」「大規模災害時は他都市から応援が来る」として職員削減が進められているが、そうした行政運営では住民生活を守ることができない。想定される大規模災害に備え、消防職員をはじめ市職員の削減方針は抜本的に改めるべき。いかがか。
被災地では、住宅の被害にあった方が「国の補助金300万円だけでは家は再建できない」と、住みなれた土地を離れざるをえないケースも多数見受けられる。京都市では前市長が「被災者住宅再建等支援制度」を廃止したが、市独自で市民の住宅再建を支援できるよう制度を復活させるべき。
(→岡田副市長)市民の命とくらしを守ることは自治体の責務であり、この間、そのために必要な体制をしっかりと確保した上で、行政運営の効率化を図り、職員数の適正化をすすめてきた。災害時の対応については、防災機器管理室や、第一線を担う消防署、区役所の防災部門等において必要に応じ体制の強化を行うとともに、災害時の避難所運営など、突発的に増加する業務に備え、400名規模の全庁的な応援体制を予め構築するなど、災害時も想定した体制を整備している。引き続き、行政サービスの維持・向上と持続可能な行財政運営を両立できる体制を構築していく。
本市独自の被災者住宅再建等支援制度については、国制度の支援対象が「中規模半壊」まで拡充され、また本市も対象となる京都府制度が国制度よりも手厚い支援であること等から、令和3年度に廃止したもの。近年の住宅価格の高騰も踏まえ、国に一層の制度拡充を求めていく。
危険な大阪・関西万博に子どもたちを参加させるな
◆やまね/被災地支援が求められている時に、大阪・関西万博をやっている場合ではない。「下水汚泥も埋め立てている夢洲1区は、1日1トン以上のメタンガスが出ており、ガス爆発はいつでも起こりうる」「現地には避難計画がない」など、問題山積の状況。
京都府は、今年度予算で「府内の小・中・高の学校行事で万博体験」として3億3000万円以上を計上、京都市も「万博の機運醸成・誘客推進」など4390万円を計上し、市庁舎のライトアップ等を実施した。爆発の危険があり、熱中症対策も極めて不十分な場所に子どもたちを連れていくなど許されない。京都市においては、大阪・関西万博に子どもたちを遠足等で連れて行かないこと、万博関連事業はきっぱり中止すべきことを強く求める。いかがか。
(→産業・文化融合戦略監)多くの国や地域が参加する大阪・関西万博は、京都が持つまちのポテンシャル、素晴らしさを世界へアピールし、人や投資を呼び込むことで様々な人、企業、文化の新たなつながりを創り、京都の更なる活性化に繋げていけるチャンス。本市としても、国内外からより多くの方に、万博会場に来場し、京都ブースでの展示や催事等を通じて、京都の魅力に触れていただくことはもとより、京都を訪れて、更に深く知っていただくために、引き続き、オール京都の一員として、開催半年前のイベントや情報発信など、機運醸成にもしっかり取り組んでく。
また校外学習の行き先については、安全で円滑な運営が確保されることを前提に、他の教育活動との関連などを踏まえ、各学校において適切に判断されることになるが、教育委員会においても万博の目的や子どもたちが直接会場で活動する意義についてしっかりと学校に周知していく。
リニア中央新幹線誘致は中止を
◆やまね/リニア中央新幹線は環境アセスを経て工事が行われていたにもかかわらず、沿線自治体では、水枯れ等、深刻な環境被害が多発している。「リニア・北陸新幹線誘致推進室」の廃止に伴い、誘致活動そのものをきっぱり中止すべき。
(→坂越副市長)リニア中央新幹線については、京都府、経済界と一体となって活動を続けており、今後、引き続きオール京都で取り組んでく。
北陸新幹線京都地下延伸計画は中止し、京都の地下水を守れ
◆やまね/北陸新幹線・敦賀~新大阪間は、総事業費4兆円超とも言われ、着工5条件の一つB/C(費用便益分析)は基準を大きく下回る見込みであり、巨額の自治体負担、残土処分や地下水など環境への影響、市民理解も得られておらず、推進する自民党の中でも意見が分かれるなど、混迷を極め、計画の破たんは明らかである。中止を求めるべきである。
