陳情審査:小学校のような中学校給食の実施と給食費無償化(2023年6月7日/文教はぐくみ委・教育委員会・各会派の質疑メモ)

*京都市当局の説明

(→清水・体育健康教育室長)現在、学校給食か家庭からの弁当持参かを全ての生徒・保護者が自由に選べる完全自由選択制の中学校給食を平成15年度から全校で実施しているが、共働き世帯の増加など社会情勢や家庭環境の変化を受け、本年1月国において「次元の異なる少子化対策の推進」が示され、また本市においても1月25日の教育福祉委員会において、次年度予算編成に向け「これまで取り組めなかった事を一歩前に進めるように」との力強い後押しのご意見をいただき、今年度から全員制中学校給食に向けた調査・検討を実施することとした。5月22日に公募型プロポーザルにより業者を選定しており、11月の結果報告に向け速やかに調査を進める。

全員制中学校給食の実施方法については、自校調理方式や小学校で調理した給食を中学校へ運ぶ親子調理方式、本市が設置する給食センターで調理した給食を各校に配送する給食センター方式、民間調理場を活用したデリバリー方式、さらにそれらを組み合わせた方法等も含め、専門業者による調査において様々な可能性を検証する。また、こうした専門業者による調査に加え、学識経験者、PTA代表、校長会代表、市民公募委員等からなる検討会議を設置し、多角的なご意見をいただくとともに、生徒・保護者等へのアンケート等もおこない、京都ならではの食文化の継承を意図した献立の工夫はもとより、安心安全な給食となるよう努めるとともに、国に対して支援の充実を求めつつ、財政負担も含め持続可能で最適な方式を検討する。

そのため、現時点において、小学校のような自校調理方式による全員制給食を実施することを確定できるものではない。また、給食費の無償に関しては、本市では現在、家庭の経済状況の厳しい要保護・準要保護生徒の給食費は全額公費負担するとともに、昨今の給食の食材費が高騰するなか、昨年度に引き続き今年度についても、国の臨時交付金等を活用することで、保護者負担を増やすことなく、これまで通りの栄養バランスや分量を維持した給食を実施できるよう努めているところ。給食費をはじめ保護者負担の低減は重要な課題であると認識しているが、学校給食は教育の根幹に関わる制度であることから、無償化の実現に必要な経費は国の責任で確保すべきである。

5月8日には小中学校の給食費無償化の早期実現を含む「子ども子育て政策の抜本的強化」について、子ども家庭庁に対し門川市長から要望を行ったところだが、今後も引き続き国に対して要望していく。

*議員による質問

◆むくだ議員(自民)/昨年度、国においては「次元の異なる子育て支援策の推進」が示されたことを受け、本市でも中学校給食のあり方など令和5年度予算に向け検討されることとなった。それがやはり始まったのは、我が会派の橋村団長から指摘があり、そして全員制中学校給食に向けた調査費用が今年度の予算に計上された。本調査に対する教育委員会の考え方を改めてお伺いする。

(→清水・体育健康教育室長)昨年度の教育福祉委員会で力強い後押しもいただき、これまで実施してきている選択制を否定するものではないが、共働き世帯の増加など社会情勢や家庭環境が変化する中で、全員制中学校給食の実施に向けて最大限の努力をしていくという強い思いのもと、今年度予算で調査費用として2000万円を計上させていただいた。本調査については、学校調理方式だけでなく、給食センターや民間調理場の活用、それらを組み合わせた方法等、様々な可能性を検証することとしており、速やかに調査を進める。

◆むくだ議員(自民)/今ご答弁いただいたように、調査では全員制の中学校給食に向けて多様な方式、今ご説明あったように、自校方式、親子方式、そしてまたセンター方式、デリバリー方式等、検討するということ。そこで、いずれの方針であったとしても相当な経費が必要。その財源、負担のあり方、それについて検討していく必要がある。またこれは、大変時間も手間もかかる調査になると思うが、ただやはりスピード感も求められている。やはりスケジュールというものをしっかりと示しながらおこなわないと「いつになったらできるんや」というふうになる。そしてまた、次年度予算を組む段階で、何らかのプロセスが見えないと本当に市民は「掛け声だけでいつになったら」、というのは中学校3年しかない。今の6年生が来年度中学1年生になって、この子たちがいつになったら給食を全員制として食べられんねやとなった場合、子どもたちの育ちにも大きな影響があると考える。調査のプロポーザル結果と業者を選定した理由は。

