生ごみ収集のコストはダメで展望台建設はOK!?(2015年7月21日/くらし環境委・環境政策局・やまね)

遅ればせながら京都市議会での質問文字起こしを。やりとりすべてなので長いですが。。

実にいい加減なもんです。「ドイツで3000順調に稼働」「全国でもすでに先例あり」と答弁してたものは、事実とまったく違うことを京都市は認めました。「生ごみを減らせばごみ減量に即つながる」と提案すると、「生ごみ分別をすると新たなコストが…」と言って拒否。それなら2億5000万投入する「展望台」の方がよっぽどムダじゃないかと。8月の委員会でも徹底追及します。

◆やまね/2週間前の前回の委員会で、バイオガス化施設についてお聞きしたんですけども、「導入ありきという姿勢ではダメではないか」との質問に、「全国でもすでに先行事例がたくさんある」「ドイツでは3000箇所以上のバイオガス化施設がすでに順調に稼動している。確立された技術」というご答弁がありました。そこでお聞きしますが、この「ドイツで3000」というのは、どういう施設のことをさされておっしゃっているのか。京都市の計画と同じタイプの施設が3000あるのか、もっと広い意味での「バイオガス化施設」ということか、その辺りお聞かせいただけますでしょうか。

(→渡辺適正処理施設部担当部長)はい、えードイツ、前回のくらし環境委員会で、ドイツで3000箇所以上のバイオガス化施設がすでに実用化されてると、いうことをお答えさせていただいたところでございます。えードイツでのバイオガス化施設は、まあ、今回本市が計画しておりますような焼却施設に併設をするバイオガス化施設ではなく、単独でバイオガス化施設として、えー運営をされているものでございます。具体的には、生ごみだけに限らず、家畜のいわゆる糞尿といいますか、あるいはあの農作物の残渣とか、まそういったバイオマスを有効に活用し、まあドイツではご承知のように固定価格買取制度が我が国よりも早く普及・拡大をいたしまして、まあその追い風によりまして、元々ドイツでのバイオガス化施設は、あー発酵槽のようなバイオマスが発酵する施設を必ず設ける必要が法的にあったと、聞いております。で、その発酵槽でメタンガスが発生するのであれば、それをきっちりと、発電なり、あるいは液肥は堆肥といいますかあの、農業の液肥として利用していくとか、まそういったことが早くから普及をしておりましたので、えー3000箇所を超えるバイオガス化施設が非常に拡大をしたものと、いうふうに理解をしております。以上でございます。

◆やまね/それではですね、日本国内で、京都市の計画と同じタイプ、生ごみを機械で分別する「家庭系可燃ごみの破砕選別をともなう乾式発酵施設」というのは、日本の国内では全国で何箇所あるんでしょうか。

(→渡辺適正処理施設部担当部長)はい、いま先生ご指摘いただきました、いわゆるバイオガス化施設には、先生のご指摘にございましたように、乾式と湿式、水分の違いによりましてこの二種類に分けるものでございますが、あー、水分が比較的少ないとよばれております、この乾式で、しかも焼却施設にバイオガス化施設が併設されている、うー先行事例といたしましては、あー南但クリーンセンター、これは南但の但は但馬の但でございます、兵庫県朝来市にございます南但クリーンセンター、これが平成25年の9月に竣工しております。それと山口県防府市にございます防府市クリーンセンター、これが平成26年4月に稼働しております。ま、この2事例であるというふうに考えておりますが、もう1例、えー京都府下に南丹市園部町がございます。ここに平成16年にカンポリサイクルプラザ、まこれも、おーすぐ隣接した場所に焼却施設がございますので、まそういう意味では、あー同様に、乾式の焼却施設、複合型バイオガス化施設であろうと、いうふうに考えております。以上の3例でございます。

◆やまね/いまお話がありましたように、一口で「バイオで発電」と言ってもいろいろあると思うんですね。木質ペレットやチップを燃やす場合もありますし、先ほどご説明いただいたように家畜の糞とかですね、汚泥からガスを回収するもの、それから生ごみから回収するもの。で、この生ごみの場合もですね、生ごみをはじめからきちんと生ごみとして分けられているものを使う場合と、京都市がいま想定している生ごみと他のごみが混ざった状態で機械に入れて選別をすると、全然違うんですよ。いまお話ありましたけど、京都市がやろうとしている方式というのは、全国で2箇所3箇所、こういうレベルなんです。で、その一つで爆発事故が3月に起こったというのは非常に重大な事態だと私は思っておりまして、前回「全国でたくさん先行事例がある」と、「ドイツで3000箇所が順調に稼働してる」っていうね、あたかも京都市で計画されているものが、すでにたくさん成功しているかのような答弁というのはですね、これは市民のみなさんへの説明として問題があったんじゃないでしょうか。いかがでしょう。

