京都市は統一協会との関わりについて、抜本的調査と毅然とした対応を(2023年6月7日/文教はぐくみ委・文化市民局・やまね)

◆やまね/あらためてですね、京都市行政と、統一協会及び関連団体との関わりについて、本日はお聞きしたいと思っております。まず、統一協会に関連する消費者相談についてなんですけれども、昨年9月以降、国の被害相談の「集中強化期間」などの取組も行われてきたわけですけれども、京都市においてはですね、これまでどのような相談が何件ほど寄せられているのか、それから市民のみなさんへの啓発・周知なんか含めですね、今後の対応で考えておられることなどまずお聞かせいただきたいと思います。

(→津嶋・くらし安全推進部長)はい、あの旧統一協会関連の相談件数、消費生活総合センターにまいった部分ですけど、令和4年度で申し上げますと計5件という形になっておりまして、令和5年度は今のところ3ヶ月ほどで質問・問い合わせのほうは相談のほうはないような状況で、あの去年から5件というような形になっております。

まああの、相談の主な内容ですけど、やはり当該団体に対するまあご意見というか、相談というふうにとれるかどうかあれなんですけど、あのそういったご意見であるとか、あとまああの知り合いが寄付をしたことがあるというようなお話、そういったものがあの、えー、相談と言いますか、主な内容となっております。

去年も申してたんですけど、今やはり国の動きの部分とかも見ながらという部分があるんですけど、やはりそういった門戸を広げて消費相談の部分、相談に乗れることであるとか、あと適切に弁護士であるとかそういったいろいろな、そういう相談の部分につなぐような形の、相談を受けるということについてはホームページ等を含めて発信のほうに努めているところでございます。

◆やまね/今我々はですね、今統一協会が何をしているのかっていうのをしっかり見とかなければならないと思っております。今本部のある韓国の清平(チョンピョン)っていうところに豪華な宮殿が建設をされました。さらに巨大クルーザーが発着する港や巨大ホテルなどの建設、こういうリゾート開発が行われております。この中で、日本の信者に「1家庭あたり183万円もの献金を求める」、こういうことが起こったり、韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁はこの「日本での活動を飛躍させるために伝道10倍化」ということも指示された。日本の統一協会では昨年10月7日から200日間を「特別な期間」ということで、「足が遠のいている信者の復帰や献金集めの口実となる集団結婚に力を注ぐこと」が呼びかけられております。統一協会の被害者救済に取り組む弁護士は、「宮殿の完工式や集団結婚式に日本からも信者が参加し、資金を持ち込むことが考えられる。新たな被害につながる動きとして警戒する必要がある」と指摘をされておりますので、やはり今、これまで大きな日本でも昨年から社会問題になってきたこの問題、その背景にこういった動きがあるということもしっかり見ておく必要があるんじゃないかなと思います。

昨年の10月の市長総括質疑において門川市長からですね、統一協会について「霊感商法等で大変な被害を受けておられる方がおられる」と、「反社会的行動もあった団体」と、そして「統一教会とは私自身も市行政としても一切関わりを持たない」と答弁をされました。私はこれは非常に重要な認識を示されたと思っております。ただその際、関連団体については言及がありませんでした。昨年9月12日に我々共産党市議団として市長宛ての申し入れを行った際に、統一協会の関連団体のリスト、これは全国霊感商法対策弁護士連絡会がホームページで公開している75団体のリストをお渡ししております、京都市には。9月26日の総務消防委員会で総合企画局から「世界平和統一家庭連合」「ピースロード」「世界平和女性連合」「世界日報」「世界平和連合」の5団体について、「名義後援1年、そして「祝辞・祝電・企画への参加3年分を調べた」旨の答弁がありました。その後、昨年10月14日にこれは総合企画局が提出した資料ですけれども、私たちがお渡しした75団体について、「令和3年度分イベントへの市長の参加、団体の表敬訪問について調査し、結果は該当なし」ということの回答があったということです。で、文化市民局としてはですね、これらについて、これまでどこまで確認をされているのかということをお聞きしたいんですけども、文化市民局としてはいくつの団体にどんな項目を調査されたのか、どれだけの期間分を調査されたのか、お答えいただけないでしょうか。

(→津嶋・くらし安全推進部長)はい、あの文化市民局としましての調査の内容でございます。昨年の9月に行財政局のほうから各局照会のほうがございまして、関連団体調査というようなことで、こちらであのどこが関連団体ということは特定は難しいですので、当時報道で関連団体とされていました3団体について、文化市民局のほうで保存文書、後援名義につきましては1年、市長祝辞につきましては3年分の有無を調べまして、該当がなかった旨を、行財政局のほうには回答のほうをさせてもらってるという状況でございます。

◆やまね/いま「3団体」というお話ありました。これはどちらの団体なんでしょうか。

(→津嶋・くらし安全推進部長)えっとですねあの、APTF(真の家庭運動推進協議会)京都協議会、あとUPF(天宙平和連合)、あともう一つが世界平和女性連合、その3つでございます。

◆やまね/そうしますと、総合企画局で対象にした団体、5団体だったということなんですけども、文化市民局の場合は3団体。これは文化市民局の判断ですか。

(→津嶋・くらし安全推進部長)そうでございます。

◆やまね/これ、私はですねやはり、京都市としてしっかりと全市的に連携とっていただいて、共通の認識をやっぱり、共通の土台で作っていく必要があると思いますので、局ごとに調べてる団体がちょっと違うというのはですね、どうなのかなっていうのを今率直に思いました。