酒造関係者をはじめ、お蕎麦屋さん、和菓子屋さん、豆腐屋さん、お風呂屋さんなど、京都の地下水を使って、文化・産業を花開かせ、継承されてきた方々にとって、万が一にも地下水が枯れたり、水質が汚染されれば、命を失うに等しい問題である。全国には、貴重な資源である地下水の水質や水量を保全・継承していくために、「地下水保全条例」を制定している自治体が多数存在している。政令市で条例を制定していないのは、京都市を含む4つの都市だけとなっている。
市長は京都市の地下水が果たしている役割や産業的価値をどのように認識されているか。地下水を資源とする多様な産業を持つ京都市でこそ、地下水保全条例を制定すること、そして三次元の地下水データの把握等を行い、環境行政の責任を果たすべきではないか。市長は「特に私が気になるのは水源への影響。そこはしっかり判断していかなければ、京都市長としての責任を市民に対して負えない」と答弁しており、これまでより踏み込んだ行動が求められるがいかがか。
(→坂越副市長)北陸新幹線については、日本海国土軸の一部を形成するとともに、東海道新幹線の代替路としての役割も果たす重要な国家プロジェクトである。現在、事業主体である鉄道・運輸機構において、環境影響評価準備書の提出に向け、地下水への影響も含め、調査・検討がすすめられているところである。今後、ルートや施工方法など具体の内容が明らかになり次第、市長の答弁のとおり、京都の文化・産業は豊かな自然に支えられてきたとの認識のもと、水源など環境への影響や、財政負担等についてしっかりと精査し、意見を述べていく。
地下水については、本市の環境保全を目的として既に定めている「京都市環境基本条例」「京都市環境影響評価条例」や、「京都市水共生プラン」に基づき、保全に努めている。
交通不便地域の解決へ向け、体制強化と取組充実を
◆やまね/市民・住民にとって京都市が住み続けられるまちであるためには、日々の生活交通、地域公共交通の充実こそ必要である。交通不便地域の方々は、日々の買物、病院通い、役所に行くのにも苦労されている。「交通不便地域対策室」を設置し、生活の足の確保に苦労されている地域の実態調査を行い、住民の声に沿った公共交通実現へ具体的議論を進めることを求める。いかがか。
(→都市計画局長)地域の生活交通を維持、確保していくためには、市民の皆様、事業者、行政が一体となって取り組むことが重要だ。このような考え方のもと、地域の実情に精通した「区役所・支所」と、公共交通政策に精通した「都市計画局」が連携し、市民の皆様のお声を伺いながら、具体的な施策を講じている。
山科区小金塚地域では、本年度から住民ボランティアによる運行を自家用有償旅客運送に切り替え、持続可能な生活の足を確保している。第2次編成予算でも、バス路線の維持や利用拡大の取り組みに対する新たな支援を行うための予算を計上している。
引き続き、区役所・支所と都市計画局の綿密な連携体制のもと、地域の実情や市民の皆様に寄り添った施策を講じていく。
市バス運賃値上げストップの決断を
◆やまね/バス運賃値上げについて、6月から西京区を運行する民間バスの運賃値上げに合わせ、市バスの運賃も値上げされた。市バスについて市長は「国との連携で値上げは回避する」と答弁していたにもかかわらず、調整区間の値上げが強行された。明らかな公約違反である。先行事業者に追随して値上げするかどうかは事業者の判断であり、国から押しつけることはないと国土交通省も認めている。なぜ値上げ回避の努力をされなかったのか。市民との公約を守るべき。いかがか。
(→交通局長)今般の民間バスの運賃改定については、運転士不足に対応するための処遇改善や燃料費高騰等に対応し、運搬サービスを提供し続けるために必要なものとお聞きしている。当該地域のバス運賃は、国の通達に従い、先行事業者である民間バスに合わせる必要がある。仮に、国の通達を守らなかった場合、先行事業者の経営を圧迫し、路線の縮小・廃止につながることを危惧する。このような事態を避け、これからも民間バスとともに地域のバスネットワークを維持していく必要があると考えている。なお、市バスが運賃の決定権を有する均一区間については、松井市長が選挙でお約束したとおり、運賃改定を回避する。
市有地の切り売りをやめ、市民の声に基づいて活用を
