マイナンバーカードの返納手続についてもきちんと広報を(2023年6月21日/文教はぐくみ委・文化市民局・やまね)

◆やまね/よろしくお願いいたします。まずあの、6月10日の京都新聞で報道されているんですけれども、京都市でもマイナンバーカードの写真が他人のものと入れ替わってしまう事案が発生したということであります。それでまずお聞きしたいのは、この報道内容に間違いがないのかということと、それから、なぜこのような事態が起きたのか、今回の経過について説明を頂けるでしょうか。

(→臼山・マイナンバー業務改革推進担当部長)はい、写真、あの別人の写真が入ったマイナンバーカードを交付した事案についてでございます。本年2月21日に下京区内の出張申請窓口で申請者の申請書に別人の写真を貼り付けたものでございます。その会場で、顔写真の撮影、それから申請書、それから暗証番号設定書類を記入して頂きまして、カードの申請を受け付けております。事務処理後にですね、マイナンバーカードセンターからJ-LIS(地方公共団体情報システム機構)、国のほうに申請書を郵送しております。で、出張申請窓口会場で、本人確認等の手続きは既におこなっていたため、J-LISのほうからできあがったカードですね、カードセンター到着後、暗証番号の設定をおこなって、ご自宅のほうに簡易書留で郵送しております。で、3月30日にですね、顔写真が異なるということですね、本人から申し出が、電話でございまして、同日に、その業務を委託している業者の社員とですね、本市職員が、ご自宅の方を訪問いたしまして、本人とカードの顔写真が異なっているということを確認しております。で、そこで、謝罪の上ですね、カードを回収させていただきまして、で、再申請、カードの再申請のためにですね、ご自宅で写真を撮影させていただいて、カードが出来上がり次第ご自宅にお届けするというところをお伝えしまして了承を得ております。で、5月10日にですね、再申請後のカードが出来上がりましたので、ご本人にお届けをしているというところでございます。

原因としましては、委託業者が申請書を貼り付ける写真と申請者本人との照合をおこなった上で、申請者本人に撮影した写真を、写真がご自身のものであることで間違いないかを確認するべきところ、照合確認がしっかりとできていなかったものでございます。またですね、出張申請窓口の従事していた本市の会計年度任用職員もですね、申請書と本人確認書類との照合ができてなかったものでございます。対策としましては、申請書本人に写真の間違いがないかの確認をしたことについて委託業者の窓口担当者とですね、現場管理者等、複数の人で必ず確認するとともにですね、出張申請窓口に従事している本市会計年度の任用職員についても、申請者本人と顔写真を必ず照合することを徹底しておりまして、確認体制を強化して対応しているところでございます。

◆やまね/あのまあ、率直に言ってその現場でのですね、チェック体制がどうなったのかっていうのは、本当に疑問に思わざるをえないわけですけれども、今お話ありましたように、これ報道にあるんですけれども、3月29日にマイナンバーカードがそのご本人さんに送られた時に違う方の写真が貼られているということで発覚したわけですよね。で、翌日に、訪問されて確認されたということだと思うんですけれども。あの、京都市として、この事案を公にしたのはいつなんでしょうか。

(→臼山・マイナンバー業務改革推進担当部長)はい、京都新聞の報道がありました、その日になります。

◆やまね/ということは、3月29日に事態が判明して、30日に確認して、で、実際に報道が出たのがこれ6月10日ですので、この間京都市は何もこの問題を公にしてこられなかった。それは一体どういう理由でそうなっているのかですね。この、これぐらいの問題ならたいしたことないというふうにお考えだったということでしょうか。

(→臼山・マイナンバー業務改革推進担当部長)はい、ええ、本件につきましては、個別の事案であったということもございまして、ええ、あとそれ以外にですね、ええ、該当者の他にですね、あの影響が及んだ方がいらっしゃらなかったという事もございます。またですね、事案が判明次第ですね、速やかに該当者に連絡を取りまして、訪問をさせていただいて謝罪をおこなっておりまして、カードの再申請の対応についてもご理解を頂いていたというところでございます。ええ、このような結果からですね、ええ、報道発表をおこなうというところの判断までに、あの至らなかったということでございます。