(→清水・体育健康教育室長)4月26日に公募開始し2社から応募あった。それぞれの提案書を確認精査し、本市の問い合わせに対する即日対応などの業務実施体制、あるいは食育の諸点を重視するといった業務に対する理解等を踏まえ、㈱長大大阪支社に決定させていただいた。調査期間は5月23日~11月30日。契約額は1870万円。

◆むくだ議員(自民)/今「長大大阪支社」という会社、本社は東京。何でもそうだが、なんで京都市内にそういう業者がいないんだと言うことも聞かれるし、おられた場合、なぜそこが選ばれなかったということもあるが、参考までに京都市内には支社を含めてこういう業者はあるのか。

(→清水・体育健康教育室長)全て調査したわけでないので、そういった存在しないかどうかということについて、今確認してない。申し訳ございません。

◆むくだ議員(自民)/今後やはり、言うならば、狭い了見と言われるかもしれないが、やはり京都市内の業者がおられた場合は優先して、そして契約価格、それもしっかり見合ったものにしないと。市内やから高くて良いということではないので。この辺のバランス感覚をしっかりと今後も持ちながら、今答弁いただいたように、今後また調べておいてほしい。よろしくお願いする。

次に、11月の調査結果で言うならば、今お話あったように、中学校給食の方式をお決めになるということで良かったのか。

(→清水・体育健康教育室長)今回の調査において、先ほど申したように様々な方式の可能性を検討するし、将来負担を踏まえた財政コスト等も検討する。財源、手法、保護者負担のあり方なども含めて、早期の実現に向けて持続可能な制度として、本市にとって最も効果的効率的な中学校給食になるか提案していただくこととしている。並行して今後設置する検討会議、様々な方々に参加いただく検討会議においても多角的な意見をいただくとともに、生徒・保護者等へのアンケートもおこなう予定。こういった調査結果、それからアンケート結果、そして検討会議での議論等を踏まえ、速やかに本市にとって最適な手法を検討し、実施方式等も決定してまいりたい。

◆むくだ議員(自民)/生徒の意見も聞くということだが、今現時点で、全員制の中学校給食というか、学校で給食が提供されている中学校というのは京都市内には何校あって、そしてまた、始まりはいつだったかということが分かればお答えいただけるか。

(→清水・体育健康教育室長)選択制は64校で実施。全員制についてはいわゆる義務教育学校7校で実施。この義務教育学校とあの具体的な面が今申し上げられないが、それぞれ開校の年から実施している。それから1校、西京附属中学校については給食という形で実施しておらず、食堂という形で営業している。

◆むくだ議員(自民)/西京の食堂美味しいですね。この夏になった冷やしもありますからね。そういう今給食以外に食堂にも業者が入っている。そういう業者もやはりデリバリー等々の枠の中に入ってくるのか。

(→清水・体育健康教育室長)今後どういった実施方式にするか、それがどういった方で運営していくかについては、まだこれからの展開なので、どういった形で地元の業者の方に関わっていただくことについても、今後の課題というふうに認識している。

◆むくだ議員(自民)/業者をよく知っているんです僕。その西京に入ってる食堂の。米は京都でつくった米。そして先代さんの自慢は1回も事故を起こしたことないと、やはりプライドでもある。多くのの公立だけじゃなく私学にも入っている。やはりそのあたりのスケールも持っているので、そういうところもやはり選択肢に入るかなと私は思っているので、検討の中に入れていただくようお願いしておく。