(→渡辺適正処理施設部担当部長)はい、ただいま先生ご指摘のように、生ごみを、いわゆる分別するのではなく従来の収集形態を変えずに、清掃工場の側で選別、破砕選別装置を用いてバイオガス化に投入するという事例につきましては、先ほど申し上げました、あー正確には2例、しかございません。えーこの2例の破砕選別装置につきましては、以前にもご答弁申し上げましたように、平成17年度に環境省の補助金をいただきまして本市のクリーンセンターの敷地の中で、まあ、あの、非常に簡易な、選別装置を設置、仮設をいたしまして、通常の収集形態の家庭ごみ、燃やすごみを、この選別装置で選別実験をして、当時本市の下鳥羽、伏見区の下鳥羽にございましたバイオガス化技術実証研究プラント、ここへ持って行ってバイオガス化をしたと、いうことでございます。この実証実験につきましては、まったく問題なく、うー実験が成功裏に終わったと、いうことを確認しておりまして、ま、この時の、破砕選別、うー装置が南但地域、あるいは防府市のクリーンセンターに導入をされていると、聞いてるところでございます。うーたしかにあのー南胆では、前回ご指摘頂戴いたしましたように、爆発事故というものが発生しておりますが、これはこの前もお答えさせていただきましたように、大量の可燃ガスの入った使い捨てライターが搬入をされたと、ゆうことで、それに引火をして爆発をしたと、いうことでございまして、バイオガス化施設のハードそのものに、ま問題があるのではなくて、えー、ま、むしろ、ごみの搬入、搬入されたごみそのものに問題があったのではないかと考えております。ま、ただ、爆発事故があったと、いうことも事実でございますので、まそういったことを、今後の、プラントの設計に十分に反映をしていきたいと、いうふうに考えております。以上でございます。

◆やまね/私がお聞きしたのはですね、あのー「全国でたくさん事例がある」と、「ドイツですでに3000動いている」と言うけれども、この施設は京都市の計画しているものとはタイプが違うじゃないかと、これは市民のみなさんへの説明としておかしいんじゃないかと、いうことをお聞きしたということを申し上げておきたいと思います。

で、やはりですね、この建設費30億円以上かかると思うんですが、大切な市民のみなさんの税金を使って、作ってみたけどやっぱりダメでしたということは絶対にゆるされないと思うんです。焼却灰溶融炉ですでに失敗した先例がありますのでね、心配をして私言ってるんですが、あらためて「建設ありき」という姿勢ではダメだと思いますんで、バイオガス化施設一般については否定するものではありませんけど、京都市がいま計画しているバイオガス化施設については、根本的な再検討が必要なんではないかなというふうに思っています。

それでもう一点、今日お聞きしたいのが、「生ごみ」の問題なんですが、ごみ減量の取り組みに関連して、ちょうど1年前のこのくらし環境委員会のなかで「ごみ減量に向けて雑紙も始めて、残るは生ごみ。ここをどう切り崩していくか。十分に検討したい」と答弁されております。いま「3キリ運動」もされていると思いますが、やはり水分を多く含む生ごみをいかに減らすかというのが、ごみ減量の大事なカギを握っていると、こういう理解でよろしいでしょうか。

(→瀬川循環型社会推進部長)はい、ええとまず、バイオガス化施設に関してでございますけれども、過去、平成20年21年度におきまして、生ごみの分別収集実験というのをおこないました。で、その際にですね、分別の実施率というものを結果として集約をいたしましたところ、24%の実施率にとどまったということがまず一点ございます。で、加えまして、生ごみでございますので、保管をする期間のにおいの問題、えーさらにはコバエが発生するという、いわゆる衛生上の対策が必要になってくるという点、でさらには、生ごみを上流対策として分別をしていただいた場合であってもですね、週に2回は必ず収集活動をしなければならない、すなわち収集体制の強化をはからなければならない、ええ、簡単に、単純に考えた場合ですと、当然収集経費が増加してしまう、まそういった課題がある。さらには走行時には当然発生するCO2が増加する問題への対応、こういった問題が課題としてはあるとゆう課題認識をいたしました。そのうえで、といいますか、その一方ではですね、バイオガス化に適さない異物、これを効率的に除去する方法として、機械選別というのは、可能なものになると、さらには、濡れたり汚れたりした紙、そういった紙からもエネルギー回収をすることができると、まこういったメリットも逆にあると、まそういう総合的な判断のもとで、現在の計画にしてると、いう点でございます。