それで昨年10月14日の決算特別委員会・局別質疑の際には、我が党の加藤あい議員がですね、今言っていただいた調査項目に加えて、「登録団体の補助金の支出や寄付の受領なども調査すべきではないか」と指摘をさせていただいてるんですけど、それらは調査はされてないということでよろしいでしょうか。

(→津嶋・くらし安全推進部長)先ほど申し上げた以降、特に調査のほうはしておりません。

◆やまね/わかりました。率直に言って大変不十分な調査にとどまっていると言わざるを得ません。ただ、少なくともですね、部分的ではあるけれども調査はされたということですので、仮にですね、今おっしゃっていただいた、例えば名義後援であるとか、祝辞・祝電・企画への参加だとか、こういうものがもし仮にあった場合、それはふさわしくなかった、今後はそれは改めるという、こういうスタンスということでしょうか。どうでしょう。

(→津嶋・くらし安全推進部長)はい、まああの仮の話ではございますけど、当然今までもですけど、1件1件後援をするに値するか、市長祝辞を出すに値するか、そういうことを1件1件判断する中で決めていくものというふうに考えております。

◆やまね/そしたらもう一つだけ確認しますけども、以前の委員会でこれも指摘しましたが、統一協会の関連団体、世界平和女性連合や世界平和青年学生連合が、京都マラソンの2017年~2020年の大会にボランティアとして関わり、大会公式プログラムでも「大会を支えるボランティア」として紹介されていた問題ですが、京都マラソンの2023ですね、今年の大会の公式プログラムからはその名前が消えております。これは京都市としてそういう参加をお断りされたのか、それともそもそも、その団体のボランティアの申し込みがなかったということなのか、この点はいかがでしょうか。

(→津嶋・くらし安全推進部長)はいあの、今おっしゃられた、後者の、単に申し込みのほうがなかったということでございます。

◆やまね/わかりました。あと最後にもう一つだけお聞きしたいんですけれども。統一協会の関連団体・世界平和女性連合が6月~7月にかけて全国で女子留学生を対象にした日本語弁論大会の開催を計画しておりまして、公式サイトを見ますと全国28カ所で予定されていて、7月29日には京都でも開催予定となっております。これについて水戸市はですね、「市民の不安を解消するため」として、「統一協会や関連団体に市の施設を貸し出さないよう指示」をしてると。過去に弁論大会の会場として使用された国際交流センターというところでは、「世界平和女性連合から利用の申請があった場合、お断りすることになる」ということを説明されてます。で、仮に、京都市でこういったイベントが行われるとなった場合にですね、会場が公共施設ということになった場合、これは市として断るべきではないかと思いますがいかがでしょう。

(→津嶋・くらし安全推進部長)はい、えっとまあ、もし申請のほうがあった場合ということでございますが、あのまあ、市の施設、公の施設の利用に関しましては、当然もう地方自治法に基づいて、あるいはその施設ごとの持っている条例であるとか、そのルールしたものに基づきまして判断をさせていただきますので、基本的には正当な、断るべき正当な理由がない限りは許可をしなければならないというのが基本かなというふうに考えておりまして、水戸市さんが「市民の不安解消」というのは当然必要やとは思うんですけど、ちょっとまあ法的な根拠を含めてどういった判断の中でそういう答えをされているかというのはちょっと今分かりませんので、今先に申し上げたことを基本に判断していくのかなというふうに考えております。

◆やまね/これ地方自治法の244条「公の施設」というところに書いてあることを今ご紹介いただいたかと思うんですけども、ここで言うですね、「正当な理由がない限り」のこの正当な理由の中に「布教活動」、こういうのは含まれるんでしょうか。

(→津嶋・くらし安全推進部長)はい、あのまあ、たいてい建物、市の、公の施設の管理規定とか要綱の中では「布教活動についてはお貸ししない」というふうに、あの基本的には明記されております。

◆やまね/「布教活動ではお貸しはしない」ということになっているということですね。それで一つ大事な点は、やはり統一協会というのは、普通の宗教団体ではないわけで、解散命令どうするのかという議論も行われているような団体であります。で、私先ほどご紹介したように、市長自身がですね「反社会的な行動もあった団体」と、「市長として京都市行政としても一切関わり持たない」という答弁をされた団体です。それは、巨額の消費者被害や人権侵害や数々の違法行為を繰り返してきた、そういう団体、そういう歴史的な事実があるからだと私は思うんですけれども。

そして、私今指摘をした世界平和女性連合ですね、この団体というのはですね、統一協会のまさに創始者である文鮮明(ムン・ソンミョン)の妻、韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁がですね、1992年に創設をした団体でありまして、本部の規約にはですね、「創設者が提唱する神主義、頭翼(ヘッドウィング)思想を基本理念として運動を展開する」ということが明記されているわけです。それで、私はやはり京都市が「一切関わり持たない」としている団体の考えをですね、基本理念にして行動している団体ということをよく見ておかなければならないと思っております。

そして、この関連団体によるイベントが、統一協会の信者が正体を隠して行う布教・伝道活動と一体の活動であるということは、これまでも指摘をされてきたことですし、それが被害を広げて根絶できなかった背景にもあると言われておりますので、しかも公共施設を使うことで問題のない団体だと思わせる宣伝材料にもなる、これが新たな被害につながる恐れがあるという点ではですね、やはり私は全国の自治体がより踏み込んでこれまで調査をしてきた問題、それから、いま水戸市のように市民の不安、これを解消するということで公共施設を貸さないという、こういう毅然とした対応を取っている、こういう自治体もあるわけですから、しっかり京都市もですね、今後対応については検討していただきたいと、求めて終わります。以上です。

2023年6月7日【文教はぐくみ委】文化市民局/一般質問「京都市行政と統一協会及び関連団体との関わりについて」

(更新日:2023年06月07日)