そして今お話あった検討会議について伺うが、市民委員を先週末まで公募されていた。応募はどの程度あって、どのような観点で選考し、そして何名を任命されるのか。

(→清水・体育健康教育室長)検討会議の市民公募委員については、5月22日から6月2日までの間で募集をおこなった。12名の方から応募いただいている。要綱でもお知らせしているが、その中から1名を選考する予定。速やかに選考の上ご本人に結果を通知してまいりたい。選考の観点だが、提出いただいた応募用紙をもとに、中学校給食に意欲関心を持ち参画する意思を感じられる内容であるか、広い視野で公正な考え方に立って委員としてふさわしい内容であるか、論旨が明確であるかという観点に加え、年齢構成から見たバランス、食育は子育て世帯としての視点、社会活動の有無等を総合的に判断し選考する。

◆むくだ議員(自民)/ではその検討会議で、どんなことを協議して、またそのスケジュール感についても伺う。また最終的に検討会議として実施方式について提言がなされるのかどうか。

(→清水・体育健康教育室長)この検討会議については、提言をいただくというものではなく、幅広くご意見いただく場と考えている。内容については、本市の中学校給食の現状、また、業者による調査結果、保護者・生徒へのアンケート結果等をお示しながら、全員制給食を実施するにあたって重視すること、あるいは、実現に向けての課題等についてご協議いただき、持続可能で最適な実施方法についてのご意見をいただきたいと考えている。合わせて、中学生の食育の一層の充実に向けてもご意見をいただきたいと考えている。頂いたご意見を踏まえ、最終的には本市として、京都ならではの食文化の継承を意図した献立の工夫、安心安全な学校給食を実現するための持続可能で最適な手法等を決定する。スケジュールについてだが、まず検討会議自体は公開での実施を予定しており、第1回会議を6月下旬、今月下旬に開催できるよう準備を進めているところ。検討会議を6月下旬から1年間に4回程度開催を予定。第1回以降のスケジュールについては、協議内容や進捗も踏まえ、その都度検討する。

◆むくだ議員(自民)/今食育の話も出たが、すでに本市では「和(なごみ)献立」、一度食べさせて頂いた。教育福祉委員会にいる時に。そして調理法式についても、スチームコンベクションオーブンが全校にしっかりと配置される前の段階だったから、スチコンのある学校の給食と無い学校の給食の違いとか、そういうのは委員のみなさんと一緒に試食させていただいた。いずれにしても、やはり献立が重要になってくるし、また、小学校1年生から6年生までの献立のあり方と、中学校の1年生から3年生までのあり方はちょっと変わってくると思う。だからそのあたりもしっかりと検討会議の中で、今「提言はしないけれどもご意見伺い」との話だが同じような話だ。意見も提言だ。そういうことはやはりしっかりとまとめた上で、また、どんな意見があったのかということを委員会にもご報告いただいて、途中経過もしっかりご報告いただくようにお願いしておく。

最後に、調査結果が出た後、実施までの動きはどのような動きになるのかどうか、そしてまた、将来的な財政負担も非常に大切な観点であるが、本市にとって最適かつ早期に実現できる方法を模索していただきたい。それについて最後に伺い終わる。

(→清水・体育健康教育室長)今回の調査については、基礎調査という形で実施するもので、他都市の事例でいくとこの調査結果を踏まえて実施方針の決定、その後、その具体化に向けた基本計画の策定、PFI導入可能性の調査といったことを実施している。本市においても、調査結果、検討会議などの意見を踏まえ、こういった動きについて、今後のスケジュールを組み立てていくということになろうかと思う。いずれにしても、先生ご指摘の通り、早期実現に向けスピード感を持って取り組んでまいりたい。

