他都市と比べ少ない公園面積の拡大を&北堀公園の「せせらぎの道」復旧を(2024年6月5日/予算特別委・建設局・やまね)

◆やまね/「こどもまんなか公園魅力アッププロジェクト」についてお聞きしたい。事業概要の資料を見ると、公園遊具の更新、樹木管理、危険木の植替え、トイレのリニューアル化・洋式化、公園出入口のバリアフリー化などが記載されている。私たちも公園の環境充実、樹木管理は非常に大切なことだと思っている。資料では「事業実施に至る経過・背景」として、京都市として「人口減少対策」に「公園の整備が非常に重要」と認識しているという理解でよいか。そうだと考えているなら、その理由は。

(→永田・みどり政策推進室長)今ご指摘いただいた通り 「こどもまんなか公園魅力アッププロジェクト」については、近年の少子化加速の中、我々としてしっかりと、子育て世代への良い環境をつくっていく、人口減少対策、喫緊の課題への取組としてやっているもの。こういった中で、まちづくりとか、住まい・子育て・教育など様々な、行政が横串になってやっている、これが「人口減少タスクフォース」、これを庁内で、この中において建設局としてもしっかりやらしていただいて、その中で昨年11月にはアクションプランも策定。この中にもしっかり位置づけ、予算をこれまで以上に充実して取り組んでいく、このような取組。

◆やまね/「子育て世代の良い環境をつくっていく」というお話があった。国交省が監修する都市公園法の解説書には、「都市における緑とオープンスペースは、都市を緑化し、公害を緩和すること、災害時の避難場所を提供することなど、都市環境の改善に優れた効果を発揮するとともに、スポーツ、レクリエーションの場として都市住民の健康な心身の維持形成に寄与し、自然とのふれあいを通じて豊かな情操の育成に資することなど、大きな効果を有しており」と、都市の中の緑とオープンスペースの意義についてふれられ、「中でも都市公園は、その積極的な整備を図るとともに、都市住民共通の貴重な財産としてその存続を図ることが必要である」とされている。京都市もこれは同じ認識か。

(→永田・みどり政策推進室長)同一である。

◆やまね/ということなので、人口減少対策として公園整備の重要性、都市公園の役割についての認識を今確認した。それでは、市民のみなさんの声をどう受け止めるか。例えば、代表質問で浜松市から転入された方のお話を紹介したが、「子どもの医療費助成」の話だった。この方はもう一点おっしゃられていて、それが「京都市には本当に公園が少ない。小さな子どもが伸び伸び遊べる場所が近くにない」ということ。この方は学童保育にも携わっている方で「子どもの発達にとって外遊びは本当に大事」とも。以前神戸市に住んでおられた方は「子どもができてから京都市に来てびっくり。公園がまったくなく、いったい子どもをどこで遊ばせたらいいのかと戸惑った」と話されていた。つまり、他都市から来られた方のお話を聞いていて思うのは、今ある公園の環境をしっかり整備・充実させていくことはもちろん大切でがんばっていただきたいが、そもそも京都市には公園が少なすぎる。本気で子育て世代の流出を食い止める、あるいは人口減少対策、住環境の向上を目指すなら、マンションや事業所を誘致すればいいということではなく、むしろそうではなくて、公園そのものを増やしていく、今ある公園を充実させるだけではなく、公園そのものをもっともっと拡大・設置していくことが必要ではないかと思うが、この点の認識はいかがか。

(→朝山・みどり政策推進室事業促進担当部長)公園の関係だが、本市においては、老朽化している公園が多いということで、「京の公園魅力向上指針」に基づき、再整備を重点的に進めている。新設よりもやはり今ある公園をしっかりとリニューアルして地域の方々に喜んでいただけるような形で整備をしていきたいと考えている。

◆やまね/老朽化した公園を直すというのはよくわかる。それは大切なことだが、ただ、それだけではなく、他都市と比べた場合に公園そのものが少ない。もちろん今ある公園も充実させるが、「公園そのものをもっと増やす必要がある」という認識はないのか。

(→朝山・みどり政策推進室事業促進担当部長)京都市の公園だが、やはり面積的に言うと、大きな公園が少ないというのが第一にあるのかなと思う。やはり小規模な公園が多いということで、浜松の話を出されていたが、浜松と同じ公園数にはなっているが、やはり面積の関係で、浜松なんかは市に大きい公園があるということで、そういうような感情を持たれているのかなと考えている。

◆やまね/私は客観的事実の話をしている。代表質問でも紹介したが、京都市の市民1人あたりの公園面積は、神戸市の3分の1以下、浜松市にも遠く及ばない。改めて申し上げておきたいが、京都市における市民1人当たりの公園面積10㎡という目標を持っているが、最新の到達点はまだまだ及んでいない。いろいろお話を聞いていると、この間、公園面積は少しずつ拡大してきているとのことだが、その主な要因は、「開発に伴う開発公園が増えている」と。つまり京都市が新たに大きな公園を設置したということではない。これでは不十分ではないか。

