学校体育館へのエアコン設置は国財源活用すれば実質3割負担でできる!(2023年7月19日/文教はぐくみ委・教育委員会・やまね)

◆やまね/よろしくお願いいたします。今日は学校における熱中症対策についてお聞きしようと思ってるんですが、まず京都市内在住の小学1年生の保護者の方から質問が寄せられましたので、少し紹介をしたいと思います。「この暑さ、熱中症が心配ですが、光熱費高騰のおり、小学校にはどれだけエアコンが設置され、そして稼働しているのでしょうか。水分補給もさせたいですが、水筒も荷物が重くて今以上に大きいものは持てません。学校でお茶の補給などできないものでしょうか。暑い中水筒のお茶を飲み干したあと喉がカラカラなんじゃないかと心配しています。京都市として子どもが安心して勉強できる場をつくってほしいです」と、こういう声が寄せられました。

それで事前にいただいた資料でですね、文科省の依頼文書を少し読ませていただいたんですけれども、ここにはですね、「令和4年度には学校の管理下において3142件を超える熱中症事故が発生」「学校の管理下における熱中症事故は、ほとんどが体育・スポーツ活動によるものであるが、運動部活動以外の部活動や、屋内での授業中、登下校中においても発生しており~」というふうに書いてあります。そこで3点まずお聞きしたいと思います。

一つが、京都市の市立学校等においてですね、毎年どれほど熱中症の事例が報告されているかということ。二つ目にですね、その事例はどういったケースが多いのかですね。やはり体育・部活動がほとんどなのか、それ以外の事例もあるのか。それから三つ目にですね、「暑さ指数(WBGT)等を踏まえた教育活動の実施」も示されているが、実際に体育の授業や運動部活動で「運動中止」の判断をした事例があるのかどうか、あるとしたら何件あるのか。この点まず教えていただきたいと思います。

(→加藤・体育健康教育室担当部長)はい失礼します。まず本市学校管理下における熱中症の発生の状況ということでございます。令和4年度にまず学校の活動中に体調不良を訴え搬送された病院で熱中症と診断されたと教育委員会に報告があった、そういった件数の報告になりますけれども、令和4年度は14校14件、報告がございました。

その時どのような状況であったかということなんですけれども、この14件中10件は中学校における部活動実施中、7割少し、部活動中ということでございました。それから残りの4件中2件においては、体育の授業の時、小学校1件、中学校1件でございます。もう1件は昼休みに運動場で遊んでいる時が1件、そして下校中が1件、これはいずれも中学校についてでございます。

令和3年度につきましては7校7件、いずれも部活動中ということになります。令和5年度におきましては、昨日までの段階で4校5件報告がございますけれども、今回については実は部活動中の報告っていうのはまだございませんで、5件の4件は小学校体育の授業等、体育が3件、生活科ですかね、が1件の報告がございます。いずれもあの搬送された病院で点滴等の処置により早期に回復をしている、そのような事例になります。

最後、暑さ指数により授業が中止された事例があるかということなんですけれども、本市の注意喚起の中で「そういった基準は判断の基準のひとつですよ」ということで、確かに注意喚起をしておりますけれども、判断基準の一つでございまして、それより低ければ大丈夫ってことではなく、児童の様子等見ながら、適切に判断するようにという注意喚起になっておりますので、実際にそういった指数をもとに授業をやり方変えた・中止したっていう現場の判断はあろうかと思うんですけれども、逐一の報告等までを求めていないということもございまして、現状はちょっとその数字については把握していない、そのような状況でございます。

◆やまね/わかりました運動中止の判断が現場でされたかどうかということの集計というか、そういう状況はつかんではないということですね。これ、でも本当に子どもたちの命にね、関わる問題ですので、これはぜひそういう事例があるのであれば、しっかり現場と連携して掴んでいただきたいというふうに思います。

保護者の方が心配されているの一つがですね、「エアコン設置状況と使用状況」についてなんですけれども。普通教室、特別教室、そして体育館へのエアコン設置について、現在の設置率、到達点はどうなっているでしょうか。

(→大山・教育環境整備室長)失礼いたします。エアコンの設置状況ということでございます。本市では全国に先駆けまして、冷房化・空調設置を推進をいたしておりまして、普通教室につきましては平成18年度までに全室設置、完了いたしております。また、特別教室についても平成25年度までには、音楽室・図書室、それからコンピューター室への設置を完了するなど、普通教室・特別教室とも全国を上回る設置率を実現をいたしております。

数値申しますと、平成(令和)4年9月1日現在の文科省の調査ということになりますけれども、公立小中学校の設置率につきまして、普通教室・本市100%対して全国で言うと95.7%であったということになります。また、特別教室については本市80.2%に対しまして全国61.4%という、そんな数値ということになっております。以上でございます。

