二条城東側の景観のために北側の景観をこわす!?(2015年7月21日/くらし環境委・文化市民局・井坂博文議員)

二条城の北西角に大型バス駐車場をつくる計画が。「東側の景観が阻害されている」との理由で北側の景観を壊すめちゃくちゃな理屈です。地域の方から計画の撤回・見直しを求める陳情が出され、くらし環境委員会で審査がおこなわれました。「観光」のためには地域が壊れることを何とも思わない、京都市政の問題点がここにもあらわれています。委員会では自民党と共産党がほぼ同じスタンスで京都市を追及するという展開に。井坂議員の質問文字起こしです。

◆井坂議員/いまも橋村委員(自民党)からもありましたけれども、基本的な考え方のコンセプトはほとんど一緒です。私もそういう思いで角度を変えてちょっとお聞きしたいんですけど、そもそも二条城が世界遺産に登録されていますけど、この世界遺産に登録されている範囲は、どこまでが世界遺産なんですか。まずそれを説明してください。

(→土橋文化財担当部長)二条城で世界遺産として登録されておりますのは、えーいわゆる、えー二条城の敷地、史跡で指定されている範囲、でございます。ま、もちろん、その周辺にバッファゾーンというものもございますけれども、えー文化財としては、二条城の史跡になります。

◆井坂議員/いただいたこの資料で言うと、二条城の史跡の敷地っていうのは、「二条城」と書いた青いところなのか、それとも、その周りの堀川・竹屋町・美福通・押小路、この四つに囲まれた全部を世界遺産として指定されているのか、どうですか。

(→土橋文化財担当部長)えー史跡として指定されておりますのは、さきほど先生おっしゃられました道路も含んでになります。たとえばその堀川通ですと、ええ、いま堀川の水辺環境整備でできてる川ありますけども、そこの石垣までが史跡になります。

◆井坂議員/だったとしたら、この二条城の敷地全部が世界遺産としたら、みなさんの思いで言っているこの東側ですよね、正面入口のところをきれいにして整備すると、いうんであれば、なんでそのツケが西北角の、第二駐車場のところにいくのかってのがね、私は甚だ疑問なんですよ。で、昨日も現場行ってみました。地元の陳情出された方のお話を直接聞いてきました。この文章(陳情書)に書いてある通りなんですよ。だからおよそね、普通に考えたらここに第二駐車場ね、150mの範囲でバス20台、どんな置き方をするにしても、そこに20台置くってことは、環境面から見ても、景観からしても、そこに住んでいる人たちの生活を考えても、ちょっと無理なんちゃうかなというふうに思ったのが実際です。

ご存知だと思いますけど、予定しているこの150mの地域、この竹屋町通を挟んでその北側には二条城公園があるんですよね。あの公園も京都市が肝いりで整備をして、で、家族連れ、お年寄、憩いの場として活用してるわけですよ。とっても環境いいんですよね。そしてその東側、そして縦の通を挟んだ西側、住宅地なんですよ。で、なおかつ、これから150mの範囲を駐車場にしようとしている地域っていうのは、松の木はあるし低木はあるし緑いっぱいなんですよ。いいですか。いま京都市は建設局で緑地の度合いを広げる運動ってのをやってるわけでしょ。やってる時になんでわざわざこの緑地を撤退して、そこをコンクリートにして駐車場にするのか。環境の面でも景観の面でも生活の面でも、まったく理解できないんですけど、なんでここに駐車場が必要なんですか。もっと説得できるだけの話をしてください。

(→土橋文化財担当部長)えー東側空間整備におきまして東側の整備をするんですけれども、ここは東大手門の、えー景観を阻害してると、ゆうことでその前にあるバスの駐車場を、そこでは確保できないということで、二条城の敷地内で考えないといけないのかなというふうに思っております。で、そういうなかでですね、えー、まあ、その周辺の、敷地等を検討した結果、いま計画してるところ、おお、でしかですね、その、バスを置ける場所がないと、いうことで現在の計画になってるものでございます。え、で、これがですね、たとえばその、いまのまま、バス10台だけの駐車場になってしまいますと、路上駐車、とかですね、あるいはグルグル、周辺を回られるバスが増える可能性があると、いうこともありますし、そういう意味で言いますと、やはり環境にも良くないと、いうことで、ええ、ま、必要最小限の、おお、運営、運用をしてきたいとは考えておりますけれども、どこかで確保しないといけないと、いうことで、物理的に、えー、まあ、駐車場の場所として、確保できるところが、現在の計画地でございます。