◆やまね/まあ私はこれ極めて重大なやはり問題だと思うんですよね。マイナンバーカードについては、住民票や印鑑登録証明の誤交付であるとか、マイナ保険証で別人情報の紐付けなどの問題がこれまでも発覚しておりますし、私も5月議会の際に議論をさせていただきましたけれども、まあその後もですね、個人情報漏洩、重大なトラブルが相次いでおります。マイナ保険証の問題では医療機関で使えずに10割負担を迫られた事例がこれ昨日の報道で776件に達していると。公金受取口座が本人のものでなかったケースは全国で13万件。それから他人の年金記録が閲覧できるようになっていた問題なども起こっていますので、本当にいま国民のみなさんが、この情報漏洩という問題に多くの不安を感じておられると思うんですが、今起こってるこの問題の責任ということで言うとですね、あの政府は私もちろんひどいと思うんですけども、これマイナンバーカードを推進してきたということで言えば、地方公共団体、自治体にもその責任の一端があるんじゃないかと考えますが、この点のご認識いかがでしょうか。

(→臼山・マイナンバー業務改革推進担当部長)はい、マイナンバーカードにつきましては、ええ、市民の皆様が不安なくですね、安心安全に利用いただくことが最も重要であるという認識をしております。で、今回、ええ、国のほうで、あのいろいろ、マイナンバーカード、トラブルが起こっておりますけれども、今回あの現場での確認不足で起きた事案というものであるというふうには認識しております。で、あの我々、あのマイナンバーカード普及する立場の、えー、人間としてもですね、今後このような事案が再度起こらないようにですね、チェック体制を強化して業務にあたっていきたいと考えております。

◆やまね/あのまあ「不安なく安心安全にご利用いただくのが一番」ということをおっしゃられましたけれども、そこが今一番大きく傷ついているということを直視すべきだと思います。各世論調査でも、このマイナンバー制度や、このカードの利用拡大に「不安」と回答されている方が6割7割以上ということで、重大な事態だと思います。で、これ、マイナンバーカード取得された方からもですね、今「これはあまりに不安だ」と。「問題があるのに強引に進めた結果ではないか」という声もありますし、中にはですね、「個人情報漏洩が不安なのでマイナンバーカードを返納したい」という、こういうご相談も今寄せられております。

そこでお聞きしたいんですけれども、一つは、マイナンバーカードを取得された方でも自主返納をすることは可能なのか。で、その理由として「セキュリティ面で不安だから」という理由でもOKとなるのかと、これが一つです。それから二つ目に、京都市においてこれまでマイナンバーカードの返納件数というのが何件ほどあるのかですね。ちょっと今数字がもし分からなければ資料でいただきたいんですけれども。年度ごとの返納件数とその返納理由の内訳について資料提出いただきたいと思いますが、いかがでしょう。

(→臼山・マイナンバー業務改革推進担当部長)はい、ええ、カード、マイナンバーカードの返納につきましては、ええ、マイナンバーカードセンターで受付をおこなっております。その際にですね、カードと本人確認の書類を持参のうえ、お届けいたいただくことでカードの返納はすることはできます。で、ええとカードの返納件数なんですけれども、ええ、こちらのほうの件数を、ええ、取って集計してるわけではございませんで、直近ですと、先週あたりからちょっと件数を確認している状況でございますので、ええ、出せるとしたら直近1週間ぐらいの件数になります。

◆やまね/ちょっとまたじゃあ資料の点はまた後で相談をさせていただきたいと思います。それであの、今まあ「返納可能」だということなんですけれども、返納の理由として「セキュリティ面が不安だから」ということでも大丈夫ということですね。

(→臼山・マイナンバー業務改革推進担当部長)はい、返納、カード返納される方の理由につきましては、あの様々な事情がございますので、返納することは可能です。

◆やまね/それでですね、仮にこの返納された場合ですね、そのマイナンバーカードはどう処理されるかですね。カードそのものが。横浜市ではですね「電子システム上の廃止手続きを行った上で、カードそのものは溶解処理される」というふうにお聞きしています。京都市の場合は取り扱いがどうなるのかということと、それからこのマイナンバーカードを自主返納した場合、2万円分のポイントというのは返さなければいけないのかどうか。この点いかがでしょうか。

(→臼山・マイナンバー業務改革推進担当部長)はい、ええカードにつきましては、システム上廃止処理を速やかにするというあの対応をおこなっております。で、マイナポイントにつきましては、あのカードを返納したからといってポイントを返さなければならないということではございません。

◆やまね/分かりました。それから、あのこのマイナンバーカードを自主返納する場合、手続きはどこでおこなうのかということなんですけども、先ほど「マイナンバーカードセンターで受け付けている」ということだったんですけれども、手続きとしてはそこでしかできないということなんでしょうか。

