京都市環境政策局が「全く懸念がないと思っているわけではない」と答弁!北陸新幹線延伸はキッパリ中止を(2023年3月2日/予算特別委・環境政策局・ひぐち英明議員の質疑文字起こし)

ひぐち議員/私からは、北陸新幹線が環境に与える影響について、お聞きをしたいと思います。2023年度に着工を目指していたというものでしたけれども、住民からの批判の声が大きく広がるなかで、この23年度の着工は今できなくなったという状況であります。現在の京都の地下を通るルートの場合、巨額の京都市負担が必要となって、まさに京都市財政を危機に陥れかねないものというふうに思っています。この税金の使い方という点だけで考えても、この無謀な計画は止めるべきと考えていますけれども、環境破壊という点でも深刻な影響があります。この点についてお聞きをします。

環境という点では、地下水に与える影響と、残土に含まれるヒ素や重金属の問題が、重大というふうに感じています。そこでまず地下水についてですけれども、地下水については、日本酒、京料理、豆腐、湯葉、生麩、和菓子、蕎麦などの食文化、社寺仏閣の庭園、災害時の協力井戸等、京都の食文化、伝統産業、市民の日常生活、災害時にも大きな役割を果たしています。地下水が京都にとって重要という点での本市の認識はいかがでしょうか。

(→小原・環境技術担当部長)はい、あの地下水の、重要性についての、本市の認識と、いうことでございます。えっと京都におきましても、先ほど先生おっしゃられましたように、地下水につきましては、生活用水であるとか、農業用水、また、水道資源、あの酒造業をはじめとする食品製造業、ホテル等、観光業界の産業によく利用されておりまして、その重要性については、本市としても当然認識しておるところでございます。そのような中で、これまでからもあの環境影響評価法に基づく、えっと、手続きにおきまして、あの機構に対しまして、地下水への影響の回避・低減を求める意見を提出しておるところでございます。以上でございます。

ひぐち議員/次に、地中に含まれているヒ素や重金属に対する認識ですけれども、北海道新幹線では、トンネル工事で重金属を含む大量の残土が出て大問題になっています。北陸新幹線でも同様の事態が起きる可能性が十分にあるというふうに感じています。この地中のヒ素や重金属については、どのような認識を持っているでしょうか。特に問題意識というのはないんでしょうか。

(→小原・環境技術担当部長)はい、あの、ヒ素等の環境汚染というか、そういうものについての認識ということでございます。まあ、あの今、先生おっしゃられましたように、まあ、北海道新幹線等でも問題があったというようなことであるんですけれども、まあ本市におきましても、環境影響評価制度の手続きの中で、方法書におきまして、において、「汚染土壌による環境の影響が極力生じないように、関係機関と調整しながら処理を講ずるよう検討する」との、事業者の見解が示されておりまして、適切に対応されるものと認識しております。また、本市におきましても、この方法書に対しまして、あの削減が、あ、掘削等が想定される深度の土壌中の重金属等を調査し、予測評価をおこなうこと、また、土壌環境基準に不適合の残土等が出た場合の保管及び処分の方法について、あらかじめ検討すること」等の市長意見を提出しておるところでございます。以上でございます。

ひぐち議員/まあ、あの、どういうふうに対応しようかという以前の問題として、まあ地下水に関しては重要だというふうに認識示されましたし、このヒ素や重金属も、まあ、適切に対応してほしい、極力影響がないように低減、あの影響の低減を図ってほしいという、ま、意見を言っているということが、そういうものは大変、ま、あの重大な、毒性を持っているという、そういう認識があるんだと思うんですね。そこでなんですけどもね、ええ、この問題、地下水にしてもヒ素にしても、検討しようと思ったら、まずは、鉄道運輸機構がおこなった、調査、もうすでに調査をおこなっているわけですから、その調査結果を取り寄せて、市民にも公表しながら、本市独自の分析をしっかりとおこなうべきと考えますけどもいかがでしょうか。

(→小原・環境技術担当部長)すみません、あの、環境影響評価の、ま、調査等の話だと思うんですけれども、あの、基本的に環境影響評価制度におきまして、あの調査につきましては、あくまでも事業者が、あの、責任を持ってやると、いうような形でありまして、本市におきましては、それに基づいて意見を述べていくと、いう立場でございます。まあそのような中で、あの、今現在、あの機構のほうで適切に進めているということですので、そのような、今後意見が出された段階で、適切に意見を述べて参りたいと思っております。