例えば、行財政局が「売却・貸付を検討する市有地一覧」のリストを作っているが、今日いろいろ議論があったように、京都市として「人口減少対策に公園が非常に大事」「子育て世代に良い環境をつくらなければいけない」と考えているならば、公園の所管をしている建設局として、市有地を公園にしていこうとしっかり主張していただくことが必要ではないか。

(→朝山・みどり政策推進室事業促進担当部長)何度もくり返しになるが、やはり老朽化している公園というものも多数ある中で、それを魅力的な公園にすることによって、子育て世代が京都市に住んでいただくということもあると思っている。やはり京都市として現状は、今ある公園をきれいにリニューアルしていくことに重点を置いて進めていきたいと考えている。

◆やまね/それは否定しない。私も大事だと思う。しかし、振り返ってみれば、今まできちんと管理ができてなかった。今まで不十分だったことがそもそも問題ではないかと思う。公園の絶対数・面積、これが他都市と比べて少ないのは子育て世代の方からすれば非常に大きな要素だ。

公園の魅力アップに関連して、伏見区の北堀公園について聞いておきたい。伏見桃山城運動公園の北側に位置し、藤城・桃山・桃山東地域など周辺地域のみなさんの散歩・ウォーキング、憩いの場所となっているところ。我々議員団の要求資料によれば、今回計上されている予算の箇所付けの中に北堀公園が入っていないが、地域住民の方からはこんな声が寄せられている。「北堀公園内の遊歩道に並行して作られている小さな川『せせらぎの道』に何年も前から水が流れていない。せっかくの水辺が台無しになっている。危険木を知らせる掲示もたくさんある。京都市はコスト削減のためにこんなことまでしているのか」との声。そこで確認したい。せせらぎの道に水が流れなくなったのはいつからか。その原因は何か。なぜ今も改善されないのか。行財政改革の影響なのか。改善するつもりはあるのか。この点はいかがか。

(→永田・みどり政策推進室長)伏見北堀公園のせせらぎの道に水が流れていない件。水路に水が流れていないのは、公園西側にある調整池から水路に水を流すための循環ポンプが経年劣化により故障しているため、やむを得ず水を止めている状況。我々、京都市として平成28年度には循環ポンプが停止していることを確認。循環ポンプをこれまでなぜ修繕しなかったかという部分だが、同じ箇所に排水ポンプ、調整池が溢れた時に下水等に排水するポンプも一緒に隣接しているが、そちらのほうを優先して修繕等してきた、これはやっぱり公園利用者の安全・安心に資するほうを優先する形で修繕してきたため。ただし、いま議員ご指摘の循環ポンプの修繕は、今年度、令和6年度第2次編成予算の「その他公園施設の修繕」内に組み込んでいるので、今年度の予算で計上中。

◆やまね/ありがとうございます。そしたら、「経年劣化でポンプが壊れ、平成28年頃確認していたが、排水のポンプを優先させた」「令和6年度のその他のところに入れている」とのこと。ぜひ一刻も早く直していただきたい。

「せせらぎの道」の途中には「京都・キエフ友好の花壇」がある。京都市の名前が入った立札には「この花壇には、姉妹都市提携40周年の記念にウクライナのキエフ市長から京都市長へ贈られた花の種が植えられています」「両市の友情を象徴した美しい花を咲かせてほしいとの両市長の願いを込めて、市民の皆様の手により、大切に育てていただいています」とある。地域のみなさんが大切にしている場所。先日報道にもあったが、「ロシアの侵攻を受けるウクライナの首都キーウの京都公園で4月30日、園内にある日本庭園の再整備完了を記念する式典が行われた」「京都市の松井市長は『できるだけ早くウクライナに平和が戻ることを心から願っている』とのメッセージを寄せた」とのこと。非常に重要な場所でもあるので、これをそのままにしていいはずがないと思っていた。今年度予算で付けていただいているとのことなので、ぜひとも1日も早く復旧していただけたらありがたい。

最後に申し上げたいのは、公園を「コストがかかる」という側面だけでもし見ているなら大変狭い見方と言わざるをえない。そうではないと私は思っているが。やはり今日申し上げたように、都市公園は住民生活・市民生活に欠かせないもの。京都市がどれだけ地域住民のみなさんを、その地域を大切に思っているかを示すものでもあると思う。東吉祥院公園、これは廃止手続きの関係、文化市民局が所管だったのでこの場では質問はしないが、この廃止も許されないと思っている。やはり京都市として公園面積の拡大、ぜひとも追求、チャレンジしていただきたいし、現在ある公園もより充実をさせて日常管理も頑張っていただきたい。重ねて最後に申し上げる。

2024年6月5日【予算特別委】建設局/公園面積の拡大、北堀公園「せせらぎの道」について

(更新日:2024年06月05日)