◆やまね/どうもよろしくお願いいたします。私からはごみ袋代と有料化財源についてお聞きしたいと思います。家庭ごみの有料指定袋が導入されて以降ですね、2006年度以降、これまでのですね、まず一つ目に、「売上(手数料収入)の総額」とですね、それから二つ目に、「売上から製造経費等を差し引いた黒字分の総額」、それから三つ目に、「有料化財源活用事業として使われた総額」が、それぞれいくらになるか、お答えいただけますか。
(→横山・環境企画部長)有料指定袋制度につきましては平成18年度から開始されまして、令和3年度までの決算の間にですね、手数料収入は291億円、そして有料化財源として、入っているのが183億円、そして事業への活用したものが176億円というふうになっております。以上でございます。
◆やまね/はい、売上額の累計という意味では、16年間で291億と、いうことであります。コロナ以前からですね、景気の低迷とか、消費税の増税とか、年金削減とかですね、市民生活は大変困窮されている。そういうなかで市民のみなさんが291億円の負担をされてきた。私は大変重い負担だというふうに思います。そこに今、コロナ禍で生活困窮がのしかかってきているということですので、今日も少し議論がありましたけれども、コロナ禍で事業系のごみが少し減少している傾向にある一方で、家庭ごみは必ずしもそうなっていない。私たちも聞いているお声の中でですね、「家で過ごすことが増え、ごみ袋代の負担が増した」という声もあるわけなんですが。ごみ袋代の収支で言えば、決算年度ではですね、約12億円の黒字になってるわけですが、毎年だいたい11億円~15億円(正しくは10~13億円前後)の黒字になっています。黒字の総額としては先ほど「183億」って数字が出ましたけれども、私は今こそ、ごみ袋代の値下げを行うことが、京都市が真っ先にできる市民生活への支援ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
(→中野・循環型社会推進部長)はい、有料指定袋の値下げについてのご質問でございます。有料指定袋につきましては、市民の皆様に、ごみの排出にある程度の負担感を持っていただくことによりまして、ごみへの関心を高めて、ごみ減量・リサイクルをより一層促進すること、それから、ごみの排出量に応じて手数料負担をしていただくことによりまして、費用負担の公平化をはかること、こういったことを目的に導入しておるものでございます。
現状、市民の皆様のご理解とご協力によりまして、令和3年度は家庭からのごみ量は、導入前の約7割まで減量してきておりまして、他の政令指定都市平均の7割ということで、全国の大都市の中でも最も少ない状況になってございます。こうした中、ごみ処理には未だ234億円もの経費を要している状況である、それから、本市唯一の最終処分場である東部山間埋立処分地、これを少しでも長く使用して、次世代につないでいく必要がある、こういったことから、更なるごみ減量は進める必要があると考えてございます。
こうした状況の中、ごみ減量に非常に大きな効果をあげております有料指定袋の価格値下げというのは、適切ではないと、このように考えてございます。以上でございます。
◆やまね/まあ「負担の公平化」だとか「ごみ減量に大きな効果を発揮している」ということで、まあこれはいつもおっしゃるわけですけれども、しかしやっぱりね、黒字分だけで183億円ですよ。「いくらなんでも取りすぎじゃないか」っていう声があります。それで、これは過去に当局からですね、資料も出していただいたんですが、ごみ袋代を実際に値下げした自治体についてもですね、これ過去に我が党の河合ようこ議員が取り上げたこともあるんですけれども、値下げ後もごみ量が減ってる自治体はいくつもあるということでですね、「値下げすればごみ量が増える」っていう議論はですね、京都市が市民のみなさんを本当に信頼しているんだろうかと思わざるをえない議論だと私は思います。
次にですね、これ環境政策局が毎年作成されているリーフレットですけれども、この10月にも発行されておりまして、この1面でですね、こういうふうに説明されている箇所があります。「皆様にご負担いただいた、有料指定袋の販売収入額(年間約18億円)は、全額をごみ処理コスト(年間234億円)に充当し、その結果節減することができた一般財源の相当額を『有料化財源』と位置付け、『ごみの減量・リサイクルの推進』『まちの美化の推進』『地球温暖化対策』に資する事業の財源として活用しています」と、まあこういうふうにあるわけですよね。で、まああの、ちょっとこう、1面に長い文章で、少し分かりにくい表現というか、「ごみ袋代をこういう事業に使ってます」っていうことをでうね、だけをストレートに書いてあるわけではない。なぜかお金の流れを説明しているわけですね。
で、ちょっと改めて確認したいんですけれども、「京都市廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例」の第53条に、「地方自治法第227条の規定により、一般廃棄物の収集、運搬及び処分について(中略)手数料を徴収する」というふうにあります。で、これがつまり、家庭ごみ有料指定袋のお金を取る根拠とされているところだと思うんですが、つまりですね、仮に、このリーフレットに書いてあるようにですね、ごみ袋代の収入を、その全額をごみ処理コストに充当することをせずに、そのまま直接他局の事業やごみ処理と直接関係のない事業に充てた場合、これは条例違反というか、違法というか、そういうことになるという理解でよろしかったでしょうか。
(→横山・環境企画部長)はい、有料指定袋制によるごみ処理手数料収入、まあ、つまり売上でございますけれども、これは法令上は手数料でございます。従いましてその全額をごみ処理経費の財源に充当しなければならないということで、全額、歳出上、その、えー、ごみ処理費に充当しております。従いまして、その、えー、地方自治法上の227条、先ほど先生がご指摘されましたけれども、この規定の趣旨に則った手続きをしておりますので、もしもこの手数料を、直に他局の事業に充てるというようなことをすれば、違法であるというふうに認識しております。以上でございます。
