小規模保育事業者への支援を(2023年7月5日/文教はぐくみ委・子ども若者はぐくみ局・山本陽子議員の質疑メモ)

◆山本陽子議員/京都市の保育事業は、市営13ヵ所、民営209ヵ所、認定こども園66ヵ所、小規模保育124ヵ所、事業所内保育事業6ヵ所、家庭的保育事業1ヵ所の計419ヵ所で行われている。今回はその中でも小規模保育事業について聞きたい。124箇所の施設、いま運営していただいている。0~2歳児を対象にしている小規模保育事業の保育利用の割合は。0~2歳でどれだけの規模を占める人数になっているか。

(→梶山・幼保総合支援室長)今現在、0~5歳まで就学前児童数が5万3078人、そのうち小規模保育を使ってらっしゃるのは1414人。市内のほとんどの小規模保育施設は0~2歳の施設。内訳は0歳157人、1歳608人、2歳626人、残りの20名ぐらいが3~5歳。

◆山本陽子議員/1414人ということで重要な保育基盤を担っていただいている。小規模保育事業者からも、新制度のもとで事業進めていただいて、より充実してほしい課題があるということで、ご意見もお聞きしてきた。一つは「他の認可保育園と同じように補助事業の対象にしてほしい」という声。京都市で小規模保育が除外されている補助事業はどんな事業があるか。

(→梶山・幼保総合支援室長)多くの事業については補助対象にしている。例えば、医療的ケア児、障害児受入れ時の加算、また、昨年度実施した物価高騰・食材高騰も対象となっている。ただ、国基準保育士にプラスして1名配置できる国の運営費上の措置もあるので、これによって十分な保育の質を確保できるということから、本市の人件費補助金、条例基準補助金、この辺については対象外となっている。

◆山本陽子議員/関係者の方が調査でまとめられた中には、「宿舎の借り上げ事業が対象外になっている」ということで、他都市にも調査されたところ、「他の都市では多くが認可保育園の保育士さんと同じように宿舎の借り上げ事業も補助対象になっている」とのこと。他にも「通勤手当の助成費」「定員弾力化の対策費」などもあったとのことだが、こういった事業はどうなっているか。

(→梶山・幼保総合支援室長)通常の施設型の保育園等は子どもの数が多いということもあり、職員20~30名ぐらいいらっしゃる園が多いが、小規模保育施設については、預かる子どもの数が最大で19名ということで職員数も少ない。こうした中で、宿舎借り上げ事業については、小規模保育は対象にしておらず、またお話あった通勤手当助成とか定員弾力化、これについては新たな人件費補助金に統合しているので、個別事業としては実施をしていない。

◆山本陽子議員/補助対象の理由を述べていただいたが、小規模保育の保育士さんであっても、保育士への住居支援ということがやっぱり保育士さんの確保にとっては重要になるし、通勤手当支給も必要でないということではない。定員外の受け入れも小規模保育でもしていただいているということをお聞きしているので、その支援の必要性は変わらないのではないか。こういった制度について、「小規模保育事業についても対象にしてほしい」「支援を同等にしてほしい」という要望を、ぜひ京都市でも検討して実現していただきたいと思うがどうか。

(→梶山・幼保総合支援室長)一定、本市の予算としては限りがあるので、優先順位をつけざる負えない状況ではあるが、一方で、国のほうの、令和元年度の「小規模保育の実態調査」によると、小規模保育と地域型を比べると、収入と支出の差、収支差が高いということもあるので、そういった中で職員確保も進めていただきたいと考えている。

◆山本陽子議員/「小規模保育は収支差が高い」と言われた。「利益率が高い」ということでも言われてたが、一般的なそういう事情が、どれだけ賄われる数字になっているのかは分からない。小規模保育事業は人数が少ないから、利用人数によっても関わってくるし、利益率の分で、通勤手当や、定員の弾力化、宿舎借り上げをしたいと思っても、賄えるかどうかは分からない。やはり具体的に利用児童数、経営状況異なるので、小規模保育事業者のみなさんについても細かく実状を聞いていただいて、支援の必要性については検討していただきたいと思う。今年度は施設型については人件費等の調査をおこなって、京都市の支援も検討していくわけだから、小規模保育事業についても、一般的な「収支差が高い」というだけではなく、本当にどういった支援が必要なのかということを、ぜひ具体的にお話を聞いていただきたい。検討いただきたい。このことを求めておく。