◆やまね/市有地の活用をめぐっても、2012年から「京都市資産有効活用基本方針」に基づき、学校跡地を含め市民の貴重な財産である市有地が、次々と営利企業へ売却・長期貸付され、周辺住民が置き去りにされる事態が相次いでいる。東部クリーンセンターや芸大跡地についても市民的関心は高く、市民の貴重な財産である市有地を、営利企業へ売却を進めていく方針は抜本的に改め、「市有地の活用は市民が決める」という立場に立つべきである。いかがか。
(→財政担当局長)市有資産の活用に当たっては、京都市資産有効活用基本方針に基づき、公共性・公益性を重視した政策的な利用を優先的に検討し、有効活用をはかることとしており、行政目的での利用について、全庁的にニーズを把握し、活用をすすめている。そのうえで、検討の結果、行政目的での利用が見込めない資産については、民間事業者等の協力も得ながら有効に活用することとしており、市民のみなさまからのご意見やご要望に耳を傾けながら、一般競争入札だけでなく、地域特性等に応じた活用とするため、公募プロポーザル方式等資産に適した方法で、売却や貸付をすすめている。資産が長期にわたり未利用となる状態は、地域の活性化、魅力あるまちづくり、財源確保の観点からも望ましくなく、貴重な市民の資産を有効に活用していくため、引き続き、積極的な資産活用をすすめていく。
東吉祥院公園は再びスポーツのできる公園として整備を
◆やまね/巨大給食工場予定地の塔南高校・第一グラウンド跡地は、1960年に設置された都市公園法上の近隣公園(近隣に居住する者の利用に供することを目的とする公園)であり、正式名称は「東吉祥院公園」だった。高校のグラウンドとしての使用が終わったのであれば、元々の都市公園に戻し、近隣のみなさん、市民のみなさんのスポーツ活動の場所として使っていただくのが当然である。ところが京都市は昨年11月30日、スポーツ関係者の声も何一つ聴かないまま、1万㎡もの都市公園を「廃止」とした。市民1人当たりの公園面積は、神戸市の3分の1、政令市では下から3番目である。この間、スポーツ関係者からも会場確保に苦労しているとの声が寄せられている。当該地は再び運動のできる公園として使えるよう、これまでの対応を改めるべき。いかがか。
(→吉田副市長)塔南高校第一グランド跡地は、昭和35年に東吉祥院公園として開園されたスポーツのできる都市公園であったが、昭和38年の塔南高校開校の際にグランド用地を確保できないため、開校以降、塔南高校が移転するまでの約60年間、同校のグラウンドとして使用してきたもの。今回の東吉祥院公園については、国にも事前に報告・相談のうえで、都市公園法上の廃止要件である規模等を満たした代替公園を確保できることから、喫緊の課題である全員制中学校給食実施のため、住民説明会を開催した後、公園を廃止した。また、法手続きに則り、都市計画審議会での審議を経たうえで、公園の都市計画を廃止し、給食センターの整備用地として活用しようとするものであり、その方針を変える考えはない。
なお、本市ではこれまでから、スポーツ施設の利用者や競技団体からのご意見等を伺いながら、市内各スポーツ施設の環境整備に努めてきたところであり、今後とも、施設の充実も含め市民スポーツの振興にしっかりと取り組んでいく。
伏工跡地活用に周辺住民の声反映を
◆やまね/伏見工業高校の跡地活用では、大手企業が「世帯数549・人口1600人」という大規模な住宅街区を計画中である。しかし、住民説明会では、住民のみなさんからたくさんの疑問や怒りの声が出されているにもかかわらず、住民に寄り添った説明はされていない。
市有地の活用計画を営利企業任せにしてきた京都市の責任が大きく問われている。伏見工業高校の跡地活用については、交通量調査を現場で継続的に行うこと、京都市も協議の場に参加し住民の声をしっかり反映することが必要である。周辺住民や子育て世代のみなさんのニーズに応え、持続可能なまちづくりを進めるために、この地域に保育所や学童保育を設置し、公園面積を大幅に拡大することを求める。
(→環境政策局長)伏見工業高校の跡地については、地域の代表の方々からいただいたご意見も踏まえて、公募条件をとりまとめ、脱炭素仕様の住宅街区の創出に加え、地域の活性化に繋がる活用となるよう取組をすすめており、大きなご期待の声を地域からもいただいている。こうした趣旨にとって、将来にわたり多様な世代が安心快適に暮らせるよう近隣住民も利用できる公園やコミュニティスペースなど必要な機能も盛り込んだ整備計画となっており、保育所等を所管する関係局とも連携を図っている。