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◆宇佐美議員(維新)/私も以前から給食のあり方について、この委員会で議論してきた。今回調査されるということは非常に良かったなと感じている。先ほどの質疑の中でも、改めてちょっと確認したいなと思っているところは、何を検討されるのかの確認。先ほど、自校調理方式、親子方式、センター方式、最後に業者さんによるデリバリー方式、この4つを例として挙げられたという認識だが、この3番目と4番目がちょっと違和感あって教えてもらいたいのだが、3番目に関しては、いわゆる提供する方法、つまり子どもたちの教室に届く方法については特に言及されていない。センターというものを設置して、そのセンターというところで調理をおこなうということだけ。ところが4番目に関してはデリバリー方式というのがくっついてる。つまり、民間事業者が調理をおこなって、その配送方法、子どもたち、生徒への提供方法もそこの中に含まれてる。これを聞いてちょっと確認したいなと思ったのは、今検討せなあかんことが二つある。どこで誰が調理をするのか、それと生徒にどのようにして提供するのか。この二つが実は検討項目として、別々の角度で考えなきゃいけないことだなと思ってるが、それについてはどういうふうに検討、指示、依頼をされているのか。

(→清水・体育健康教育室長)実施方式の検討のポイントについて。先生からご紹介あったように、基本的に自校で作るのか、要するに今の学校施設で作るのか、あるいは、別の場所で作るのかという違いがあるし、それを民間業者にお任せするのか、あるいは、公としてやりきるのかという問題もあるし、それをじゃあ外で作った場合にどう運ぶのかという問題。ただ、これまでの他都市の類型等、あるいは本市のこれまでの実績等踏まえると、パターンとしてやはり給食センターからいわゆる食缶等で運ぶという方式、それから委託業者、これまでそのデリバリーでやってた業者のやり方も踏まえた上でのデリバリー方式を拡大していくという考え方もあるので、そういったものを軸にしながら、先ほどご説明した様々な組み合わせ、特段の予断をいれずに、どういった方式の組み合わせであれば一番効率的で効果的で持続可能であるか、こういった辺りをしっかりと柔軟に検討して参りたい。

◆宇佐美議員(維新)/ありがとうございます。何かその説明だけを、答弁聴かせてもらってると、「民間事業者が作ったやつは弁当箱に入れて配送することしか検討項目として立てません」みたいなことで、それと他を比較するということになってくると、ちょっとそれでは検討の幅としてどうかなというふうに思う。だから、民間事業者が作ったものを食缶に入れて運んで提供するということも当然できる。現実に実際、私も相当前だが調査をしたら、民間事業者が作ってる調理場というのは給食、いわゆる小学校の調理室とほぼ同等の設備があって、それで調理をされてて、それを最終的にバキュームで冷やしてお弁当箱に詰めて持ってくる。ということは当然、その調理したものをそのまま食缶に詰めて運ぶということも、それは可能は可能だと思う。実際それを事業者さんが事業として手を挙げるかどうかは別にして。だからやっぱりそこは誰が作るのかということと、生徒にどう提供するのかは切り離した形で組み合わせを考えてもらう、例えば、民間事業者で食缶で送るというのもあるかもしれないし、センターでお弁当箱につめて送るという、たぶん私はそれはちょっと違うかなと思うんだけれども、何か最後の4つ目だけが、提供方法がもう決め打ちになってしまっているところがちょっとどうなのかな。先ほどPFIの話とかもあったが、いわゆる調理に関する民間委託ということもケースとしてはありえるわけだから、そこをちょっと再度確認したいが、提供方法については組み合わせは柔軟に考えるということでよろしいですね。

(→清水・体育健康教育室長)提供・調理方法についてだが、民間にお任せすることも当然選択しとして、例えばセンターであっても、あるいは、場合によって自校であっても、こういったことも含めて柔軟に考えてまいりたいと考えている。

◆宇佐美議員(維新)/ありがとうございます。よろしくお願いします。それと2つ目に、今回検討される時に、その食材の調達方法はどうしていくのか。これも検討の中にどのようにして含まれるのかをちょっと確認したい。小学校の調理に関しては、一括して調達をして、各小学校、そのエリアごとに献立、全員が同じ献立だったら大変だから分けて配送されている。今、中学校のその選択制の給食の場合の食材の調達方法はどうなっているのか。それと今後この検討される時に、その食材の調達方法についてはどのような考え方でされるのかちょっと確認したい。というのが、食事だから食材と調理というこの二つに大きく分かれてくると思う。結局その食材は同じもので調達して、調理をするところが、例えば、学校の給食室なのか民間事業者なのかセンターなのかという分け方にするのか、それともや食材の調達も含めて、何かそういうことを考えるのか。その辺で実はちょっとだいぶ違ってくると思う。受け止めとして。食材の調達方法、これは今のところどう考えているのか、現状も含めて教えていただけるか。

