陳情審査:ウィングス京都の機能充実・強化を(2023年3月15日/文化環境委・文化市民局・やまね)

【陳情】男女共同参画センターにおける女性支援体制等の充実・強化等

◆やまね/よろしくお願いします。今回の陳情ですね、男女共同参画センターにおける女性支援体制等の充実強化ということで、私たちも非常に大事なことだと受け止めております。

で、まずいくつか、確認をさせていただきたいんですけれども、えっと、これは全国女性会館協議会という団体が、各地の男女共同参画センターの情報交換の機会としてですね、毎年、持ち回りで全国大会を開催されているということをお聞きしまして、そこではセンター職員の企画力向上を目的とした事業企画大賞という表彰を行ってるそうなんですけれども、2019年度に京都市男女共同参画センターが大賞受賞されていると。それでその時の事業名がですね、「GENDER HANDBOOK/必ず知ってほしい、とても大切なこと。性的同意。」ということが大賞に選ばれたとお聞きしました。それから2022年度、今年度は京都府男女共同参画センターと一緒に「きょうと男女共同参画センター防災事業『男女共同参画の防災教材づくり』ワークショップ」というものが奨励賞を受賞してるということをお聞きしたんだけども、これが間違いないのかということとですね。それが一点と。

それからもう一つが、京都市第5次男女共同参画計画でこのウィングス京都がどう位置づけられているかということもちょっと確認しておきたいんですが、先ほど部長からもご説明がありましたけれども、第5次男女共同参画計画、2021年9月に策定されたものですけども、DV相談支援センターとともにウィングス京都を計画の推進拠点に位置づけられて次のように書いてあります。「計画を推進する中核的施設として、男女共同参画に関する情報の収集と提供、啓発誌の発行、講座・研修等の実施、相談事業、活動のための施設の提供、活動団体相互間の連携と交流、調査研究・人材育成など、様々な事業を実施してます」ということが書かれてあるんですが、この二点について、間違いがないかどうか、ちょっと確認だけで結構ですのでお願いします。

(→北條・真のワークライフバランス推進働き方改革担当部長)いずれもその通りです。

◆やまね/ありがとうございます。そしてもう一つ。これも確認をさせていただきたいんですけども、これもですね、京都市第5次男女共同参画計画の中に書かれてるんですけども、「計画の重点分野」が二つありまして、そのうちの一つが「DV対策の強化」と。そのDV対策の強化のところで、DV相談支援センターが「ウィングス京都や京都府家庭支援総合センター等と連携し、初期の相談から自立生活促進に向けた支援まで、切れ目のない被害者支援の取り組み、相談機関としての相談技能を蓄積し、相談者に寄り添った支援に努めている」ということとですね、「ウィングス京都での男性カウンセラーによる男性のためのDV電話相談で、潜在的ニーズを探りながら、相談支援の手法を含めて工夫していく必要がある」という事などが書かれてあると。

それからですね、「ウィングス京都を拠点とした啓発」ということで、「男女共同参画に関する学習ニーズに応えるため、ウィングス京都などにおいて、国内にとどまらず、国際的な男女共同参画に関する様々な情報収集、整備提供するとともに施策の企画実施評価に男女共同参画社会づくりの視点を反映させた啓発活動を展開します」というふうにもありました。

それから「性に関する多様な悩みを解決するための相談」として、「ウィングス京都と連携しながらジェンダーやセクシュアリティなどに関する多様な悩みに対して適切な助言や情報提供を行うなど解決に向けた相談体制の推進をはかります」とありますけども、この点も間違いなかったでしょうか。

(→北條・真のワークライフバランス推進働き方改革担当部長)間違いありません。

◆やまね/それからですね。これも改めてご認識を伺いたいんですけれども、この京都市第5次男女共同参画計画の冊子の中でですね、「男女共同参画にかかる主な法改正」ということで、「働き方改革関連法、育児介護休業法、それから、配偶者暴力防止法、女性活躍推進法、男女雇用機会均等法、政治分野における男女共同参画の推進に関する法律、刑法」などを挙げておられると。