◆井坂議員/言えば言うほどわからないんですよ。東側にいまバス20台30台とまっていたら、それは大手門含めて景観阻害になる、だからそれを北にもっていく。北ならもっていっていいんですか。東を守るために、なんで北へもっていかなあかんのか。住んでるのは同じ上京区民、住民なんですよ。だからこれがね理解できないんですよ一つは。

で、なおかつ、さっきもおっしゃったけど、繁忙期以外は、いまの東側のところでクリアすると。で、繁忙期には増えるので、その分を北にもっていくと。そういう努力をするってわけでしょ。で、なおかつこの資料見たら、バス繁忙期には普通駐車場の東側をバス用通路として使用すると書いてあるじゃないですか。だったら、その範囲の中でやったらいいんでしょ。その範囲を超えて、観光バスを呼びこもうとするから、新たな第2駐車場が必要になるんでしょ。なんでいまの範囲の中でしないのか。私指摘したいのは、橋村さん(自民党)もさっき言ったけど、「歩いて楽しいまち」とか、「公共交通を利用しましょう」と、言ってるわけでしょ。二条城の駅が間近にあるじゃないですか。それを使って観光客に来てもらったらいいわけでしょ。そしたら地下鉄の売り上げも増えるわけじゃないですか。何も観光バスだけと違うと。で、そのキャパをなんで考えないのかと。だから、観光客を誘致をし、観光収入を増やすためやったら、地域がどうなってもいいのかと。四条通と同じじゃないですか。私も橋村さん(自民党)の意見その通りですよ。そうやっているから、いったいいまの京都市政どうなっているんやということで怒っているわけでしょ。だからね、発想の元々が違ってるんちゃうかと思うんですけど、さっきのキャパの問題、駐車場の必要性の問題、あらためてどうですか。

(→土橋文化財担当部長)ええ、先生ご指摘の公共交通機関での来場者、これも当然、どんどん推奨していくわけですけれども、えー今現在ですね、その東側大手門の前のところで、その、ま、景観の問題もあるんですが、やはりその観光客の方が、えーいわゆるその、集まれる場所といいますか、えー固まってあの、くつろいだりですね、待ち合わせをする場所っていうのもちょっと狭い、といった課題もありましてですね、そういうふうに考えますとやはりそういう待ち合わせスペース、広場的なところもですね、大きくしていかなければいけない、ということで、どうしてもその、ま、これまでの駐車場であった部分が、狭くなってしまうということですので、えーこれから運用のことではですね、ええあの、当然いま、あの繁忙期が増えるということなんで、ちょっとどういった形で、えー、ま、運営していけるかどうかというのはちょっと引き続き、検討はしていきたいとは思いますけれども、えーいまのその東側の計画では、その東側空間だけでの駐車場というのはちょっと足りないかなというふうに思っております。

◆井坂議員/足りないっていう根拠は何なのかと言ってるんですよ。観光客を増やさなあかん、それはわかると。だけども、全体としてこれだけのバスしか利用できないっていうことを前提にして入るんじゃなくて、あくまでも10台20台30台必要だから、新たな20台分が北西角のところに作らなあかんと、なんでそういう発想になるのか。そこなんですよ。そこのところにもう1回立ち直らないとあかんのちゃうかと思うんですけど。