ひぐち議員/いや、あの、調査を事業者がおこなうというのはわかったんですけども、その結論だけを聞くんじゃなくて、調査の結果、そのデータそのものもね、きちんと提出をしてもらって、それを分析する必要があるというふうに思うんですけども、いかがですか。

(→小原・環境技術担当部長)はい、すみませんあの、現在ですね、分析するということが必要ではないかということなんですけれども、あくまでも事業者のほうが、自らの責任で、調査をおこなうものであるということで、現在進めておる、あの調査について、次の段階である「準備書」のほうで明らかになるということですので、そのところで、あのうちの見解というか、意見等を述べていきたいと考えております。

ひぐち議員/その準備書のところで、元データもすべて公開されるという、公表されるという話ですか。それも、あらかじめ求めなくても、そこで全部出てくるという話ですか。

(→小原・環境技術担当部長)はい、あの、調査の内容につきましては、その時点で、あの今現在ですね、方法書に基づきまして、あの機構のほうで調査をしております。で、調査、あの予測評価をした上で、あの結果が出たものが、あの、準備書のところで、出されるというようなところですので、その段階で、あの今回のあの、新幹線の影響調査等について、あの、明らかになるというふうに考えております。

ひぐち議員/聞いてることに答えてくださいよ。その結論をね、準備書で出てくるというのはわかりましたけれども、そうじゃなくて、その調査をした元データなどもすべて公開されるんですかと聞いてるんです。それをきちんと京都市として把握するべきじゃないですかと聞いてるんです。

(→小原・環境技術担当部長)はい、あの、あくまでも私らの立場と致しましては、あの出された意見につきまして、あ、出された報告書、あの、準備書等につきまして、意見を述べる立場でございますので、現在、あの機構のほうで進められている調査方法書で示された調査法、基本にですね、あの実際、機構において、適宜検証されつつ進められるものであると、いうふうに考えておりますので、あの結果については、準備書の段階で適切にあの報告頂けると思っております。

ひぐち議員/聞いてることに答えてないですよね。あの以前の委員会でこのように答弁されてます。「事業者にも異なる意見を持っている方のどちらにも偏ることなく、中立的な立場から審査し、科学的・客観的な意見を述べていく役割を本市が担っているということから、事業者に対して調査に関わる情報を求めることは、適切でないと認識している」、このように述べてるんですよ。私ね、あまりにもおかしいと思うんですよね。機構にも、それと異なる意見の方、どちらにも偏ることなく、科学的・客観的に判断をしようと思ったら、この機構の結論だけを聞いてね、判断するんじゃなくて、元データしっかりと分析する、このことが重要だと思うんですよ。そのためにも、元データの提供を求めることが必要なのに、それを「求めない」って言ってるんですよね。以前の答弁で。おかしくないですか。

(→小原・環境技術担当部長)・・・・・・、あの、環境影響評価制度におきましては、必要な調査・予測評価を、事業者自らがおこなわれ、おこなうこととされているのは、事業の内容や、と、特性を熟知している事業者が主体となることが、まあ調査方法等をより良いものとする上で適切であるという趣旨があります。そのような中で、あの、やっていただくということであります。以上でございます。

ひぐち議員/まああの、今のも答弁になってないですよね。私、次にね、じゃあ機構が、調査をした内容がね、情報求めないって言うんだったら、本市がそのじゃあ調査するべきじゃないかという話をしようと思ったら、その今答弁ですよね。ええ、専門的な知見持ってるって、知識を持っている、あるいは情報を持っている、そういう機構がね、調査をするべきなので、まあそれはそうなんかもしれない。でも、その情報を求めないって言うんだったら、本市がね、きちんと求める、あの調査するべきだと思うんですよ。で、それが本市の職員だけで無理なんだったら、専門家のね、力を借りたらいいだけなんですよ。それもしない、しようとしない。あの、事業者の、本市が、あの、この独自にじゃあ調査をしない、しようとしないっていう話がまあ以前もあったんですけれども、今言ったように、専門家の方の知見、力も借りながら、独自に調査をして、その情報を集めるということ、これ私はするべきと思いますけどいかがですか。