で、この陳情文書表にもあるようにですね、2022年度は、AV新法や困難女性支援法の成立、それから厚労省による緊急避妊薬の薬局販売についてのパブコメ募集とかですね、経口中絶薬の製造販売の承認、選択的夫婦別姓や同性婚の議論の高まりもあったということで、それから先ほどもありましたコロナ渦での女性相談も含めてですね、様々なあの今重要なテーマ課題があるかと思うんですけども、その点でやはりウィングス京都の役割というのが、今、より一層増しているんじゃないかということで、機能の充実がですね、求められているんじゃないかなと思うんですが、この点での認識を改めてお聞きしたいと思います。

(→北條・真のワークライフバランス推進働き方改革担当部長)そうした国の動きと連動して、京都市が第5次共同参画計画を進めていくと思っています。

◆やまね/あのー、今確認させていただいたように、今おっしゃっていただいたようにですね、ですので、京都市のこの男女共同参画計画の推進拠点がウィングス京都であるということと、それからDV対策や啓発活動、性に関する悩み相談等でも重要な役割を果たしていると、それから今もおっしゃっていただいた国の方針ですね、それから社会的な機運、こういうことを考えれば、やはりこの公共施設というのは、これからの時代さらに必要とされる、本当に大切な施設だなというふうに私は思っておりますので、その点でいいますとやはり京都市がこの間「行財政改革計画」の中で、このウィングス京都、「廃止も含め検討」という位置づけをしちゃってるわけなんですが、そうではなくて私たちは、その機能をですね、より充実強化するための議論こそ今必要じゃないかというふうに考えております。

そこで、先ほどもご説明の中にありました、昨年行われたウィングス京都の民間活用に関するサウンディング調査について改めてお聞きしておきたいんですが、京都市が活用事例として挙げていたのは飲食店とかオフィスとか学習塾とか、そういうものだったと思うんです。で、私も当委員会の中で何度か質疑をさせていただきまして、その時に、「ゼロベースで検討」というお話、あるいは「用途変更によってはウィングス京都が公共施設でなくなる可能性もあるんじゃないですか」とお聞きした時にですね、それは否定されなかったと。

サウンディング調査ではですね、先ほどもお話ありましたけれども、「6つの事業者から事務所や社会福祉施設に飲食物販等の提案があった」ということはこの間もお聞きしております。ですので、仮にこういう店舗があの施設の中に入ってきますと、この陳情文書表にもあるようにですね、「女性支援のための様々な相談体制の縮小につながって、男女共同参画推進の妨げとなるのではないか」という点は私も危惧をしております。

で、この間ですね、市民の方が情報公開請求をされておりまして、私もそのコピーを手に入れたんですけども、あの提出された資料のですね、大部分が黒塗りになっているということなんですね。で、この「一部を公開しない理由」ということで書かれてあったのが「当該法人の事業活動上の地位、その他正当な利益を明らかに害すると認められるとともに、現在ウィングス京都のあり方を検討している段階であるため、提案事業所の詳細や提案内容公開することで、今後のウィングス京都のあり方検討事業の適正な執行に支障を及ぼすおそれがあるため」、というふうに書かれてありました。

そこで二点お聞きしたいと思いますが、ここで言われている「ウィングス京都のあり方検討事業」というのは、既に何か予算化された進行中のプロジェクト事業があるのかどうかですね、この点ちょっと確認しておきたいということと、それから二つ目に、私はやっぱり市民の税金で運営されているこの公共施設のあり方に関わる情報が、なぜ市民に公開されないのかですね、その理由として言われている「ウィングス京都のあり方検討事業の適正な執行に支障を及ぼす恐れがある」というのは、一体どういうことなのか、ちょっともう少しこの点、ご説明いただきたいと思います。

(→北條・真のワークライフバランス推進働き方改革担当部長)まず一点目、あの予算が事業化されているかということについてお答えいたします。ウィングス京都のあり方については男女共同参画事業を進めていく中の根幹部分ですので、通常業務の中で進めております。