で、もうちょっと言いますと、150mのちょうど範囲ですよ。西の端っこから真ん中まで。で、あの木立を全部撤去するわけでしょ。堀がありますやん。堀があるけど、6月26日の説明の時はね、堀から3mセットバックして竹屋町までの間に駐車ゾーンをつくってそこに斜めに入れるっていうふうに説明してるんですよ。で、そういうふうにした場合に、24時間営業でしょ。これ東側もそうです。なんで24時間営業かって言ったら、その二条城に来る人だけの観光バスの駐車場なんですか。旅館に、ホテルに、お客さんをおろした後、バス置き場がないんですよいま。京都は。その置き場としても使うんでしょ。24時間営業ですよ。夏やったら、お客さんが乗る時にはね、気持ちようクーラー入れとかなあかん、冬やったら気持ちよくしようと思ったら暖房入れとかなあかん。アイドリングがいるんですよ。違法駐車をしてるところのアイドリングで怒っている人は、駐車場になったとしてもそこでアイドリングをされたらかなわんというふうに思うわけですよ。一緒なんですよ。そういうものも含めてね、管理できるんですか。だからこの計画っていうのはね、あまりにも、閑静な住宅街が、いろんな意味で変わるわけですよ。子どもの安全、お年寄の安全、ランナーの安全、含めて。で、そういうことも含めてみなさんは考えた上でこの20台分の駐車場っていうのをね起案したんですか。どうなんですか。

(→土橋文化財担当部長)ええっと、繁忙期にはですね、1日160台の観光バスが、現状で来ることになっております。で、ええあの観光バスっていうのは、えーなんていいますか修学旅行生であったりとか、ええ外国人の団体客であったりとか、えーそういったお客様が、えー利用される交通機関だというふうに思います。えーですからその、修学旅行の団体の人を全てその地下鉄で行ってくださいと言うことも、正直難しいところもあるかなと思うんですけれども、ま、そういった意味で、現在1日160台であったりとか、最大30台が必要であったりっていうところで、ええ、考えているところでございます。ええ、先ほど先生おっしゃられたその運用方法につきましてはですね、これから、ええ、ま、どういった形ができるか、あの東側空間も含めてですね、極力、その第2駐車場のところを、おお、利用しないですむような方法ができないかということも含めてですね、これから考えていきたいというふうに考えております。

◆井坂議員/どう考えてもね、東側っていうのは、あの幅広いね、堀川通があるんですよ。で、堀川の川があるんですよ。そして住宅やマンションなんですよね。だから、堀川通と堀川が緩衝地帯になってます。だけども、竹屋町っていうのはね、二車線の道路を隔てて公園と住宅地があるんですよ。緩衝地帯がないんですよ。そこに20台の大型バスが来るっていうことについては、住民はね、非常に懸念をしてます。そこのところをちゃんとわかってもらわなあかん。そこで、さっきも出たけど、住民説明会、6月26日っていうのは、住民の有志の人が行ってやりとりして答えただけでしょ。京都市と二条城の側が、きちんと出水学区と待賢学区のみなさんに、説明会っていうのはね、まだやってないでしょ。いつやるんですか。

(→土橋文化財担当部長)えー現在ですね、出水学区と待賢学区の会長と話をさせていただいておりまして、え、あの、お二人ともですね、住民説明会やらなあかんなというふうにはなっております。えーあとはその日程調整を、おお、していくところなんですけれども、極力早く、やりたいというふうに思っております。

◆井坂議員/極力早くとおっしゃったけど、ボタンの掛け違いで、たいがいねこういう問題っていうのはね、最後までしこるんですよ。きちんと最初からやっていただかないとあかん。もうすでにボタンの掛け違いの序章が始まっています。私はそういうふうに思いましてね、みなさんの意見を聞いて。市に対する、行政に対するね、不信感ていうのが言葉の端々にもう出始めています。で、そういうことに対してしっかりと真摯に受け止めてやっていただきたいと。したがって、今からでも十分な計画を、私も間に合うと思います。何回も聞いていると思うけど、新しいね国立競技場かて見直したわけですよ。あれはお金が端を発したけど。だけど、デザイン含めて見直そうというふうになったわけですよ。だから一端走り出した公共事業はなかなか止まらないっていうけど、一端立ち止まって、もう一回見直して、いま本当に何が必要なのか、何が求められているのか、それをしっかり考えてやっていただきたい。あくまでも、地域・地元の方は、この計画は、一端撤回をして見直してほしいと、こういうふうにおっしゃってますので、その声をしっかり受け止めていただきたいと、求めて終わります。

2015年7月21日【くらし環境委員会】文化市民局:陳情審査「元離宮二条城東側空間整備基本計画における第二駐車場整備の見直し」について

(更新日:2015年07月23日)