(→小原・環境技術担当部長)・・・・・・はい、あの、環境影響評価につきましては、あの環境影響評価に基づきまして、事業者が自らの責任でおこなうものでございまして、本市は、京都府知事からの意見照会に応じて意見を述べる立場でございます。で、なお、また、当該調査、あくまでも事業者が、くり返しになりますが、方法書で示された調査手法を基本に、知事意見や一般の意見を踏まえ実施されるものであり、どのようにその結果等々を取りまとめ、公表するかにつきましては、調査の実施主体である鉄道運輸機構においてしっかりと検証するべきものと考えております。従いまして、あの適切な手続きをしておこなわれる調査等に対しまして、その内容を把握し、管理する立場にはございません。今後、準備書が提出された際に、あの京都市環境影響評価審査会の意見を聞きながら、中立的な立場で科学的かつ客観的な観点から、市町村長の意見を決める京都府知事に対しまして、適切な意見を述べてまいりたいと考えております。以上でございます。

ひぐち議員/あの「本市が調査をしてその情報を管理する立場にない」みたいなこと今言われましたけど、そんなこと何も聞いてないんですよ。で、以前これもね、以前の委員会でのやり取りの中で、こういう答弁していますね。「より良い事業計画にするための事業者の主体性を損ねる恐れ」ですとか、「本来おこなうべきでない調査によって事業者に予断を与える可能性があるから、本市は独自の調査をおこなわないんだ」と言ったんですよ。でも私ね、あの本市がね、独自に調査をおこなったからといって、なんで事業者の主体性をね、損ねることになるとか、あるいは事業者に予断を与えることになるとか、こんな話になるのか、私ねまったく理解できませんよ。機構に元データを求めることもしないで、京都市自ら調査もしない。機構の出す結論だけを材料にして、どうして中立的・科学的、そして客観的な判断ができるというのか。私はこの話を聞いたらね、機構の言うままの結論を出すことにならざるを得ないと、いうふうに感じますよ。

さらに、北海道新幹線のね、ヒ素の問題で言えば、機構は大量のヒ素が出ていることを、地元に2年間も隠してたんですよ。こうした事実を考えれば、いよいよね、機構の出す結論だけを材料にしたんでは、京都市がまともな判断ができない。こういうふうに、考えざるをえないんですけどいかがですか。

(→小原・環境技術担当部長)はい、あの、様々な環境影響があるという点を、あのおっしゃられてるのかなと思うんですけれども、本市ではこれまでからも、鉄道運輸機構に対しまして、地元に対しても丁寧な説明をおこなって慎重に進めるように、求めております。また、地下水、残土等についても、これまでから先ほどから申し上げますように、環境影響評価の手続きにおきまして、自然環境や生活環境への影響を可能な限り回避・低減するように意見を述べておるところでございます。そ、そういう中で事業者において適切に対応する、されるものと考えております。以上でございます。

ひぐち議員/あの、今、北海道の話でちょっと少しあの例に出しましたけれども、2年間もね、ヒ素が出ていることをね、地元に隠していたわけですよ。それで事業者をね、信頼してね、「丁寧に説明をするようにお願いしてます」なんて話いくらしたところでね、これやっぱりね、不安は残るわけですね。今、そのいろいろな環境への影響、回避・低減求めているという話でありましたけれども、これは、つまるところ「できれば回避して欲しい」と。「でも、影響が出ても仕方がない」と、いうふうな立場なんでしょうか。私は、問題だらけの北陸新幹線延伸工事は中止すべきと考えていますけれども、少なくとも「影響が出るならば工事許さないんだ」、これぐらいの方針はね、本市として持つべきと考えますけどいかがでしょうか。

(→小原・環境技術担当部長)はい、あの本市と致しましても、環境影響につきまして、全く懸念がないと思っておるわけではございません。そのような中で、あの、か、環境影響評価に基づきまして、あの、出された方法書等の、手続きの中で市長意見として、様々な先ほど申し上げましたように、環境への影響を可能な限り低減・回避するように意見を述べているところでございます。

2023年3月2日【予算特別委】環境政策局/北陸新幹線延伸が環境に与える影響について

(更新日:2023年03月02日)