あ、それから体育館につきましては、本市では原則としては空調設備設置をしていないという状況でございますが、立地条件によりまして、通風が十分に確保できないというような場合について特例として設置をしているということになっております。同じ調査によるものになりますけれども、公立小中学校の体育館の設置率、本市で2.0%に対しまして全国が11.9%ということになっております。以上でございます。

◆やまね/分かりました。この文科省調査ですね、昨年9月の調査によると、全国では体育館へのエアコン設置についてはですね、小中学校だけじゃなくて、他の教育施設も入れると全国的には15.3%が体育館へのエアコン設置が行われていると。で、これは令和2年度の9.0%から+6.3%前進しているということで、体育館へのエアコン設置については、ちょっと全国から比べるとですね、到達点として遅れてるんじゃないかなというふうに思いました。で、同時にですね、一方で、体育館への「断熱対策」ですね、これはかなり全国的に見ても、力を入れておられるというか、前進をされてるんじゃないかなというふうに印象を受けたわけですけれども。

いずれにしてもですね、体育館は災害時に避難場所になるところでもありますので、今後も環境改善は必要だというふうに思います。で、文科省が「今後の対応」として「空調(冷房)設備の設置について、各地方公共団体からの相談には丁寧に対応し、児童生徒や教職員の安全・安心の確保のための取組が進むよう、財政面も含め、引き続き支援してまいります」としているわけですけれども、今年4月にはですね、屋内運動場(体育館等)へのエアコン設置や断熱化について、補助率を2分の1にまで引き上げてると。これ2025年度(令和7年度)までの措置だってことなんですけれども。この補助率2分の1への引き上げというのがですね、見ると「該当の建物に断熱性があること」が要件になっておりまして、ですのでこれ京都市の到達点で見ればですね、エアコン設置はなかなかまだ進んでないんだけれども、断熱化の対策は体育館かなりやっているということですので、この条件を生かせばですね、一層の私は環境改善ができるんじゃないかというふうに思っております。

それで、八幡市ではですね、市内の全ての小中学校、ここは全12校ですので京都市から比べれば数としてはかなり少ないわけですが、体育館にエアコンを設置する計画で、最後の2校が来年度完了すると。大変市民のみなさんにも喜ばれているということなんですけども。八幡市ではですね、「総務省の緊急防災・減災事業債を活用することで、経費の全額を地方債で充当できる」、そして「その7割を地方交付税措置される」ということで、「市の実質負担は3割でできた」ということなんですね。これも令和7年度までの時限措置だってことなんですけど。

つまり、「指定避難場所の空調」ということで整備すれば市負担は3割で実はできる。ですから、来年度、再来年度に関して言えば、5割あるいは3割でこのエアコン設置が進められるということですので、こういうやはり国の財源なんかも活用してですね、ぜひともここはエアコン設置についても、進めるべきではないかと思いますが、この点いかがでしょう。

(→大山・教育環境整備室長)失礼いたします。学校の体育館のエアコン設置の件でございますが、今おっしゃりました様々な補助制度等々ございますけれども、本市の厳しい財政状況下においては、やはり多額の設置経費が必要になるということに加えまして、こちらの設置経費についてはそのような形で国庫補助ありますけれども、当然光熱費のランニングコストについては発生していくということもございますし、また、一度設置しますと、また次、機器の更新等も必要になってくるということで、継続的な費用負担が見込まれるというような状況もございまして、当面、計画的な体育館空調の整備は困難であるというふうに考えておりますけれども、災害時の部分ということでございますけれども、実際の避難になった場合には、本市ではふれあいサロンなど、それか特別教室等々ですね空調設備を整えた教室を活用するということといたしておりますので、そちら、どうしてもエアコン必要ということであればそちらに避難をしていただくというような状況になるのかなというふうに考えております。以上でございます。

◆やまね/災害時ですね、もちろんふれあいサロンなどそういう教室などの活用するというのは当然だと思います。少しでもそういうものを使ってということなんですけども。しかしやはり大規模災害時の避難場所になっているところに、どれだけ避難、収容人数、まかなえるかといったら、それがそもそも厳しいわけでですね、やはり体育館にエアコン設置されていないということで、避難をためらう方もですね、やっぱり出てきてしまうんじゃないかというふうに思います。子どもたちの教育環境改善と合わせて、やはり避難所の環境改善という観点からもですね、私はこれぜひ体育館へのエアコン設置というものを重ねて求めておきたい、がんばっていただきたいと。

で、これ文科省の資料から数えますとですね、幼稚園・小中校・特別支援学校も合わせてだいたい未設置の部屋というか、施設、体育館が267室ほどになるかと思うんですが、このところにエアコンを設置した場合の費用総額について、ぜひちょっと資料作成をしていただけないかと。これちょっと後ほど資料を提出諮っていただきたいと思います。