交通量については、地元説明会において街区形成後に問題は生じない見込みであること、地域のご要望を踏まえ補足調査を行うことを既に説明し、調査結果についても、改めて説明することとしている。引き続き、事業者と連携し、地域の皆様のご理解を得ながら跡地活用の整備計画を進めていく。
文化予算の抜本的増額を、若手アーティスト支援を
◆やまね/京都市は、コロナ禍で苦しむ文化芸術関係者のために、全国に先駆けて緊急奨励金の実施や、自治体初となるアンケート調査を実施した。重要な取り組みであったが、その後、市としての直接支援やアンケート調査は行われていない。文化芸術関係者からは、切実な実状が訴えられている。年間予算額が1000万円程度にとどまっているArts Aid KYOTOの「通常支援型」は、申請された多くの方が支援を受けられていない。同制度の「事業認定型」では、京都市外の大手企業によるイベントに、億単位の予算が組まれており、Arts Aid KYOTOの「通常支援型」について、市の責任で予算と支援の枠を抜本的に増やし、応募された文化芸術関係者のみなさんをしっかり支援すべき。いかがか。
また、若手アーティストの支援を強化するためには、その実情・ニーズをつかむことが欠かせない。HAPSが、芸術系の大学・学生を対象に、2019年度まで8年間に渡って「大学調査」を実施していたことは重要である。この間、経済状況悪化など、新たな状況が生まれており、いま改めて京都市の責任で、芸術系学生や若手芸術家の生活状況・ニーズをつかむ継続的アンケート調査を行うべき。いかがか。
(→文化芸術政策監)本市では、令和3年度に「Arts Aid KYOTO」制度を創設し、個人や団体から、これまで約4億6000万円の寄付を頂戴している。このうち、「事業認定型」で獲得した外部資金が大半を占めており、その一部を「通常支援型」に活用することで、多くの文化芸術活動を支援してきた。社会全体で文化芸術を支える本市の「文化ファンドレイジング戦略」の中核として、引き続き外部資金の獲得に努め、厳しい財政状況下でも文化芸術活動の火を絶やさぬよう着実に取り組んでいく。
また、文化芸術総合相談窓口「KACCO」をはじめとする多様な取組により、日々、若手芸術家のニーズを把握しているところ。本市としても、引き続き、多くの文化芸術関係者と意見交換を重ねることで、芸術系学生や若手芸術家の生活状況等の把握に勤めていく。
戦争する国づくり、地方自治破壊を許すな
◆やまね/この間、自公政権による武器輸出解禁の閣議決定をはじめ、国会では、兵器の共同開発を進めるための経済秘密保護法などの可決、また、京都府内の米軍・自衛隊基地周辺では土地利用規制法に基づく特別注視区域の指定など、「戦争する国づくり」と言うべき極めて重大な動きが起こっている。さらに、現在審議されている地方自治法改定案は、政府が「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」と判断すれば、国が地方自治体に対して「指示権」を発動できるという極めて重大な内容となっている。日本国憲法では、戦前、自治体が侵略戦争遂行の一翼を担わされたことへの反省から、地方自治を明記し、自立した地方自治体と住民の政治参加の権利を保障した。災害やコロナに乗じて、地方自治体を従属させる仕組みをつくることは許されない。京都市長として、地方自治法改定案にはきっぱり反対すべき。いかがか。
(→総合企画局長)国会において現在審議されている地方自治法改正案については、新型コロナウイルス感染症対応の教訓を踏まえ、大規模な災害など、国民の安全に重大な影響を及ぼす非常事態時において、的確で迅速に対応することが可能となるよう、特例として国が地方自治体に指示できる規定が整備されたもの。
本市としては、これまで今後も起こりうる想定外の事態に万全を期す観点から、法改正の必要性を理解した上で、他の指定都市と連携し、指定都市市長会として、地方自治体の自主性・自立性が尊重されるよう地方との事前協議や限定的な運用を求めるなど、国に対して必要な要請を行ってきたところ。引き続き、国会での審議を注視していく。
2024年6月4日【本会議】代表質問
(更新日:2024年06月04日)