学校トイレの洋式化加速と、個室に生理用品設置を(2024年6月7日/予算特別委・教育委員会・やまね)

◆やまね/私からは学校トイレに関わって質疑する。「学校トイレの洋式化加速(充実)1億6200万円」ということで今回提案されている。我々も強く求めてきたことであり歓迎したい。スケジュールとして「令和10年度まで」と位置付けられているが、これをさらに前倒しできないかどうか。

二つ目に、昨年の文教はぐくみ委員会で我が党の山本陽子議員が、山科区の中学校の事例を紹介した。ある学校では、各階に元々男子トイレも女子トイレもあったが、多目的トイレを整備する際、男子トイレだけの階、女子トイレだけの階になった学校があるとのこと。このような事例は他にもあるのか。今回の洋式化は歓迎だが、合わせてこうした状況も改善すべきではないか。各階にきちんと男子トイレと女子トイレ二つとも整備される状況にすべき。いかがか。

(→大山・教育環境整備室長)学校トイレについては、子どもの重要な生活空間ということで、トイレの環境改善、向上に努めている。老朽化したトイレの全面改修、合わせて洋式化も推進しており、現在洋式化率70.5%になっている。今後のさらなる学校トイレの洋式化について、これまで令和15年度までに、子どもたちの使用頻度の高い普通教室のある校舎のトイレを洋式化するということで、計画をしていたが、さらなる加速化ということで、令和10年度末までに、特に子どもたちが日常的に使用する普通教室のある階のトイレについて、原則全洋式化していくということで、計画を前倒しさせていただくものであり、これ以上の前倒しは困難ではないかと考えている。

それから山科区の事例で「各階で男子トイレ・女子トイレ」と分かれているということ。ちょっと他の学校でそういう事例があるかどうか把握していないが、これもトイレ改修時に「そういう形で」となったものだと思うので、改善は難しいかなと考えている。

◆やまね/元々いまおっしゃっていただいたように「15年度まで」となっていて、「あと10年もかかるのか」「ぜひ早めてほしい」という議論もあって、今回「加速」としていただいたと思うのでぜひ頑張っていただきたいと思うが、「男子トイレだけ、女子トイレだけという状況の改善は難しい」とのことだが、トイレ環境の整備をするならばぜひこの点も改善を求めておきたい。

事業概要資料には、「学校施設が児童生徒のみならず、地域利用や災害時の避難所となることを踏まえ」「快適トイレ整備に努めてきた」と、今後も「継続して実施」とある。本当におっしゃる通りで、児童・生徒のみなさんにとってだけではなく、地域のみなさんにとっても学校トイレ環境の向上は非常に重要だと思う。その点で、今こそ「学校トイレの個室に生理用品の設置」を行うべき。教育委員会の基本的な認識を伺っておきたい。以前、常任委員会で「生理の貧困」問題について議論した際、文化市民局がこう答弁されている。「トイレットペーパーで代用されたり、ナプキンの交換回数を減らすといった報道もあるが、それは女性の体の冷えにつながったり、衛生的でない状況につながることから、女性の健康上、非常に問題」「生理の貧困については、衣食住と共に配慮されるべき」。非常に重要な認識を文化市民局は示されたと思うが、教育委員会も同様の認識か。

(→清水・体育健康教育室長)学校における生理用品の配備・配布については、これまでから例えば保健室に常備しておくということで、いろいろと困った状況にある児童・生徒が、そこに来て、実際に物を受け取ることも含め、それに、まつわるいろんな相談を受けたり、あるいは指導を受けたりということも含めといった運営をおこなってきた。近年で言うと、今ご紹介あったが、令和3年度に文化市民局事業の一環として、いわゆる「生理の貧困」ということをきっかけに、今おっしゃったような趣旨も含めて、幅広く配備すべきじゃないかという流れの中で、また、本市の学校のほうにも一定の数を配備していただき、各学校において、トイレに置く学校、置かない学校も含めて、そういった取組を充実するようにということで進めてきたところ。