(→臼山・マイナンバー業務改革推進担当部長)はい、えー、区役所・支所のカード交付コーナーもございますけれども、そちらのほうは事前予約制で、カードの交付ですとか、電子証明書の関係の手続をおこなっております。で、区役所・支所のほうではですね、予約優先で窓口業務をおこなっておりまして、現在はあのマイナポイント第2弾のポイントを受け取るために、あのまずカードの受け取りに多くの方がお越しいただいている状況でございます。返納等につきましては、ええ、予約の方に支障がない範囲で、えー、窓口で対応をおこなっているところでございます。

◆やまね/そうしたら、先ほど「マイナンバーカードセンターに」というお話があったんですけれども、区役所・支所でもできるのはできるってことですね。ちょっと確認したいと思います。

(→臼山・マイナンバー業務改革推進担当部長)はい、あの原則、お問い合わせがあった時には、マイナンバーカードセンターをご案内させていただいておりますけれども、あの、カード交付等のあの予約に空きがあったり、時間に余裕があったりした場合です、場合につきましては、ええ、対応させていただいております。

◆やまね/それであの横浜市はですね、これ、区役所の戸籍窓口課で申し出ると、返納届の用紙に必要事項を記入して終わりと、それでできるということをお聞きしました。やっぱり京都市でもですね、各区役所・支所でもきちんと手続きができるようにすべきだと思うんですね。余裕があったらとかいうことじゃなくて。

それであの、これ最後もう一つお聞きしたいのはですね、求めたいのは、やっぱり市民のみなさんへの周知の改善、ぜひやっていただきたいということで、例えばですね、この京都市のホームページを見ますと、「令和3年8月18日から各区役所・支所の市民窓口課マイナンバー担当はマイナンバーカードセンター交付コーナーとなり、次の業務のみをおこなっています」ということで、「カードの交付(受取)」「カードの申請サポート」「電子証明書の更新」「暗証番号の初期化等」となっております。で、これ見たらですね、あの市民の方からすれば、「区役所・支所では返納手続できないんじゃないか」と思われるんじゃないかと思いますし。

それから、そもそもマイナンバーカードセンターの取扱業務についてもですね、ホームページでどうなっているかといいますと「カードの交付」「再交付・更新」「カードの申請受付(顔写真の撮影含む)」「電子証明書の発行、更新、暗証番号の初期化等」しか載っておりません。で、返納手続きについては、あのどこにも書いてないわけです。で、ただ、実際には返納手続はおこなわれているということですので、私はこれホームページ上でしっかりと返納手続についてもですね、おこなっていること、そして区役所・支所でもできるということをきっちりあの載せていただきたいと思うんですが、いかがでしょう。

(→臼山・マイナンバー業務改革推進担当部長)はい、ええ、マイナンバー、マイナンバーカードですけれども、マイナンバーの制度ですけれども、行政の効率化ですとか、国民の利便性向上につながるデジタル社会の基盤になるものとして、国をあげて取り組んでいるものでございます。本市としましては、一人でも多くの方にカードをお持ちいただくよう、申請・受取など、マイナカードの普及促進にかかる案内に注力をしていきたいと考えております。

一方ですね、ええ、この間、マイナンバー、マイナンバーをめぐる様々な、トラブル報道を受けまして、マイナンバーに対する不安お持ちの市民の方もおられることと思います。不安をお持ちの方につきましては、マイナンバーカードセンターにご相談いただくよう、ホームページ等でも広報を展開しているところでございまして、ご相談いただいた際にはですね、丁寧な説明、サポートをおこなっているところでございます。

◆やまね/あのね、あのまあ、確かにいま市の立場述べられました。京都市としてはマイナンバーカード、マイナンバーカード推進の立場だから「返納しましょう」とはとても言えないと思いますよそれは。しかし、業務として返納手続についてはやってるわけですよね。マイナンバーカードセンターでやってるし、そして区役所・支所でも「ここではできませんよ」ということは言われないと思います。だったらばやはり、このせめてホームページではですね、区役所・支所で、あるいはマイナンバーカードセンターで、返納手続が可能だということぐらいは、それぐらい検討されてしかるべきじゃないかと思うんですがいかがでしょう。

(→臼山・マイナンバー業務改革推進担当部長)はい、ええ、どのような記載にできるかというところがありますけれども、ええ、ま、カード推進する立場として、あの、どこまで記載できるかということを含めて検討したいと思います。

◆やまね/ぜひ検討していただきたいと思うんですね。いま重大なトラブルが相次いでいる時に、多くの国民のみなさんが不安を感じておられる時にですね、交付や申請についてはやるけれども、返納手続については「忙しいからできない」というようなね、そんなことでいいのかということが私問われていると思いますので、しっかり検討していただきたいと思います。終わります。

2023年6月21日【文教はぐくみ委】文化市民局/一般質問「マイナンバーカードの業務について」

(更新日:2023年06月21日)