(→清水・体育健康教育室長)食材の調達方法について。現在は、小学校については今先生おっしゃったように給食協会のほうが一括しておこなっている。中学校給食については、調理委託している業者の方が食材の調達等もおこなっているところ。今後については、こういった現状を踏まえ、先ほど申し上げたように、より効率的効果的で持続可能な方式について、これから検討して参りたいと考えている。

◆宇佐美議員(維新)/わかりました。実際、同じ野菜を切る人が違うだけなのと、その食材の調達方法が違う場合と、これ考え方、ちょっと変わってくると思うので、受け止めとして。そこもやっぱり検討の中で明確にご意見もしっかりと聞いてもらいながら、調査のところで報告も出してもらえるようにお願いしたいと思う。

それと最後、先ほど生徒の意見も聞いてということもおっしゃってたかなと思うが、確認だが、今まで私何回も言ってるが「施設一体型になったら全員制になる」と、「それは誰の意見としてそうなったのか」ということについて、「地元の意見としてそれを望まれるのでそうしてきました」ということやったと思うが。そういう意味で、過去はどういうふうな決め方をしてきたのかおさらいをしたいなと思うが、例えば、先生とか地元、実際、保護者・生徒、その意見を全部アンケートを取ってそれで決めていったのか。その総体として「そうしてほしい」という地元意見が出てきて、それに対して「じゃそうしましょうか」という判断をしてきたのか、過去においてはどうだったのか、ちょっとまず教えてもらいたい。

(→清水・体育健康教育室長)まず、現在の選択制の給食については、専門家等を踏まえた検討会議等の協議を踏まえて、選択制という形、あるいは、業者委託という形で方式を決めさせて頂いたということになっている。小中一貫校等の全員給食については、先生からもお話あったように、地元等の協議の中で、まず制服をどうするであるとか、学年はどうするとか、様々な話題があるが、通学方法であるとか、その中の一つとして、給食をどうするかも当然重要なテーマで、それについて、地元の方々の意見をいただきながら、最終的に決定していたということになろうかと思う。

◆宇佐美議員(維新)/なぜこれを言うかというと、傾向としていろいろ調べたが、生徒の意見は「好きなもの食べたい」みたいなことになってしまって、生徒の意見を尊重したら「給食じゃなくて好きなものを自分が持ってきて食べたい」というふうになる傾向があるというのは、これはもう他都市の事例を見てたら分かるなと思う。一方で、保護者なり専門家の意見から考えると、やはり給食で適切な栄養を取っていくことが大事だというふうに傾向としては大きく分かれることに、過去のデータを見てるとなってくると思うが、その辺で最終的にどう判断されるのか、どこでどう決定されていくのか、今からそもそも何かアンケート取られるのかも含めて、その辺どういうふうに決めていかれるのか。

(→清水・体育健康教育室長)学校給食として実施する以上は、当然必要な栄養を満たし、かつ食育に資するものでなければならないと考えているので、そういった観点、もちろん一番大切に考え、調査業者による調査の結果、あるいは、検討会議での様々なご意見、それから保護者・生徒等へのアンケート、こういったものを総合的に判断しながら、最終的には教育委員会として責任を持って実施方式を決定して参りたいと考えている。

◆宇佐美議員(維新)/分かりました。ありがとうございます。本当に、いろんな保護者の方から私も今もご意見をいただく。その中で最後にお伝えしたいのは、どこに行っても同じような給食にしてほしい。例えば、某行政区に行ったら、要するに生徒が提供を受けるもの自体がもう全く違うというのはちょっとどうかと思うというご意見はやっぱりいただく。なので、それが最初にちょっとお話した提供方法の話。実際、どこの行政区にいたとしても、どこの中学校にいたとしても、その子ども・生徒が提供されるものに関しては、基本的には同じものが出てくる前提で検討をしてもらいたいというご意見がくるが、それはそういう考え方で今検討されているということでよろしいか。そこをちょっと確認したい。