当初は保健室を基本というのが従来からの考えでもあったのでそれでスタートはしたが、一定やはりトイレに置く事例の共有も含め、この間トイレに置く学校が増えてきたのかなと思っている。いま手元にある数字では、令和5年9月、昨年度に調査したところ、小学校21校、中学校10校、義務教育学校1校、高校2校の計34校ではトイレに生理用品を配備。

これに合わせてだが民間事業者・龍谷大学とも連携。龍谷大学でそれまでそういった取組をすでに先んじて進めてきたということも含め連携して取組をさせていただき、いわゆる「生理用品の無料配布ディスペンサー」、こういう機械をトイレに付けて、子どもたちが何かあった時には、それを活用できるようにという取組も、試行的にパイロット的に3校で計10台で試行させていただいている。

◆やまね/詳しくお答えいただきありがたいが、今私がお聞きしたのは、「生理の貧困」という問題が、「女性の身体の冷えにつながったり、衛生的でない状況につながることから、女性の健康上大変問題ではないか」「衣食住と共に配慮されるべき問題」と、文化市民局はそう答えている。これは同様の認識を教育委員会も持っているのかとお聞きした。この点はいかがか。

(→清水・体育健康教育室長)生理については、女性の身体の根本に関わることなので、同様の認識を持っている。

◆やまね/その点も確認させていただいた。このトイレの環境整備で言うと、京都市立学校は全部で241校ほどあるが、今もお答えいただいたように、昨年9月の時点でトイレに設置しているのは34校とのこと。全体から見ればまだ少数。なかなか進まない原因は何かあるのか。

(→清水・体育健康教育室長)各学校によって各学校の判断で、また、例えば地域の状況、子どもたちの状況等を含めて、判断いただいていると思うが、学校によっては、例えば、そういった物品をトイレに置いた場合の管理の問題など、懸念されている学校もあるのかもしれないとは思っている。

◆やまね/トイレの環境整備と言った場合に、非常に大事な問題と思っている。家庭の状況に関わらず、女子生徒の方にとっては当たり前の生理現象である。これは本来、トイレットペーパーと同じように各個室に当然設置されるべきものではないか。

他都市の状況を少し調べてみたが、大阪市では全ての小中学校(418校)のトイレに生理用品を設置。予算は教育委員会事務局の負担で175万8000円とのこと。神戸市でも市立の小中高259校中248校と多くの学校でトイレに設置されている。男女共同参画の予算の「公共施設への生理用品設置予算200万円」を活用。そのうち85%を教育委員会で使うとのこと。他都市の状況を見たら予算的なハードルがあるとは思えない。近隣の政令市ですでに実施されている。学校任せでなくて、教育委員会がその気になれば今すぐ始められるのではないか。ぜひやっていただきたいと思うが、いかがか。

(→清水・体育健康教育室長)今後の方針ということかと思うが、いまご紹介したように、学校のほうでも広がっているところでもあるし、無料ディスペンサーの取組、これは先駆的ということで自負しているが、これも進めている。例えばディスペンサーを使っている西京高校では、月に約300個前後の使用もあるということで、非常に好評というか、よく使われているなと思っている。学校からは「制服を汚す生徒が格段に減った」という報告も受けているので、効果のあるというか、意味のある取組だと思っている。こういったものを全校へ一律に広げるかどうかも含め、今後より充実ということで、検討はしてまいりたい。

◆やまね/学校から非常に効果があるという報告もあるとのこと。「充実を検討していきたい」ということなので、ぜひ考えていっていただきたい。いつでも誰でも使っていいトイレに設置してこそ安心できる。「トイレに設置したことで子どもたちにより良い環境を提供できている」と、実際に学校のトイレへ設置した先生方に私どもの議員がそんなお話もお聞きしてきた。より快適なトイレ実現へ、女性の人権・尊厳に関わる問題として、ぜひ学校トイレへの生理用品設置を重ねて求める。

2024年6月7日【予算特別委】教育委員会/学校トイレ洋式化と生理用品設置

(更新日:2024年06月07日)