◆やまね/あのま、その通りだと思うんですね。まあだからそういうことを書かなければ違法になってしまうようなことをやっていると私は思うんです。で、このリーフの中面ではですね、「ごみの処理にはこれだけのコストがかかっているんだよ」ということで、説明もあってですね、「燃やす用ごみ袋45Lで見ると、1袋(45円)を処理するために、262円の処理コストがかかっています」ということで、ごみ処理経費全体では、先ほどもありました「234億円」これは令和2年度の数字ということですが、あるということですね。つまり、ごみ処理経費全体で見れば、このごみ袋代の収入というのは、黒字分も含めて、全体の一部であると。あくまでも。で、ごみ処理経費の全てを賄うものではないということだと思うんです。だとすればですね、環境政策局の、今もお答えいただきました説明通り、ごみ袋代の収入を全てごみ処理経費に充当すれば、本来「有料化財源」などというものは生まれる余地がないと私は思うんですが、いかがでしょうか。
(→横山・環境企画部長)はい、あの、えー、有料化財源につきましては、先ほども先生からも指摘、ご説明ありましたけれども、有料指定袋制によりまして、えー、制度を始めましてですね、そして、そこで得た手数料を、手数料からですね、従来は一般財源で実施していたごみ処理に充てることで、「節減されたのと同額の一般財源」を有料化財源と位置付けているところでございます。えーそれを、まあ、えー京都市民環境ファンドに積み立てて、わ、わ、私どもは、活用をさしていただいていると、いうようなものでございます。以上でございます。
◆やまね/あの、ですから、この「節約できた一般財源を位置付けている」っていうのはですね、やはり私は会計上の言い訳に過ぎないというふうに思います。あらためて申し上げますが、そもそも地方自治法に基づく市の条例で、京都市は「ごみの収集・運搬・処理にかかる手数料」としてごみ袋代を徴収している。だからそのお金は全てごみ処理にあてなければいけない。そして、ごみ処理全体ではごみ袋代の販売収入以上の経費がかかっているわけですから、したがって、この中にはですね、他の事業に使える余剰分など生まれるはずがないと、私は思うんですよ。
で、今言われた「一般財源を節約できた」というお話をされるんですけれども、ほぼ同額を、一般財源から使ってるわけでしょ。ですからそれ、「節約」って言うんでしょうか。それは。ごみ処理とは直接関係のない事業や他局の事業に、事実上ですね、流用しているだけじゃないかと。「黒字が生まれている分だけこれ何とか使わないといけないから」というふうにしか、見えないわけですね。私は「有料化財源」というのは、その存在そのものがおかしいということを指摘しておきたいと思います。
もう一つ最後にお聞きしたいのがですね、いま清掃工場の現場から、「日々の補修・維持管理にかかるお金に、毎月の上限額が設定されていて、それを超えたらカットされてしまう」と。お金を出してもらえない。「だから本来なら直すべきもの、更新すべきものを、付け焼き刃で何とかもたしている」という声が、私どものところに寄せられております。そこでお聞きしたいんですけれども、この清掃工場の維持・管理にかかる費用について、工場ごとにですね、毎月の上限額などを設定しているということなのかですね。コスト削減のために、例えば、本当は必要だけれども更新時期を遅らせたりしている、そういう実態があるのかどうか、ちょっとこの辺り教えていただきたいんですが、いかがでしょうか。
(→田中・適正処理施設部担当部長)クリーンセンターの整備に係る経費でございますが、クリーンセンター、リサイクルセンター、その他、えー、全ての施設において、えー、一つの予算を組んでございまして、それをその中で、年度に応じて、必要な整備に充当していると、いうことでございます。あの、個々に、制限がかかっているようなものではございません。
◆やまね/ということは、必要な補修は必ずされている、月ごとに上限額が設定するような事実はないということでしょうか。
(→田中・適正処理施設部担当部長)え、あのー、月ごとに、上限が設定されているわけではございませんが、当然予算ですので、年度での上限がございますので、その中で優先順位を付けて、必要な整備に充てていると。えー、ま、当然あの、予算どれだけ要りますかっていうと、それ以上の要求額があがってくるんですが、そこは優先順位を見極めて、必要なところに充当していると、いうところでございます。
◆やまね/あの、ですから今日少し議論させていただきました、「ごみの収集・運搬・処理の手数料」として徴収してですね、ごみ処理とは直接関係のない事業にも使いながら、場合によっては他局の事業にも使いながらですね、その一方で、先ほど加藤議員(共産)が取り上げましたけれども、ごみ収集の現場でワーキングプアの実態があったりだとか、あるいは清掃工場の現場でですね、必要な修理がもしなされていないということがあるのであれば、それは、そんな本末転倒な話はないと思うんですね。
私は、公衆衛生として。ごみ処理の仕事っていうのは、本当に大事な、公的責任の仕事だと思いますので、本来ごみ処理に関わる費用というのは、私は全額税金でまかなうべきだと。有料指定袋はですね、「税金の二重取りだ」という声もあるわけですけれども。それをね、市民のみなさんが、経済的に大変な中で総額これまで291億円以上負担されてきたってことですので。黒字分だけで180億円超えるわけですから、しかもそれを、同規模の額を一般財源から支出してしまっているということですので、私は、今こそこの有料化財源活用事業というのはやめてですね、ごみ袋代の値下げをすべきだということを改めて申し上げておきたいと思います。終わります。
2022年10月13日【決算特別委】環境政策局/ごみ袋代と有料化財源について
(更新日:2022年10月13日)