小規模保育事業のもう一つの課題が「3歳の再保活」。小規模保育事業のハードルになっている。利用者は一度保活をおこなっているが、延長して保育を受けたいと思ったら再保活が必要ということで、それが保護者にとっても負担であるし、その点がネックになるということもある。町田市では、再度の保活は負担が重いので、優先的に保育園への入園利用を確保する「先行利用調整」をおこなっておられる。再保活の課題はこれからも大きなハードルになっていくと思うので、先行利用調整なども検討求められてるがどうか。

(→梶山・幼保総合支援室長)現在、小規模保育施設、基本的には全ての保育施設へ連携先の施設として保育園等を登録いただいている。そういった施設を第一希望で希望された場合はポイント加点している。これによって実際に希望された方のほぼすべての方が保育所の利用につながっている。具体的に申し上げると、令和5年3月末で卒園された方が小規模保育613人いらっしゃるが、そのうち385人の方が引き続き保育利用希望され、そのほとんどの方が、保育園や認定こども園等の利用につながっている。

◆山本陽子議員/最終的な利用調整はがんばってしていただいているとは思うが、一つ言われたのが、子どもさんの年齢が、2歳3歳あけて次の子どもさんを妊娠される場合、ちょうど保育を申し込む時に、下の子を妊娠中の場合は、働いておられる方も、産休・育休などでポイントの点についても入れる保証はないということで、ほとんどが最終的に利用調整していただいているとは思うが、こういう大変な条件のもとでは障害がある、やっぱりしんどいという認識があるそうだ。小規模保育事業を利用した方にも3歳の時点での再保活が大きなハードルにならないような調整、下のお子さん妊娠されている方へのポイント優遇であるとか、課題もしっかり検証して、声も聞いていただきたい。

小規模保育事業者の方にお話を聞くと、小規模保育の良さも分かる。私は施設型の保育園でお世話になって、施設型の子どもたちの多い中でもまれて、楽しいいろんな取組をしていただいて、そういう集団での保育の良さも分かる。でも、いろんな子どもがいるので、家庭的な少人数の保育がこの子には向いている、保護者の方も「ここの小規模保育がいい」と思われて入園しておられる方が多いと思う。そういうなかで、小規模保育についても一つの、子ども一人一人にあった保育の提供ということでは、やっぱり小規模保育事業も運営の継続が難しい、これからの少子化にあたっては、様々な壁にぶちあたっておられるので、しっかり小規模保育事業者の方のご意見も聞いていただいて、改善すべきところは、ぜひ改善していただきたい。その中でも、他の認可保育園や認定こども園の事業者、保育士と同じように、小規模保育事業者に対しても同等の対応をしてほしいということが述べられている。それぞれの保育の良さということを京都市も認識するのであれば、これまで新法の前は、昼間里親さんが家庭的な保育していただいて、その当時私も、新法になって小規模保育になったら一段制度がよくなったというのはお声も聞いてきた。でもそれからまた5年以上経つ中で、やっぱりいま京都市の保育、全体的な保育の中で一定数担っている小規模保育事業者のみなさんに対しても、他の保育園と同じように対応していくべき。このこともしっかり状況聞いていただいて、検討もしていただきたいと思うがどうか。

(→梶山・幼保総合支援室長)小規模保育の一番の特徴は、お子さんの人数が最大でも19名ということもあるので、施設型の保育園ではなかなか難しい家庭的保育が可能ではないかなと思う。また、子どもにあった保育を行うためには、子どもの数が減っても、その点については小規模保育の存在意義が薄れることはないと考えている。また、小規模事業者の方のご意見等は必要に応じて聞きながら、これからも、待機児童にもこれまでからご協力いただいていたということもあるので、引き続き京都の保育を実施していただきたい。

◆山本陽子議員/京都市が委託もしていると思うが、保育連盟主催のキャリアアップのための研修事業についても、小規模保育事業の保育士さんは人数制限されていて困っているとのお声もある。「せめて先着順でしてほしい」とのご要望もある。小規模保育が増えていく中では、これまでの区別がふさわしくない場合もあるので、小規模保育事業者のみなさんの声も聞いていただいて、また、小規模保育で良かったという親御さんの思いも聞くことが重要。いろんな保育のニーズ、声を聞いていく必要があると思う。そういうことを進めていただいて、京都市の全体的な保育事業の充実発展に努めていただきたい。

2023年7月5日【文教はぐくみ委】子ども若者はぐくみ局/一般質問「小規模保育事業への支援について」

(更新日:2023年07月05日)