(→清水・体育健康教育室長)現在、小学校も中学校も、小学校も食材調達の関係で、実施時期が若干、地域が違うが、基本的に同じ献立だし、中学はもちろん同じ献立になっている。現状はそういう形なので、それをベースにしながら今後考えていくことになろうかなと考えている。

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◆山本陽子議員(共産)/質疑も聞かせていただいて、検討会のことなどは分かったが、これは市民のみなさんの陳情だから、私は市民のみなさんの思いに沿って、ちょっとお聞きしたいと思う。私この陳情を読ませていただいて、これは大切な思いだなと感じたのが、中ほどにある「栄養のある温かい給食を食べることは、体の成長発達だけでなく、子どもに安心感を与えるもの」なんだと。こういう思いを述べられて「全員制の中学校給食実現をしてほしい」という思いが述べられていると思う。2019年の京都市の調査では「昼食を食べていない生徒が7.7%もいた」ということは重い事実であり、だからこそくり返し「給食が必要だ」ということを、今回877筆の要望署名も共に提出されているということで、市民のみなさんの本当に重い願いだなと感じている。子どもを真ん中に置いて、やっぱりあるべき、求められる中学校給食ということも、やっぱり議論をしていかなければならないと思っている。子どもに安心感を与える、子どもたちが給食を食べて、そして学校の教育も本当に充実したものになっていくということが、やっぱり目指されなければならないと思う。その時に京都市からも国に対する予算要望で、先ほどもあった「憲法上保障された教育の機会の均等実現するためには、子どもの発達、健康に直結する全員制の給食制度の実現は不可欠であり」ということをこの間、何回も明記していただいているが、京都市としても、こういった教育の機会均等を実現するためには、全員制の給食が不可欠なんだということを、どのように子どもたちにとって必要なんだと思われたのかを改めてお聞きしたい。

(→清水・体育健康教育室長)子どもたちの健やかな成長にとって学校給食の果たす役割は重要であるということについては、もうこれはその通りであると考える。そういったことも含め、これまでから選択制の中学校給食実施したわけだが、全員制中学校給食の実施については、これまでは、多額の経費が必要となって他に優先するべき課題もあるためにこれまで断念してきたということになろうかと思う。そうした中で、1月4日、国において「次元の異なる子育て支援策」の充実方針が示され、またくり返しになるが、1月25日の教育福祉委員会においても、子どもたちの健やかな学びと育ちのために、京都市において取り組めなかったことを一歩進めるべきと、ご指摘もいただいている。こういった後押しいただき最終的に、この時期を捉えて全員制中学校給食の実施に向けて踏み出そうという決意で決定させていただいているもの。共働き世帯の増加と保護者の就労状況変化もある中で、それぞれの家庭状況に変わりなく栄養バランスのとれた給食を摂取できる全員制給食の役割大きいと認識しているので、これを進めてまいりたいと考えている。

◆山本陽子議員(共産)/そしたらちょっと初めに言ったように、子どもたち、子どもに安心感を与える、給食やってほしいと思われる思いということについては、教育委員会のみなさんとしても共感されるということでよろしかったか。

(→清水・体育健康教育室長)安心安全、それから豊かな学校給食に資する給食というのは、当然のことだというふうに考えている。

◆山本陽子議員(共産)/子どもを真ん中にして、どんな教育が良いのか、どんな給食がいいのかということがやっぱり議論していただきたい。いつもこの目立ったところだけ取り上げて、華々しいところだけ評価するのでは、多くの子どもたちの思いが埋もれていくということを感じる。勉強するにも、本当に自分は勉強苦手だ、置いてかれる、そんな思いの中で学校に行くのが嫌だ、そういう思いも私も子どもの時経験してるわけだが、でも給食があったときに、みんなと一緒にワイワイ言いながら食べる、あの給食が美味しいということがあったら、その子もちょっとホッとできる学校の場になる。埋もれていく子どもたちの安心感とか、学校行きたいなと思えるような、そんな場をたくさん増やしていただく、そういう思いをちゃんと教育委員会のみなさんも言葉にできることが私は重要だと思う。先生たちはそういうことを子どもたちに届く言葉でお話をして頂くことで、私はすごく学校現場においても、ああ先生は子どもたちのためにやっていただいているなあと思うので、子どもを真ん中にした議論ということを、言葉を、紡いでいただきたい。