で、そういった点をふまえて現在なっておりますけれども、ええ、議員ご指摘の生ごみ対策、につきましては、いわゆる排出されるうちの総量の約4割を占めると、いう厳然たる事実がございます。まそういった意味で、ええ、ご紹介いただきましたとおり「3キリ運動」というものをこの間展開をしております。ええいろんな場面で発信をさせていただいた、今日に至るまで発信させていただいて、それなりには浸透しつつあるのかなあと、いうふうには思っておりますけれども、一絞りで、各世帯が一絞りで40cc、40gほどの水が切れる、それを年間にすれば、ええ5000tの減量につながる、こういった計算上の数値もございますので、ええそういったことをいろんな機会に発信をする、そういったことが大事だなあと、いうふうに思って周知啓発に努め、上流対策に実践につながる行動を求めていくと、そういう啓発に努めておると、いうところでございます。

◆やまね/平成25年度の数字で考えますと、たとえば家庭ごみのなかでですね、資源ごみをのぞくと、燃やすごみの量というのはだいたい20.6万t、だと思うんです。で、いま言われた通り、生ごみが家庭ごみの4割占めるとなるとですね、だいたい8万t少しが生ごみになると思うんですけど、この場合、この家庭ごみの生ごみの処理経費としてどれくらいかかるものなんでしょうか。

(→瀬川循環型社会推進部長)いま家庭ごみというふうに先生の方からご指摘ありましたけれども、燃やすごみといたしまして、たとえば平成24年度決算ベースで申し上げますと、燃やすごみといたしましては1tあたり5万7616円、45ℓ袋1袋に換算いたしますと288円と、いうような処理経費がかかっております。

◆やまね/生ごみの量が減ったらですね、当然その処分のための費用、あるいは燃やす時のCO2も削減されるわけで、生ごみの量を減らすっていうのは、京都市も取り組まれている非常に大事なことだと思うんですけど、それで京都市がいま、電動のですね、生ごみ処理機について、購入の助成制度があると思うんですけど、予算規模とその取り組みの実績はどれくらいになっているのか、教えていただけますでしょうか。

(→瀬川循環型社会推進部長)はい、えーご紹介いただきました電動生ごみ処理機の関係でございますけれども、平成18年10月の有料指定袋制導入時に合わせまして、いわゆる減量化、そして資源化を促進するために、市民のごみ問題やごみ減量に対する意識の向上、これらをはかるということを目的といたしまして、制度化をいたしました。で、えー具体的には、あーいわゆる機械、電動生ごみ処理機という機械を購入された際の購入価格の2分の1以内、上限といたしまして3万5000円、を上限といたしまして、助成金をうつと、いうことにしておりますが、近年の運用実績を申し上げますと、電動生ごみ処理機、予算上300件を予算件数として予算計上いたしまして、おおむねここ3年ほど250~300件程度、金額にいたしまして600万~800万、こういう金額の実績となっております。

◆やまね/電動でなくてもですね、たとえば宮崎市では、生ごみ処理機、屋外型・屋内型、置くやつを無料で支給をされているんですけれども、こういう取り組みは京都市ではされないんでしょうか。

(→瀬川循環型社会推進部長)はい、えっと生ごみ処理の方法としてコンポストを置くと、いう方式として生ごみコンポストの助成制度というものを、本市におきましても実施をしております。えーと制度といたしましては、あー同じような考え方をとっておるんですけれども、おー半額、2分の1を上限とし、かつ、生ごみコンポストの容器は電動の機械よりもはるかに安いですので、上限金額として4000円、を設定して助成制度を運用しておると、いうところでございます。で、議員がご指摘いただいております宮崎市におきましては、あーその生ごみコンポスト容器を無料で支給していると、いうふうにうかがっておるところでございますけれども、その制度のあり方につきましては、本市においては現行の制度において、十分運用できているかなというふうに考えておるところです。

◆やまね/宮崎市で平成22年度におこなった生ごみ処理器無料支給、あるいは電動処理機購入された、制度の利用者からの聞き取り調査というのがあるんですが、「全体の7~8割を自家処理しているとの結果」という答えもあったそうで、「水分を多量に含む生ごみの減量に効果的」と、「利用者のごみ減量意識の啓発やごみ処理経費の削減が期待できる」という分析をされております。ですから、やっぱり生ごみをですね、家庭ごみのなかに混入するってことじゃなくて、いかに地域や家庭で自主的に処理できるようにするか、というのがすごく大事なんではないかなと。カラスの被害なんかも非常に深刻ですので、できるだけそういう家庭ごみのなかに生ごみが入らないようにしていくということが非常に大事だと思うんです。で、あらためてお聞きしたいんですけど、そこで前回の委員会でも聞きましたが、京都市が「2R&分別リサイクル」ということで、いま努力されてると思うんですけど、この取り組みと「生ごみの機械選別」「生ごみは分けなくていい」というのが、なぜ両立すると言えるのか、私そこが納得できないんで、もう一度説明していただけますか。