二点目ですね、なぜ非開示だったかにつきましてですけれども、非開示の理由は、あり方検討の上で、事業者からの具体的な提案内容を他の事業者に、まぁ知られることで同種の事業活動が行われば、今後の検討に支障を及ぼす恐れがあるということと、またその公開を前提とすればですね、民間事業者からはもう開示されることを念頭にその回答が行われますので、その結果私どもがしています、あり方検討の検討において、まぁ的確な回答とか意見が得られなくなると、そういった観点であり方検討業務ものものに支障を及ぼす恐れがあるということを考えまして非開示といたしました。

◆やまね/一点目、通常業務の中ということですので、何かこれに特化した予算が組まれたりということではないということですね。はいわかりました。

それから二点目のところでは、あのま、他の事業者に見られてしまう可能性とか、その回答が的確なものができないとか、そういうお話だったかと思うんですが、しかし、そういうお話を聞いていると、ちょっと考えてしまうのは、このあり方検討事業の適正な執行っていうのは、つまりは民間企業と京都市が密室で進めるということにならないかと。で、私は公共施設のあり方を考えるわけですから当然、市民の皆さんにもこの議論に参加をしていただくべきではないかなと思うんですが、この点いかがでしょう。

(→北條・真のワークライフバランス推進働き方改革担当部長)あのサウンディング調査そのものの、あのー、ま、見解が相違してるのかなというふうに考えるんですけども、元々、えー施設の有効活用についてはですね、先ほどご説明しましたけども、より多様な方が集い交流することで男女共同参画をさらに推進していきたいということを考えまして、そこには民間事業者のノウハウや経営能力が不可欠であるというふうに考えたため、サウンディング調査を実施してるんです。そのサウンディング調査の中で事業者からはアイデアをいただくといった形ですので、そのアイデアをいただいている段階で、それを市民の方に公開しないことが密室とか隠してるとかって言われるというのは非常に、私どもはあたらないというふうに考えています。

◆やまね/はい、あのま、そのあたりはちょっとね、考え方が確かに違うかもしれませんが、そうしたらですね、私どもはやはり公共施設のあり方を議論しているわけですので、それはやっぱり市民にも公開されるべきだと思っているんですが、それならですね、あの例えばこれまで公開されている範囲がありますね。「提案6者からあった」と、「こういう内容があった」ということで、例えば「不動産業の方が3者、コンサルタント業が1者、サービス業1者、建設業者、建設業が1者」ということなんですけども、それとあと「事務所や社会福祉施設、飲食、物販等についての提案があった」ということなんですけど、そしたら、どの業種の方がどの内容を提案をされたのか、ちょっと紐づけた形での資料は出していただくことできるでしょうか?

(→北條・真のワークライフバランス推進働き方改革担当部長)・・・提出いたします。

◆やまね/それはぜひお願いします。それから情報公開請求の明らかになった、まぁ多くが黒塗りにはなってるんですが、あのいただいた資料の中でもちょっとこれはどういうことかなと思ったのがいくつかありますので、もう少しだけお聞きします。

「事業効果」という、ま、項目がありまして、これは「男女共同参画事業の推進や地域の活性化との関連」の記載がですね、ない、提案が2者あると。それから、ですので、あの男女共同参画や地域活性化が考えられていないのではないかなと推測せざるをえないんですね。これ黒塗りになってますのでわからないんで。

それからですね、「(用途変更が必要な場合)変更内容」という項目があるんですけど、これを3者が提案をされています。ただこれも黒塗りになっているので、どういう内容がわからないんですけども、つまりこれは用途変更というのはですね、ウィングス京都が公共施設ではなくなるという提案がされてるということなんでしょうか。この点いかがでしょう。

(→北條・真のワークライフバランス推進働き方改革担当部長)ここもなかなかご説明が不十分でいうことで繰り返しご質疑いただいているのかと思うんですけれども、元々サウンディング調査の時にですね、事業者からアイデアをいただきたいと京都市が公共施設のウィングス京都をどうすればより魅力的な施設になるかというアイデアをいただいている段階のその内容の資料について、ここが欠けてるからどうであるとかっていった質問についてはお答えしかねます。