選挙戦の中でも、全員制の中学校給食の実現、「早くしてほしいんです」ということはお母さんだけでなく、お父さんからも切実な願い。「子どもたちも言ってます」と、「小学校の時の給食は大好き」「小学校みたいな給食やったら中学校でも食べたい」というのが、みなさんこれまでも示してきたように、子どもたちからの要求でもあった。みなさんから言われることは「学校調理の温かい給食を一刻も早く実施をしてほしい」というこの点。先ほども早期の実施をということを言っていただいたが、この点ちょっと確認しておきたい。全校が一斉に実施することを重視するのか、できるところから実施していくのか、この点大きな違いになると思う。先ほどもお話あった調査業務、選定された企業さんの提案書には「給食が始まっている学校と始まっていない学校が発生する等の不公平が生じないような実施方式の検討が重要」だと明記されているが、それは京都市として、そういう一斉実施を求めているのか、それが重要な事項だというふうに言っておられるのか、この点について確認したい。

(→清水・体育健康教育室長)実施のスケジュールのあり方についてだが、どういった形で実施するのか、全校一斉におこなうのか、徐々におこなうのか、これについては、経費負担のあり方とか、実際の業者の確保、いろんな様々な要因が関わってくるし、最終的に持続可能なやり方であるのかどうかも含め、総合的に検討する必要があるので、現時点で確定しているものではない。スケジュールについても併せて検討していくことになろうかと思う。

◆山本陽子議員(共産)/わかりました。近隣の自治体を見ると、センター方式の一斉実施にこだわった結果、何年も時間がかかって実施できていないところもある。やはりできるところから学校調理で親子方式や兄弟方式などで、できるところから早く実施検討してほしいなあと思う。

そして、この陳情では、2項目目に「給食費の無償化」についても求めておられる。この点、京都市も全国でも要求が高まっていく中で、国もそういった動きがあるということで、京都市として給食費の負担が重く無償化へと前進させることを求めておられる。京都市として書かれている文書には「小中学校の給食費無償化を実現するため、所要経費の財源を国の責任において全額確保し」と求めていただいているが、今、物価高騰の下で、京都市としても、この保護者負担の軽減ということは、ぜひ進めていただきたいと思う。京都市予算の1%、100億円のうち49億円あれば小中学校の学校給食費の無償化ができるということだから、今求められる支援ということを進めていただきたい。また、喫緊の課題としては、物価高騰が続く中で給食費の値上げとなると、これは求められる事に逆行する。負担軽減の努力、値上げ分の負担軽減の努力などは引き続きお願いしたいと思うがどうか。

(→清水・体育健康教育室長)給食にかかる保護者負担、無償化ということだが、まず就学援助世帯等の給食については、すでに全額公費負担している。その他の給食については、先ほどからご説明し、今先生から申されたように、物価高騰に対応すべく必要な予算等を確保し、できるだけ献立の質を落とさないようにということで、しかも保護者の負担を増やさないということで、今努力をしているところ。引き続き、こういった努力を続けてまいりたい。

◆山本陽子議員(共産)/最後になるが、京都市としても述べられている「教育の機会均等を実現する」ためにも、やっぱり子どもたちにとって最善の給食ということを検討して、早期の実施を求めていきたいと思う。よろしくお願いします。

2023年6月7日【文教はぐくみ委】教育委員会/陳情審査「小学校のような全員制の中学校給食の実施と給食費の無償化」

(更新日:2023年06月07日)