(→瀬川循環型社会推進部長)はい、えー、本市のごみの減量施策の大きな考え方として、議員ご指摘のとおり「2R」「分別リサイクル」を優先課題とし、しかもその中で、いわゆる上流側にあります発生抑制であります「リデュース」を最優先課題にすると、いう考え方については、まったく変わるところはございません。でそういう中で、先ほど、バイオガス化施設に関してのご説明・答弁でふれましたけれども、そういう個々の施策につきましてどういう施策を導入すべきかというものは、その置かれている環境・状況・将来展望の中で、えー優先度、より的確なものをというものを、採択していく必要があると、いう考えのもとで、バイオガス化施設についてのご答弁をさせていただきました。でそういった個々の課題をクリアしていきつつ、全体的な考え方としてはブレずに、上流対策を優先していくという考え方をとっておるということでございまして、いま現行としては、家庭部門におきましてはやはり3キリ運動というものが、まだまだ道半ばと、言わざるをえない状況かなと、浸透しつつあるものの、やはりそういう段階かなと、いうふうに考えておりますので、それをブレずに地道に、周知し啓発をはかっていたきたいと、いうふうに考えております。

で、なおですね、えーいわゆる施設としての機械機器のあり方としては、バイオガス化可能なごみ以外のごみ、異物を100%除去するというのは、上流対策のみではやはり不可能でございます。したがいまして、先ほどふれましたバイオガス化施設におきましては、機械を、分別機械を導入するということについては、至極もっともなことと、いうことになりますので、まずその点は、セーフティーフォローネットとして、そういう機械を導入する必要があるということについても申し述べさせていただきます。

◆やまね/私はこれは京都市の姿勢というか、本気度が問われる問題ではないかなというふうに思うんです。やっぱり「ごみは絶対減らさなダメだ」と市民に呼びかけながら、しかし実際にやってることは「生ごみは分けなくてもいい」というのは、本当にこれで市の本気度が伝わるのかなと率直に思います。たとえば先ほど「コスト」「経費」の話もされたんですけどね、それだったら、なぜ必要性の疑わしい展望台に2億5000万も使うのかという思いがぬぐえません。ごみ減量化・処理に直接結びつく生ごみ処理機の支給や生ごみ分別回収はコストがかかるからダメだけど、なぜそれなら展望台を2憶5000万はいいのかと。これおかしいと思うんです。「有料化財源」の使い方として本末転倒ではないかと。しかも今後の整備で土壌汚染の対策でも10億円以上かかるということですから、あらためて展望台に2億5000万かけるという必要性については道理はないと私は思っています。

最後になりますけど、市民が払っているごみ袋代年間19億円、そのうち経費に7億円、そして12億円を財源活用事業にまわしているということですけど、これ見ますとね、いまのごみ袋代を半額にしてもお釣りがくるんじゃないかと。取りすぎじゃないかと。お金がこういうふうにあるんだったら、市民のみなさんに還元すべきであって。有料化財源をごみ処理に直接関係のない施設建設にあてることは中止すべきではないかなと思います。ごみ減量化をめざすんであれば、生ごみの機械選別でなくて、分別の徹底と自家処理をできるだけできるようにしていく、こういう支援こそやるべきではないかと、このことを申し上げて質問を終わります。

(→瀬川循環型社会推進部長)はい、えー上流対策としての発生抑制がいかに大事であるかという点につきましては、私のほうでも十分認識をしているところでございます。ええごみの減量に関しましても、平成32年度、39万tまで減量するという大きな目標のもと、市民・事業者のみなさま方と一体となって進めていくと、いう状況にございます。で、有料指定袋制度の袋代金の減額に関して言及されましたけれども、あとまだすでに7万t超える減量をしていくという大きな目標・数値を設定しております。でこういった状況の中で、ええ今後さらに市民のみなさま方、事業者のみなさま方とともに、精一杯努力をしていかなければならない現状においてですね、えー将来、袋の料金を下げる、あるいはいま現時点でも下げてもいいんではないかというご指摘であるとするならば、ちょっと私どものほうといたしましては、市の状況を鑑みればそういう環境にはないと、いうふうにご説明を申し上げるところでございます。

2015年7月21日【くらし環境委員会】環境政策局:一般質問「バイオガス化施設について」

(更新日:2015年07月31日)