もう一つですね、「エアコンの使用状況」はどうかということなんですが。ちょっと危惧しておりますのが、「学校運営費の節約」ということで、現場でエアコンを使いたいんだけれども電気代を気にして使えないという状況が起こっていないかと。で、市教育委員会の出されている文書にですね、「各校園においては、引き続き(中略)水道・電気量等の使用量の節減に取り組んでいただきますが、児童生徒及び教職員の健康管理を最優先に考えたうえでの光熱水費の増額分への追加配分については、燃料費等の価格変動の状況等も踏まえ、必要な場合は検討してまいります」というふうにあります。これつまり、エアコン使用による光熱水費の増額分、あるいは足りなくなった場合はですね、これはきちんと京都市の、教育委員会の責任で補填される、措置されると、こういう理解でよろしかったでしょうか。

(→有澤・総務部担当部長)令和5年度の学校の光熱水費についてでございます。電気ガス料金の値上がりの要素となります、毎月の変動します燃料費、また、原料費調整単価の影響分につきましても、昨年度の実績を踏まえまして予算約5.2億円を今回確保しているところでございます。この記載のあるところはですね、今後のその単価、各単価のその価格変動等を踏まえて考えていかなければならないところもございますけれども、現時点では不足がないように配分できてると、このように認識しております。そうしたことで、これまでから子どもたちの健康・安全が最優先であるというその姿勢で、これまでも学校教育に支障がないよう対応しておりますので、今後もそのように対応してまいりたいと、このように考えております。以上でございます。

◆やまね/これぜひですね、やはり現場でこれはやっぱりエアコンつけたほうがいいという時にですね、電気代どうしようかなということでためらうようなことがあってはならないと思いますので、ここはぜひ頑張っていただきたいと改めて思います。

そしてもう一つ、市民の方が心配されているのがですね、「水分補給」の問題でして、文科省の文書、京都市の文書を見ても、この点について、「こまめに水分補給を」ということは言われてるんですけれども、そのための環境整備については言及がありません。ただですね、やはり水筒を持って行っても量は限られますし、熱中症の事例を見ますと先ほどお答えいただいたように「登下校中にも起こる」ということですので、必要な時に子どもたちが水分を補給できるように、あるいは、水筒の中のお水やお茶がなくなってしまった場合には、学校で補給できるようにですね、私はまさにこういう時こそ上下水道局なんかとも連携をしてですね、学校内に冷水機を設置するなど、こういうことが必要なんじゃないかと、いま思います。で、これ、学校の中に冷水機を実際に設置している学校は何校ほどあるのかですね、もしあるとしたらそれは教育委員会が負担をされて設置をされてるのか、この点いかがでしょうか。

(→加藤・体育健康教育室担当部長)失礼いたします。学校におけるウォータークーラーの設置状況ということでございますが、教育委員会において一斉に配備したわけではございませんで、校内予算等を活用したりですとか、ご寄付をいただいたりということで、実際に現場にウォータークーラー設置している例はそれなりにあるとは聞いているんですけれども、一体どれぐらいの学校で設置をされているか、また、実際にそれが活用されているのかといった状況については、現在は把握していない状況でございます。以上でございます。

◆やまね/分かりました。これもですね、やはり熱中症対策、水分補給っていうのは本当に命に関わる問題だと思います。気候変動のもとでその重要性、今より増しているのではないかなと思いますので、ぜひですね、子どもたちの命を守るためにも、建物の断熱化、これ非常に頑張っていただいているので、やはりそこからもう一歩進んでですね、エアコン設置、そして冷水機の設置、こういうところもぜひ今後検討いただけたらと思います。よろしくお願いします。終わります。

◎むくだ・副委員長/先ほどの資料請求についてもう一度お願いできますか。

◆やまね/はい、幼稚園そして小中学校・高等学校・特別支援学校の体育館等ですね、そこにエアコンが未設置の部屋が267ほどあると思うんですけれども、そこにエアコンを仮に設置した場合に、費用としてはどれだけの額になるのか、これぜひ試算、資料を作っていただけないかということでございます。

◎むくだ・副委員長/ただいま山根委員から要求のあった資料について理事者提出できますか。

(→大山・教育環境整備室長)部屋の大きさ等もございますので、他都市の事例なんかも参考にしながらの概算ということになりますけれども、出させていただきます。

◎むくだ・副委員長/提出できるとのことですので委員会資料として提出を求めることにご異議ありませんか。ご異議がありませんので委員会資料として提出を求めることに決定いたします。理事者におかれましてはなるべく早くご提出いただきますようお願いいたします。

2023年7月19日【文教はぐくみ委】教育委員会/一般質問「学校における熱中症対策について」

*画像は、教育委員会から提出された資料

(更新日:2023年07月19日)