◆やまね/ちょっとねぇ、そういうあのそういうことじゃないんですよ。あの「(用途変更が必要な場合)変更内容」ということがね、項目があるわけですよね。で、その中身は、私はいいですそれは。どういうものが具体的に提案されてるのかっていうことはいいんですけども、つまり用途変更というのは公共施設ウィングス京都という今果たしてる公共的な役割、そういうものとは違った施設になるから用途変更っていうことになるんじゃないかなと思うんですが、具体的な内容は置いといて、そのウィングス京都が公共施設でなくなる、そういう提案が3者からあった。これは間違いないことなんでしょうか。

(→北條・真のワークライフバランス推進働き方改革担当部長)内容についてお答えしかねます。

◆やまね/ですからねぇ、そういうことになるからますますね、市民の皆さんからは疑問が湧いてくるわけですよ。ウィングス京都という先ほども部長自身が大変、あのご説明いただいたように、大変重要な役割を果たしている、これからも大事だといっている施設が、公共施設でもなくなる可能性があるんじゃないか、それについて答えられない、これね本当に重大な私はことだと思っております。

で、最後にもう一点聞きます。このつまり「事業効果」を書いていない事業者が2者あって、そして「用途変更」を提案している事業者が3者あるんですけども、この2者と3者は重なっておりません。つまり提案のあった6者のうちですね。5者が事業効果を考えていないか、用途変更を提案してるということになるわけですね。

京都市第5次男女共同参画計画の中では、「今後とも京都市の男女共同参画の拠点として、市民のニーズに対応した機能の充実に努めます」と、それから「男女共同参画を担う中核的施設として、NPO、大学、企業、市民団体、京都府等と連携しながら各種事業を実施します」というふうにあります。なのになぜ、そもそも男女共同参画審議会にもはからず、廃止検討も含め、廃止も含めた検討ということになるのか、民間活用のアイデア募集という話になるのか私はよくわかりませんし。それからですね、「市民のニーズに対応した機能の充実に努める」ということが書いてあって、そして企業だけではなくてですね、「NPO、大学、市民団体と連携」というふうにあるのにですね、なぜ民間の企業からしかこのサウンディング調査、声を聞かないのか。私はまずはあり方検討にあたっては、女性団体や利用者・市民の声を聞くべきじゃないかと思うんですが、この点いかがでしょうか。

(→北條・真のワークライフバランス推進働き方改革担当部長)これも何回も答弁をしているんですけれども、まずサウンディング調査っていうのは、民間事業者にどういったアイディアがあれば、あの活用できるかっていうところのアイデアをお願いしているんです。あの今あの私どもが男女共同参画事業をするには、プランにも書かせていただいてますけれども、市民の皆様と一緒に男女共同参画を推進すると、そこのために市民の皆様と常々あの協調して進めてきていましたし、これからももちろんそうするつもりですから、あのそこで市民の声をあの聞いていないとか、例えば男女審議会の方にも意見を聞いていないのかというご指摘もですね、私どもにしてみれば、それは全然当たらないというふうに考えておりまして、もちろん一緒に考えていきたいというふうに考えています。

◆やまね/あの「市民の皆さんと一緒に考えていきたい」ということですよね。それはすごく私はね、大事なことだと思うんですよ。この間それは否定されないのでね。で、ただ、ウィングスのあり方検討にかかわって、活用事例まで示してアイデア募集をしてるのは企業だけなんですよ。で、女性団体、利用者の皆さん、このウィングス京都の中に入っている若者サポートステーションや青少年活動センターの皆さん、男女共同参画審議会の皆さんにウィングスの魅力を高めるためにアイデアを出してくださいという意見募集、ヒアリング、意見聴取、こういうものはされてないと思うんですね。ですからやはり私は、あり方を検討するという時に、営利企業の声だけを聞いてあり方を考えるんじゃなくてですね、やはりまずは、市民の声、専門家の声を聞いて、それも含めて検討していただきたいと。このことを求めて終わります。

2023年3月15日【文化環境委】文化市民局/陳情審査「男女共同参画センターにおける女性支援体制等の充実・強化等」

(更新日:2023年03月15日)